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レポート

【新極真会】入来建武が必殺の下段廻し蹴りで4年ぶり頂点へ、女子は久保田千尋が連覇を達成

2020/11/22 23:11
【新極真会】入来建武が必殺の下段廻し蹴りで4年ぶり頂点へ、女子は久保田千尋が連覇を達成

男子は入来(左)が4年ぶりの全日本大会優勝、女子は久保田が連覇を達成した

NPO法人全世界空手道連盟 新極真会
「第52回オープントーナメント全日本空手道選手権大会」決勝日
2020年11月22日(日)東京・ベルサール六本木

▼男子決勝戦
〇入来建武(新極真会/東京城南川崎支部)
判定5-0
×加藤大喜(新極真会/愛知山本道場)
※入来がトーナメント優勝。


 当初は10月3日・4日に開催が決まっていた『第52回全日本空手道選手権大会』だが、新型コロナウイルス感染症対策として大規模な感染リスクがあることを勘案し、11月21日(土)・22日(日)に日程を変えて史上初の無観客で大会を開催した。


 2018年の全日本選手権は男子104名がエントリーしていたが、今回は新型コロナウイルスの影響によって出場を見送る選手が多く、65名によって2日間のトーナメントが争われた(女子は同じ37名)。


 2019年の『第12回オープントーナメント全世界空手道選手権大会』で優勝した島本雄二と南原朱里の男女世界王者は出場しなかったが、今年は空手界全体を通して大規模大会が自粛ムードだったためか、他団体の強豪たちが集結。新極真会にとってはかつてない危機感を抱いての全日本大会となり、実際ベスト8に4名もの他流派選手が進出する史上初のピンチに見舞われた。


 しかし、他流派の決勝進出を阻み、決勝で顔を合わせたのは2015年第11回全世界大会準優勝・2016年第48回全日本大会優勝の入来と、2019年第12回全世界大会3位・2013年第45回全日本大会準優勝の加藤の新極真会同士だった。


 両者は2014年の第46回全日本大会準決勝で対戦し、入来が延長戦の末に勝利を収めており、6年ぶりの再戦となった。


 両者距離を保っての突きと下段廻し蹴りの応酬だが、抜群のタイミングで右下段廻し蹴りを蹴ると入来はその右下段を狙い撃ち。さらに左下段も蹴り、左内股蹴りに細かい突きも散らして右下段廻し蹴りへつなぐ。加藤は内廻し、後ろ蹴りで流れを変えようとするが入来の勢いは止まらず。右下段廻し蹴りを的確に当てて試合終了。本戦で決着が付き、入来が4年ぶりの全日本大会優勝を果たした。


 入来は「まずはコロナ禍の中、関係者の皆様、素晴らしい大会を開催していただきありがとうございました。選手として大会があることはありがたく、頑張る理由になりました。久しぶりの優勝ですが支えてくれた仲間や家族に感謝します。新極真が主催しているので必ず自分が優勝するという覚悟で臨みました。(加藤とは)今回戦うのは2度目ですが強くて気が抜けない選手でした。自分は勝てない時期がありましたが、諦めずに向かっていけばまた優勝できる、そういう姿を見せたいと思っていました。支えてくれたセコンドの兄、家族、仲間、本当にありがとうございました」と勝利者インタビューに答えた。


 大会後のインタビューでは「世界大会が終わった後、身体作りを含めて全身、無駄な脂肪を落として動きをシャープにしてやってきました。約11カ月。練習中も身体にフィットしていて、このまま大会に出れたらいいんじゃないかと思ってやってきました。走り込みとウェイト、足、胸、体幹、全部やりました。今までは足が止まってしまっていましたが、延長でも足は動いていました。前蹴りも出ました。身体が素早く反応出来ていて、力まないように意識してやりました」と、勝因は肉体改造にあった、と入来。


 得意の下段廻し蹴りもキレが一段と増していたが「思い切り蹴らなくても効いている感じが分かりましたね。特に今回は(無観客で)静かだったので、より感じやすかったです。今までは力を入れてガンガン蹴っていたのが、スッと蹴っても反応が鈍くなるのが分かりました。力まずにできたのがよかったと思います」と、パワーに頼らない蹴り方ができたのがよかったと語った。

■男子入賞者
優 勝 入来建武(新極真会/東京城南川崎支部)
準優勝 加藤大喜(新極真会/愛知山本道場)
3 位 後藤優太(空手道MAC)
4 位 江口雄智(新極真会/福岡支部)
5 位 田中裕也(山田道場)
6 位 多田成慶(新極真会/福岡支部)
7 位 土橋立弥(白蓮会館)
8 位 福地勇人(白蓮会館)
敢闘賞 多田成慶(新極真会/福岡支部)
技能賞 田中裕也(山田道場)

▼女子決勝戦
〇久保田千尋(久保田道場)
判定5-0
×菊川結衣(芦原会館)
※久保田がトーナメント優勝。


 女子には昨年と同じ37名がエントリー。その中から決勝へ進出したのは、2018年第50回全日本大会優勝の久保田と、2015年第11回・2019年第12回全世界大会4位の菊川だった。両者は昨年の第12回全世界大会で対戦し、148cm・50kgの軽量級・菊川が161cm・66kgの重量級・久保田から勝利を収めている。


 序盤の下段の蹴り合いは久保田が優勢。菊川は突きに切り替えて胸へ強烈な一撃。久保田は下突き、菊川は胸への突き。徐々に久保田の突きの数が多くなっていき、菊川は下段で対抗したが久保田の突きは止まることなく、本戦判定5-0で決着。久保田が菊川へのリベンジを果たし、全日本連覇を飾った。


 久保田は「たくさんの人に支えられたからこそ、ここまで頑張ってこれたと実感した大会でした。1日目は緊張感が凄くて、久しぶりの大会なので味わったことがない緊張がありました。(菊川は)凄く強い選手なので、こうやってまたリベンジという形で勝てて嬉しいです。まだまだ頑張っていきたいので応援お願いします」と勝利者インタビューに答えた。

■女子入賞者
優 勝 久保田千尋(久保田道場)
準優勝 菊川結衣(芦原会館)
3 位 加藤小也香(新極真会/愛知山本道場)
4 位 水谷 恋(久保田道場)

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