キックボクシング
インタビュー

【RISE】白鳥大珠「頭は冷静に、体は熱くいきたい」vs ヘクター・サンチアゴ「白鳥に伝えておいてくれ。『試合から1カ月もすれば、元の美形に戻る』とね(微笑)」=3月10日(日)「RISE WORLD SERIES 2019」-61kgトーナメント

2019/03/05 09:03
2月3日にRISEライト級王者になったばかりの白鳥大珠(TEAM TEPPEN)が、3月10日(日)「RISE WORLD SERIES 2019」-61kgトーナメント1回戦で、ヘクター・サンチアゴ(ブラジル/SANTIAGO TEAM/WAKOサウスアメリカ王者、WGPライト級王者)と対戦する。関係者から「優勝候補のひとり」と評されるサンチアゴを相手に、白鳥は「頭は冷静に、体は熱く。そんな感じでいきたい」と余裕を見せる。 一方で“ザ・ダイナマイト”の異名を持つ25歳のサンチアゴは、ボクシング出身のスキルを活かし、36勝のうち20勝をKOで決めているハードパンチャーだ。同時に蹴り技も得意とし、那須川天心と対戦したこともあるイグナシオ・カプロンチをローキックでKOしたこともあるという。現在は中国のクンルンファイトを拠点に活動中。今回はその中国最大の格闘技プロモーションの推薦を受けてのRISE参戦となる。両者のインタビューを紹介したい。(聞き手・布施鋼治) 白鳥大珠「このトーナメントで優勝したら、胸を張って世界を獲ったといえるんじゃないですか」 ──2月3日、RISEライト級王座を獲得しました。おめでとうございます。 白鳥 ちょっと複雑な感じだけど、帰宅したら傍らにチャンピオンベルトがあったのでよかったと思いました。 ──最後は3R、王座を争った秀樹選手のスネが割れ、骨膜が見えるような状態だったので、ドクターが試合をストップしました。どんなシチュエーションで割れたんですか? 白鳥 あの時は自分でも、なぜ試合を中断されたのかわからなかった。あとからいつもTEPPENの写真を撮っているカメラマンに写真を見せてもらい、自分のヒザと相手のスネが当たって、それで切れたことがわかりました。 ──骨と骨がぶつかりあう感触はあった? 白鳥 ヒザといっても横の方だったので痛かった。自分の方にもドクターが来て、自分もちょっと切れていることがわかりました。まだお互い闘えるし、まわりも納得していなかったので、TKO勝ちを宣告された時には「なんだ、これ?」という感じでした。  ──試合後はすぐ「初防衛戦は秀樹選手とやる」とアピールしていましたね。 白鳥 ハイ。自分の気持ちは「もう一回やりましょう」だったので、リング上でも控室でも秀樹選手とはちょっとだけ話をしました。決着はつけたいです。 ──それから休むことなく、世界トーナメントに向けての練習をスタートした? 白鳥 連戦続きだったので、さすがに1週間は休みました。その間は体重のことも気にしなかったですね。 ──61㎏まで落とすのはいつ以来? 白鳥 もともとボクシング時代はライト級だったので、リミットは61.2㎏だった。RISEに出るようになってからも、(カムバックしてから2試合は)60㎏でやっているので何とかなると思います。 ──一回戦ではクンルンファイトが推薦する、ブラジルのヘクター・サンチアゴ選手と闘うことになりました。 白鳥 この間、RISE関係者から「実はヘクターは優勝候補のひとり」と言われました。強い選手ということで、ずっと呼びたかったらしい。そういう選手と闘えるというのはすごく光栄ですね。 ──どんなタイプだと分析する? 白鳥 どんどん前に出てきてくれるので、タイプ的には全然やりやすい。粗い部分もあるけど、上下まとめてコンビネーションで打ってくる。普通に強い選手だと思います。 ──アドバンテージは? 白鳥 身長差が結構あるので、そこを有利に活かしたいですね。 ──南米系の選手と闘うのは初めて? 白鳥 いわれて見たら、初めてですね。タイや韓国などアジア系以外の選手とやる国際戦も初めてなので、ちょっと楽しみですね。 ──どんな試合になると予想する? 