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【UFC】UFC初のチェコ大会でサントスがブラホビッチをTKO。シュトルーフが一本勝ちで引退。注目ピョートル・ヤンはドッドソンを降す=2.23「UFN145」

2019/02/23 13:02
【UFC】UFC初のチェコ大会でサントスがブラホビッチをTKO。シュトルーフが一本勝ちで引退。注目ピョートル・ヤンはドッドソンを降す=2.23「UFN145」

(C)Jeff Bottari/Zuffa LLC/UFC 

UFC(Ultimate Fighting Championship)は日本時間2019年2月24日(日)にチェコ共和国プラハのO2アリーナを舞台に"UFCファイトナイト・チェコ"を開催した。

UFCがチェコに初上陸する今回、メインイベントではライトヘビー級ランキングで欧州トップとなる4位のヤン・ブラホビッチ(ポーランド 23勝7敗)と、ブラジル勢トップの第6位につけるチアゴ・サントス(ブラジル 20勝6敗)が対戦。

ブラホビッチは、アマチュアムエタイ世界王者、KSWライトヘビー級王者からUFC参戦。2017年10月から4連勝中で、2018年は3月にジミ・マヌワに判定勝利後、9月にニキータ・クリーロフを肩固めで仕留めてきた。

対する“ノックアウトアーティスト”サントスは2018年は4勝1敗。2月にアンソニー・スミスを左ミドルからパウンドアウトしたが、4月にミドル級8位のデヴィッド・ブランチにKO負け。しかし、8月のUFC 227でコンテンダーシリーズから上がってきたケビン・ホランドを判定で退けると、9月に母国ブラジルサンパウロ大会のメインでライトヘビー級に転向。アリク・アンダースにタフファイトを仕掛け、アンダースを3R終了時、続行不能とさせている。12月にはジミ・マヌワを左フックで2R KOにも降しており、現在3連勝中だ。

試合は、サントスがKOアーティストの呼び名に相応しいカウンターの左フックからのパウンドで、3R0分39秒TKO勝利。4連勝でライトヘビー級王座挑戦をアピールした。

また、セミメインイベントでは、オランダのステファン・シュトルーフがUFC初のチェコ大会で有終の美を飾った。1Rにホジェリオ・デ・リマがシュトルーフの左ローに右オーバーハンドを合わせてダウンを奪ったものの、2Rシュトルーフが肩固めで逆転の一本勝ち。シュトルーフは試合後、涙を流しながら引退を表明し、コーチのボブ・シュクライバーに肩を抱かれ、オープンフィンガーグローブをオクタゴンに置いた。

注目のバンタム級戦では、オクタゴンデビュー以来、勢いに乗って勝利街道をひた走るピョートル・ヤン(ロシア 11勝1敗)がジョン・ドットソン(米国 20勝10敗)と対戦。ヤンの圧力に金網を背にし続けたドッドソンが2Rに左ストレートでフラッシュダウンを奪ったものの、すぐに立ったヤンは怒涛の反撃。得意の右オーバーハンドを軸に何度もドッドソンを追い込み、判定3-0でUFC4連勝を決めた。ドッドソンはキャリア初の連敗となった。

次回、UFCは拠点のあるラスベガスに戻り、日本時間3月3日(日)にT-Mobileアリーナにて「UFC 235」を開催する。メインイベントでは、ライトヘビー級王者ジョン・ジョーンズがアンソニー・スミスを迎えて防衛戦に挑むほか、セミメインイベントにもタイトルマッチが組まれ、チャンピオンのタイロン・ウッドリーと挑戦者カマル・ウスマンが対決する予定だ。

◆UFCファイトナイト・チェコ
現地時間2019年2月23日(土)、日本時間24日(日)
O2アリーナ(チェコ・プラハ)

【メインイベント】

▼ライトヘビー級マッチ 5分5R
○チアゴ・サントス(ブラジル/204lbs/92.53kg)
[3R 0分39秒 TKO] ※左フック→パウンド
×ヤン・ブラホビッチ(ポーランド/205lbs/92.99kg)

1R、ともにオーソドックス構え。サントスはオーソから左ロー、前蹴り、ワンツーで前進。サントスの左の蹴りを掴んで押し込んだブラボビッチだがサントスは切る。

2R、圧力をかけるブラボビッチ。互いに右ローの蹴り返し。サントスは右のオーバーハンドを狙う。スイッチを繰り返すサントス。ブラボビッチは右ストレート&左ミドル。サントスは後ろ廻し蹴りもブラボビッチはかわすとワンツースリーで前進。しかしサントスもバックステップ。押し返すと右のセンチャイキックを見せる。

