2020年11月14日(日本時間15日)米国・ネバダ州ラスベガス「UFC APEX」にて開催予定の「UFC Fight Night」でオクタゴンデビューを迎える村田夏南子(27・日本)の対戦相手が、リビア・ヘナタ・ソウザ(ブラジル)の怪我により、ランダ・マルコス(35・カナダ)に変更となった。
▼女子ストロー級 5分3Rランダ・マルコス(カナダ)10勝9敗1分村田夏南子(日本)11勝1敗
RIZINで連勝後、2019年11月の『Invicta FC 38』女子ストロー級王座決定戦でエミリー・ドゥコッティに勝利し、戴冠。今回のUFCデビューを決めた村田の相手が、UFCベテランのランダ・マルコスに変更された。
レスリング・柔術がバックボーンのマルコスは、2014年の「The Ultimate Fighter 20」準決勝でローズ・ナマユナスに一本負けし決勝進出はならなかったが、同年12月の「TUF20 Finale」でUFCデビュー。以降、UFC6勝7敗1分の戦績を残している。
2020年は3月にアマンダ・リバスに判定負け、9月19日に柔術世界王者のマッケンジー・ダーンに1R 腕十字で一本負けし、現在2連敗中で、女子ストロー級ではランク外だが、かつてはランカーのカーラ・エスパルザ(2017年2月)にスプリット判定勝ち、アンジェラ・ヒル(2019年3月)にも1R 腕十字で一本勝ちしている。
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直近の白星は2019年10月のアシュレイ・ヨーダ戦。2019年6月に朱里に判定勝ちしているヨーダを相手に、マルコスはスプリット判定で競り勝っている。
“クワイエット・ストーム(静かなる嵐)”の異名通り、ベテランらしく淡々と相手を自分のペースに巻き込むマルコスは、スタンドではオーソドックス構えから突進力を活かした左右のパンチによる連打。さらに組んでのダーティボクシングを得意とする。
またダーンには敗れたもののベースとする柔術を武器に、下になっても寝技で作る場面が多く、センタク挟み、アナコンダチョークなどを見せ、4つの腕十字による一本勝ちもマークしている。
サウスポー構えの村田にとっては、角度をつけた出入りから左の蹴りも活かしてスタンドで優位に立ち、スピーディなテイクダウンから、際の寝技に注意しながらもドミネートしたい。
2019年7月に5位のクラウディア・ガデーリャに敗れたことでランク外に落ちたマルコスにとっては、村田に勝利して再びランク入りを目指したいところ。村田にとっては15位のソウザとの対戦が流れたいま、ランク外ながらランカーに白星を挙げているマスコスを下して、ランキング入りを確実なものとしたい。
中学まで柔道で国際大会で優勝するなど活躍した村田は、高校ではレスリングに転向し、2011年ブカレスト世界ジュニア選手権55kg級で優勝。同年12月の全日本選手権では吉田沙保里に敗れたものの、第一ピリオドにおいて2ポイントを奪うなど健闘。2012年12月の吉田が欠場した全日本選手権では初優勝を果たしている。
渡米前にはリオ五輪金メダリストの登坂絵莉と再会。エールを交換した村田。米国では、コンバット・スポーツ・アカデミーのキリアン・フィッツギブンスコーチとのマンツーマンの練習風景を公開している。
王者ジャン・ウェイリーを頂点とする女子ストロー級では、2020年11月7日に4位のクラウディア・ガデーリャを判定で下したヤン・シャオナンがUFC6連勝と、アジアから中国勢のみが存在感を示している。果たしてここに、村田は割って入ることが出来るか。
王者 ジャン・ウェイリー(中国)1位 ローズ・ナマユナス(米国)2位 ヨアナ・イェンジェイチック(ポーランド)3位 カーラ・エスパルザ(米国)4位 クラウディア・ガデーリャ(ブラジル)5位 ニーナ・アンサロフ(米国)6位 ミシェル・ウォーターソン(米国)7位 カーラ・エスパルザ(米国)8位 マリナ・ロドリゲス(ブラジル)9位 ヤン・シャオナン(中国)10位 テーシャ・トーレス(米国)11位 マッケンジー・ダーン(米国)12位 アンジェラ・ヒル(米国)13位 ヴィルナ・ジャンジローバ(ブラジル)14位 フェリス・ヘリング(米国)15位 リヴィア・ヘナタ・ソウザ(ブラジル)
今週末の村田夏南子に続き、2週間後の11月28日(日本時間29日)には佐藤天(vsミゲル・バエザ)の出場も決まっているUFC日本勢。魅津希の8月以来の試合はどうなるか。さらに、12月19日(日本時間20日)のマネル・ケイプ(vsアレッシャンドリ・パントージャ)、2021年2月27日(日本時間28日)のイリー・プロハースカ(vsドミニク・レイエス)の試合も含め、日本がらみのファイターたちの活躍に注目だ。