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レポート

【ONE】 松嶋こよみが再起戦勝利! 平田樹、内藤大樹が3連勝! ペットモラコットがムエタイフェザー級初代王者に

2020/02/07 20:02
2020年2月7日(金・現地時間)インドネシア・ジャカルタのイストラ・セナヤンにて、ONE Championship『ONE: WARRIOR'S CODE』が開催された。 メインイベントでは、ペットモラコット・ペッティンディー・アカデミーと2日前に緊急参戦が決定したポンシリ・PK センチャイムエタイジムのタイ人同士が、初代ONEフェザー級ムエタイ世界王者の座を争った。試合はリーチを生かし距離を制して、右ジャブ、左の蹴りを当てたペットモラコットが初代王者に輝いた。 コーメインイベントでは、ライニアー・デ・リダー(オランダ)がレアンドロ・アタイジ(ブラジル)に判定勝利。ONE二階級世界王者のアウンラ・ンサン(ミャンマー)が持つミドル級タイトルの挑戦者候補に名乗りを挙げた。また、チームペトロシアン所属のユーリ・ラピクスが、強豪マラット・ガフロフに1R、リアネイキドチョークで一本勝ち。MMA無敗の14連勝を飾り、ライト級タイトル戦線に大きく浮上した。 日本からは松嶋こよみ、内藤大樹、平田樹が出場。松嶋が復活勝利を収め、内藤と平田が3連勝を決める日本人選手大活躍のジャカルタ大会となった。 ▼メインイベント ONEムエタイ フェザー級(65.9kg)王座決定戦 5分5R○ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ)70.30kg/1.0070[判定3-0]×ポンシリ・PK センチャイムエタイジム(タイ)70.20kg/1.0210※ジャマール・ユスポフ(ロシア)は欠場 サウスポーのペットモラコットはルンピニースタジアムで2011年にミニフライ級、2013年にスーパーフェザー級王座を獲得。2019年にはONEフェザー級キックボクシング・ワールドGPに参戦。 5月にボクシンググローブを着けたキックルールでジョルジオ・ペトロシアンと対戦し、首相撲&ヒザ蹴りで一度は勝利とされるも、攻撃を伴わない消極的なクリンチとみなされレフェリー警告に値するとされてノーコンテストに。7月の再戦では、ボクシングで優位に立ったペトロシアンがペットモラコットに判定勝利している。 しかし、ペットモラコットは11月にムエタイルールでWMC世界王者のチャーリー・ピータースにヒザ蹴りで2RKO勝利。今回もムエタイルールで悲願のONE王座獲りを目指す。戦績は159勝35敗2分。 ユスポフ(ロシア)の欠場で、試合2日前の参戦に応じたのは、ポンシリ・PK センチャイムエタイジム。同じくタイのペットモラコットと、初代ONEフェザー級ムエタイ世界タイトルを争う。 ポンシリは29歳。ONEスーパーシリーズでは新人だが、世界ムエタイ評議会(WMC)、ルンピニースタジアムなどで4度ムエタイ世界王者に輝いた実績がある。プロ通算戦績は153勝31敗11分。アグレッシブなスタイルで知られ、ムエタイスタジアムでは前に出てエキサイティングな試合運びをすることで、ファンを獲得してきた。 180センチのペットモラコットは、ポンシリよりも身長が11センチ高い。そして「何度も彼の試合をスタジアムで見たが、心配はしていない」と語っている。リングでのオープンフィンガーグローブでのムエタイマッチ。 1R、サウスポー構えのペットモラコット。オーソドックス構えのポンシリ。タイ人同士らしく静かな立ち上がり。互いに左前蹴りで距離を取り、ペットモラコットは右ジャブのトリプルから左ヒザを突く。ペットモラコットは左フックをダブルで突くが遠い。左の様々な蹴りで突くペットモラコット。 2R、左ハイから入るペットモラコット。ブロッキイングのポンシリは蹴り足を掴んで軸足払いを狙うが倒れないペットモラコット。右のジャブで前手を突くペットモラコットは左の跳びヒザの二段蹴り、右アッパーも。