大川を下し、再びベテラン健在ぶりを示した炎出丸(左)
「REBELS.66」
2020年10月3日(土)東京・新宿FACE
▼メインイベント(第6試合)55.5kg契約 3分3R BLACKルール
◯炎出丸(クロスポイント吉祥寺)
判定2-0 ※30-29、29-29、30-28
×大川一貴(青春塾)
炎出丸は2005年4月デビューのベテラン選手。首相撲からのヒザ蹴りを得意とし、2013年3月にはJ-NETWORKスーパーバンタム級王座に就いている。2019年6月のREBELSではハイキックでダウンを奪って勝利を収め、ベテラン健在を示したが12月の新日本キックではMITSURUに判定負けを喫した。戦績は31勝(5KO)27敗8分。
大川はサウスポーで左ミドルを主体としたスタイル。戦績は4勝(1KO)10敗だが、2019年10月のREBELSで鈴木貫太と熱戦を展開した。
1R、サウスポーの大川が炎出丸の右ローに、左のインローを返していく。大川は左ローを多用し、左ミドルで距離を取る。終盤、ステップでサークリングする大川に、炎出丸が右ストレートをヒットさせた。
2R、大川が細かいフックから左ハイキックに繋ぐコンビネーションを見せる。炎出丸は、圧力を強めて、強烈な右ヒザ蹴りを何度もボディに突き刺していく。左ロー、ミドルで対抗する大川だが、徐々に炎出丸がパンチで接近する場面が増えていく。
3R、大川は左ミドルを出すが、炎出丸の圧力に押され気味で手数が減る。得意の組んでの展開で炎出丸が何度もヒザ蹴りをボディに突き刺し、顔面ヒザ蹴りも見舞う。大川もパンチで前に出るが、炎出丸が前蹴りでバランスを崩させる場面も。終盤には手数の減る大川に、炎出丸が右飛びヒザ。そして左右のフックで追い討ちをかける。3Rに見せ場を作った炎出丸が判定2-0で勝利した。
▼セミファイナル(第5試合)REBELS-RED 53.5kg級王座決定リーグ戦 3分3R REDルール
◯工藤“red”玲央(TEPPEN GYM)
KO 3R 1分17秒 ※右フック
×前田伊織(北流会君津ジム)
「RED(ヒジ打ちあり)53.5kg級王座決定リーグ戦」は6人の選手が総当たりリーグ戦で争い、最も獲得ポイントの多い選手が初代53.5kg級王者に認定される。テーマは「育成」で、2018年に行われたスーパーフライ級リーグ戦で老沼隆斗(STRUGGLE)が優勝し、その後REBELSを代表する選手になったように、まだまだ知名度もキャリアもこれからの選手たちが1年をかけたリーグ戦でキャリアを積みファンに認知してもらう事で、REBELSを背負う選手に育ってほしいというもの。
工藤はファイヤー原田の愛弟子としてJ-NETWORKで活躍、ジムの閉鎖とともにTEPPEN GYMに移籍してファイヤー譲りの根性に加えて技術を磨く。前田はジュニアキック出身で2018年7月にプロデビュー。3月大会で前田は安達浩平に、工藤は響波に敗れており、それぞれ得点が欲しいところだ。
1R、ステップを踏む工藤が右ローを放つ。距離を取る前田は右ミドルを放っていく。中盤、右ストレートで接近した工藤が左ボディフックをヒット。前田は強烈な右ミドルを返す。
2R、工藤がじりじり接近すると、前田が左右のミドルを連続で放つ。工藤は右ローを蹴り、接近すると左ボティフックをめり込ませ、後退させる。そしてロープに追い詰めるとパンチを連打して見せ場を作った。
3R、前田が右ミドルを放つと、蹴り足を掴んで右ストレートを打ち抜く工藤。長い距離のミドルを蹴る前田に、工藤は詰め寄って左右のボディフックをヒット。さらにロープ際で右ストレートを打ち抜き、ダウンを奪う。立ち上がるも足元がおぼつかない前田に、最後は工藤が右ハイ、右ロー、最後に右フックを打ち抜くと前田がバッタリと倒れ、レフェリーが即座に試合を止めた。圧巻のKO勝利で、会場を沸かせた工藤は喜びを爆発させた。
工藤はマイクを持つと「凄い大変な時期なのに試合が出来て感謝しています。個人的な話なんですけれど、コロナ鬱になって凹んでて、格闘技も嫌いになっていたし、同じジムの子たちと仲良くなくて、嫌われた感じがしていました。合宿の前の7月くらいからは切り替えて、自分が変わらないと治らないと思って、頑張ってここまで持ってこれました。リーグ戦を勝って、チャンピオンになるので皆さん応援よろしくお願いします」と高らかに優勝を宣言した。