キックボクシング
レポート

【ビッグバン】城戸が判定勝ちで「10周年記念興行」を締める、駿太防衛、谷山俊樹が明戸下す<第2部>

2020/11/08 17:11
「スーパービッグバン2020 ビッグバン10周年記念興行・谷山ジム35周年記念興行」<第2部>2020年11月8日(日)東京・TDCホール ▼第9試合 メインイベント第2試合 72kg契約 3分3R○城戸康裕(谷山ジム/K-1 WORLD GP 第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント2017準優勝)[判定2-0] ※29-29, 30-29, 29-28×藤村大輔(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  今回が76戦目となる城戸は37歳の大ベテラン。2019年3月のK-1ウェルター級タイトルマッチでは敗れたが、元々の階級であるスーパー・ウェルター級に復帰し、8月大会でアントニオ・ゴメスをKO、11月大会で神保克哉をKO。しかし、今年3月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」では1回戦を左ハイキックのKOで突破するも、準決勝で若い和島大海に判定で敗れた。8月29日にモデルの平木愛美と結婚したことを発表し、新婚第一戦となる。  藤村は2015年8月からK-1 JAPAN GROUPに参戦し、和島大海、神保克哉、山崎陽一らとスーパー・ウェルター級戦線でしのぎを削ってきた。今年3月には第3代K-1スーパー・ウェルター級王者決定トーナメントのリザーブファイトで小鉄から判定勝利。8月のKrushではMIKE JOEに判定で敗れている。戦績は12勝(5KO)6敗1分。  まだまだK-1王座を諦めないとする城戸にとっては差を見せつけて勝ちたいところだが、前戦で不覚をとっている藤村としては得意の右のパンチをさく裂させたい。  1R、最初はともにオーソドックス構えから。右ローからそのまま前に足を置きサウスポー構えになる城戸はコーナーを背にしながらも左ミドル、奥足ロー! さらに左ハイもセコンドの「右手を下げるな」の指示通り、藤村はブロックし、右の強打を狙う。  2R、左の奥足ローを当てる城戸に藤村は中に入って右アッパーを突くが、回る城戸はその入りに左ヒザ、得意の左ハイ、ワンステップの左ストレートを狙う。しかし強い圧力をかける藤村も決定打はもらわず下がらず。  3R、詰める藤村に回る城戸は左ハイをヒット。それでも前に出る藤村は右アッパーボディも、城戸は下がりながらも呼び込んでの左バックフィスト、クリンチワークからのヒザ、さらに離れ際の左ローを老獪に放ち、判定2-0(29-29, 30-29, 29-28)で勝利した。  試合後、城戸は「藤村くんなんかやってますね(笑)。あんだけ奥足蹴ったのに、普通こうなる(腰が引ける)のにおかしいなと。鍛えてきたんですね。2Rくらいで(相手が)立てなくなる予定だったんですけど怖くなった」と藤村の圧力を讃えた。  続けて、「今回、72kgだったのは、12月にも出る予定だったんで。それがちょっと無くなって、でも次にいい試合が決まりそうなので、キーちゃん応援団のみんなも楽しみにしていてください。いい締め括りということで、ありがとうございました!」とソーシャルディスタンス仕様の観客に挨拶した。 【写真】2018年のミス・ユニバース・ジャパン加藤遊海とともに勝利のポーズの城戸。  また、試合後、インタビュールームで城戸は、「セコンドの指示が『●●狙ってるよ!』って俺に聞かせてるんスよ! もう(渡辺)雅和……(笑)。まあまあでもいいんじゃないですか。セコンドはそういうものですから、上手くやりやがったなと」と、1者がドローとなった判定に首を傾げながらも、危なげない内容に声を弾ませた。  今後については、「“K-1界のキングカズ”さんを目指していますんで、今後ズバーンとトップへ行くスーパースターは武尊にお任せして、僕はもうその横で“こんなのいるんだ”という位置でやりたいなと」と53歳で活躍中のレジェンドを目標とし、「僕、今回76戦で、次77戦になるわけですよ。佐藤嘉洋さんがK-1の日本人で最多80戦なんですよ。なんで僕が日本人最多を来年くらいには……いや“77、78、79”(指折り数えて)……まあ再来年には更新して、……驚愕の100戦をやろうと思っています。“生きる伝説”に。僕の試合の解説を引退した武居(由樹)君がしているくらいまでになればいいなと」と、37歳・新婚城戸は語った。 [nextpage] ▼第8試合 メインイベント第1試合 キックルール(ヒジ打ちあり)Bigbangスーパーフェザー級タイトルマッチ 3分5R○駿太(谷山ジム/王者)[判定3-0] ※49-48×2, 49-47×宮崎勇樹(相模原Sジム/MA日本フェザー級王者/挑戦者)  駿太は2003年2月にプロデビューし、国内とタイのトップ選手を相手に渡り合ってきた大ベテラン。2019年6月に琢磨をKOしてベテラン健在ぶりを示したが、8月の安本晴翔戦、今年2月の栗秋祥梧戦と若い選手に連続KO・TKO負けを喫しており、今回は踏ん張りどころ。戦績は36勝(14KO)22敗4分。  宮崎は2018年5月のMA日本フェザー級王座決定戦で、大野貴志から下馬評を覆す判定勝ちを収め、初戴冠を果たした。2019年4月に臨んだ同王座の初防衛戦では國枝悠太に判定勝ち。同年9月のシンダム・ゲッソンリット戦ではパンチでグラつかせる場面があったものの判定2-0で敗れている。今年9月にはNJKFでWBCムエタイ日本統一フェザー級王者・大田拓真に挑戦したが、判定3-0で敗れている。戦績は11勝8敗3分。  1R、サウスポー構えの駿太にオーソドックス構えの宮崎。5R制の静かな立ち上がりから、宮崎はワンツーでの詰めから首相撲を組む。  2R、ジャブ&ローの駿太は左ヒジを狙いじりじりと詰めると、コーナーを出る宮崎はワンツのパンチで押し戻す。  3R、左ミドルを当ててコーナーに詰める駿太。右を繰り出し外に出る宮崎は右のスーパーマンパンチ、さらに右ヒザから右ストレートを繰り出す。駿太は左ミドル。  4R、ギアを上げた駿太。左右のローを効かせ、左ミドルで圧力をかける駿太。宮崎も左を打つが、すぐに駿太は蹴り返し。駿太も右ストレートを打ち抜く。  5R、詰める駿太は足を止めず。左右から右ローまで繋ぎ、左に回る宮崎を追いかけパンチを時に被弾しながらも、左ミドルを当てて前へ。最後まで前進し続け、判定をモノにした。  ベルトを腰に戻し、リング上で号泣した駿太は、「勝って勇気を与えられる試合をしたかったのですが、ほんとうにしょぼい試合をしてしまってすみません。もちろん、宮崎選手が強くてそうなったのですが、ジムでもデカいこと言ってしまって。これもキックボクシング。ちゃんと自分の気持ちを見せられるように試合を出来るようにまた戻ってきますのでよろしくお願いします」と涙ながらに語った。 [nextpage] ▼第7試合 セミファイナル 64kg契約 3分3R○谷山俊樹(谷山ジム/WKA世界スーパーライト級王者)[判定2-0] ※30-29×2,30-30×明戸仁志(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  谷山は学生キックを経て、2008年3月にプロデビュー。Bigbang以外にもK-1やKRUSHで活躍し、これまでWBKF王座のほか、WKA世界スーパー・ライト級、初代Bigbangスーパー・ライト級、ISKAインターコンチネンタル63kgなどの王座も獲得。戦績は31勝(9KO)10敗2分のベテランだ。  明戸は空手仕込みのハイキックや後ろ廻し蹴りを武器に、平塚大士、剣闘士“俊”、島野浩太朗に勝利するも、その後はまさかの5連敗。2018年8月に剣闘士“俊”との再戦に延長戦で勝利したが、2018年11月に“バズーカ”巧樹に敗れ、2019年5月の林将多戦では延長戦の末に判定勝ち。戦績は10勝(4KO)11敗。  1R、左ミドルと前蹴りを蹴り分け自身の距離にする谷山。明戸はワンツーから左ミドルも谷山の蹴り足を掴んでの攻撃にイエローカードが出される。  2R、右跳びヒザから詰める谷山に、明戸はワンツーから右ボディーに繋ぐ。谷山の左右は防御もヒザに下がる場面が多くなる。明戸の左に右をかぶせる谷山! 押し込む場面が多くなる両者。  3R、詰める谷山は左右からヒザ蹴りと明戸の距離を作らせない。ロープまで詰める谷山は左右連打。ロープを背になる明戸は左目尻から出血。離れ際に左ハイもブロックされる。接戦の判定は前に出て手数を出した谷山が勝利。  試合後、谷山は「しょっぱい試合ですみませんでした。しっかり仕上げてきたんですけど明戸選手気持ちが強くて、格闘技は難しいなと思いました。また頑張ります。応援、よろしくお願いします」と挨拶した。 [nextpage] ▼第6試合 ヘビー級 3分3R○実方宏介(真樹ジムAICHI/Bigbangヘビー級王者)[1R 0分31秒 KO]×達磨石川(士魂村上塾)  1R、下は道衣の達磨は距離を詰める。自陣コーナーに詰まりながらもしっかりジャブを突く実方は、達磨の大きな右にカウンターの左右でダウンを奪い、衝撃KO勝利。  