3R、左の関節蹴りを見せるサントス。ブラボビッチは右から左アッパーさらにワンツーで金網に詰めるが、下がりながらもサントスは右から左フック! これがカウンターでブラボビッチのアゴにヒットし、ブラボビッチが前方にダウン。サントスが左の鉄槌連打。頭を抱えるままのブラボビッチを長く見て、25発目でようやくハーブ・ディーンレフェリーが間に入った。

TKO勝利にサントスはベルトを腰に巻くポーズを見せると、勝利者インタビューで、ポルトガル語、英語、チェコ語と3つの言語の通訳を通して、ATTに感謝の言葉を述べた。

◆チアゴ・サントス「アンソニー・スミスとジョン・ジョーンズの対戦を見にラスベガスに行く」

「ありがとう、プラハ! 新しい経験を積みながら成長し続けていく。前回の試合は思い切りいくだけだったけど、今日はもう少し気楽に、経験を生かして戦わないといけなかった。細かいところを研究してきたんだ。ATTという最高のチームがついていてくれるからね。最高のチームがいると、ほしい結果を手に入れられる。次のタイトル挑戦者はファンが決める。アンソニー・スミスとジョン・ジョーンズの対戦を見にラスベガスに行くんだ。アンソニー・スミスが来るなら、また打ち負かしてやる。ジョン・ジョーンズが来るなら、そっちも俺が撃破する」 

【セミメインイベント】

▼ヘビー級マッチ 5分3R
○ステファン・シュトルーフ(オランダ/263lbs/119.30kg)
[2R 2分21秒 肩固め]
×マルコス・ホジェリオ・デ・リマ(ブラジル/255lbs/115.67kg)

1R、ともにオーソドックス構えから。先に中央を取ったリマにシュトルーフは左ロー。しかし、そこにリマは右フック! 後方に倒れたシュトルーフはガードで抱き着くと、左でオーバーフックして頭を胸につけて凌ぐとリマの左手をキムラグリップで狙う。外したリマは喉元に上腕を押し付けヒジ、さらにインサイドからパウンド。シュトルーフはクローズドガードを解くと、リマは片足を抜きさらにパスガード。腰を切って戻そうとするシュトルーフにカウンターでマウントを奪う。残り28秒。首を抱えるシュトルーフは下のままホーンを聞いた。

2R、左ミドルから入るシュトルーフ。1R同様に右のオーバーハンドで前に出るリマ。肩口に浴びて金網を背にするシュトルーフは両脇を差されるが、右で差し返して四つに。体を入れ替えるが、リマも右で差して金網に押し返す。左で小手に巻くシュトルーフは、内股でリマを跳ね上げてテイクダウン! 両足を持って左足を越えてハーフにすると、左腕を枕に肩で圧力をかけ、右で脇を差してパスガードを狙う。しかし左を差し返したリマはシュトルーフを前方に送り、ダブルレッグへ。

もう一度、立ち上がり、ハーフから左を枕に巻いてリマの背中をマットに着けさせたシュトルーフはリマの左脇をこじ開け頭を突っ込み肩固めへ。そのプレッシャーでパスガード、マウントを奪うと、いったんは脇を閉じたリマに、再び頭でヒジを上げさせ突っ込むと、マウントから肩固めへ! リマがタップした。逆転勝ちしたシュトルーフは、勝利者インタビューで涙を流しながら引退を表明。

「(1Rにダウンしてプレッシャーを受けたが?)テープで確認しないと。何が起こったか分からなかったよ(苦笑)。(VTRを見て)パンチを顔に受けたね。40戦戦い、UFCでは22戦戦った。たくさんの素晴らしい瞬間があった。(次は?)みんな僕の心臓の事を心配していると思うけど心臓は大丈夫。5年前(2013年8月に心臓病を患っている事を発表)に自分自身にカムバックすると言い聞かせて戦ってきた。グローブを置くよ。僕の心臓が100パーセントには戻らないことは分かっている。前回判定負けし、今回こうして勝ててよかった。素晴らしい時間を感じたよ。ファンのみんなありがとう。愛してるよ。そして、トレーニングパートナーたち。(ボブ・シュクライバーを呼び寄せると涙声になり)16年間、一緒にやってきたコーチ……、みんなありがとう」と語ると、オープンフィンガーグローブをオクタゴンに置いた。

