2020年12月13日(日)東京新木場・スタジオコーストにて「Owltech presents PANCRASE 320」が開催。大会の模様は「TiGET」にて大会終了までの全試合がライブ配信された。
▼メインイベント 第11試合 ウェルター級 5分3R○村山暁洋(GUTSMAN)3位/第9代同級王者[判定3-0] ※29-28×3×菊入正行(NEVER QUIT)4位
元KOPの村山は、2018年5月に奈良貴明に一本勝ちしたが、強豪・手塚裕之、J.J.アンブローズには判定負け。2020年2月の近藤有己戦の判定勝利で白星を掴んだ。
対する菊入は、2019年4月に粕谷優介にTKO負けを喫したものの、7月に岸本泰昭に判定ドロー後、2020年は7月に中村勇太を2R TKO、9月に高木健太も判定で下すなど、確実にランキングの階段を昇っている。2020年最終戦でいよいよ元王者との対戦となった。受ける40代・村山は菊入をいなすか? それとも菊入がこの勢いのまま駆け上がるか。part.1
1R、ともにオーソドックス構え。ジャブ&ローで前足を左右から突く菊入に、村山は左で差して組み、突き放されてもシングルレッグから大内刈でテイクダウン。パウンド。村山のラウンドに。
2R、菊入の右のタイミングで組む村山。引手をつかんで投げを狙い、シングルレッグに切り替えるも菊入も切る。なおも組んで大外刈を狙う村山。菊入は切って右を狙う。3者菊入を支持。
3R、右ローを当てる菊入。片足を上げて大外を狙う村山はダブルレッグテイクダウンを決め、両足を束ねに行くが、立つ菊入。大外刈テイクダウンは村山! すぐにマウントからバックへ。リアネイキドチョークを狙う。脇差し立ち上がる菊入は左右で前に。しかし、村山も投げを狙いながら組んでヒザ、右を振る。
判定は29-28×3で終盤を譲らなかった村山が勝利。「厳しい状況のなか、応援、ありがとうございました。若手の菊入選手、すごく強かったですけど、これからも若手の壁としてどんどんやっていきますので、応援よろしくお願いします」と語った。
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▼セミファイナル 第10試合 ライト級 5分3R×冨樫健一郎(パラエストラ広島)1位[判定1-2] ※29-28、27-30、28-29○金田一孝介(K-PLACE)
修斗からPANCRASEに主戦場を移した両者。ライト級王者・久米鷹介、暫定王者・雑賀ヤン坊達也につける1位の冨樫健一郎は、2017年11月のアジズ・パフルディノフ戦、トム・サントス戦、上迫博仁戦で3連敗も2019年4月にアキラに判定勝利。9月に林源平との接戦をスプリット判定で落としている。
対する“無冠の実力者”金田一は2年ぶりの試合。2011年7月に修斗で佐々木憂流迦に判定2-0で敗れた後、試合間隔は空いているものの5つの白星が並んでいる。ジャングル伊藤戦の一本勝ち後、西方清信に一本勝ち。その後、鈴木道場長にも判定勝ちすると、上田厚志、松岡嵩志をKO・TKOに下すなど2018年は3連勝をマークした。 ランキング1位の冨樫を相手に打撃が得意で腰も重い金田一は、約2年ぶりの試合で勝利しランキング入りを果たすか。受ける40代・冨樫は金田一をいなすか? part.2
1R、はサウスポー構えの富樫は金田一の右の打ち終わりに左を狙う。金田一は富樫の入りに右ストレート、ダブルレッグテイクダウン。オモプラッタ狙う富樫を潰し、サイドからヒザ突く金田一。ジャッジは2者金田一10-9、1者富樫。
2R、金田一の左に内側から右ジャブを突く富樫。さらに左ボディストレートも。金田一は右ミドルをヒット、ダブルレッグは3度富樫が切る。2者富樫支持、1者金田一支持。
3R、2度のダブルレッグテイクダウンを決めた金田一はパウンドで富樫の出血を多くさせる。追う富樫はジャブも、金田一は前蹴りも駆使してアウトキックボクシング。判定は2-1(富樫29-28、27-30、28-29金田一)で金田一が勝利した。
ケージの中で金田一は、「2年ぶりで怪我もあって、誘ってくれた小池代表、応援してくれた人たちのおかげです。今後も応援お願いします。1位の富樫選手に勝ったんで、誰とやるとかは関係者が決めることですが、個人的には松本選手と。正規王者が久米選手なんで。次期王座挑戦権をかけて松本選手とやらせてください。RIZINに行くなら返してもらって。僕たちはあれを巻きたくてやってるんで」とアピールした。
