メインイベントのKrushクルーザー級タイトルマッチで対戦する王者K-Jee(左)と挑戦者・加藤
2020年3月28日(土)東京・後楽園ホール『Krush.112』の前日計量が、27日(金)都内にて13:00より行われた。
メインイベント(第8試合)のKrushクルーザー級タイトルマッチで対戦する、王者K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning)は89.7kg、挑戦者・加藤久輝(ALIVE)は89.9kgでそれぞれクルーザー級リミットの90.0kgをパス。
その後、両者は記者会見に出席。タイトルマッチ調印式を行い、それぞれ意気込みを語った。両者は2019年12月のK-1名古屋大会で参戦し、2R1分17秒、左ハイキックで2度のダウンを奪った加藤が最後は左ストレートでKO勝ちしている。今回はK-Jeeが保持するタイトルを懸けての再戦となった。
一度勝利しているからか表情に余裕を感じさせる加藤は「いろいろありましたが、無事にタイトルマッチが出来るので凄く嬉しいです。ずっと2~3カ月くらい練習してきたので、明日はいいパフォーマンスをしたい」と練習の成果を出したいとする。
K-Jeeは「Krushには6年前、初めて出ました。そこから格闘技に本気に打ち込むようになってベルトが獲れて、Krushで実力を付けてきました。実力があるとはいえ、Krush初出場の相手にベルトを譲るわけにはいかない。しっかりリベンジと防衛をしたいと思います」と、Krushには初参戦となる加藤にはベルトを渡せないとの決意を語った。
加藤は「僕はキックボクシングをそんなにやっていたわけじゃないので(元々は空道とMMA)日々変化をしている。よく変わったと言われるので、進化、新しいレベルの高いパフォーマンスを見せられると思う」と、この3カ月間でさらなる進化を遂げたと言い放つ。
それに対してK-Jeeは「公開練習などは参考にしてないです。前回やった感覚、そこが大きいですね。それを元に対策を立ててきました」と言い、「パワーなどは変わらないけれど、戦略という部分でしっかり攻略できるように準備をしてきました。明日を楽しみにしていただければ。同じ過ちはしない。前回の感覚で彼は来ないと思うので、同じ感覚ではないと思う。相手も考えて来ていると思うので、それがどう交わるかだと思います」と、今回はしっかり対策を立ててきたことが差になるとした。
すると加藤は「再戦はカリミアンと愛鷹選手もあったが(3・22K-1さいたまスーパーアリーナ)、全く同じ内容で同じ攻め方だった。それが正しいとは思わない。自分は違うプランがあって、違う攻め方で行こうと思っています」と、前回とは違うと強調した。
この試合は、愛鷹亮を破って2度目の防衛に成功したK-1クルーザー級王者シナ・カリミアンへの次期挑戦者決定戦の意味合いで見られているが、両者はカリミアンと愛鷹のタイトルマッチをどう見たか。
加藤は「もちろん、K-1のタイトルマッチは見たけれど、その前にK-Jee選手との試合があるので次のことを考えてもしょうがない。K-Jee選手も福岡(K-Jeeの地元・福岡で7月26日にK-1が開催される)どうこう言う前に防衛戦、僕はタイトルを獲るのが大事なので、カリミアンを見ていろいろ感じたけれどそれは月曜日から考えればいい」と、今は目の前の試合に集中。
K-Jeeは「まずはこの試合が大事な一番です。ただ戦っている中で先を見据えるのも大事なこと。あの一戦に関しては対策ではなくお互いの待ち味を活かすだけの戦いだと見て分かりました。どちらも相手はパワーがあるし、相手の強い部分では自分は勝てないけれど、自分の武器でしか勝負できないのは分かっているので攻略もできるという目で見ていました」と、目の前の試合に集中しながらも、来るべき日に備えて攻略も考えながら見ていたとした。
試合までの24時間はどんなルーティンで過ごすのかと聞かれると、加藤は「まずタイ料理が好きなのでタイ料理屋に行きます。辛いのが好きなのでトムヤムクンですね。その後は日本食も食べて、お菓子を食べながらごろごろして準備する」と、なんとも自由。減量した選手は内臓に負担をかけないようにおかゆや麺類など消化によいものを食べるのが普通だが、いきなり胃への刺激が強いトムヤムクンとは。
K-Jeeは「この後、3時半からうなぎを食べます。そして8時半から焼肉屋に行って元気が出るもの喰って、試合をイメージしたい」と、きっちりとスケジュールを立てて栄養のある食事をしていくと話した。
また、今回がKrush史上初の“無観客大会”になったことについて、加藤は「初めてですね。ちょっと面白いなと思います。入場したら誰もいない、セコンドとレフェリーとジャッジしかいないんですよね。面白そうだなと思っていて。あとはいつも通りに準備します」、K-Jeeは「もちろんやったことがないし、これから先もやることはないかもしれない。それを味わえるのはある意味ラッキーかも。それはそれでその空間を楽しみたい。セコンドの声もよく聞こえると思うので、その状況を精一杯楽しもうと思います」と、それぞれ普段とは違う状況を逆に楽しみたいと答えた。
そして最後に加藤は「AbemaTVを見て応援してください。ベルトを愛知県に持って帰ります」、K-Jeeは「AbemaTVを見ている人の心に刺さる、気持ちの届く試合をします」とそれぞれ語った。