シュトルーフは2013年8月に心臓病から長期戦線離脱。2014年7月「UFC 175」ではマット・ミトリオン戦直前に控室で意識を失い試合が中止となったこともあった。復帰戦となった2014年12月「UFC on FOX 13」ではアリスター・オーフレイムにKO負け。キャリアの危機と思われたが、2015年8月「UFC 190」でアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラに判定3-0で勝利。ノゲイラに引退を決意させた。

2016年5月「UFN」ではアントニオ・シウバにヒジ打ちでKO勝ちしパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞。2016年10月「UFC 204」でダニエル・オミランチェクをダースチョークで極めるなど重量級ながらサブミッションの使い手であることも証明している。

2017年9月の「UFN」ではファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞する激闘ながらアレキサンダー・ヴォルコフにTKO負け。2018年3月「UFC 222」でアンドレイ・アルロフスキーに、7月「UFN」でマルチン・ティブラにも判定負けを喫し、今回のマルコス・ホジェリオ・デ・リマ戦が3連敗からの再起戦だった。

1Rにダウンを喫しながらも、2Rに肩固めでの逆転の一本勝ち。シュトルーフは引退を決めて試合に臨んでいた。MMA40戦29勝(8KO 18SUB)11敗。UFCでは22戦13勝9敗と大きく勝ち越しての引退となった。

◆ステファン・ストルーフェ「いろんな人が手遅れになる」

「これをずっと考えてきたんだ。みんな、僕の心臓の問題は分かっていると思うし、思っていた以上に戻ってくるのが難しかった。特にメンタルの部分でね。僕は快進撃を続けていた。スティペがチャンピオンだったし、すでに打ち負かしていたから、ボルコフに勝てばタイトルショットが近いと思っていたんだ。でも、そうはならなくて、治療が必要なケガもあった。身体は問題なかったと思う。続けたくなくて、自分が崩壊したところを知りたくもなかった。でも、今、素晴らしいチョークで一本を取った。最高の形になったと思う。僕は常に戦いに来ていた。ノックアウトもされたし、でも生き残って一本勝ちした。最高の形のひとつだ。ここに戦いの炎がある。いろんな人が手遅れになる。グローブを置くよ。でも、今回は最高だった」 

【メインカード】

▼ライトヘビー級マッチ 5分3R
○ミハル・オレクシェイチュク(ポーランド/204lbs/92.53kg)
[1R 1分34秒 KO]※左ボディフック
×ジアン・ヴィランテ(米国/206lbs/93.44kg)

◆ミハル・オレクシェイチュク「UFCではこれが初勝利。また戦いたくてしょうがない」

「UFCではこれが初勝利だ。ものすごくモチベーションが高まっているし、とてもうれしい。すでに次の試合が楽しみでしょうがないよ。ロシアでもロンドンでも、どちらのイベントでもいい。また戦いたくてしょうがないんだ。ジアンは本当にタフな相手だったし、ものすごく強いファイターだ。今回の勝利は彼が弱かったからじゃない。むしろその逆で、自分の調子が良すぎたのさ。次の試合でそれを証明してみせる。今回の試合に向けた準備が楽だったわけじゃない」 

▼女子フライ級マッチ 5分3R
○リズ・カムーシュ(米国/125lbs/56.70kg)
[判定3-0(29-28×2,30-27)]
×ルーシー・プディロヴァ(チェコ/126lbs/57.15kg)

◆リズ・カムーシュ「ワレンチナをフィニッシュしたのは私だけしかいない」 

「本気でフィニッシュを狙っていたし、フルラウンドに持ち込むつもりはなかった。ここで判定になると勝つのが難しくなると思っていたから。判定が告げられた時、観客が激怒しているのは分かった。それは理解できる。地元ファイターを応援するのは当然よね。もっとアグレッシブにいきたかった。向こうのバックアップが多かった気がする。それは私自身のミスだし、自分が生み出したアドバンテージを生かせなかった。私はベルトがほしい。ワレンチナは、私たちの初顔合わせで私が彼女をフィニッシュしたことについて論点が多いと言っていたわね。彼女をフィニッシュしたのは私だけしかいない(※2010年にカムーシュが2R TKO勝利)」 

