(C)ONE Championship
2020年11月13日(金)21時30分から、シンガポール・インドアスタジアムで事前収録された「ONE: INSIDE THE MATRIX 3」が配信される。
同大会では、日本から箕輪ひろば(総合格闘技道場STF)と、手塚裕之(ハイブリッドレスリング山田道場/TGFC)が出場する。
修斗世界王者で今回ONEデビュー戦を迎える箕輪は、現在2連勝中でストロー級ランキング4位の“チームラカイの新星”リト・アディワンとの試合に向け、「これまでに見たことのない箕輪ひろばを見る事が出来ると思う」と予告した。
また、試合に向け、同階級ランキング1位で元ONEストロー級世界王者の猿田洋祐と、同じく修斗出身でONEバンタム級2位の佐藤将光からのコメントも掲載する。
デビュー戦でリト選手を当ててもらって(ONEに)期待されているのか、嫌われているのかって(笑)」
──初めにONEと契約したことについてのお気持ちをお聞かせください。
「純粋にONEと契約できたことは嬉しいです。契約時にはEvolveジムも視察し、期待をはるかに越えた素晴らしい環境で練習されていて。すごいなという圧巻でしたね。ONEではもちろん、ベルトを目指していますが、修斗の王者として“どれだけ修斗の王者が強いのか”を試されていると感じています。だから、特別“ONE Championshipだから”という気持ちではなく、“修斗の王者だからどこに行っても強いんだ”というのを証明したいと思っています」
──ONEデビュー戦で初めての海外での試合です。
「いつもと違う感覚です。これが、プレッシャーなのか、楽しみでワクワクしているのか分からないのですが、試合に向けて集中してやっていこうと思います」
──対戦相手のリト・アディワンの印象を教えてください。
「めちゃくちゃ強いですよね。単純に対戦相手を聞かされたときに、仙三選手との試合がバーンと頭の中に映ったので、あの印象ですね。上手・下手というより、パワーですよね。やべえ、あんな豪腕とかと思いましたね、それにいろいろ見ていたら、けっこうパワーだけじゃなくてしっかり振っていくというスタイルなんでしょうけど、振って当てるし、前への圧もすごい。仙三選手のほうが圧をかけていたけど、アディワン選手もしっかり圧をかけることが出来ているし、最近の試合だと、タックルに入って、寝技で一本取っているような感じなので、めちゃくちゃ強いなという印象です。
完成されていないファイターだと思います。まだまだ、伸びしろのある、これからも伸びていく選手だと思います。それでも、どの選手も彼のような選手とは戦いたくないと思うのではないかなという感じです。一撃を持っていて、極める力も持っている選手だから。今回、デビュー戦でリト選手を当ててもらって(ONEに)期待されているのか、嫌われているのかってちょっと疑問に思いましたが、期待されていると思うことにしていま(笑)」
──リト・アディワンの強みは何だと思いますか?
「完成されていないのに、あそこまで強いのは一つの強みだと思います。野獣のようなパワーのある選手を“野獣”と表現しているのではなく、闘争本能にあふれている選手だなと思うので、僕の言葉では彼のことを“野獣”と表現します。めちゃくちゃ振ってくるし、めちゃくちゃ極めてくる。良い意味でネジが飛んでいる選手だなと思います」
──今回の試合に向けてどのような準備をしていますか。
「色が強い選手には徹底的な王道スタイル(基本)で勝つか、相手よりも強い色で勝つしかないと思っています。僕は、基本の選手だと思われているかもしれませんが、もしかしたら今回はリト選手よりも濃い色を試合で出して、勝つかもしれないです。例えば、彼が打撃で来るなら寝技かもしれないし。これまで僕が見せていない部分で勝つしかないと思っています。 相手がびっくりするような秘策を用意しています。これまでに見たことのない箕輪ひろばを見る事が出来ると思うので、楽しみにしていて下さい」
──ONEのストロー級(52.3kg-56.7kg)ということについては?
「前回の修斗での世界戦のときには、52kgで試合をしていたんですけど、やっぱり今までより意識していこうかなという面があったので、前回のストロー級の世界戦のときからちょっとずつ身体を作っていたという感じですね。本格的に56kgというのを視野に入れたのは契約が終わってからかもしれないです」
──2019年5月の修斗で箕輪選手はジャレッド・ライアン・アルマザン選手と対戦しています。その情報が伝わっている可能性はあります。
「あのときの56kgは、ストロー級の52kgで水抜きしてる人間が、本当に単純に水抜きしないで仕上げていった56kgで、正直自分的にはあんまり動きも良くなかったです。それに僕の持ち味って自分ではタイミングの変なずらし方だと思っているんですけど、それがいまいちうまく掴めなかったというのはありました。あれをデータとして取っていてくれたら、けっこう僕的にはやりやすいかもしれないですね」
――リトはチームラカイっぽくないところもあって、仕掛けが早かったりする。打撃の回転も速いので『相手より濃い色を出す』というときに、箕輪選手が序盤に受けに回るのか、それとも自分から新たに仕掛けていくことになるのでしょうか。
「そこに関していうとどっちもしてきています。やっぱりプレッシャーに弱いというのもあるので、行くと決めたら行っちゃった方が自分的に楽なときもありますし、初めてのフィールドだと、1回自分の中で噛み砕いてから攻めるというのも、前回の試合もどちらかというとそういう感じだったので、自分で1回考えてから倒しに行くかもしれません。どっちになるのかはちょっとまだ分からないですけど、一応どっちもできるようには調整してきています」
――山上幹臣氏(元修斗世界フライ級王者)とはそのあたりも話し合っている感じですか。
「そうですね。山上さんはどちらかというと見ていけと。1ラウンド使って1回見ていいぞと。でも僕の場合、1ラウンドじゃ収集つかずに噛み砕き切れないと思うので、そこまで与えちゃうと今回厳しいというところもあるので、そうしたときに自分から行く、自分からも行けるように調整してきたので、問題ないとは思っています」
――この間、猿田洋祐選手と内藤のび太選手の試合がありました。どんな刺激を受けましたか。
「会場に見に行って、日本人のトップと言われている選手たちの試合なんじゃないかなと思いました」
――そこから、ご自身と相対的に考えてONEでの戦いを想像してみたりもしましたか。
「そうですね……リト選手5位ですが、たぶん上の選手とやっても全然勝てると思うんです。それくらい強い選手だと思うので。なので(猿田vsのび太を)これが1位と2位の戦いかというよりは、5位の選手でも大きく差があるわけじゃない、今回勝てれば、トップ戦線に食い込まさせてもらえるのかなという期待もちょっとあります」
――ともに現地入りした仙三選手とは練習してこともあるそうですね。
「もともと一緒に練習していたというのもあって、同じ飛行機で同じ56kgというのもあって、いろいろいいアドバイスをもらえています。たとえばONEの計量についても、こうやって落とせば尿酸値も引っかからないと思うといったことをアドバイスいただきました」
――ファンに向けてメッセージを。
「コロナの中、大変な時期だと思いますし、やりたいことがまだ出来ない時期だと思うんですけど、そんな中でこういう舞台に立たせてもらえてすごく嬉しですし、前回が修斗のタイトルマッチでめちゃくちゃ応援してもらって、じゃあ次、ONEと契約できたという矢先にコロナになってしまったので、僕以上に周りの応援してくれる皆さんが『試合はまだなの?』と心配していました。なので、『いよいよだぞ』という。やっぱり試合をやりたくてやりたくて、練習をやってきたところもあるので、それを見ていただければなという感じですね。今までに見たことがない箕輪ひろばが見れると思います」