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レポート

【QUINTET】初の女子プログラップリング団体戦は10th planetが優勝! 日本柔術女子は涙の準優勝

2019/04/07 15:04
【QUINTET】初の女子プログラップリング団体戦は10th planetが優勝! 日本柔術女子は涙の準優勝

グラップリング団体戦「QUINTET」の初の女子のプロ大会「QUINTET FIGHT NIGHT 3 in TOKYO─Female Open Team Championship 2019─」が4月7日(日)、 東京・アリーナ立川立飛にて行われた。

1回戦では「TEAM 10th Planet」が「TEAM DEEP JEWELS」に3人残しで勝利。次鋒まで引き分けのなか、「TEAM 10th Planet」の中堅・エルバイラ・カルピネンが奈部ゆかりをトーホールド、前澤智を腕十字、富松恵美をリアネイキドチョークで極め、3人抜き。決勝進出を決めた。

もうひとつの1回戦では「TEAM BJJ KUNOICHI」が「TEAM Sun Chlorella」に3人残しで勝利した。「TEAM BJJ KUNOICHI」は先鋒・杉内由紀が下からの腕十字・腕固めで池本美憂、杉本恵、長野美香の3人を抜く活躍をいきなり見せる。

対する「TEAM Sun Chlorella」は副将のサラ・マクマンが杉内をギロチンに、澤田明子を肩固めで極めて追い上げる。

「TEAM BJJ KUNOICHI」は中堅として登場した柔術世界選手権4連覇の強湯浅麗歌子が、連続一本勝ちのマクマンを腕十字で極め、再び先行。最後は湯浅が「TEAM Sun Chlorella」の大将・山本美憂も腕十字で極め、決勝進出を決めた。

決勝は、「TEAM 10th Planet」「TEAM BJJ KUNOICHI」ともに5選手が時間切れで引き分けるも熱戦続き。この日4試合目の「TEAM BJJ KUNOICHI」中堅・杉内由紀が、同じく4試合目の「TEAM 10th Planet」中堅・エルバイラ・カルピネンを分け役として止めれば、「TEAM BJJ KUNOICHI」副将でエースの湯浅麗歌子を、「TEAM 10th Planet」の16歳グレース・ガンドラムが分けて、大将戦へ。「TEAM 10th Planet」のリズ・カモーシェが猛攻をしかけるが、「TEAM BJJ KUNOICHI」の澤田明子も極めさせずドローに。

大将戦の指導の数、全試合での指導の数も同数のため、最後は大将戦のレフェリー判定となり、判定3-0でエディ・ブラボー総帥率いる「TEAM 10th Planet」の優勝が決定した。

試合後、「TEAM BJJ KUNOICHI」を率いた湯浅は、「1回戦はサラ選手と美憂選手と試合ができて、自分の形に持ち込めてフィニッシュできたのはすごく良かったと思います」と振り返り笑顔を見せたが、2回戦に関しては、「誰が引き分けて誰が取るのか、オーダーをずっとみんなで読んでいて、決勝は私と市川さんのどちらかが取れれば勝てると思っていましたが、副将にデフェンス力が強いガンドラム選手を持ってこられて、相手に“作らせない”デフェンス力が高く、さすがエディ・ブラボーの弟子だなと感じました」と、分け役に止められたことで厳しい表情に。

続けて、「決勝戦もみんないつもだったら諦めるようなところも頑張ってくれて練習にも誘ってくれて……本当に感謝しかない……ありがとうございます」と涙を流しながら、チームのメンバーに感謝の意を伝えると、「今日は反省もしっかりして立ち止まらずに、5月も6月も試合があるので気持ちを切り替えてまた練習をしっかりやります」と最後は前を向いた。

「QUINTET」は2018年4月11日の両国国技館大会での旗揚げ戦から1年。試合後、桜庭和志プロデューサーは「1回戦の2試合が面白かったです。特にサラ・マクマン選手の強さや山本美憂選手の頑張りが印象に残りました。引き分け狙いの醍醐味もありますが、決勝は正直、もうちょっと一本を狙って欲しかった」と総括すると、「旗揚げから1周年で、ルールも少しずつ変えて行かないといけない。エディ(・ブラボ―)さんから、時間や体重差について、こんなルールはどうかと言われたんですが、そのルールいいなって話をしました。寝技は面白いんです。面白いんですが守りだけになっちゃうと面白くない。なのでもっと一本を取りに行くルールにするようにいろいろ考えていきたいです」と2年目の展望を語った。また、「次のQUINTETに出られれば。練習はやってます」とプロデューサー自らの出陣も示唆した。

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◆「QUINTET FIGHT NIGHT3 in TOKYO -Female Open Team Championship 2019-」
4月7日、東京・アリーナ立川立飛