試合後、リング上で「コロナで大変な中ご来場ありがとうございます!RIZINにも上がらせてもらってKOで勝ってホームい戻って、最初はちょっと危なかったですけど一発で仕留めることがBigbngのベルトを守りながら、他団体のチャンピオンを倒すことが目標です。またBigbangに戻ってきます」と挨拶した。 [nextpage] ▼第5試合 Bigbangフェザー級王座挑戦者決定戦 3分3R延長1R×桝本翔也(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)[延長判定1-2] ※9-10×2, 10-9○竹内賢一(Ten Clover Gym世田谷/J-NETWORKフェザー級3位)  1R、ともにオーソドックス構え。ジャブ&前蹴りの竹内に、詰める桝本は左ボディ、右ボディを効かせ左フック。さらに得意の左ハイもクリーンヒット。しかし終盤、竹内は左ハイ、左ミドルを3連打する。  2R、前足にローを効かせ左ボディ、左ハイをガード上から叩き込む桝本。左右ボディで飛び込むが、武内もジャブ、ヒザ、左のテンカオを突き刺る。  3R、左インロー、左ボディ、フックを効果的に当てる桝本に竹内は首相撲からヒザを連続で当て、さらに左右テンカオ。判定は三者三様(29-30竹内, 桝本29-28,29-29)で1-1ドローで延長に。  延長R、頭をつけあい至近距離で戦う両者。頭が下がるようになってきた桝本にヒザを突く竹内。桝本も左下段蹴り、突き放して離れ際のハイ、ボディ、フックを当てるが、延長判定はスプリットに割れ、大熱闘の接戦を竹内が制した。 [nextpage] ▼第4試合 70kg契約 3分3R×森田崇文(team.NEWALONE/元RISEミドル級1位)[判定0-2] ※28-29×2, 29-29○高木覚清(岡山ジム/INNOVATIONウェルター級8位)  1R、序盤から手足をリズムよくジャブ&ローを突く森田は前蹴り、右ミドルも。しかし後半、高木は左ミドルを返し、右ストレートで前に。  2R、ジャブで高木のアゴを上げさせる森田はジャブ&右ロー、左ハイも織り交ぜる。詰めて右を振る高木は右アッパーも振るが、下がりながら森田はジャブ当てる。  3R、さらに詰める高木はパンチの距離で勝負。森田は回りながらも左ミドルを当て、ジャブ&ロー。終盤、ストレートを当てる高木は前へ。  判定は1者ドローも2者が29-28×2で前に出た高木を支持した。 ▼第3試合 51kg契約 キックルール(首相撲ヒジ打ちあり)3分3R○谷津晴之(新興ムエタイジム)[判定3-0] ※30-28×2, 30-29×龍太郎(真門ジム)  1R、ともにオーソドックス構え。長い距離の前蹴り、左ミドル、ワンツー、右ローは谷津。龍太郎は詰めて近い距離で右ロー。  2R、距離を詰める龍太郎は右ボディ、右フック、飛び込み右ローを当てる。谷津もミドル、首相撲こかしもイーブンのラウンドに。  3R、中間距離から右ミドル、右ローを当てる谷津。龍太郎の入りのワンツーにもカウンターの右を当て、判定3-0で谷津が勝利した。 ▼第2試合 69kg契約 3分3R○陽太郎(谷山ジム)[判定3-0] ※29-28×2,30-27×高橋祥容(菅原道場)  1R、サウスポー構えの陽太郎に、オーソドックス構えの高橋の右ローが2度金的に入り2度中断。再開。高橋の詰めに左ミドル、左ストレートを合わせる陽太郎に、高橋は前進し右ヒザ、右ローを効かせる。強い右ミドルを当てる。  2R、右ミドル、ヒザの高橋も単発。陽太郎は左ミドル、左ボディと打ち分け、左ストレートをクリーンヒット。高橋の右ミドルに左ストレートを合わせ、ダウンを奪う。  3R、左の打ち下ろしの下段蹴りを効かせる高橋。陽太郎も前に出て左を振るが、足がついていかなくなる。  追い上げた高橋だが2Rにダウンを奪った陽太郎が判定勝利した。 ▼第1試合 53kg契約 3分3R×ジョニーMJ(チーム・ピットブル)[判定0-3] ※28-29×3○西槇隼汰(パワーオブドリーム)  1R、ともにオーソドックス構え。開始早々ジョニーは左右ラッシュ。ガード固める西槇は徐々に右蹴り返し。ジョニーも左右ローを前足に突く。  2R、ワンツミドルまで繋ぐジョニー。しかし手数が減り、西槇はローをカット。逆に右ローを突き、ジョニーに前に出させて狙う、  3R、サークリングするジョニーはスピンキックも詰める西槇は、ガード固めワンツー。さらにバックフィスト、左前蹴りも。コーナーに詰め右ストレートもヒットし、判定3-0で西槇が勝利した。
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