私は地方の選手なので体を張らなければ使って貰えない
8月30日、REBELS.65(東京・後楽園ホール)でのREBELS―BLACK(ヒジなし)女子46kg級初代王座決定戦が近づいてきた。
対戦相手は、注目の「美女キックボクサー」ぱんちゃん璃奈。これまでも記者会見や試合の記事がたびたびYahoo!ニュースに取り上げられてきたが、7月13日の『REBELS.65』記者会見の様子は「格闘家、ムキムキでワンピース」と題する記事でYahoo!のトップを飾った。
ぱんちゃんとMISAKIが並んだ写真には「身長、体格が全然違う」「(筋骨隆々のぱんちゃんと比べて)パワーの差もあるんじゃないか」というコメントが多数寄せられた。
だが、MISAKIはこう言い切った。
「自信はあります。ぱんちゃんはあれだけ知名度があって、ただのプロ7戦目の子とやるよりも、ありがたいし、オイシイって思ってます(笑)」
MISAKIの自信は、プロで21戦を経験して体に刻み込んできたキャリアによるものだ。
「デビューした頃、会長に『お前は地方の選手だから、階級も相手も選んどれん』って言われて、ずっと試合を選ばずにオファーを受けてきました。『なんで勝てない試合を持ってくるの!』と思ったこともあります(苦笑)。普段48kgくらいで減量がほとんどないので、最短で試合4日前のオファーを受けたり、一番重い階級だと52kg契約で、私は計量で4kgアンダー。相手は172cmの選手でした(苦笑)。試合は本戦の5Rでは決着がつかなくて、延長2Rまで戦って判定負けでした」
シュートボクシングの決着がつくまで延長を繰り返す「無制限延長ラウンド」という過酷なルールにより、MISAKIは1階級上の選手を相手に計7Rを戦い抜いたのだ。そんな経験があるから、ぱんちゃんと並んだ時に「大きい感じはしなかった」という。
「身長差は気にならないですし、パワーも、私はGirls S-cupの世界トーナメントでイシス・バービックやイリアーナ・バレンティーナ(RENAに連敗も、小林愛三やMIOに勝利した強豪)とやっているおかげで、怖さはないです」
昨年のGirls S-cupでは、シュートボクシング女子ミニマム級王座決定トーナメントの決勝戦で女神に2R TKO負け。全治4カ月の重傷を負った上に、コロナの影響もあって今回は実に1年ぶりの試合。そのことも「プラスになった」とMISAKI。
「女神選手との試合では、開始1分で首投げを狙った時に太ももが前を向いたまま、体が後ろを向いて『バリバリバリ!』と凄い音がしてハムストリングスを3本切ってしまいました。整骨院に行ったら『失神したでしょ?』と聞かれて、いえ、そのまま試合しましたって言ったら驚いてました(笑)。2Rに『このままだと持たない。倒さないと!』と思って、ブンブンパンチで行ったら踏ん張れなくて転倒してしまいましたけど(苦笑)。この1年間のブランクの間に出稽古に行ったり、ボクシングトレーナーさんに教わったり。技術的にちょっと進化は見せられるんじゃないかって思ってるんですけど…」
MISAKIは、自らの「猪突猛進スタイル」をやめるつもりはない、という。
「女子は、上手い選手が多いですよね。平岡(琴)選手、紅絹選手、寺山(日葵)選手もめちゃくちゃ上手いです。子供の頃から格闘技を頑張ってきた人に技術で勝とうなんて、そんなバカなっていう感じで(笑)。
それに、私は地方の選手なので、体を張らなければ使って貰えないと思ってます。格闘技をよく知らない人が見ても『MISAKIの試合は面白い!』と思う試合をして『地方の選手だけどぜひ使いたい』と思って貰えないと次のチャンスは貰えない、って思ってますから。
今回は絶対に逃せない試合です。REBELSさんに定期参戦したいですし、後楽園ホールはぱんちゃんファンで一杯だと思いますけどそれも悔しいので。いつもの『猪突猛進スタイル』で体を張って頑張って戦うので、ぜひ楽しみにしててください。『REBELS女子はぱんちゃん』を覆して、勝ってREBELSのベルトを巻いて、ぱんちゃんのファンも私が根こそぎ持っていきます! チケットは完売してしまったんですけど、生中継があるのでぜひリモートでの応援をよろしくお願いします!」
MISAKI
1996年2月2日、愛知県豊橋市出身。24歳。
TEAM FOREST所属。
16年にプロデビュー。17年、J-GIRLSミニフライ級王座獲得。18年、Girls S-cup世界トーナメントベスト4。19年、シュートボクシング女子日本ミニマム級王座決定トーナメント準優勝。戦績21戦14勝(2KO)6敗1分。身長156cm。