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【UFC】ゲイジーが最終回にファーガソンをTKO、ライト級暫定王者に。バンタム級王者セフードがクルーズを2回TKOで電撃引退宣言=『UFC249』

2020/05/10 11:05

▼UFC世界バンタム級選手権試合 5分5R
〇ヘンリー・セフード(米国)王者・15勝2敗
[2R 4分58秒 TKO]
×ドミニク・クルーズ(米国)挑戦者・22勝2敗

 セフードは2008年北京五輪男子フリースタイル55kg級金メダリスト。UFC史上4人しかいない2階級同時制覇(バンタム&フライ級)王者だ。2017年9月からウィルソン・ヘイス、セルジオ・ペティス、デメトリアス・ジョンソン、T.J.ディラショー、マルロン・モラエスを下している。2019年12月にフライ級王座を返上。2019年6月のモラエス戦(セフードが3R TKO勝ち)以来のバンタム級の試合に臨む。

 一方、3年半ぶりの試合復帰となるクルーズはセフード戦で、今なお世界のトップファイターであることを示したいと意気込む。もともと、UFCが5月9日にブラジル・サンパウロで開催予定だった『UFC 250』のメインイベントで王者セフードに挑戦予定だったジョゼ・アルドが欠場、代わりにクルーズがセフードと対戦することになっていた。

 WECとUFCの両団体で頂点に立った“天才”クルーズは、その独特のフットワークから繰り出される、さまざま角度からの打撃、フェイントを組み合わせたテイクダウン&パウンド等で、これまでユライア・フェイバー、T.J.ディラショー、デメトリアス・ジョンソンら強豪に勝利してきた。現在35歳で、2016年12月の『UFC 207: Nunes vs. Rousey』でコディ・ガーブラントに判定負けしバンタム級王座から陥落して以来3年半ぶりの試合となる。今回の復帰戦でバンタム級でセフードを倒す初のファイターとなること、そしてバンタム級王座の奪還を狙う。

 1R、左右にスイッチを繰り返すクルーズ。セフードは踏み込んでの右ローをヒット。クルーズの右ローはかする。セフードは右ローを再びヒット! 右足前にするクルーズ、今度インローをセフードは前足に打つ。

 セフードの右ローを掴んで尻餅をつかせたクルーズだが、すぐに立つセフード。クルーズのヒザ蹴りを掴んでテイクダウンはセフード。バックに回りかけたセフードに対すすぐにクルーズはスイッチから立ち上がる。

 左ボディ、右フックを当てるクルーズ! あたりは浅いがヒットしている。ステップ終わりに右ローを当てるセフード。互いに頭を下げた入りで右が交錯。クルーズも左インロー。ニータップで足を触りに行く。1R終了のホーンにクルーズは相手コーナーに行き、笑顔を浮かべて自陣に戻る。

 2R、頭も上げ下げしてステップするクルーズ。互いに右ローからその打ち終わりを使いに行くクルーズ。詰めるセフードは右インロー! クルーズも左ハイから右ストレート狙い。ブロックするセフードは素早い踏み込みの右ロー! 右ストレートはクルーズがスウェイでかわす。右から左の逆ワンツーはセフード。それをかわすクルーズはセフードの入りに左を合わせに行く。

 金網を背にサークリングするクルーズ。詰めて脇を差しにいこうとするセフードをかわすクルーズ。セフードの右ローに左ローを返すクルーズ。足を触ってテイクダウン狙いも深追いせず。

 右に頭を下げて右フック狙いのセフードに、右に頭を下げてかわして左を狙うクルーズの頭がバッティングで、セフードが右目上から出血。ドクターチェック後、再開。

 右アッパーから左にダッキングしたクルーズにセフードはカウンターの右ヒザ! 後方にダウンしたクルーズ。そこにセフードは右ストレートをヒット! 亀に戻したクルーズに左パウンドを連打するセフード。いったんクルーズは頭をマットに着くが金網まで這って金網を使って立ち上がろうとする。連打にレフェリーは試合をストップ。4分58秒、1R残り2秒でセフードがTKO勝ち。バンタム級王座防衛に成功した。

 試合後、オクタゴンのなかで、セフードは、「戦略通りだった。俺は全く相手に慈悲を与えないんだ。俺のようなキャリアのやつはいない。史上最高のコンバットスポーツ・アスリートだ」と豪語すると、オクタゴンのなかにいるダナ・ホワイト代表に向け、「ひとつ言いたい」と前置きし、「ダナ、UFCのみんな、本当にありがとう。自分のキャリアに満足している。ここで引退をするのが適切だと思う。自分の人生を楽しみたいんだ。いま33歳。11歳から人生を犠牲にしてこのスポーツに取り組んできた。誰にもそれを奪われたくないんだ。見守ってくれる彼女もいるし、そろそろ家族を作りたい。俺はこれで引退するよ。みんな、ほんとうにありがとう。三冠王はここでキャリアを最後にする」と突然の引退宣言。

 クルーズの隣に立つダナの表情は硬いまま。敗れたクルーズはジョー・ローガンのインタビューに、「僕は立ち上がろうとしていた。まだまだ終わっていなかったと思う。何が起こっているか流れも見えていた。ダウンは試合の流れのひとつ。徐々に力が無くなっていたわけじゃない。バランスが取れないまま立ち上がろうとしたのは確かだけど」とストップに不服を表明。

 セフードの引退宣言について、今後を問われ、「分からない。ヘンリーのような幕切れもあっていい。僕は初めてのKO負けになった。ストップは仕方ないけど、結果には賛同できないことは伝えたい。完璧に倒されたわけじゃなかったから」と語った。

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