【1回戦】
※総体重280kg、1試合8分一本勝負(女子の場合、7kg以上の体重差のある試合は4分)。

◆TEAM 10th Planet(277.4kg)
先鋒・リズ・カムーシュ/次鋒・グレース・ガンドラム/中堅・エルバイラ・カルピネン/副将・リラ・スマジャークルス/大将・ファビアナ・ジョージ
vs
◆TEAM DEEP JEWELS(278.4kg)
先鋒・KINGレイナ/次鋒・青野ひかる/中堅・奈部ゆかり/副将・前澤 智/大将・富松恵美

△先鋒・リズ・カムーシュ(63.5kg)
[8分時間切れ引き分け]
△先鋒・KINGレイナ(68.75kg)

△次鋒・グレース・ガンドラム(43.8kg)
[8分時間切れ引き分け]
△次鋒・青野ひかる(49.9kg)
※ガンドラムは終了間際ツイスターも青野凌ぐ。

◯中堅・エルバイラ・カルピネン(64.8kg)
[0分25秒 トーホールド]※外掛けからトーホールド
×中堅・奈部ゆかり(59.8kg)

◯中堅・エルバイラ・カルピネン(64.8kg)
[3分26秒 腕十字]※試合時間4分、三角から腕十字
×副将・前澤 智(49.65kg)

◯中堅・エルバイラ・カルピネン(64.8kg)
[3分58秒 リアネイキドチョーク]※試合時間4分
×大将・富松恵美(50.3kg)
※終了間際に4の字ロックで顎上から極める。

◆TEAM BJJ KUNOICHI(261kg)
先鋒・杉内由紀/次鋒・澤田明子/中堅・湯浅麗歌子/副将・市川奈々美/大将・越後伊織
vs
◆TEAM Sun Chlorella(279.1kg)
先鋒・池本美憂/次鋒・杉本恵/中堅・長野美香/副将・サラ・マクマン/大将・山本美憂

◯先鋒・杉内由紀(51.25kg)
[0分58秒 腕十字]
×先鋒・池本美憂(54kg)

◯先鋒・杉内由紀(51.25kg)
[0分41秒 腕十字]
×次鋒・杉本 恵(52.15kg)

◯先鋒・杉内由紀(51.25kg)
[0分49秒 腕ひしぎ腕固め]
×中堅・長野美香(51.2kg)

×先鋒・杉内由紀(51.25kg)
[0分26秒 ノーアームギロチンチョーク]※マルセロチン。試合時間4分
◯副将・サラ・マクマン(67.75kg)

×次鋒・澤田明子(53.85kg)
[1分20秒 肩固め]
◯副将・サラ・マクマン(67.75kg)

◯中堅・湯浅麗歌子(49.15kg)
[1分57秒 腕十字]
×副将・サラ・マクマン(67.75kg)

◯中堅・湯浅麗歌子(49.15kg)
[6分18秒 腕十字]
×大将・山本美憂(54kg)

※湯浅の下からの仕掛け、バックを再三防いだ山本だが、湯浅は下からヤスケビッチ式に潜り極めた。

【決勝戦】
※試合順は1回戦で戦わなかった選手から優先的に出場。

◆TEAM 10th Planet(277.4kg)
先鋒・リラ・スマジャークルス/次鋒・ファビアナ・ジョージ/中堅・杉内由紀/副将・湯浅麗歌子/大将・澤田明子
vs
◆TEAM BJJ KUNOICHI(260.95kg)
先鋒・越後伊織/次鋒・市川奈々美/中堅・杉内由紀/副将・湯浅麗歌子/大将・澤田明子

△先鋒・越後伊織(47.5kg)
[8分時間切れ引き分け]
△先鋒・リラ・スマジャークルス(52,15kg)

△次鋒・市川奈々美(59.2kg)
[8分時間切れ引き分け]
△次鋒・ファビアナ・ジョージ(53.15kg)

△中堅・杉内由紀(51.25kg)
[4分時間切れ引き分け]
△中堅・エルバイラ・カルピネン(64.8kg)

△副将・湯浅麗歌子(49.15kg)
[8分時間切れ引き分け]
△副将・グレース・ガンドラム(43.8kg)

△大将・澤田明子(53.85kg)
[4分時間切れ引き分け]
△大将・リズ・カムーシュ(63.5kg)

※大将戦、全体の指導数も同数のため、大将戦判定3-0でTEAM 10th Planetが優勝

【スペシャルシングルマッチ】

◯世羅智茂
[6分28秒 三角絞め]
×渡部修斗

◯出花崇太郎
[7分28秒 腕十字]
×ホブソン・タンノ

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