1回戦はパワーにものを言わせてフォール勝ちした15歳、高校1年生の浜口京子
1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去5月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。12回目は1993年5月30日、東京・新宿スポーツ会館で開催された『第7回全日本女子レスリング選手権大会』。
(写真)「燃えるんじゃない、爆発するんだ!」と愛娘に檄を飛ばす父アニマル浜口
プロレスラー・アニマル浜口の長女、浜口京子(代々木クラブ)がレスリングの頂点を目指し、鮮烈デビューを飾った。
(写真)「父から教わった」という四股を踏んで試合に臨んだ浜口。まだかなり細い
浜口は父が教えるレスリング道場で基礎を学ぶうちに、だんだんと格闘技に目覚め、1993年1月から代々木クラブ入りして本格的にレスリングを開始。実質的なキャリアは5カ月という浜口は「技も練習したけれど試合で出せるかどうか…」と不安な表情でマットへ上がった。出場階級は61kg級。
(写真)3位決定戦では柔道経験も豊富な相手にフィール負けを喫し、4位に
だが、度胸の良さは父譲り。一旦勝負が始まると、粗削りながら相手の小笠原和枝を力任せに強引に倒してからパワーで抑えつけてそのままピンフォール。その間、わずか16秒の速攻勝利だった。
(写真)敗れた悔しさから泣きじゃくる浜口
しかし、2回戦では今大会優勝した三田寺由香に直線的な動きを封じられ、今度はフォール負けの完敗。その後、敗者復活戦で勝ち残ったが、3位決定戦で敗れて初陣は4位に終わった。
(写真)大会終了後、マスコミの取材を受けるまだあどけない表情の浜口
「負けてレスリングが面白くなった」という浜口は、同年11月のオープン選手権にも出場して2位と着実に力をつけ、世界選手権、そしてオリンピックへと羽ばたいていった。なお、この時の浜口は「レスリング、空手、ボディビルの三冠制覇」を目標に掲げていた。