白鳥 単純に向こうは前に出てくるので、それに合わせて結構近い距離の闘いになるかもしれない。逆に遠い間合いになったら蹴って蹴って。入ってきたらヒザなどを合わせる。結構な激闘になるかもしれないですね。  ──他の出場メンバーを見た感想は? 白鳥 日本人は4名いるけど、いいメンバーが揃ったと思いました。このトーナメントで優勝したら、胸を張って世界を獲ったといえるんじゃないですか。 ──反対側のブロックは気になる? 白鳥 セクサンの名前は聞くけど、あんまり知らない。せっかく日本でやっているんだから、大雅選手とやった方が盛り上がりますね。だから大雅選手にはセクサンに勝ってほしい。決勝は日本人対決にしたい。VS外国人対決ということになれば、やっぱりチャンヒョンですかね。 ──最後にファンにメッセージを。 白鳥 今回はAbema TVでも中継するけど、今まで自分を見たことのない人もたくさんいると思う。(大会当日には)K-1もあるけど、いい試合が揃っているのでRISEの面白さを味わってほしいです。勝ち負けも大事だけど、素人が見ても面白い試合がしたい。頭は冷静に、体は熱く。そんな感じでいきたい。 白鳥大珠(Taiju Shiratori)1996年2月2日(23歳)東京都出身第5代RISEライト級王者180cm。18戦12勝5敗1分(6KO) TEAM TEPPEN所属 “ザ・ダイナマイト”ヘクター・サンチアゴ「攻めるのは僕の本能。相手に対してはいつも磁石のような力を感じる」 ──日本で闘うのが夢だったそうですね。 サンチアゴ キックを始めた時から魔裟斗など素晴らしい日本人選手たちの活躍を見てきた。だからずっと日本の大会場で日本人キックボクサーと闘うことを夢見ていたんだよ。 ──母国ブラジルではKOを量産することから“ザ・ダイナマイト”と呼ばれていると聞きました。 サンチアゴ 正確には言い表せないけど、攻めるのは僕の本能。相手に対してはいつも磁石のような力を感じます。 ──不思議な感覚ですね。ところで、ブラジルといえば、サンバなどラテン系の音楽が有名。あなたの体にはどんな音楽が流れていますか? サンチアゴ ミュージカル、サンバ、ラップ、パコーヂ(最近人気のポップス色の強いサンバ)……。いい曲だと思ったらジャンルを問わず何でも聴く。自分で音楽をちょっと勉強したこともあります。ただ、ダンスを踊ることはないですね。 ──一回戦で対戦する白鳥大珠選手はモデルをやったことがあるほどの美形で、女性ファンにも人気です。今回は「顔に傷をつけずに勝ちたい」と言っています。 サンチアゴ 白鳥に「問題はない」と伝えておいてくれ。「試合から1カ月もすれば、元の美形に戻る」とね(微笑)。彼にとってアンラッキーという言葉が負けることなら、その通りになるよ。 ──言いますね。サンチアゴ選手はボクシング出身と聞いていますが、白鳥選手もそう。そうなると、キックのリングで元ボクサー同士の対決という図式も成り立ちます。 サンチアゴ 僕は勝利を導くためにとてもハードにトレーニングをしている。この試合でもKOを目指してるし、もっともっとKOを量産したいと思っている。ボクシングに限らず、ヒザでもキックでも、相手のスキをついて必ずKOで決めたい。 ──ブラジルを代表してWORLD SERIESに出場します。最後にブラジル国民に対するメッセージをお願いします。 サンチアゴ 全力を尽くして、ブラジル代表として最善の力を発揮する。そのことをブラジル全国民に誓います。 ──優勝したら手に入る1000万円の賞金の使い途は? サンチアゴ お金のことを考えるのは苦手なので、まだ全然何も考えてません(苦笑)。優勝してからきちんと考えたい。現時点では自分のジムにも使いたいし、自分のキャリアを高めるための資金にもしたい。 ヘクター・サンチアゴ(Hector Santiago)1993年3月21日(25歳)ブラジル出身WAKOサウスアメリカ王者、WGPライト級王者166cm、43戦36勝7敗(20KO)SANTIAGO TEAM所属
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