強烈なヒジ打ちを見舞う名高(左)。大きなインパクトを残した
2020年8月9日(日)神奈川・ぴあアリーナMMにて開催された『RIZIN.22-STARTING OVER-』の第4試合で、優心(京都野口ジム)を2R3分8秒、ヒジ打ちでTKOに下した吉成名高(エイワスポーツジム)。
名高は2018年12月、ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王座を奪取し、日本人として7人目の同スタジアム王者になり、2019年4月15日にはルンピニースタジアム認定同級王座も獲得。日本人初のルンピニー王者になると同時に、ムエタイの2大殿堂であるルンピニーとラジャダムナンの王座を同時に保持した史上2人目の外国人(タイ人以外)選手となった。
また、2017年4月にWMC世界ピン級王座、2018年4月には日本人4人目の快挙となるWBCムエタイ世界タイトル(ミニフライ級)を獲得。さらに同年9月にはIBFムエタイ世界ミニフライ級王座もKOで獲得し、日本人初のIBFムエタイ世界王者となっている。2019年12月のBOMではBOMフライ級初代王座決定トーナメントを圧倒的な強さで制した。
キックボクシングファンやムエタイファンにはもちろん知られている名高だが、今回のRIZIN参戦で多くの人が初めて名高の試合を見ることになっただろう。パンチ、キック、ヒジ、そして首相撲でコカしまくる姿に「強すぎる」「鬼強い」「強さハンパない」といった言葉がSNSで飛び交った。
試合後、名高は「RIZINという大きな舞台で大きなインパクトを残すことを目標に練習してきました。もっとリラックスしていろいろな技を使って翻弄して、最後は倒そうと考えていたんですが、相手も上手くてできませんでした。でも2RのKOで終わることが出来てホッとしています」と試合を振り返った。
対戦した優心については「動画を見て上手いタイプ、ムエタイスタイルの選手だなと思っていたんですが、もうちょっと自分からどんどん攻撃を仕掛けて来るのかなと思っていたら予想以上に待ちの姿勢だったので、そこの部分でやりづらさはありました」と評する。
実は「前回6月の試合で左足の指を骨折してしまったんですが、接骨院とかにたくさん行って早く治療に専念したので今回は痛いところなく試合に専念できました。痛くはなかったんですが、左の蹴りは全然使えなかったので反省しています」と、6月28日の『BOM』での試合で足の指を骨折していたという。
初の大会場での試合となったが、「最初にお話をもらった時は大きな会場で試合をするというのはいつもと違って緊張もあったんですけれど、入場式とかやらせてもらって雰囲気も楽しめたかなって思います。あまり緊張なく動くことができました。1Rは固くなっちゃいましたけれど」と強心臓ぶりも発揮した。
試合に関しては「見ている人は総合格闘技のファンだったり、普段ムエタイを見ないような方もたくさんいると思ったので、分かりやすい倒す試合をしたいと思っていました。自分が本当に目標とするファイトスタイルは、相手を見て相手の動きを殺しながら自分の攻撃をどんどん当てていくというスタイルです。もう少し練習が必要かなと思います」と、あえて分かりやすいスタイルで臨んだと明かす。
今後に関しては「いい結果で終わることができましたが、この結果に満足しないで練習をより一層頑張ってRIZINの中心選手になりたいです」と、那須川天心のようにRIZINのレギュラーメンバーとして活躍していきたいと語った。
また、榊原信行RIZIN CEOは大会総括で「名高選手は化け物ですね。彼と渡り合える本当に強い外国人選手を呼んで日本で戦わせてあげたいと思います。今のコロナ禍の中ではなかなか叶わないですが、しっかり準備をしてもらって、またオファーをしたい」と、その強さを“化け物”と称した。