キックボクシング
レポート

【RISE GIRLS POWER】小林愛三が雄叫びをあげる気迫のファイト、決勝は小林vs陣内まどか

2020/09/20 22:09
「RISE GIRLS POWER 3」2020年9月20日(日)東京・新宿FACE ▼メインイベント(第7試合)初代RISE QUEENフライ級(-52kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R〇小林愛三(NEXT LEVEL渋谷/WPMF女子世界フライ級王者)判定3-0 ※30-29、30-28、30-28×KOKOZ(TRY HARD GYM/スック・ワンキーントーン女子ミニフライ級王者)※小林が決勝へ進出。  小林は2015年2月にプロデビューすると、2018年7月にシュートボクシングの試合でイリアーナ・ヴァレンティーノに敗れるまで13戦無敗を誇った。KNOCK OUTでは女子部のエースとして活躍し、2018年12月には伊藤紗弥との国内頂上対決を制し、翌年4月にはイリアーナとKNOCK OUTで再戦し、リベンジに成功。11月にWPMF世界女子フライ級王座を奪取。前戦は今年7月のRISE初参戦で、これまでの蹴り主体のスタイルからパンチ主体のスタイルに変えてMARIに判定勝ちした。  KOKOZはムエタイとももいろクローバーZ を愛する18歳で、2019年6月に無敗でスック・ワンキーントーン女子ミニフライ級王座を獲得。RISE初参戦となった今年2月にはいきなりRISE QUEENミニフライ級王者・寺山日葵と対戦。接戦を展開し判定で敗れたが、パワフルなパンチを印象に残した。  1R、小林が最初から積極的に攻めていく。ジャブを突き、右ストレート、前蹴り、右ローにつなぐ。KOKOZも右ストレート&左フックで迎え撃つ。小林がワンツーから左ロー、KOKOZもローを蹴り、互角の展開。  2R、小林が前へ出てパンチとローを放っていくが、KOKOZはしっかり見て左フックと右ストレートを合わせに行く。小林は強い右ローを蹴り、前蹴りで突き放すと右ストレート。小林はコンビネーションの最後に必ず右ローを蹴り、KOKOZがこれをまともに受ける場面も。  3R、声を出しながら前へ出てパンチを繰り出す小林。打ち合いでKOKOZが返しの左フックを当てるが、小林は前へ出てパンチの連打からテンカオ。KOKOZが下がると右ロー。小林の左ボディ、前蹴りが続けてヒットし、さらに右ストレートの連打でKOKOZにロープを背負わせる。KOKOZもパンチで反撃するが、勢いに優る小林が前へ出てのパンチを叩き込んでいき、判定3-0で小林が勝利。陣内まどかに続き、決勝へと駒を進めた。 試合後のリング上には決勝に勝ち上がった2人が揃い、陣内は「先ほどの試合を見てすぐに刺激を受けました。自分の試合に納得していないところもあるので、決勝は悔いがないように明日から準備したいと思います」とすでに臨戦態勢。  試合が終わったばかりの小林は「格闘家としてしてはいけないことをしてしまったにも関わらず(計量オーバーで試合中止になったこと)いいチャンスをくださってありがとうございます。ちょっと落ちた時期もあったんですが、強い気持ちで戦えるのは自分一人の力じゃなかったので本当に感謝しています。このリング上で、RISE QUEENのベルトを私が巻きたいと思います。今日の結果は倒せなかったんですが、決勝はバチバチに戦って私が勝って、陣内選手が立てない状態にしたいと思っています。陣内選手よろしくお願いします。絶対に面白い試合にします」と、陣内をKOすることと優勝を宣言した。 [nextpage] ▼セミファイナル(第6試合) 3分3R延長1R〇陣内まどか(フリー/元J-GIRLSバンタム級王者、元WMC日本スーパーバンタム級王者、元WPMF日本バンタム級王者)判定3-0 ※30-28、30-28、29-28×聖愛(魁塾/NJKFミネルヴァ スーパーフライ級王者)  陣内は2009年デビューのベテランで現在26歳。10代で J-GIRLS&WPMF日本王座の二冠王を達成。2017年4月に怪我で戦線離脱するも、18年9月の復帰戦でWMC日本スーパーバンタム級王座戦に勝利し、3本目のベルトを獲得。タイでの試合後にまたも怪我で戦線離脱し、リハビリを経て約2年ぶりの復帰を果たす。RISEには初参戦。  対する聖愛は関西の名門・魁塾所属の女子大生。2019年はRISE、DEEP JEWELS(KICK ルール)に参戦して勝利。