UFCのウエルター級とミドル級で二階級を制覇したジョルジュ・サンピエール(GSP)が2月21日(現地時間)、カナダ・モントリオールで会見を行い、引退を発表した。
1981年5月19日、カナダケベック州サンティジドールで生まれたGSPは、7歳から極真空手を学ぶことで格闘技に触れ、その後、柔術、ボクシング、レスリングなども学び、2002年、カナダ「UCC 7」でプロMMAデビュー。「TKO」を経て2004年1月から「UFC」参戦。MMA戦績は26勝2敗で、UFCではウェルター級王座を9度防衛している。
2017年11月に約4年ぶりにオクタゴンに戻ったGSPは、ミドル王者マイケル・ビスピンをリアネイキドチョークで極め、UFC史上4人目となる二階級制覇を達成。同年12月7日に健康上の問題を理由にミドル級王座を返上。柔術コーチのジョン・ダナハーが示唆していた通り、2019年2月21日、37歳のサンピエールは正式に引退を表明した。
これまで戦ってきたすべての対戦相手に感謝したい
会見冒頭でサンピエールはフランス語で、ファンと家族、さらにフィラス・ザハビ、ジョン・ダナハー、グレッグ・ジャクソン、フィル・ナース、フレディ・ローチ、ヘンゾ・グレイシーらに感謝の言葉を述べると、続けて英語で、「チャンピオンになり、チャンピオンであり続けるためには多くの鍛錬が必要だ。一方で、肉体的にも精神的にも人生で最高の状態にあると感じながらも辞めるということにも多くの自制心が必要になる。それでも、健康な状態でトップにいる間にこのスポーツを離れたいとずっと思っていた」と引退の理由を語った。
さらに、「家族、ファン、コーチ、トレーナー、トレーニングパートナー、スポンサー、エージェント、ずっと支えてきてくれたみんなに感謝したい。また、ロレンゾ・フェティータとフランク・フェティータの偉業、そして、UFC 46からUFC 217まで、世界に向けて自分のスキルを発揮するチャンスを与えてくれたダナ・ホワイトとUFCのすべてのスタッフに生涯、感謝する。これまで戦ってきたすべての対戦相手にも感謝したい。その誰もが全力で戦う必要のあった素晴らしいアスリートだった。
自分が携わってきたこのスポーツにポジティブな影響を与え続けたまま、誇りを持って競技から引退する。この先もずっと、生きている限りは格闘技のトレーニングと練習に励むつもりだ。MMAの未来に向けて、新たな世代のチャンピオンたちの姿を見ることを楽しみにしている」と周囲への感謝と未来への期待を寄せて、笑顔で会見を終えた。
UFC公式サイトでは、GSPの引退会見を受けたダナ・ホワイト会長の「MMAマップにカナダを刻んだのは彼だ」との言葉と、2011年にカナダトロントのロジャーズ・センターに5万5千人を集めて行われた「UFC 129」でのGSPの偉業が讃えられている。