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▼第9試合 フライ級 5分3R ○上田将竜(緒方道場)5位[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×杉山廣平(SPLASH)8位
ランキング5位で2連敗中の上田将竜と、8位ながら3連勝中の杉山廣平の対戦。
上田は小川徹、安永有希、倉岡幸平、小川徹を下すなど4連勝も、2019年7月大会で翔兵とフライ級暫定王座戦に臨み、2R TKO負け。連勝が「4」でストップした。続く2019年12月大会では神酒龍一にもスプリット判定で敗れ、連敗となっている。
対する杉山は、2017年10月から4連勝も2018年9月に鈴木千裕と井上学に判定負けで苦杯を呑んだ。しかし、2019年から加マーク納、村龍之に判定勝ちすると、2020年7月には有川直毅にリアネイキドチョークで一本勝ち。ランキングを10位から8位に上げている。
正規王者・仙三も暫定王者・翔兵も長期不在の中、ランキング先頭に並びたい両者だ。
1R、杉山の右を掻い潜りダブルレッグテイクダウンは上田。杉山の立ち際にニンジャチョークも狙う。外した杉山がダブルレッグテイクダウン、肩固め狙いもゴング。ジャッジ3者が上田を支持。
2R、先にケージレスリングを仕掛ける杉山。右で差してテイクダウンを狙うが、上田は左で差してテイクダウン狙い。10-9上田と10-9杉山が1者ずつ支持。
3R、右ハイを打ち詰める上田。体を入れ替える杉山はシングルレッグから上に。跳ね上げる上田からパスし、マウントからリアネイキドチョークも、正対する上田。スクランブル合戦でダブルレッグテイクダウンは上田。しかし、杉山も下から足を手繰りゴング。判定は2-1で上田が勝利。
接戦を制し、涙の上田は「2連敗して、世の中がコロナで厳しい状況で引退も頭をよぎったけど、応援してくれるみんなや家族がいて、こうして試合のオファーをもらって今日勝てて良かったです。もう33になるので、チャンピオンになるとか、海外へ行きたいとか言えないですけど、強いやつと戦いたいっていうのは変わらないので、今後も強いやつと戦っていきたいです。最後に家族に、去年勝てなかったけど今日勝って福岡に帰るけんね」とカメラに向かって語った。
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▼第8試合 ストロー級 5分3R○八田 亮(ストライプル オハナ)2位/元ZST王者[1R 1分39秒 ギロチンチョーク]×尾崎龍紀(総合格闘技道場コブラ会)6位/2019年NBT同級優勝
コブラ会の尾崎龍紀は、2018年7月から大崎勝海、Red Pine☆大助に連勝。2019年のネオブラでアベリュー、アラヤ、御代川敏志に勝利し優勝。2020年9月には前山哲兵も1R TKOに下すなど、6連勝と躍進の26歳。
元ZST王者の八田は、2017年12月から2018年8月まで江泉卓哉、前山哲兵、マーカス・アマラウをいずれも一本で極め3連勝を飾るも、2018年11月にURCC王者アンソニー・ドゥーに3R TKO負け。2019年11月に1年ぶりの試合を曹竜也を相手に戦ったが、曹の体重超過もあり、3R TKO負けを喫した。
しかし、2020年2月の永井美自戒戦でギロチンチョークで一本勝ち。グラップリングのBATTLE HAZARDでは米倉大貴のヒールフックに敗れたものの、コロナ禍ノーギのスペシャリストに果敢に挑んだ経験をMMAにも持ち帰りたいところ。尾崎の猛攻に耐えながらも一本を狙えるか。
試合は、先にダブルレッグテイクダウンを決めた八田。尾崎の立ち際に見事ギロチンチョークを極めた、八田は試合後、酒井代表に「最近、PANCRASEのフライ級王者、他団体の王者に負けすぎで良くないですよね? 他団体に勝てるチャンピオン作らないと。来年早々に北方(大地)と組んでくれないですかね」と王座挑戦をアピールした。
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▼第7試合 フェザー級 5分3R○Ryo(RINGS)第3代THE OUTSIDER 75-70kg王者[1R 1分12秒 ギロチンチョーク]×林 優作(ZOOMER)初代PFC王者
2020年10月25日「PANCRASE319」から2カ月弱、早くもRyoのPANCRASE復帰2戦目が決定した。
前田日明のマンツーマン指導と横浜グランドスラムでの練習を経て、前戦では滝田J太郎との接戦を判定で制したRyo。フェザー級でランク入りするためには、白星を積み重ねる必要がある。
