4月19日(金)東京・後楽園ホールで「K-1 KRUSH FIGHT.100」が開催される。
100回を区切りに、名称が『K-1 KRUSH FIGHT』に変更される節目の今大会。「K-1 KRUSH FIGHTバンタム級タイトルマッチ」では、王者・晃貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と挑戦者・隼也ウィラサクレック(WSRフェアテックス三ノ輪)が激突する。
晃貴は、現K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者・武尊と同じ鳥取県出身。2019年1月の王座決定戦で萩原秀斗を延長戦の末に下し、第4代K-1 KRUSH FIGHTバンタム級王座に就いた。今回が初防衛戦となる。
対する隼也は、WPMF日本フライ&バンタム級2階級制覇王者。2018年4月の「Krush.87」では晃貴から判定勝利を収めており、今回の再戦では挑戦者として、王者・晃貴が持つベルト奪取を狙う。
インタビューで王者・晃貴は「“本当のチャンピオン”を決める戦いという気持ち」と語り、挑戦者・隼也ウィラサクレックは「『自分が“本当のチャンピオン”なんだ』ということを見ている人たちに分からせたい」と語るなど、ともに今回の戦いを経て真の王者となることを誓う。
武尊ばりの前傾姿勢の晃貴、KRUSHで異彩を放つムエタイスタイルの隼也ウィラサクレック。真の栄冠をつかむのはどちらだ!?
晃貴「隼也選手にリベンジしないと胸を張ってバンタム級チャンピオンは名乗れない」
──1月にKRUSH王者になって周りや地元の皆さんの反響はいかがでしたか?
「2月17日に地元に帰って、チャンピオン報告会を開いてもらったんですけど、地元の人たちが100名以上来てくれました。それだけじゃなくて米子市長や県議会議員の方、地元のテレビ局の人にも来ていただいて、チャンピオンになった実感が沸きましたね」
──地元の先輩・武尊選手がベルトを獲った時もそういった会があったのですか?
「はい。当時、高校生だったんですけど、僕も会に参加させてもらって。今回は自分がチャンピオンとして会を開いてもらう側になって、本当に不思議な感じでしたね。地元のジムの小さい子たちも来てくれて、僕が武尊くんに憧れたように、地元の子供たちに自分みたいになってもらえたらなと思いました」
──少しずつチャンピオンとして自覚が出てきているところだと思いますが、前回の試合を振り返って、どんな試合だったと感じていますか?
「映像を見直して、後半ちょっと大振りになっちゃってましたよね。もう少し冷静に戦えたら、もっと楽に勝てたかなと思いました。自分は冷静さを保たないと、大振りになっちゃうところがあるので、次の試合は冷静さを保って大振りにならないように、しっかり仕留めることを意識して練習してます」
──初防衛戦の相手は隼也ウィラサクレック選手に決まりました。過去に一度対戦して敗れている相手ですが、最初にオファーを受けた時の心境はいかがでしたか?
「いつか隼也選手とはやると思っていたんで『来たかっ!』って感じですね」
──直接対決でも負けていますし、前王者の金子晃大選手にベルトに挑戦したのも隼也選手です。バンタム級のチャンピオンを名乗る以上、隼也選手には勝たなければいけないという気持ちもありましたか?
「そうですね。自分にとっては一度負けているというのが大きくて、隼也選手に勝たないと胸を張ってバンタム級チャンピオンは名乗れないなと思います」
──前回の隼也戦を振り返って、あと一歩届かなかったところはどういったところだと思いますか?
「やっぱり冷静さですね。あの時も大振りになっちゃってたんで。焦って大振りになると攻撃も当たらないですし、大振りのパンチは一発当たっただけじゃ倒れない。繰り返しになりますが冷静さが足りなかった感じですね」
──そういった反省点を踏まえて、今回はどういった試合を見せたいですか?
「今回は冷静に落ち着いて、チャンピオンらしく堂々とリングに立って戦いたいと思ってます」
──防衛戦という部分での心境はいかがですか?
「あんまりそこは考えてないですね。ベルトを守るというよりもリベンジするという気持ちで戦おうと思ってます」
──ではチャレンジャーとしてもう1回ベルトを獲りに行くといった気持ちですか?
