(C)ONE Championship
2020年12月4日(金)「ONE: BIG BANG」シンガポール・インドアスタジアム大会(250人限定の有観客&配信ライブ)にて、ゲイリー・トノン(米国)と対戦する松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜)が、隔離生活中のシンガポールからヴァーチャルメディアインタビューに応じた。
前回の公式インタビューでは、トノンについて、「グラップリングのスペシャリストというのは間違いがないけど、その自信があるからこそ、立ち技でもしっかり展開を組める選手でオールラウンダーの選手だと思って準備をしています」と印象を語り、「中原由貴選手との試合で、今まで隠していた世界一の武器である足関節を一気に出してきたので、不用意に取られないよう、今成正和選手や岩本健汰選手としっかり対策してきました」と、対足関節対策についても準備をしてきたことを明かしていた松嶋。
優位と考えているスタンド打撃についても、「スタンドでの立ち合いの距離感的には、僕の方が攻撃が当てられる距離で戦えるのではないかと思っています。トノン選手はパンチでもダウンを取っていますが、短い距離のパンチが目立っているので、その辺だとたぶん僕はもらわないのではないかと。トノン選手がオーソドックスからサウスポーにスイッチしながら攻撃を仕掛けてくるときがあり、その切り替えたところに自分の攻撃を当てて、どんどんダメージを与えていけたらと思っています。相手が疲れたところ、ダメージを追ったところを逃さずにKOしたい」と、勝負どころを語っていた。
今回のメディアインタビューでは、ジャンニ・スッバが代表して質問する形のメディアインタビューで、「足関節対策はしてきましたが、僕が足関節勝負するわけではないので、関係なくやるべきことをやるという感じです」と語っている。
弱点が少ない選手だけど、打撃での戦いはまだ慣れていない
──まずは、現在の心境をお聞かせください。
「いまほんとうにすごい調子もいいので、早く試合を迎えたいという気持ちです。
──10月のONEフェザー級タイトルマッチでは、挑戦者タン・リー選手がマーティン・ニューイェン選手を3R TKOで破り、新王者につきました。あの試合をどのように見ましたか。
「2人ともほんとうに強いし隙がない、とても強くいい試合だったというのはあるんですけど……まあ、それに尽きますね」
──松嶋選手はニューイェンマ選手との再戦を望み練習をしてきたと思いますが、タン・リー選手が王者になり、プランに変更がありましたか。
「1回負けてるマーティン選手とまた試合をしたいという気持ちは強いですけど、いまのチャンピオンがタン・リーでそこ(チャンピオン)を目指すのは変わらないので、気持ちの変化はなくしっかり準備をしたいなと。でもとりあえず、ほんとうに今目の前のゲイリー・トノンに勝つのが最優先です」
──さて、今回のゲイリー・トノン戦前に調子はいかがですか。
「試合に向けて結構、詰めて練習をしてきたので疲れはあったんですけど、こっち側に、シンガポールに着いてからはすごくゆっくりした時間を過ごせているので、気持ちも身体もすごく調子がいいです」
──コロナ禍での練習で大変な部分はありましたか。
「いつも大学のレスリング部に練習に行っているのですが、コロナで行けなかったというのがあります」
──トノン選手はまだMMA5試合、松島選手は王座戦も経験し、経験値では上回っていると思いますが、どのように感じていますか。
「MMAでは僕の方が経験値はあるかもしれないですけど、トノンもすごくグラップリングの試合をたくさん積んできているので、そのへんはあまり関係なく戦わなけれないけないと思っています」
──互いに技術的に高いものを持っていますが、トノン選手のストライキング(打撃)についてはどうとらえていますか。
「ストライキングについては、まだまだすごい高いレベルでは戦っていないと思います。ただ、それをも凌駕するグラップリングがあるので、僕が戦うべきはスタンディングで戦おうと思っています」
──以前のインタビューでトノン選手のレッグロックを警戒されていたと思いますが、今成正和選手(&岩本健汰)と練習もされてきて、比較するといかがでしょうか。
「もちろん今成さんから足関節で取っていたり(2015年9月「Polaris02」でヒールフックでトノンが勝利)、さらに上のレベルだと思うんですけど、僕は足関節勝負するわけではないので、関係なくやるべきことをやるという感じです」
──松嶋選手としては、戦略的にはスタンディングで戦い、グラップリングは避けると思いますが、グラップリングの展開になっても対応出来るという考えもありますか。
「そうですね。そういうグラウンド行くことは避けたいとは思っていますけど、グラウンドに行っても戦えるように準備はしてきました」
──トノン選手はONEで5戦無敗で、すべてフィニッシュしています。どこに弱点があると考えていますか。
「弱点がすごく少ない選手だと思うんですけど、もちろん打撃での戦いはまだ慣れていないと思いますし、そこでは僕の方が上だとは思うので、そこで勝負したいと思っています」
──ニューイェン選手との王座戦を経て学んだことがあれば教えてください。
「結構、自分が不利になったときに、そこで諦めるか・諦めないかで試合は大きく左右すると思いますが、そういうことを学んで(前回の)キム・ジェウォン戦に挑みました。ここからも今回のトノン戦も自分の気持ちの強さを出していきたいと思います」
──キム戦は確かに素晴らしいカムバックでした。どんな気持ちで臨みましたか。
「すごい強い選手だと分かっていたので、その強さにどう勝つかを準備して臨めた試合でした。その試合があったおかげで今回のトノン戦もあると思っているので、ここをしっかり勝っていきたいなと思っています」
──ところで、試合とは関係ないですけど、靴マニアだと聞いています。一番のお気に入りは?
「そうですね……エアマックスワンのオリジナルモデル、かな(笑)」
(※今回の大会には「今回はあまり外に出ないと思うので、1足だけ持っていくことにして、ナイキとシュプリームのコラボのスニーカーにしました。普段とはちょっと違うあまりスポーティーではない感じの。直感で選びました。今回初めて履く靴で、ゲンかつぎのようなことは気にしないようにしています。試合の時に新しい靴をおろすくらい」と語っている)
──最後の質問です。今回のトノン戦に勝ったら、タン・リーへの挑戦権を得られる思いますか。
「どうですかね。まだあんまり、その先のことをいま考えていたら、トノンには勝てないと思うので、ほんとうにまずはこの一戦に集中したいと思います」