対戦相手は、山本喧一代表率いる北海道メインの「PFC」でフェザー級王者となった林優作。2019年9月の「PFC 22」でジェイソンを右フックからのパウンドでTKOに下し、第2代PFCフェザー級王者に就いている。9月27日のPANCRASEデビュー戦では、GRABAKAの小森真誉のテイクダウンから立ち上がり、打撃を効かせて判定勝利を挙げた。
アウサイ王者vs.PFC王者、前田と山本の遺伝子を継ぐRyoと林、PANCRSEは今回の対戦に“ごちゃごちゃ言わんと、誰が強いか決めよう”とキャッチコピーをつけている。
1R、サウスポー構えから左ストレート、右も効かせるRyoがダブルレッグテイクダウン。林の立ち上がり際に得意のギロチンチョークを極めた。
試合後、Ryoはケージのなかで「(前田日明さんから「泣くな」と?)ゴミが入ったみたいです。前田さんがいたから強くなったす。みんな俺と前田さんとPNCRASEを見て下さい!」とケージサイドにいた前田に感謝の言葉を述べ、退場時に握手をかわした。
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※試合詳報は後ほどアップ
▼第6試合 バンタム級 5分3R○東 陽子(リバーサルジム新宿Me, We)2位[判定3-0] ※30-27×3×直DATE(Team DATE)
(C)PANCRASE
東は、柔道で2002年全国高等学校選手権優勝、2003年フランスジュニア国際大会3位などの実績を持ち、MMAでは4勝2敗。前戦は10月の「PANCRASE 309」でブラジルのタチアネ・フォンテスと対戦し、得意の払い腰でフォンテスを投げるもスイープされ、スプリット判定で敗れている。3月大会でブラジルのタイナー・ラモニエとの試合が決定していたが、コロナ禍で大会が中止に。東にとって2020年最初の試合が年内最終大会となった。
(C)PANCRASE
直DATEは、TEAM DATEの武術四姉妹の一員で、2014年7月にMMAでプロデビューし、8月にキックボクサーとしてデビューすると両方の試合に出場。総合では、DEEP、Angel's Fighting、カスタムルールのSEI☆ZAを経て、2018年7月にPANCRASEに初出場。東陽子に判定負けしており、今回は再戦となる。
(C)PANCRASE
▼第5試合 バンタム級 5分3R○花レメ紋次郎TK(リバーサルジム新宿Me, We)9位[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×土肥 潤(総合格闘技道場MIBURO)10位
(C)PANCRASE
土肥は、2017年12月に金太郎に1R TKO負けしたものの、2018年7月に平田丈二に判定勝ち。9月の闘裸男では小田寛一にドクターストップ負けも、12月にハンセン玲雄に判定勝ちし、2019年7月に瀧口脩生にも判定勝利で2連勝。2019年11月の「DEEP&PANCRASE大阪」では三村亘にスプリット判定負けしたが、2020年7月に関原翔にいずれも判定勝利するなど、PANCRASEでは4連勝中だ。
(C)PANCRASE
対する花レメ紋次郎TKは、2019年5月のPANCRASE復帰戦で、坂野周平にスプリット判定負けも、2020年7月に平岡将英に判定勝ちを収めている。
▼第4試合 ミドル級 5分3R×荒井勇二(GUTSMAN)4勝5敗・1位/2020年NBT同級優勝[1R 0分17秒 KO]○内藤由良(リバーサルジム横浜グランドスラム)
(C)PANCRASE
36歳の荒井勇二は2020年7月に村元佑成に判定勝ち、9月に廣野雄大に1R TKO勝ちでネオブラ ミドル級優勝、ランク入りしたものの、ランカーはその荒井わずか1人。
ダウンサイジングが進む日本MMA界だが、有望大型新人が2020年も続々デビューしている。小学校から大学までレスリングをしてきた24歳の内藤由良もその1人。2019年9月アマチュア修斗全日本選手権ミドル級準優勝後、ZST PRE-STAGE 87を経て、2020年9月に村元に1R リアネイキドチョークで一本勝ちでPANCRASEデビューを果たしている。
一回り違う世代の荒井に内藤は重量級で頭角を現すか。
(C)PANCRASE
▼第3試合 フライ級 5分3R○荻窪祐輔(K-PLACE)9位[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×中村龍之(LOTUS世田谷)10位