ポンシリも右ミドルを返し右ボディストレートも。しかしペットモラコットは右ジャブから左ヒザをテンカオで! さらに左ストレートにポンシリは舌を出す。 3R、右ジャブの連打から左ヒザを突く、得意の攻撃で前に出るペットモラコット。詰めるポンシリだが、下がるペットモラコットは懐が深く決定打を許さない。ジャブから左のヒザを高い打点で突くペットモラコット。ポンシリの右ハイをリング・ロープの最上段で上体を逸らしてスウェイでかわすペットモラコット。 4R、右ジャブを連打で突き、左ストレート、さらに首相撲ヒザを見せるペットモラコット。首相撲ヒザにポンシリの身体がくの字になる。ポンシリも表情を変えずに前へ。詰めてきたところに左フックも突くが決定打にはならず。金的蹴りから再開。ペットモラコットの左ヒザに右ヒジを合わせにいくポンシリ! 逃げ切り体勢に入るペットモラコット。左ミドルを当てて距離を取る。 5R、前蹴り・ジャブはペットモラコット。近づくと左ヒザ。しかしポンシリも左ミドルを受けながら前進。リングを左右に回るペットモラコット。左前蹴りをつかんでこかすポンシリだが、逃げ切りのペットモラコットは出入りでヒジ・前蹴り。 判定は3-0でペットモラコットが勝利。ONEムエタイフェザー級(65.9kg)初代王者に輝いた。 ▼ONEミドル級(※93.0kg)5分3R×レアンドロ・アタイジ(ブラジル)92.30kg/1.0023[判定0-3]○イニア・デ・リダー(オランダ)92.65kg/1.0031 ブラジルのアタイジはMMA11勝3敗。現在ONEで3連勝中でモハメド・アリを跳びヒザでKO後、マイケル・パスタナクに判定勝ち、2018年5月にはヴィタリ・ビグダッシュに3R TKO勝ちを収めている。 柔道出身のリダーはMMA11勝無敗。2019年1月にONE初参戦でロン・ファンに1Rダースチョークで一本勝ち後、6月にギルバート・ガウバオンにグラウンドでのヒザ蹴りで2R TKO勝ちと2連勝中。11試合全てでフィニッシュしている。 1R、アタイジはオーソドックス構え。リダーはサウスポー構えから。いきなり右を当てるアタイジに、リダーはシングルレッグへ。しかし切るアタイジはノーガードで詰めてボディロックへ。右で小手に巻いて払い腰テイクダウンは柔道家のリダー。しかしアタイジもバックに回ると立ち上がるリダー。背後のアタイジにキムラクラッチから払い腰で投げもすぐに立つアタイジ。リダーは大腰狙いから正対するが、アタイジも右で差して押し込む。 突き放すリダーに、力を使ったか動きが落ちたアタイジにリダーは左の蹴り。押し返すアタイジだがリダーは右ジャブ、さらに左を振る。 2R、右から左を突くリダー。しかしアタイジも跳びヒザ蹴りからおスーパーマンパンチで近づき、左を当てる。グローブチェックで中断後、再開。右のアッパーを効かせるアタイジに、バックを奪いにいくリダー。しかし、落とすアタイジ。リダーは左目尻から出血。アタイジも口内から出血。互いに動きが落ちた後半。リダーはジャブを突く。アタイジはシングルレッグもテイクダウンは出来ず。 3R、左ミドルを当てるリダー。アタイジのパンチを肩でかわし右を突いて組みに。しかし、アタイジも左右。コーナーに詰めたリダーは右ヒザを突くが、それがローブローに。中断後、再開。近づき組みにいくリダーだが突き放すアタイジ。ダブルレッグはアタイジもトップロープにヒジがかかるリダー。組みの展開もリダーもテイクダウンに行けない。離れ際にヒジを突く。アゴに頭を付けて押し込みボディを突き肩パンチ。アタイジの出血が多くなる。最後にリダーがシングルレッグから崩して右を連打し、ゴング。 判定は3-0でリダーが勝利で12連勝も、王者アウンラ・ンサンとは差が見える内容だった。 [nextpage] ▼ONEライト級(※77.1kg)5分3R○ユーリ・ラピクス(モルドバ)76.40kg/1.0031[1R 1分07秒 リアネイキドチョーク]×マラット・ガフロフ(ロシア)77.05kg/1.0187 ガフロフはMMA17勝2敗。