今年2月にはNJKF ミネルヴァ・スーパーフライ級タイトルマッチに勝利して高校生の内にチャンピオンになるという目標を達成した。  聖愛は前日計量にて53.5kgで1.5kgオーバー、試合当日の再計量でも53.75kgと1.75kgオーバーで規定の体重をクリアする事が出来ず。コミッショナーと審判団、対戦相手の陣内まどかサイドが協議した結果、陣内が試合を了承したため聖愛に減点1、グローブハンデが与えられての試合実施となった。  RISE QUEENフライ級王座決定トーナメントは陣内がトーナメント勝ち上がりとなり、この試合はワンマッチとして行われる。  1R、陣内は右ローと右前蹴りで様子を見て、右ローのダブルを叩き込む。聖愛はミドルからパンチを放ち、陣内は顔にもらうがバックステップでクリーンヒットは許さない。終盤、陣内が右フックの2連打。  2R、陣内はパンチの連打で聖愛を下がらせると右ミドルの3連打。右の前蹴りで聖愛を下がらせ、右ローで攻めていく。陣内の右ローに右フックを合わせてヒット奪った聖愛だが、陣内がすぐにパンチを連打して前へ出て右ロー&ミドルを蹴る。 3R、聖愛は前へ出て右ストレートを打つが、陣内はすぐに右ミドルを蹴り返す。聖愛のパンチに対して右ミドルで対抗する陣内に、聖愛もワンツーを打つ。陣内は右ミドルと右ストレートで前に出る。聖愛のパンチをもらってもすぐに蹴る陣内がヒット数でも上回り、判定3-0で復活勝利を飾った。  マイクを持った陣内は「私事ですが約2年ぶりの復帰になりました」と言うと、こらえきれずに思わず涙。 「右足のヒザを怪我して手術をして、もう競技人生を続けられないかなというところまでいって。気持ちに身体がついていかなかったこともありますが、リングに戻ってこれました。思った通りにはう動けませんでした。復帰戦で100%で勝ちたかったんですが、減点あっての勝利ということでしたが、とにかく試合が出来てトーナメントを先に進めることができてよかったです。また今日から頑張りたいと思います」と、復活の挨拶を行った。 [nextpage] ▼第5試合 -44kg契約 3分3R〇松谷 綺(VALLELY KICKBOXING TEAM/NJKFアマチュア-46kg王者)判定3-0 ※30-27×3×坂田美優(FASCINATE FIGHT TEAM)  松谷は真王杯王者・米田貴志に幼少からその技術を叩き込まれた17歳。戦績は2勝2分と無敗だが、RISEではドローが続いている。  坂田はRISEライト級王者・原口健飛擁するFASCINATE FIGHT TEAM の秘蔵っ子。松谷と同じく幼少から空手でキャリアを重ねてキックボクシングに転向した。地元関西では適正階級で試合ができず戦績は2戦2敗の18歳。  1R、松谷は左右のミドルとローを蹴り、パンチにつないでヒットを奪う。この攻撃の散らしに坂田は戸惑い、ローを蹴り返して右ストレートを放つも、松谷の手数と攻撃の散らしに圧倒される。しかし、ラウンド終了間際に左フックの強打で一矢報いた。  2R、コンビネーションでヒットを奪い、右ローを強く蹴る松谷。坂田は一発一発が強いが、手数にかなりの差がある。ローの蹴り合いは負けていないが、その後に続くパンチで差が付く。松谷は右ローを蹴っておいての右ハイもきれいな形でヒットさせた。  3R、松谷はしつこく右ローを命中させていき、坂田のパンチはかわしていく。ワンツー、左右フックを繰り出す坂田へ松谷はテンカオ、捕まえてのヒザ蹴り。ガムシャラにパンチを放つ坂田に勢いでは押される松谷だが、的確に攻撃を当ててジャッジ三者とも30-27の判定3-0で勝ちを収めた。  松谷はマイクを持つと「前回、前々回とGIRLS POWERに出場させていただいて2回ともドローでつまらない試合をしてしまいましたが、今回勝ててホッとしています。もっと倒し切って勝ちたい気持ちがあったので、もっとたくさん練習してKOできるパンチ力やキック力を付けたいと思います」と、もっと向上していきたいと話した。 ▼第4試合 -51kg契約 3分3R〇RAN(MONKEY☆MAGIC KICKBOXING STUDIO)判定2-0 ※30-29、30-30、30-29×AYA(BLA-FREY)  RANは2勝4敗の戦績を持つ17歳。前戦はRISEでAKARIとのJK対決に敗れている。対するAYAは1勝1敗2分の28歳で兵庫県からの参戦だ。  1R、RANは右ロー、AYAはパンチの4連打から蹴りを出すが、両者とも距離感がつかめていないかなかなかヒットを奪えない。RENは手数も少なかった。 