(C)PANCRASE
フライ級戦。荻窪は、2019年3月に中村龍之に判定勝ちも、7月に南アフリカのボカン・マスンヤネ(現ONEファイター)に判定負け、2020年2月に猿飛流にも判定負けし、2連敗で現在10位に留まっている。8月23日大会で神酒龍一戦が組まれたが、開場10分前に大会中止となっている。
(C)PANCRASE
中村は、2017年11月の川端康太戦から立花恵介、安永有希にいずれも判定勝利で3連勝も、2019年は荻窪祐輔に判定負け、NavEにRNCで一本勝負け、前戦2019年11月に杉山廣平に判定負けで、3連敗中。
再戦でも試合を欲する両者。荻窪が中村を返り討ちにするか。それとも汗かきファイトの中村がリヴェンジなるか。
▼第2試合 ストロー級 5分3R○リトル(GUTSMAN)[判定3-0] ※29-28×3×佑勢乃花(フリー)
(C)PANCRASE
2018年に宮澤雄大、オ・ヒョプチャンに1R TKO勝ちで連勝も、2019年は宮澤雄大にスプリット判定でリヴェンジを許し、前山哲兵に1R TKOで敗れているリトル。
対する佑勢乃花こと上原佑介は、ZSTで活躍後、WLF、GRACHAN、Arzalet、Fighting NEXUSを経て、2019年9月にPANCRASEに初参戦。宮澤雄大に判定負けとなっている。白星をあげ、メインカード枠に居場所を作るのはリトルか、佑勢乃花か。
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▼第1試合 ライト級 5分3R○丸山数馬(Tri.H studio)[1R 3分32秒 三角絞め]×白川洸太(DESTINY JIU-JITSU)※デビュー戦
(C)PANCRASE
長期の怪我から1年8カ月ぶりに復帰する丸山は鹿児島県出身の28歳。2015年ネオブラッド・トーナメントでウェルター級優勝を果たし、小林裕、渡慶次幸平、脇本恭平を相手に3連勝も、2019年4月に高木健太に1R KO負け。今回はライト級に落として出直しを図る。
対する福岡県出身の白川は27歳。2019年9月のアマチュア修斗ミドル級優勝(※準優勝は内藤由良)で柔術紫帯を巻く。九州対決を制するのは丸山か、白川か。
(C)PANCRASE
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◆第2部【プレリミナリー】第26回ネオブラッドトーナメント決勝戦4試合
▼4 フェザー級 5分3R×井上雄斗(パラエストラ加古川)[2R 1分45秒 三角絞め]○岩本達彦(BLOWS)
▼3 バンタム級 5分3R○井村 塁 (Nexusense)[1R 1分40秒 三角絞め]×修我(総合格闘技スタジオSTYLE)
▼2 フライ級準決勝 5分3R○山中憲次(FREEDOM@OZ)[判定2-1] ※29-28×2,28-29×聡-S DATE(Team DATE)
▼1 ストロー級 5分3R○山北渓人(リバーサルジム新宿Me, We)[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×谷村泰嘉(禅道会)
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第3部【ワンマッチ】
▼6 フェザー級 5分3R 中田大貴(和術慧舟會HEARTS)1勝1敗上田厚志(烏合會)17勝19敗8分
▼6 ライト級 5分3R×春川広明(パラエストラ広島)[1R 4分27秒 リアネイキドチョーク]○木村裕斗(パンクラスイズム横浜)
▼5 フェザー級 5分3R×DARANI DATE(Team DATE)[2R 0分25秒 TKO]○立成洋太(パラエストラ千葉)
▼4 バンタム級 5分3R○高杉遼介(新潟イエローマンズ)[判定2-1] ※30-27,29-28,28-29×聖王DATE(Team DATE)
▼3 バンタム級 5分3R○三宅輝砂(ZOOMER)[判定3-0] ※30-27×3×矢澤 諒(パンクラスイズム横浜)
▼2 バンタム級 5分3R○風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)[1R 4分08秒 腕十字]×山本敦彰(パラエストラ千葉)
▼1 フライ級 5分3R×川北晏生(TRIBE TOKYO M.M.A)[2R 1分05秒 腕十字]○高橋拓也(K-PLACE)