ONEでは2014年から参戦し8勝2敗。2017年8月にマーティン・ウェンに2R KO負け、2018年9月に松嶋こよみに1R TKO負けを喫している。前戦は2019年5月に山田哲也に判定勝ちしている。ONEライト級転向初戦となる。 モルドバのラピクスはMMA13勝無敗。ONEでは2019年5月のシャノン・ウィラチャイ戦で3Rリアネキドチョークで一本勝ち。RNCで4試合勝利、腕十字で2試合、ギロチン、三角絞めでの一本勝ちもマークするなど9つのサブミッションでの勝利をマークしている。 1R、向かい合うと身長差が際立つラピクス。右の飛び込みは避けるガフロフ。ラピクスは強い右ローを連打!  たまらずガフロフは左で差すが、右で小手に巻いたラピクスは、払い腰で豪快に投げるとバックを奪い、足をかけてすぐさま喉元に腕を差し込みリアネイキドチョークへ。動けないガフロフはタップした。 ライト級で一躍注目の選手となったラピクスはMMA14勝無敗に。10個めの一本勝ちを実力者ガフロフ相手に極めた。 ▼ONEフライ級(※61.2kg)5分3R○エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)61.00kg/1.0218[1R 3分45秒 リアネイキドチョーク]×コン・シチャン(カンボジア)60.95kg/1.0207地元インドネシアのサプトラはこれまでのプロキャリアはONEのみで1勝1敗。カンボジアのシチャンはMMA3勝5敗。ONEでは1勝4敗。 1R、右を当ててテイクダウンしたサプトラ。立つシチャンを再び倒すとマウントを奪いアメリカーナへ。腕を外したシチャンにヒジを落とすと肩固め狙い、これも耐えられるとパウンドから背中を見せたシチャンにリアネイキドチョークを極めた。 [nextpage] ▼ONEフェザー級(※70.3kg)5分3R○松嶋こよみ(日本/パンクラスイズム横浜)70.30kg/1.0099[3R 0分24秒 TKO]×キム・ジェウン(韓国)70.30kg/1.0053 松嶋は、2019年8月にマーティン・ウェンの持つONEフェザー級世界王座に挑戦も2R TKO負け。ONE3戦目で初黒星を喫した。「前回負けてしまってベルトからは一番遠ざかってしまった。今回の試合を機に上位に浮上し、ベルトを巻けるよう頑張りたい」と、王座再挑戦への第一歩と位置づけている。 対戦相手のジェウォンはテコンドーベースの元TOP FCフェザー級王者。MMA10勝3敗で、2019年11月のマニラ大会でのONEデビュー戦でハファエル・ヌネスのテイクダウンと寝技を断ち切り、ヒザ蹴りを決めて3R KOに下している。試合後には松嶋との試合をアピールしており、今回早くも実現に至った。 松嶋は前戦で「マーティンとやって自分の足りないところや弱い部分が凄く分かりました」と、王者との試合で課題を見つけたことを語ると、「グラップリング面では、ただ倒すだけではなくてその後を意識したり、打撃面では一つひとつキレのある打撃を出すように練習をしてきました。また、相手にやられているときに、次にどう繋げるかとか。そういう動きを練習してきました」と、MMAとしての繋ぎの部分を強化してきたことを明かした。 対戦するジェウォンについては、「相手は凄く勢いがあって、打撃の思い切りがある選手で僕の対策もしてきていると思いますが、飲み込まれないで、練習してきた部分を出して、僕の打撃をしっかり当てて殴り倒す勢いでいきます」と抱負を語っている。半年ぶりの試合で松嶋はどのように成長した姿を見せるか。 1R、ともにオーソドックス構え。左インローから入る松嶋は右手を引き手を掴んで払い腰テイクダウン! すぐに立つジェウォンをがぶり引き落とすが、頭抜くジェウォンはバックへ。それを外した松嶋はジェウォンのヒザ蹴りにダブルレッグテイクダウン! 立つジェウォンはバックからの松嶋の投げにロープにヒジをかけてバランスを保つ。遠間から松嶋は右を当ててダブルレッグから肩口に乗せるが、ここもロープを掴む。