「そうですね。僕も挑戦者として“本当のチャンピオン”を決める戦いという気持ちで臨みたいです」
──初防衛戦でベルトを守れるかどうかで、今後の試合やチャンスが変わってくると思います。改めてチャンピオンとして目標も聞かせてもらえますか?
「KRUSHのベルトは本当に誰にも渡したくないですし、これからずっと守っていこうと思ってるベルトです。しっかりこのベルトを維持し続けて、いずれはK-1に出て活躍していきたいです」
隼也ウィラサクレック「圧勝して勝つのが一番。その中でも倒して勝って『自分が本当のチャンピオンなんだ!』ということを分からせたい」
──昨年10月のタイトルマッチでは金子晃大選手にKO負けという結果でした。あの試合を終えて、どういったところを改善しないといけないと感じましたか?
「パンチと距離感ですね。KRUSHでは蹴りだけじゃ勝てないと思ってパンチも練習しているんですけど、それが出せなかったです。今はウィラサクレックジムだけじゃなく、ボクシングジムにも通わせてもらって、パンチの技術も学ばせてもらってます」
──KRUSH仕様にファイトスタイルを変えているところですか?
「そうですね。まだ未完成なんですけど、完成したら大分良い感じになるなと思ってます」
──例えば、ゲーオやゴンナパーのようにムエタイ出身でもK-1ルールで勝てる選手たちはがいます。2人を参考・真似する部分はありますか?
「ゲーオとゴンナパーはすでに完成されている選手なんで、未完成の自分とはちょっと違うかな、と。でも逆に未完成だからこそ、ゲーオやゴンナパーとは違うスタイルでやれるんじゃないかなと思ってます。ムエタイ出身でもタイ人と日本人は違うと思うし、自分は日本人のやり方・戦い方で勝っていきたいです」
──隼也選手の中でKRUSHにおける理想の戦い方やファイトスタイルはイメージできていますか?
「そうですね。実際に対戦してみて金子選手の戦い方はすごく参考になったというか。金子選手は近い距離でもちゃんとヒザ蹴りを出していて、あの距離でヒザ蹴りが出てきたのには、ちょっとビックリしたんです。そういうところは真似したいなって思ってます」
──そして今回は挑戦者として王者・晃貴選手とタイトルマッチが決まりました。最初にオファーを受けた時の心境はいかがでしたか?
「もともと1月に次期挑戦者決定戦(晃貴vs萩原秀斗)が組まれていて、金子選手のベルト返上で王座決定戦に変わりましたけど、金子選手とタイトルマッチをやった身としては、正直『そりゃねえだろ』と思いました(苦笑)。そういう複雑な気持ちもあったんですけど、途中からは王座決定戦で勝った方と早くやりたいと思って練習を続けて、こうして4月にタイトルマッチが決まったので、ここはしっかり獲らなきゃいけないなって思います」
──対戦相手の晃貴選手とは過去に一度対戦経験があり、その時は隼也選手が勝利しています。改めて晃貴選手にはどんな印象を持っていますか?
「パワーというか前に出る圧力が強くて、ローキックも重かったですね。今回も僕が嫌がるようなことをしてくると思うので、そうさせないように戦います。1月の王座決定戦を見ていても『この攻撃は入るな』と思うところがあったので、そこは狙っていきたいです」
──今回が2度目の挑戦になりますが、KRUSHのベルトに対してはどんな思いがありますか?
「1回(KRUSHの)ベルトを逃しちゃっていて、会長にも『次もベルトを獲れなかったら引退しろ』と言われているので(苦笑)、死ぬ気でベルトを獲りに行きます」
──会見の隼也選手のコメントにもあった通り「この試合で勝った方が本当のチャンピオンだ」と思っているファンの人たちもたくさんいると思います。どんな試合をしてチャンピオンになりたいと思っていますか?
「やっぱり圧勝で勝つのが一番だと思います。圧勝する中でも倒して勝って『自分が本当のチャンピオンなんだ!』ということを見ている人たちに分からせたいですね」