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【UFC】“美女対決”でヴァンザントを華麗に極めた元気娘ヒバスが呼び掛けたこと

2020/07/13 01:07
【UFC】“美女対決”でヴァンザントを華麗に極めた元気娘ヒバスが呼び掛けたこと

(C)Jeff Bottari/Zuffa LLC via Getty Images

 2020年7月11日(日本時間12日)、UFCのファイトアイランドデビュー大会となる「UFC 251」で“美女対決”として注目された女子フライ級戦で、ブラジルのアマンダ・ヒバスが、米国の人気選手ペイジ・ヴァンザント(米国)に鮮やかな腕十字で一本勝ち。

 試合後の陽気な笑顔と小躍りしてのコメントに「彼女は愛らしい」「恋に落ちたような気がする」と、世界が響いた。

▼女子フライ級 5分3R
○アマンダ・ヒバス(ブラジル)126lbs/57.15kg
[1R 2分21秒 腕十字]
×ペイジ・ヴァンザント(米国)126lbs/57.15kg

 MMA9勝1敗のアマンダ・ヒバスは、コーヒーの産地としても知られるブラジルのミナスジェライス州南西部バルジニャ出身。

 柔術家のマルセロ・ヒバスの長女として生まれ、両親ともに柔術黒帯。「冗談じゃなくほんとうにマット上で生活してきました」と言う通り、幼い頃から柔術、ムエタイ、そして柔道を練習してきた。堀口恭司が所属するATTでも練習を積み、2014年にアマチュアMMAの「IMMAF 2014 World Championships」女子フライ級部門で優勝。地元のローカル大会や「Jungle Fight」を経て、2019年6月にUFC参戦。

 オクタゴンデビュー戦でエミリー・ウィットマイアをリアネイキドチョークで極めると、2戦目で当時無敗だった柔術世界王者・マッケンジー・ダーンにも判定勝ち。2020年3月の前戦ではランダ・マルコスに判定勝ちと3連勝を飾っている。現在ストロー級14位だが、今回はヴァンザントに合わせて1階級重いフライ級戦に臨んだ。

 対するヴァンザントは、20歳でUFCデビュー後3連勝。米国版『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』で2位になるなど知名度が高い。ストロー級でベック・ローリングにTKO勝利も、ローズ・ナマユナス、ミシェル・ウォーターソンには一本負け。階級を上げたジェシカ・ローズクラーク戦でも判定負けと苦しみながらも、2019年1月にはレイチェル・オストヴィッチに逆転の腕十字で一本勝ちしている。

 1R、ともにオーソドックス構え。ヒバスは左ミドルから組むと首相撲からヒザをヴァンザントの腹に突き上げ、柔道仕込みの首投げでテイクダウン! ヒバスの袈裟固めに対し、後ろからヒバスの右腕越しにロックするヴァンザントはバックに回りかけるが、そこに首を絞め直して手前に引いてカウンターでヴァンザントをまたいだヒバスは、ヴァンザントが残した右腕を掴み、腕十字へ! 最後はうつ伏せになってタップを奪った。

 見事なカウンターでUFC4連勝を決めたヒバスは、試合後、最初は涙を浮かべながら「ほんとうに最高。自分自身を証明できたと思います。いかに自分が納得できるか。誰が相手だろうと関係ない。大事なのは人生において自分が何をするか」と、戦うモチベーションを語ると、「私は小さな街でトレーニングしているし、大きなジムで練習に励む彼女のような相手に勝つなんて誰も思ってなかったと思うけど、私には強い気持ちがある。この試合のためにすべてのエネルギーを出してベストを尽くして勝利した。本当に嬉しい」と勝因を語った。

 また、今回はフライ級で戦ったことについて、「ストロー級と二階級で戦えればいいけど。もし次に女子ストロー級で戦うなら、(7月26日UFCで対戦する)マリナ・ロドリゲス(9位)とカーラ・エスパルザ(7位)の勝った方と戦ってランキングを上げていきたい。UFCがまた女子フライ級でってことなら、トップ10かトップ15の誰かとやりたい。UFC、チャンスをください!」と2階級での希望をアピール。

 そして「オクタゴンに父と兄弟がいてくれたから、泣きそうになった。心の中ではいろんな感情があって。自分の柔術を見せられて良かった。みんなありがとう。さあ、チョコレートを食べる時間よ」と大きな笑顔を見せた。

 インタビューが終わろうという最後にヒバスが「もうひとつ言わせてください」と切り出した。

「UFCのメイクアップのスージー・フリントンがいま乳がんと戦っています。支援をお願いします」と呼びかけたのだ。

 その言葉にインタビュアーも「スージー・フリトンは我々の仲間、名前を挙げてくれてありがとう」と答えた。

 フリントンは自身のがんがステージ4であることを告白し、周囲が「スージーフリトンサバイバルファンド」を起ち上げたばかり。この試合でヒバスは人気者のヴァンザントを下した瞬間に、フリトンのがん闘病に目が向けられることを望み、インタビューでそう語った。

 そして、もうひとつ思わぬところで話題になったのは、ヒバスの戦績。生放送ではヒバスのMMAレコードが100勝1敗とひとケタ多く記され、SNSのタイムラインは「100-1! こいつはGOAT(the greatest of all time=史上最高)だ」「今回の勝利に納得した」「26歳で100勝!」などのコメントでミスタイプすら好意的に受け止められるなど、心底明るいヒバスにMMAファンたちもハートを鷲掴みにされたようだ。

「オクタゴン美女対決」で見事な一本勝ちを極めた“UFCの元気娘”ヒバスの活躍に注目だ。

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