▼バンタム級マッチ 5分3R
○ピョートル・ヤン(ロシア/136lbs/61.69kg)
[判定3-0(30-27×3)]
×ジョン・ドッドソン(米国/136lbs/61.69kg)

オクタゴンデビュー以来、勢いに乗って勝利街道をひた走るピョートル・ヤン(ロシア 11勝1敗)がジョン・ドットソン(米国 20勝10敗)に挑むバンタム級戦。

ヤンはACBで連勝中だったマゴメド・マゴメドフに唯一黒星をつけたファイター。強烈な右オーバーハンドを軸とした攻撃力を武器に、2018年6月に移籍したUFCでも3連勝中で、石原夜叉坊をTKO、DEEPバンタム級元王者ソン・ジンスに判定勝利、ドゥグラス・アンドレージをTKOに降している。

今回対するのは約3倍の戦績を持つドットソン。フライ級でタイトルにからんだドットソンは、バンタム級再転向後はマルロン・モラエス、ジミー・リベラに敗れている。2015年からは4勝4敗も、これまでのキャリアのなかで連敗は一度もなく、粘り強い戦いを続けている。オーソで右の強打を持つヤンとサウスポーで踏み込んでくるドッドソンのスタンド、ドッドソンのテイクダウン&スクランブル、ヤンの軸の強い組みはどちらが勝るか。ヤンの連勝、ドッドソン初の連敗もかかる試合だ。

1R、オーソドックス構えのヤンと左構えから入るドッドソン。一気にワンツーでステップインするドッドソンに、バランスを崩すヤンは立て直す。同じように飛び込むドッドソン。しかしここはかわしたヤンから左前手を出して圧力をかけなおすとそれを嫌ったドッドソンがワンツーから組み付きに。それをさばいたヤン。ドッドソンは金網まで突っ込んでいく。さらに圧力をかけるヤン。左ジャブから右ボディストレート! さらに右インローを前足に打つ。さらに詰めて右ミドルを打つが、これをキャッチしたドッドソンがテイクダウン。そのまま右足首をつかむとヤンの左足が股間に。抗議するドッドソンだが、構わずヤンは立つ。

前手を触角のように伸ばし、すぐに圧をかけるヤンにドッドソンは金網を背に。ワンツーの右が伸びるヤン。被弾するドッドソン。外足を取るヤンにドッドソンは左回りに。さらに左フックを当てると左右ラッシュはヤン! 再び右ミドルを打つがここもキャッチしたドッドソンがテイクダウン。すぐに立つヤンは四つからヒザ。逆に崩してこかす。立つドッドソンだが、ヤンの圧力に金網を背に。ヤンは右オーバーハンド。ブロックするドッドソンはワンツーをボディに返す。

右手は額を触るようにガードし、前手を触り合いながら右の跳びヒザはヤン! 避けながら両脇を差すドッドソンはボディロック。しかし崩せず離れ際に左ヒジを放つとすぐにヤンも左フックで追う。金網に詰まるドッドソンは前蹴りを突くが、まっすぐに伸ばすヤンの左を浴びる。ドッドソンも左ストレートを狙うが、頭を振って避けるヤンはスイッチ。回るドッドソンに追い足も速く、ワンツーにたまらずドッドソンは足を触りにいく。

テイクダウン狙いを切るヤンは右腕をおっつけて頭をアゴにつけて押し込むと左ヒザ! ドッドソンは左で差し上げて離れる。ワンツー、ヒザで飛び込むヤン。ドッドソンも左フックを返したところでホーン。序盤から恐るべき圧力をかけたヤンのラウンドに。

2R、左前手でジャブのフェイントから左手でドッドソンの右ヒザを触りにいくヤン。金網に詰まりそうになるドッドソンはクリンチからダーティボクシングで左を振る。ヤンの左に右アッパーを狙うドッドソン。右インローからけんか四つで互いに前手を突き合わせる。左のスーパーマンパンチはドッドソン! ヤンのすぐに右ストレートで飛び込むとドッドソンはしゃがみこんで間一髪かわしながらシングルレッグへ。片足立ちで金網まで行き切るヤン。ドッドソンは自ら離れる。右ハイはヤン。軽くブロックするドッドソンだが後退。金網に詰まり再びワンツーで押し返す。