放して前方に豪快にテイクダウンは松嶋! サイドを奪うがスクランブルから立つジェウォン。松嶋は時折スイッチしながら右のサイドキックでも牽制。前に出てくるジェウォンに左に回り左フックをひっかけ、左インローを当てる。 2R、ジェウォンのヒザに松嶋も右を振ると、ジェウォンの跳びヒザにカウンターのダブルレッグテイクダウン! 腰を殺しに行くが、下のジェウォンもスイッチ狙いから立ち上がりに成功。圧力をかけるジェウォンは右ストレートを当てて前に。離れ際に右ヒザも突く。組みも混ぜている松嶋は疲労が見えるが、苦しいところで打ち下ろしの右フック! ジェウォンがダウンし、松嶋の鉄槌にクローズドガード。足を解いて蹴り上げから立ち上がる。遠間から走りこんでのダブルレッグは松嶋。切るジェウォンはダースチョーク狙い。頭抜く松嶋はなおもダブルレッグも切るジェウォンはヒザ蹴りを狙う。3R、詰めるのはジェウォン。しかしそこに右で迎撃は松嶋! 効かされたジェウォンの動きが落ちると、松嶋は一気に右で詰めて左の前蹴り、さらに右ストレート! ジェウォンからダウンを奪うとコーナー際でパウンドラッシュ! 打撃の強者であるジェウォンに対し、テイクダウンを交えた打撃でTKO勝利。松嶋は再び王座戦線にからむ見事な復活劇を披露した。 [nextpage] ▼53.4kg契約 ONE女子アトム級(※52.2kg)5分3R×ナイレン・クローリー(ニュージーランド)52.05kg/1.004[3R 3分27秒 TKO]○平田 樹(日本/K-Clann)53.40kg/1.0018※ビー・ニューイェンは欠場 平田は、2019年10月の両国大会以来の参戦。柔道ベースの平田は2019年6月にアンジェリー・サバナルに1R アメリカーナで一本勝ちすると、10月大会ではリカ・イシゲに2R、洗濯ばさみから腕を伸ばしてのアームバーで一本勝ちと2連勝を飾っている。 当初はMMA5勝5敗のビー・ニューイェン(米国)との対戦が決まっていたが、ニューイェンが負傷のため欠場。代わってクローリーとの対戦がマッチアップされた。クローリーは2017年2月にプロデビューし、ONEウォリアーシリーズ(OWS=ONEの人材育成大会)で2勝2敗。今回初の本戦登場のチャンスを得て、ONE本戦に出場する初のニュージーランド女性アスリートとなっている。 立ち技で世界戦の経験もあるクローリーは、サウスポー構えのニューイェンと異なりオーソドックス構えで、左ストレート、右のスーパーマンパンチなども振ってくる。払い腰、ボディロックテイクダウンを好むグラップラー寄りのストライカーなのも特徴的だ。 当初、対戦予定だったニューイェンは前戦の二冠女王スタンプ・フェアテックスとの激闘もあり、平田にとっては女子アトム級で上位戦線入りするために越えるべき相手だった。今回、クローリーに対戦相手が変更になったことで、それが“絶対に落としてはいけない一戦”になり、難敵クローリーにとっては失うものが無い状態で平田戦に臨むことになる。平田にとってはニューイェン戦とは異なるプレッシャーがかかるが、「対戦相手が代わって、第一に“ここで負けたらいけない”と思ったし、この試合で今後どういう選手とやってどう進んで行くかも決まるかもしれないので、対戦相手が変わったからこそ、やっぱり面白い試合をして、誰もが対戦したいって思う選手になりたいと思いました。それこそ今度はニューイェンが『樹とやりたい』って思ってくれるような試合をしたい。それが出来たら一番いいと思っています」と語っている。しかし、平田は、試合前のチェック(計量&尿比重)をパスできず、当日朝のチェックでも体重はパスしながらも尿比重(尿中の水分と水分以外の物質の割合を算出した割合)で規定をわずかにオーバー。 前日の再計量の時点で体重はリミットをクリアしていた平田は、キャッチウェイト戦になっても試合を行いたかったため、尿比重値を下げるために1リットルの水を飲んで、最後のチェックを受け、尿比重を1.0018でパス。53.4kg契約のキャッチウェイト契約で試合を行うサインをし、対戦相手のクローリーがそれを承諾したため、試合は行われることになった。 