2020年7月23日(木・祝)東京・新宿FACEで開催された『DEEP JEWELS 29』。メインイベントのDEEP JEWELSストロー級暫定王者決定戦で本野美樹(AACC)が赤林檎(フリー)を1R4分23秒、TKOに破って暫定王座に就いた。
本野は、東海大学柔道部出身で2010年の講道館杯では西田優香(2010年世界柔道選手権-52kg級優勝)に勝利するなど活躍し、アマチュアMMAでも無敗。2019年3月の『HEAT』で満を持してプロMMAデビューを果たし、“流血のマドンナ”こと鈴木万李弥に完勝。同年6月の『DEEP JEWELS』に初参戦すると、大晦日RIZINで山本美憂と対戦したベテランの長野美香をデビュー2戦目にして破るというアップセットを起こしている。
10月には豪州『Eternal MMA』でWMMA豪州女子ストロー級王者ケーシー・オニール(スコットランド)に3戦目にしてタイトルマッチに挑んだが判定負けで初黒星。12月『DEEP』でのパク・チヨン戦では1R、腕十字による一本勝ちで再起を果たし、2020年2月のDEEP JEWELSではノンパン・ザ・ロケット(タイ)を1RでTKOに仕留め、今回のタイトルマッチに臨んだ。“次期エース候補”の呼び声も高く、今後女子MMAをけん引していく存在になっていくことは間違いない。
その本野が戴冠後、リング上で練習仲間であるRENA(シーザージム)と抱き合い、涙を見せた。本野は試合後インタビューでその理由を「今日一日たくさんの人にサポートしてもらって。試合前もRENAさんに打撃のスパーリングを軽く向き合って一緒に練習していただきました。RENAさんと今日やってもらっている時に、アップから自分が落ち着いてできていたのでそこで自信がついたというか。試合でもアップでやった通りにやろうと思ってできたので。実際(RENAと)リングで会ったら涙が出ちゃいました。『おめでとう』と言ってもらえたので嬉しいです」と話している。
そのRENAが24日(金)に自身のSNSを更新。「試合前軽マスで鼻パンチされた甲斐がありました笑」と綴った。どうやら、試合前の軽いマススパーリングの最中に、本野のパンチを鼻にもらっていたようだ。このほのぼのとしたエピソードにファンからは「チャンプになる同ジム選手の鼻パンチは強烈そうですね」などのコメントが寄せられた。
また、RENAはInstagramにて「DEEP JEWELにAACCから選手4名が出場したのでセコンドに行ってきました。(浜崎)朱加さんはグラップリングマッチでしたが、4名とも勝利して見事全勝。仲間の勝利は本当に嬉しいです。最近怪我をしたり体調がすぐれなかったり、コロナの影響もあって気分的に下がっちゃうことが多かったのですが試合を観るとやっぱりテンション上がる。私も早くリングで戦いたい。みんな、本当におめでとう。これからも切磋琢磨して頑張ろう。負けへんでー」と、練習仲間たちの試合に大きな刺激を受けたようだ。
RENA自身は昨年大晦日のRIZINで、強敵リンジー・ヴァンザントにリベンジ達成して以来、試合から遠ざかっている。そろそろ始動するだろうか。注目される。