しかし、ヤンのアップライトながら前手からの強い圧力に、ドッドソンはすぐに金網に詰まってしまう。頭を下げて右を振るヤンにドッドソンはヒザを狙う。再び右を当てるヤン。打ち終わりのドッドソンのニータップはすぐに切る。

前に出てくるヤンに左インローを当てるドッドソン! ヤンの左足が後方に流れる。しかし詰めて右のオーバーハンドを振るヤン。そこに内側から左を合わせるドッドソンは、戻した左ですぐに左のダブル! アゴに浴びたヤンがダウン! 鉄槌で殴りかかるドッドソンにヤンは首を抑えフックガードで跳ね上げすぐに立つことに成功。その立ち際にドッドソンは右ヒザを突く。ヤンのダメージは? 構わず詰めるヤンに右ヒザで押し返すドッドソン。ヤンは右から大きな左がドッドソンに届く。さらに金網に詰めて右から左、さらに右! ブロックするドッドソンだがヤンの強打に打突音が響く。さらに右ミドルも。

左ボディストレートはドッドソン。ヤンは右ミドルから左フックで飛び込む。顔をずらすドッドソンは左を差して体を入れ替える。が、ものすごい圧力のヤンにドッドソンはまたも金網を背にジャブで上体が立って金網で後方に逃げられなくなったところに右が襲い掛かる。さらに右ボディストレートはヤン! ドッドソンは右前手でヤンの左前手の拳を掴むが、振りほどくヤンは左ボディフックを当て右! さらに首相撲ヒザ。回るドッドソンだが、ヤンはさらに右前蹴り、右ストレートにドッドソンは金網に詰まり身体をくの字にさせる。

金網詰めたヤンはジャブのダブルから右ストレート! がくりとヒザを落とすドッドソン。さらにワンツーでラッシュをかけるが、ドッドソンも頭を落としながらも左で差し返してケージに押し込むが、すぐにヤンは右でおっつけて体を入れ替えるなど、組みの強さも見せる。さらに頭を押し付けて右ヒザ! ドッドソンが苦悶の表情でノーガードでケージを歩いたところでブザーが鳴り、ブザーに救われた。ダウンを奪ったのはドッドソンだが、すぐに立ちニアフィニッシュの場面を作ったのはヤンの2Rに。

3R、両手を挙げて自らを鼓舞するドッドソン。両手を合わせてからファイト。ヤンの前進をさばくとワンツーもかわす。すぐに追うヤンは前足で左ジャブのフェイントからワンツー。右を受けながらも右に回り左を合わせに行くドッドソン。なおも前に来るヤンを右にさばきながら左を狙う。スイッチしての左ローはドッドソン。ヤンはワンツーで詰めるがここはかわされる。前半と異なり外足で止められないヤンにドッドソンは右に潜ってさばくと左フックをガードの上に当てる。

さらに前ががりなったところを左で差して右外無双的にテイクダウンをしかかるが、投げられながらも両ヒザ立ちからすぐに立つヤンは休むまず前へ。右がアイポークと主張するドッドソンだが、レフェリーが流すと、すぐに詰めるヤンは左ボディ、右ストレート。さらに右を被弾するドッドソンだが、左を打ち返しにいく。ジャブから右アッパーはヤン。かわすドッドソン。

右手で前手をふさぎにいくドッドソンにヤンは詰めると打点の高い右跳びヒザ! ここも間一髪かわしたドッドソンはシングルレッグから軸足もつかみテイクダウン! 両足首をいつかむドッドソンの頭を押しながら足を抜くヤンは逆にスタンドバックに回る。後方からのパンチが軽く後頭部に当たり注意を受けるが、再開にすぐに左ヒザをドッドソンの顔面に突き上げる! さらに離れ際に回転バックヒジも。これは避けたドッドソンだが、追うヤンはワンツーをヒット! 巧みに頭をずらすドッドソンだが後退。

至近距離で左右を突いてきたヤンをかいくぐりダブルレッグでこかすがその動きを際ですぐに差し上げるヤンはなおも手繰るドッドソンをがぶり、右手で足首を取りに。立つドッドソンのバックに回ると引き込んで崩してバックコントロール。片ヒザ立ちのドッドソンの背後につき、脇下から左アッパー、右で細かいパンチも突く。背後からの後方への投げに思わず金網を触るドッドソン。正対際で首を出しダブルレッグに入るヤンは離れ際に左フックもボディに!回るドッドソンを追うヤンはワンツーへ。かいくぐるドッドソンはシングルレッグも切るヤンはスタンドバックから足を蹴り崩すと亀のドッドソンの背後から左のパンチ、鉄槌を連打! 頭を抱えたままドッドソンはホーンを聞いた。