リングでの試合。マット上でかめはめ波を見せた平田はコールに両手を広げて会場を煽り、胸を叩く。 1R、ともにオーソドックス構え。クローリーは右ローも空振り。圧力かける平田に右ローを当てるクローリー。左インローもクローリー。平田は右を振って前に出るがクローリーはさばく。足が止まる平田にワンツーはクローリー。組み付くがクローリーは首相撲からヒザ蹴りで突き放す。右ローを突く平田。左ミドルも。しかしクローリーは左ストレートをヒット! 平田は左の引手を取って払い腰テイクダウンもすぐにバックにつくクローリー。中腰になり前に落とした平田だが、離れるクローリー。平田は首を抱え首投げも、サイド奪う平田にクローリーはブリッジからリバース! スタンドに戻すとジャブを突く。しかし詰めてみたび倒した平田がマウント! 腕を狙うが、クローリーはハーフに戻して脇差して上体を立てて来る。そこに平田はパウンドを連打する。2R、右の前蹴りは平田もそこに右ストレートを当てるクローリー。平田の右脇を差しての払い腰にクローリーは足をロープにかけて耐えるが、2度目のトライでテイクダウン! 下からシングルレッグを狙うクローリーをパスし、腕がらみ狙いから横三角絞めへ! 亀になるクローリーをもう一度仰向けにさせる平田。しかし腕は引き寄せられず。立つクローリーに組んで引手を取って強引に払い腰は平田! 袈裟固めからパウンドを突く平田。ブリッジを狙うクローリーの右手を両足で挟み、アメリカーナではなくパウンドへ! 連打にクローリーは動けず。ゴングに平田は2R終了時点でダンスを披露。強心臓ぶりを見せる。3R、右ローから入る平田は右ハイも。打撃で押し戻してきたところに柔道技ではなくダブルレッグ(両足タックル)テイクダウンは平田。パスガードして上四方に回る平田はキムラロック狙いも立つクローリー。その頭をがぶりながら小外がけでテイクダウンは平田。マウントを奪い、ヒジを突くと起き上がってきたクローリーにバックに回りリアネイキドチョーク狙いから、バックマウントから右の拳をじっくりパウンド7連打! 動けないクローリーを見てレフェリーが間に入った。 序盤に打撃で硬くなった平田だが、組みの強さでペースを握ると、中盤からは難敵のクローリーをのみこむように試合を支配。「人造人間18号」ばりの無双の戦い方で最後は3試合連続のフィニッシュ、初めてのTKO勝ちでONE3連勝を決めた。 勝利のダンスを見せた平田は試合後、リング上でインタビューを求められると、「まずは体重が落ちなくて、対戦してくれた相手に感謝を伝えたいです。グラウンドで極めようと思ったけど、(相手が)グラップリングも出来るので手こずりました」とコメント。最後は四方に礼をしてリングを下りた。 ▼68kg契約 5分3R○スノト(インドネシア)67.60 kg/1.0018[判定3-0]×ヌラル・フィクリ(インドネシア)68.00kg/1.0053 地元インドネシアファイター同士の対戦。MMA11勝7敗のスノトは、キャリアのうち16試合をONEで戦ってきた。対するフィクリはMMA3勝3敗。2019年4月の前戦でONEデビューし、インドネシアのウォリィー・テオに判定勝ちしている。 1R、オーソドックスからスノトは左フックでダウン奪う。2R、ダブルレッグテイクダウンはスノト。3R、スノトのテイクダウンにギロチンを合わせるフィクリだが、頭抜くスノトはハーフからパスガードしサイド奪いゴング。判定3-0で2連敗から嬉しい白星を挙げた。 【写真】「長渕剛に似ている」と話題になったスノトのサングラス姿だがターミネーターを意識しているようだ。 ▼ONEフライ級(※61.2kg)5分3R○アブロ・フェルナンデス(インドネシア)61.20kg/1.0044[判定3-0]×アクマド・エコ・プリアンドノ(インドネシア)61.40kg/1.0055 フェルナンデスはMMA9勝2敗・ONE2勝2敗に。地元のプリアンドノはMMA6勝2敗・ONEデビュー戦で黒星発進となった。 [nextpage] ▼ONEムエタイ フライ級 3分3R×サバス・マイケル(キプロス)60.40kg/1.0018[判定0-3]○内藤大樹(日本/BELLWOOD FIGHT TEAM)60.85kg/1.014 内藤は元シュートボクシング日本スーパーバンタム級(55kg)王者。2019年9月の『ONE JAPAN SERIES -Road to CENTURY-』で渡辺優太に1R1分22秒、右ハイキックでKO勝ちしONE本戦デビューを決めると、10月25日のジャカルタ大会でアレクシ・セレピソフ(ニュージーランド)に右フック、アッパーなどのラッシュで3R TKO勝ち。12月のクアラルンプール大会でもルイ・ボテーリョ(ポルトガル)を得意の蹴り技で制し判定勝利。ONE2連勝を飾っている。 対するマイケルは、キプロス人ながらタイのムエタイ業界最大手のペッティンディープロモーション所属で、タイを本拠地にしてビッグマッチにもしばしば登場して活躍するムエタイ戦士。アマチュアボクシング出身でパンチとヒジ、突き刺すような鋭いヒザ蹴りを得意としている。ONEでは前ONEフライ級キックボクシング王者のペッダムやバンプリーノーイらムエタイの強豪と練習を積んでおり、5月のバンコク大会ではシントンノーイ・ポーティラックン(タイ)に判定勝利を挙げている。8月のルーシラー・プーケットトップチームとの試合では、2Rにサヴァスの蹴り足を掴んだルーシラーがテイクダウン、左手をマットに着いたサヴァスが傷め、TKO負けしている。 この強豪との大一番を迎える内藤は「ONEはベルトだけを見て勝てばいいという甘い世界ではない。来たチャンスを一つひとつクリアしていくことが大事。ONEのスーパーフライ級は日本人の活躍が難しい階級ではあると思いますが、活躍を楽しみにしてください」と語っている。1R、両者ともアップライトの構えでロー、ミドルを蹴り合う。マイケルはスイッチしての左ミドルをヒットさせ、前蹴りから長いリーチでワンツーを打つ。踏み込んでのヒザ蹴りには内藤が右フックを合わせにいくが、マイケルはフェイントを交えてどんどん前へ出る。パンチ、前蹴り、ヒザ蹴りでボディを重点的に攻めるマイケル。 2R、マイケルはワンツーで飛び込み、内藤がパンチを打つとヒザを突き上げる。ワンツーとヒザ蹴りでどんどん前へ出るマイケルに、内藤が起死回生の右ストレートをマイケルの右ストレートにカウンターで合わせてダウンを奪う。立ち上がったマイケルはさらに前へ出てパンチ主体の攻撃。内藤は回り込みながらの右カーフキックで足を止めに行く。 3R、内藤はカーフキックを使いながら左フックを狙う。前に出てきたマイケルが右ヒジのモーションに入ったところで、内藤はショートを合わせてまたもダウンを奪う。マイケルは逆転を狙ってパンチ、ヒジ、ヒザ蹴りで前へ出てくるが、内藤は前蹴りで前進を止め、さらに足を使って攻撃をかわしていく。マイケルはカーフキックが効いたかサウスポーに構えを変えてヒジを狙ったが、内藤は逆転を許さず終了のゴング。 ダウンを2度奪った内藤が判定3-0で完勝する大金星を得た。「右のパンチはチームのみんなと練習していて自信を持って出すことが出来たので、これはチーム全員でつかんだ勝利だと思います。ONE SUPER SERIESに来た目的はひとつしかなくて、ワールドタイトルが欲しいです」と、タイトルへの挑戦(王者はロッタン)をアピールした。 ▼ONEムエタイ ストロー級×アンディ・ハウソン(英国)56.55kg/1.0023[2R 2分20秒 KO] ○ジョシュ・トナー(ムエタイ ストロー級)56.60kg/1.0078 ※サウスポー構えにスイッチし、右フック効かせ首相撲左ヒザ蹴り ▼ONEフライ級(※61.2kg)5分3R×エギー・ロステン(インドネシア)61.20kg/1.0031[1R 2分39秒 TKO] ※パウンド○ファジャー(インドネシア)60.75kg/1.0023
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