2019年4月14日(日)神奈川・横浜大さん橋ホールにてBOMプロモーション主催のムエタイ大会『BOM -THE BATTLE OF MUAY THAI SEASON 2-』が開催された。2部構成で行われた大会第2部のメインイベントでは、“ミラクルボーイ”名高がルンピニータイトルマッチに挑んだ。
▼BOUT2-06 ルンピニースタジアム認定ミニフライ級王座決定戦 3分5R●シンダム・カフェフォーガ(タイ/ルンピニースタジアム認定ミニフライ級4位)判定0-3 ※三者とも47-50〇名高・EIWASPORTSGYM(エイワスポーツジム/ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王者、IBF&WBCムエタイ世界ミニフライ級王者)※名高が新王座に就く。
昨年12月、日本人として7人目のムエタイ最高峰ラジャダムナン王座に国内史上最年少の17歳で就いた名高。今回はもうひとつの最高峰であるルンピニー王座獲得にチャレンジとなった。名高が王座奪取に成功すれば、ムエタイ500年の歴史上、日本人初のルンピニー王者となり、当然、ムエタイの2大殿堂ラジャダムナンとルンピニー両スタジアム王座を同時に保持するのも日本人初(タイ人以外では史上2人目)。さらに、タイ人以外の外国人選手では史上最年少記録となり、まさに歴史が塗り替えられることになる。
1R、サウスポーの両者はジャブ、ロー、フェイントでまずは探り合い。2R、名高はフェイントを駆使して右ストレート、右ボディブローをヒットさせ、強い左ローを蹴りこんでいく。シンダムもフェイントをかけて蹴りを放つが、名高は余裕でかわす。左ハイを多用する名高が左ストレートを直撃させる場面も。
3R、名高は蹴り足をキャッチしては蹴り返し、強いローも蹴っていく。首相撲でのヒザの蹴り合いでは主導権を握られた感があったが、離れると強烈な左ストレートをヒットさせ、シンダムを吹っ飛ばした。さらに左ミドルもクリーンヒットさせる名高。
4R、両者の速い蹴りが鋭く交錯し、シンダムはどんどん前へ出て組みに来る。名高もヒザ蹴りで応戦するが、前へ出てくるシンダムに後退する展開が続く。組み付くとヒザをガムシャラに連打するシンダム。同じ数のヒザを名高が返すが、組み負けている印象。
5R、どんどん前に出るシンダムに名高もヒザ蹴りで対抗。シンダムの蹴りをキャッチしてコカそうとする名高だが、シンダムはバランスを保って倒れない。名高はここへきてパンチを細かくヒットさせ、完全にはコカせなかったが蹴り足をキャッチして投げ捨てるようにする。さらに、終盤にはミドルをクリーンヒット。 残り15秒、もはや逆転は無理と悟ったシンダムは試合を流し始め、名高も両手を上げて勝利をアピールしながら流して試合終了。判定はなんと三者とも50-47。名高が相手に1ポイントも与えない完勝で史上初の快挙を達成した。
名高はマイクを持つと、「たくさんの応援ありがとうございました。途中、相手がどんどん来て弱気になりそうになったこともありましたが、みなさんの応援のおかげで踏ん張ることができました。自分が日本人で初めてルンピニーのベルトを巻くことができたので嬉しいです。でも反省点があったので次は王者らしい試合をしたいと思います」と、史上初の快挙を成し遂げたことを喜びながらも、勝って兜の緒を締めた。