判定は3-0(30-27×3)で3者フルマークでヤンを支持。2Rにフラッシュダウンを奪ったドッドソンだったが、怒涛の反撃に遭い、最後まで恐るべき圧力と打撃、組みでも上回ったヤンがMMA12勝1敗、UFC4連勝に。ドッドソンはキャリア初の連敗を喫した。ヤンは試合後、ジミー・リベラとの対戦を希望した。

◆ピョートル・ヤン「常にドッドソンを自分のレンジにとどめておけた」

ゲームプランはキックを生かしてパンチでカウンターを狙うこと。相手はタフだし、経験も豊富だ。ダウンしないだろうと思っていたし、フルラウンドになるだろうとも思っていた。すべてうまくいった。勝ったから、それが大事。ジョンは本当に厳しい相手だ。小さいから、試合がもっと複雑になる。ボディを攻めていきたかったんだけど、常に動いているからものすごく難しかった。でも、そのチャレンジの覚悟はできていた。常に相手を自分のレンジにとどめておけたしね。ランキング9位の相手だったから、自分より上にランクされている相手なら喜んで誰とでも戦う。これでUFCでは4勝だから、ここではパーフェクトだ。UFCと話してみないといけないけど、6月にジミー・リベラと戦いたい」 

▼ライトヘビー級マッチ 5分3R
○マゴメド・アンカラエフ(ロシア/204lbs/92.53kg)
[判定3-0(30-27×2,29-28)]
×クリッドソン・アブレウ(ブラジル/※209lbs/94.80kg)
※アブレウが体重超過。規定体重をオーバー。対戦相手のアンカラエフにファイトマネーの20%を支払う

◆マゴメド・アンカラエフ「プラハの雰囲気、エネルギーがすごかった」

「今回の勝利はとにかく完璧だった。すべてが最高で、気分がいい。UFCではこれが3試合目。どのUFCイベントも本当に素晴らしいけれど、プラハの雰囲気がファンのみんな、本当にこのエネルギーがすごい。クリッドソンはタフな相手だった。予想外だったことは何もないけれど、本当にヘビーだった。彼とのレスリングは手こずったしね。自分よりもかなりヘビーだと思う。だから、本当にタフな試合だった」 

【プレリム】

▼ウェルター級マッチ 5分3R
○ドワイト・グラント(米国/171lbs/77.56kg)
[1R 4分59秒 TKO] ※右ストレートからパウンド
×カルロ・ペデルソリ(米国/171lbs/77.56kg)

◆ドワイト・グラント「相手の腕が下がってくると思っていた」

「思っていたよりも向こうのアゴが丈夫だった。フックを当てたのに、動揺させることすらなかったんだ。ただ、想像していたほどキックを打ってこなかったから、もっと打たせてやろうと思って。ようやく、こっちがリラックスしているときに打ってきてくれたから、それを生かしたのさ。蹴りに力を入れだしていずれ腕が下がってくると思っていたから、あの一発を当てられたんだ。ダウンした相手がだらんとしているのは分かったから、最初は打つつもりなんてなかったけど、そうしたら動き出したからもう一度ダウンさせた。混乱はなかったと思う。それでも、向こうの気持ちはリスペクトしている。素晴らしい気迫だ」 

▼フェザー級マッチ 5分3R
○クリス・フィッシュゴールド(英国/145lbs/65.77kg)
[2R1分10秒 リアネイキドチョーク]
×ダニエル・テイムル(スウェーデン/146lbs/66.22kg)

◆クリス・フィッシュゴールド「夜に家に帰って、ちっこい犬が俺のことを待ってくれているなんて最高だろ」

「UFCの試合で勝てるなんて人生で一番気分がいい。最初のラウンドにはあまり満足していないんだ。中に入ってものすごく緊張していたから。でも、勝利は勝利だ。なんて言えばいいのか分からない。今は涙でも流しているような気分だ。ものすごくタフな相手だったし。タフな試合になるだろうとは思っていたけど、彼がこんなにテクニシャンだなんて思っていなかった。一本勝ちはこれで13勝目。これで金ももっともらえるし、ランキングも上がる。より良い生活が待っている。それが一番さ。チワワをもう1匹飼おうかな。今1匹いるんだけど、家族がほしいからな。夜に家に帰って、ちっこい犬が俺のことを待ってくれている、なんて最高だろ」 

