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【K-1】山崎秀晃、執念実り悲願の王座奪取「負けたら最後、もうこれで引退しようと思っていました」

2020/09/22 23:09
【K-1】山崎秀晃、執念実り悲願の王座奪取「負けたら最後、もうこれで引退しようと思っていました」

試合後、その胸中を告白した山崎

 2020年9月22日(火・祝)エディオンアリーナ大阪・第1競技場で開催された『K-1 WORLD GP~K-1秋の大阪決戦』。そのメインイベントでK-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の安保瑠輝也(team ALL-WIN)を1R1分19秒、左フックでKOしてタイトルを奪取した山崎秀晃(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が、試合後インタビューに答えた。

 山崎は2014年11月の「K-1 WORLD GP -65kg初代王座決定トーナメント」の1回戦でゲーオに敗れ、2017年4月に王者ゲーオに挑むも再び敗れて2度K-1王座獲得ならず。今回、ようやくK-1王座を手にした。

<記者との質疑応答>

――試合の感想を教えてください。

「結果、こうしてKOで勝ったというのが、自分が格闘技の華はKOだって言っていたように、しっかり締められたのは嬉しい気持ちです。その中でタイトルマッチという試合でベルトを獲得できたのは嬉しい気持ちで、仲間と一緒に分かち合えたというのが最高の気持ちです」

――安保瑠輝也選手についてはどう感じましたか?

「やはりゲーオを倒して防衛もして、強い選手っていうのは分かっていたので、僕も試合前に1人でネガティブになることがあったりとか、古傷が痛んだりして孤独で悩んだ時もありましたけれど、仲間やファンの前でその強いチャンピオンを倒せたというのもありますし、安保選手自体は選手として本当にリスペクトしています」


――今回も速い仕掛けでしたけれど、あれは最初から?

「いや、作戦というのはなくて長年やってきた経験を試合中に臨機応変に出せれば必ずベストな形が出るだろうと自分に言い聞かせて信じてやりました」

――あの時点でいけると踏んで?

「2つめ(のダウン)はいけると踏んで行きました。1個目(のダウン)は組み立ての中でいい形で当たったのでよかったです。2回目は感触もあって倒れ方も倒れ方だったので確信しました」

――終わったばかりですが、自分の持っているチャンピオン像と戦いたい相手がいたら教えてください。

「理想のチャンピオンは本当に最強のチャンピオンというか、どんな相手でも僕のゴールデンフィストでなぎ倒せるようなチャンピオンになっていきたいと思います。やりたい相手と言えば僕が負けてきたゲーオ選手とは正直やりたいと思いますけれど、まだ実感がないです」

――今日、(同門の)卜部功也選手も勝ちましたが、お互いベテランとしてまだまだやっていかないといけないという気持ちですか?

「功也も圧倒していたと思いますし、年齢とか関係なく練習量とか気持ちとか努力で引っ繰り返せると思うので、そういう意味では怪我も多いですけれど見ている方にそういう部分も伝えられたんじゃないかなと思います」

――試合後に左足を引きずっていましたが、試合前から痛めていたのでしょうか?

「そうですね。古傷が痛んで。でも試合後に引きずっていた意識はなかったです。ちょっと試合前に痛めて、一人暗く落ち込むことになりました」


――功也選手が65kgに上げると宣言したんですが、いかがでしょうか?

「そうなんですか? 怖いですね(笑)。彼は天才やと思っているので。ずっと一緒にやってきましたけれど…以上です(笑)」

――対戦って考えられますか?

「いやぁ、今のところはちょっと考えられないです。でも65kgでも通用するテクニックとパワーがあると思うので、選手として尊敬していますし勉強になることも多いですし。いま初めて聞いたので整理がつかないですね」

――2年前に負けてからいろいろなモチベーションの意地の仕方があったと思いますが、どのように?

「半分以上はネガティブな気持ちというか。無理やりポジティブに考えようとはしていましたけれど、このまま終わってしまうんじゃないかって気持ちの方が大半で。綺麗ごとを並べると皆さんが応援してくださって頑張れてっていう感じですかね。前を向けるって気持ちではあったんですけれど、芯の部分ではネガティブな気持ちがあって。しんどい格闘技生活でしたね、この2年間は」

――試合前まで続いたんですか?

「僕は人にネガティブなことを話す方ではないので、獲ったからこそ皆さんの前でこういうことも言えますけれど、試合直前まで、リング上がる直前まで不安というかネガティブな部分はありました。もしかしたら、これで負けて最後になるんじゃないかなっていう気持ちもありました」

――昨日の計量ではこの試合を集大成に、と言われていましたが、最後だって気持ちでやっていたのでしょうか?

「本当に今回は、負けたら最後、もうこれで引退しようと思っていました」


――今はその気持ちに変化はありましたか?

「獲ったからにはこれで自信も付いたので、まだまだ行くぞって感じですね」

――最初のカード発表会見から安保選手に戦ってきた相手が違うから云々とずっと言われてきたじゃないですか。あれに関しては怒るというよりも自分のことで精いっぱいでそこまで頭がまわらなかった感じですか?

「いや、ポーカーフェイスで『相手は俺が選んだわけじゃない』とか『お前がそう思っていても俺は俺やから』とかっていうのはありましたけれど、正直イライラは相当ありました。いろいろな動画サイトでもナメた口をきかれていたので、余裕かましているなって思っていました。痛い目にあわせてやろうとイライラしていましたね」


――ベルトを獲られてこれまで何回もチャレンジして失敗してきた経緯がありますが、今回獲れたのはどうしてだと思いますか?

「諦めずに頑張ってきたというか、神様がしっかり見てくれていたんじゃないかって思います。もう一歩頑張れよってことだと思います。本当にホッとしていますし、K-1で長年やってきたことの証を山崎秀晃がK-1のチャンピオンに名前を連ねたなっていうのがあるので、最高の気持ちです」

――試合に向けて練習量を増やしたとか、変わった練習をしたことはありますか?

「僕は1回目にゲーオ選手に頭を割られて負けた時からフィジカルの先生にずっとついてもらっていたんですが、年度末に休止されてずっとフィジカルが出来ない状態で自己流でやっていて不安はあったんですが、その中で自分に厳しく、時間がある中で走ったり自分で筋トレ増やしたり、KRESTの仲間や後輩が走りに行きましょうって煽ってくれたり。タイトルマッチを迎えても、僕が弱いだけかもしれないですけれど、頑張ろうと思っても今日はしんどいな、もういいかなって思ってしまうこともありましたけれど、仲間やトレーナーのおかげでもう一歩踏み出すことができて。もう一発、もう二発パンチを打ち込むことが出来たので本当にKRESTのチームメイトには感謝しています。周りが煽ってくれて、最高の仲間に巡り合ったと思っています」

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