ぱんちゃん璃奈とのタイトルマッチに臨むMISAKI (C)REBELS
2020年8月30日(日)東京・後楽園ホール『REBELS.65』のダブルメインイベント第1試合、【創世のタイガ presents】REBELS-BLACK女子46kg級初代王座決定戦でぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)と対戦する“猪突猛進娘”MISAKI(TEAM FOREST)のインタビューが主催者を通じて届いた。
MISAKIは「心の中に闇を隠してました」との過去も打ち明けた。
「鬱のようになって入院したんです」
小柄な体を目いっぱい使って、どんなに強い相手にも一歩も退かず、前へ、前へと攻めていく「猪突猛進娘」MISAKI。
明るく、元気で、パワフルな現在のMISAKIからは想像もつかないが「子供の頃はゲーム好きの引きこもり。ずっと負け組でした」という。
「何にも出来ない子で、出来ないことから逃げてました。勉強は出来ない、やらない。運動出来ない、やらない。得意なことない、やらない。ゲーム好きの引きこもりで『負け組』でした(苦笑)。だから、華々しいぱんちゃん璃奈選手をデビュー戦から見てて、余計に『うらやましいな、悔しいな』っていう気持ちはありましたね」
父親の山村教文TEAM FOREST代表は、現役時代にシュートボクシングで活躍。その影響で、MISAKIは子供の頃に空手を経験し、17歳の時にアマチュア大会に出場したが、格闘技に対してそこまで熱心ではなかった。
転機となったのが18歳。教師を志して4年制大学に通っていた時に心身のバランスを崩して入院。大学も1年で中退した。
「外ではニコニコしてたので『明るい子だね』と言われていたんですけど、心の中に闇を隠してました。ある時、何かが上手くいかない、格闘技が上手くいかない、友達と上手くいかない、本当にたまたま、いろんなことが重なってしまって鬱のようになって入院したんです」
入院中、他の入院患者と会話をするうちに、自分にとって格闘技がいかに大事なものかに気づいた。
「『目標が何もない』っていう子ばかりで、私のようにシュートボクシングで活躍してるRENAちゃんが大好きで、格闘技をやっててチャンピオンになりたい、って目標を持ってる子がいなかったんです。その時に、私は格闘技にめちゃめちゃ助けられてきたんだって気づきました」
退院後に大学を中退して、正社員として1年間働いてお金を貯めて、栄養士の資格を取るために短期大学に入り直した。
勉強の傍ら、ますます格闘技にのめり込んで才能を開花。「20歳までにプロデビュー。ランキングに入りたい。チャンピオンになりたい」と立てた目標を次々と達成していくと、気づけば日本のトップ選手に成長していた。
これまで、MISAKIは18歳の頃の入院経験を人に話してこなかったが、今は「同じような辛い思いをしている子の参考になれば」と自ら話すようにしている。
「養護施設を訪問した時、昔の私と同じように悩みを抱えてる子に会ったんです。そういう時は自分の経験を話して、必ずミットを持って行くので蹴ったり殴ったりを体験して貰います。『私は格闘技だったけど、お金が欲しいでもギャンブルに勝ちたいでも何でもいいから、何か目標があると変わるよ』って話しています」
MISAKIは、RENAの背中を見て「プロ格闘家」に夢を描いたように、自分が頑張っている姿を見て「私も頑張ろう」と思ってくれる子が現れることを願っている。
「RENAちゃんも『昔は引きこもりだった』と自分の体験を公表して、話していますけど、そういう子が爆発すると強いんですよね。だから、今、悩んでいる子には『何かをやってみた方が絶対にいいよ』っていうことを伝えていきたいです」