▼女子フライ級マッチ 5分3R
○ジリアン・ロバートソン(カナダ/125lbs/56.70kg)
[2R 3分27秒 リアネイキドチョーク]
×ヴェロニカ・マセド(ヴェネズエラ/126lbs/57.15kg)

◆ジリアン・ロバートソン「トップ15の誰かとやりたい」

「流れをつかめたことは大きな意味があるわ。攻撃に自分の長所をすべてつぎ込んだ。リアネイキドチョークがかかればすぐに誰しももがき始める。だから、私はかかる前に首を攻めていくの。できるだけ早く試合に戻りたい。もうちょっとローカルな場所だとうれしいかな。世界のみんなと戦ってきたから。ペイジ・ヴァンザントと戦いたいけど、彼女がダメならトップ15の誰かとやりたい」

▼ライト級マッチ 5分3R
○ダミア・ハゾビック(ボスニア・ヘルツェゴビナ/155lbs/70.31kg)
[2R 2分03秒 TKO]
×マルコ・ポーロ・レイエス(メキシコ/155lbs/70.31kg)

◆ダミア・ハゾビック「向こうが闘牛で俺はマタドールだった」

「正直、フィニッシュを狙っていたわけじゃないんだ。今回の相手はこれまで自分が戦ってきた中で一番危険な1人だと思っていたから。ものすごくパワフルな打撃を持っているし、それを感じた。向こうはノックアウトを狙ってきたけど、困惑させてやりたかったんだ。向こうが闘牛で俺はマタドール(闘牛士)。前はダウンさせたことなんて一度もなかったのに、今じゃ2回だ。ゲームプランは完璧に機能した。いい試合ができたし、ケガもない。トップ15の誰かとやれればいいんだけど。シャーウス・オリベイラとか。場所はブラジルじゃなくて、どこか間がいいね。長くて熱い戦いになるぜ」 

▼ウェルター級マッチ 5分3R
○イスマイル・ナウルディエフ(オーストリア/170lbs/77.11kg)
[判定3-0(30-27×2,30-26)]
×ミシェル・プラゼレス(ブラジル/170lbs/77.11kg)

◆イスマイル・ナウルディエフ「2週間しか準備期間がなかった」 

「UFCでは初勝利だし、最高の気分だ。本当にうれしいし、気分もいい。ミシェルがタフなやつなのは分かっていたけど、神にかけて誓うよ、自分が勝つと思っていたとね。俺は強いし自信もある。こんなに長くかかるなんて思わなかったけどね。もっと早くKOするつもりだった。今回のプラハの試合は2週間しか準備期間がなかった。自分の体を整えるために、スプリントやカーディオのトレーニングをかなりやりこんだんだ」 

▼ライト級マッチ 5分3R
○ディエゴ・フェレイラ (ブラジル※157lbs/71.21kg)
[判定3-0(30-27×2,29-28)]
×ルスタム・ハビロフ(ロシア/156lbs/70.76kg)
※フェレイラが体重超過。対戦相手のハビロフにファイトマネーの20%を支払う

◆ディエゴ・フェレイラ「キャンプでのドリルと反復が重要だった」

「トレーニングキャンプではドリルと反復が重要だった。テイクダウンされても、プレッシャーをかけて確実に持ち直せるように練習してきたから試合に打ち勝てたんだ。すべてが最高だった。向こうのテイクダウンはほとんど止められたしね。家を買うつもりなんだけど、まだ支払いがある。全部稼いでやるつもりだけど、オクタゴンですぐに試合に戻らないと。次はトップ15の誰かとやりたい。UFCがまた素晴らしい試合をオファーしてくれればすぐにでも戻ってくるつもりだ」 

▼ライト級マッチ 5分3R
○ダミル・イスマグロフ(カザフスタン/155lbs/70.31kg)18勝1敗
[判定3-0(30-27×3)]
×ヨエル・アルバレス(スペイン/156lbs/70.76kg)15勝2敗

※ダミル・イスマグロフのコメントはなし

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