2R、ワンツーで入り込むAYAをステップでかわしていくRAN。右ミドルをタイミングよく蹴ったRANだが、やはり手数が少ない。目立ったヒットはないもののAYAは手数が出ている。  3Rは開始と同時にRANがパンチを連打して前へ出る。組むとヒザ蹴り。ワンツーの打ち合いでもRANがヒット奪う。左ハイをかすめさせ、打ち返すAYAへ右フック。最後はRANが攻めの姿勢を見せつつAYAのパンチを当てさせず、RANが判定2-0で3勝目をあげた。  RANはマイクを持つと「全然コメント考えてなかったんですけれど…」と言うと、場内から「名前を憶えてって」と声がかかり、「名前を憶えていってください。RANです」とそのままアピールした。 [nextpage] ▼第3試合 アトム級(-46㎏)3分3R〇上仮屋真莉(ROAD MMA GYM/第16回J-NETWORKアマチュアBリーグトーナメント女子-46kg級優勝)判定3-0 ※30-28、30-28、30-27×ねこ太(トイカツ道場)  上仮屋は2019年9月の那須川梨々戦でRISE デビューを果たすも、現在は連敗中で戦績は1勝2敗の34歳。対するねこ太はアマチュアで着実にキャリアを重ねて2020年2月にデビューした叩き上げ。デビュー戦では敗れ、今回初勝利を目指す。  1R、左右ミドルとパンチの連打で突進するねこ太を左右フックで迎え撃つ上仮屋。手数ではねこ太、一発の重さでは上仮屋か。  2Rも突進するねこ太だが、上仮屋はワンツーを繰り返してこれをヒットさせていく。左ジャブ、右ストレートに仰け反るねこ太。次第にねこ太の突進力が弱まり、上仮屋が左右フックを連続ヒット。それでもねこ太は前に出る。  3R、ねこ太は声をあげながら最後の気力を絞っての突進。前蹴りと左右のパンチを繰り出して前へ出る。上仮屋は下がりながらもワンツー、ローを当てに行き、ねこ太の動きが止まるとジャブ、右ストレートで仰け反らす。最後まで前に出続けたねこ太だったが、判定3-0で上仮屋の勝利となった。  上仮屋はマイクを持つと「RISEで初めて勝利できました。コロナで子供たちもイベントとかなくなってしまって、その中で自分が努力して挑戦する姿を母として見せたかったのが心にありました。そして今、勝利できてほっとしています。子供たちが自慢できる母でいたいです」と語った。 ▼第2試合 フライ級(-52kg)3分3R×武内紗耶香(格闘技道場BLOOM)TKO 3R 1分33秒 ※ドクターストップ〇山本知美(FAITH/KAMINARIMON全日本女子-57kg級準優勝)  両者共にアマチュアでは持ち前のパワーファイトで勝ち星を重ねてデビューを果たした。武内は今年2月の宮﨑若菜とのデビュー戦ではパワーと左ストレートを武器に前に出るも惜敗。山本はFAITH初の女子ファイターとして今夜がデビュー戦。アマチュアRISE全日本女子大会で準優勝した北九州出身の逸材だ。  1R、序盤は山本の的確なパンチを被弾し、前蹴りで吹っ飛ばれた武内だが、中盤を過ぎると左右フックで反撃を開始。山本をロープ際へ押し込んで連打を見舞う場面も。  2R、山本は右ローを狙い撃ちにし、パンチを顔面とボディへ打ち分ける。武内は左右フックの連打で山本にコーナーを背負わせる場面もあるが、山本がヒットを奪う。前蹴りでも武内を崩す。  3R、再三相手の腕を脇に挟む山本に注意が与えられた直後、再開と同時に山本の右ハイがヒット。これで武内が左目上をカットして流血。ドクターチェックでストップがかかり、山本の“技あり”TKO勝ちとなった。  山本は「次は一発KOを狙ってぶっ飛ばしていくのでよろしくお願いします」と笑顔でアピールした。 ▼第1試合 RISE Nova女子Aクラス -46kg 2分2R×西原朱花(TEAM TEPPEN)判定0-3 ※19-20、19-20、18-20〇辻井和花(BRING IT ONパラエストラAKK)  西原は空手出身のTEAM TEPPEN女子部の新鋭。対する辻井はなんとまだ14歳のサウスポー。  1Rからパンチで勢いよく前進する辻井。ストレートの連打で押される西原だったが、右ミドルを蹴り返してパンチにつなぐ。勢いで辻井が優った。  2R、西原は前蹴りで辻井の突進を止めに行き、右ストレートで反撃するが辻井の猛攻は止まらない。左ストレート、左右フックで突進を続け、西原を下がらせる。判定3-0で辻井が将来が楽しみになる勝利を収めた。
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