テクニシャンぶりを発揮してKrushで2階級制覇を達成した佐々木
2020年2月24日(月・祝)東京・後楽園ホールで開催された『Krush.111』の一夜明け会見が、25日(火)都内にて行われた。
メインイベント(第8試合)のKrushスーパー・ライト級タイトルマッチで、王者・鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス)を判定3-0で下し、第8代王座に就くと共にライト級に続く2階級制覇を達成した佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が会見に出席。
「一言で言うと昨日はよかったなって感じです」と佐々木。鈴木とは昨年11月のK-1でも対戦し、判定勝利を収めているが「会場も違うし、コンディションも全然違うし、一度やったことでお互いに力が入る部分もあったし、前回とは違う試合が見せられたと思います」と振り返る。
「やっている最中は夢中でした。1度拳を交えて勝利した、それが一つの強みだったと思います。相手からしたら負けた印象が残るので。そこが前回との違いですかね」と勝因を語る。
ダウンを奪った時は思わず笑顔を浮かべたが「楽しかったんでしょうね。戦績が44戦になってきて、最初は何が何だか分からず早く終われと思いながらやっていました。必至になっていたんですよね。今は3分3R、1分1秒が濃い時間。僕の中で凄く楽しい。夢中になれるものがキックボクシング、ですね」と、試合が楽しめたのだという。
「僕はキックボクシングが大好き。練習という感じではなく、凄く楽しく常に探し求めているというか。キックボクシングを極めたいですね。いつ満足する日が来るんだろうって日々過ごしています。それで見ている人にパワーを与えられる試合を見せていくのがプロとしての在り方だと思う。自己満足ではなく一人でも多くの人に力を届けられたら、そんな幸せなことはないです」と、キックボクシングが本当に好きだと話す。
試合後には“近代ムエタイの帝王”“生ける伝説”と呼ばれるセンチャイへの想いも語った。改めて聞かれると「本当に僕、他人に興味がないんですが、センチャイの動画を見た時に凄いなと。技じゃなく試合をしていて気持ちが見えるんですよね。そこに惹かれて。タイへ行った時に会うことくらいしかできなかったんですが、その時のオーラと言うか。足も太いし、自分より小さいけれどオーラを感じました」と言い、「またタイへ行きたいですね。タイでの生活は凄く濃い生活で、めちゃくちゃしんどさもあったのですぐに行きたいかと言うと“はい”とは言えませんが、センチャイさんにはぜひ手を合わさせてもらいたい。個人的にDMも送っているんですが返事がなくて」と笑った。
新王者としての意気込みは「リング上でもお話させてもらいましたが、65kgは層が厚くて。だからこそ、このベルトはいろいろなところへ行くのではなく僕のところでどんどん価値を上げていきたい。65kgを僕が引っ張っていきたい。そんな戦いを見せていきたいです」と、長期政権を築きたいとする。
試合後にリングに上げた長男とは、前日に一緒に寝てパワーをもらうとの発言もあったが、「それが一緒に寝なかったんですよ。というのは、息子が風邪気味だったので。今日は一緒に寝てきました。寂しかったのかな。帰りの車でも隣に座っていて。嬉しいですよね、原動力になっています」とパパとしての顔ものぞかせた。
「いろいろな見られ方があると思うので、僕はどんどん極めて“アート”を見せていきたいです」という佐々木。本人のコメントでもファンからの声にも“地味強”との見方があるが、「ありがたいことです。僕はそれを貫いていきます。地道に地味に行きます」と、地味に強いと言われることは本人的にも嬉しいことと笑った。
そして「一人一人の力、応援が力になります。一人じゃできないので、勝ったり負けたりを繰り返して、失敗とかも経験してきて今の僕がある。負けを恐れずに、鈴木選手もそうですが負けて終わりじゃないので。諦めたら終わりになりますが、人生諦めずに貫いたらその見返りが絶対にあるということを皆さんに僕が表現して、こいつでやっているんだから自分もできるんだろうって力を与えていければと思います。佐々木に力をもらったと言ってもらえる試合をリングで表現していくので、これからもよろしくお願いします」とメッセージを送った。
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