2020年2月24日(月・祝)東京・浜松町のニューピアホールにて、女子総合格闘技『DEEP JEWELS 28』が、830人超満員の観衆を集めて行われた。
▼第8試合 メインイベント DEEP JEWELS MMAルール フェザー級 5分3R○KINGレイナ(FIGHT CLUB 428)66.25kg[1R 3分29秒 TKO]※マウントからパウンド×アンドレ・ザ・ロケット(タイ/Tarnthong Gym)65.40kg
KINGレイナ(FIGHT CLUB 428/K-Clann)は、2019年10月の『DEEP JEWELS 26』でダイヤモンドローズ・ザ・ロケット (タイ)との対戦が決まっていたが、前日計量をクリアできず失格。代わって中井りんが緊急参戦でダイヤモンドローズと対戦した。前回の試合会場で涙の謝罪を行っているKINGレイナは、2020年出直しの一戦を迎えるにあたり「去年までは総合をやるにあたっての細かな技術練習、総合格闘技に繋がる打撃の練習が足りなかった」と反省点をあげ、K-Clannでの練習など環境を変えて技術を取得してきたという。レイナは「ここからKINGレイナは生まれ変わるのが目標です」と復活を宣言している。
対するアンドレはレスリングとブラジリアン柔術をベースとする20歳の組み技師。ケージで行われた「IMMAF WMMAA Asian Open」出場経験を持ち、今回がプロデビュー戦となる。160cmでオーソドックス構えから繰り出す右は思い切りは良いが振りは大きく、カウンターのテイクダウンを奪われることもある。グラウンドでは下から腕十字の仕掛け、スイープ狙いからバックマウント奪取など積極的な仕掛けと同時に、相手のリアネイキドチョーク狙いを正対しながらもバックから落とされるなど、詰めの甘さも残している。
キャリアで勝るKINGレイナとしては、得意の蹴りも交えながら相手の大きな打撃を被弾せずに、しっかり投げからテイクダウン、バックに回らさせずに抑え込んで極めたいところだ。
前日計量では、2019年10月大会で63kg契約の試合を2.3kgの体重超過により失格となったKINGレイナ(FIGHT CLUB 428/K-Clann)が今回はフェザー級(66.3kg※王座戦以外は+0.5kg含む)戦を66.25kgでパス。対するアンドレ・ザ・ロケット(HANGER GYM)も65.40kgでパスしている。
出直しの一戦に向け、「ここからKINGレイナは生まれ変わる」と事前に語っていたレイナは、計量をパスし「前回、計量オーバーになり試合が無くなってしまいましたが、今回、メインという立場をいただき、再スタートします。KINGレイナらしい試合をします」とコメントした。
1R、ともにオーソドックス構え。KINGレイナはアンドレに右ロー、カーフキックを連打! 前足を変えるアンドレ。KINGレイナの右ミドル、右ローにバランスを崩すアンドレはシングルレッグも倒れずに切るKINGレイナ。首相撲からヒザ蹴りも突くと、首投げ&払い腰テイクダウンからマウント奪取。パウンドで復活勝利を決めた。
試合後、KINGレイナは、ケージのなかで「格闘技のチケット高いと思います。まだまだ見たい人いますか。まだ今年一発目なので、まだまだ試合を組んでもらえるように頑張りますので、応援よろしくお願いします」と語った。
また、試合後の会見では「今回はK-Clannで毎回、吐くような練習をしてきました。練習していた技のカーフキックが出せてよかったです。最後は関節技ではなくパウンドで決めたくてそうしました」と練習の成果を語り、さらに、課題となっていた体重についても、「今回は減量方法を変えて、横田(一則)代表に教わった、練習後のいちごなどフルーツを食べながらの減量で苦しくなく出来ました」と笑顔。また、「最終的にはユニファイドにある61.2 kgで戦いたい」とバンタム級への身体改造を目標としていることを語った。
[nextpage]
▼第7試合 DEEP JEWELSミクロ級トーナメント一回戦 第2試合 5分2R○アム・ザ・ロケット(タイ/Tarnthong Gym)44.30kg[1R 0分49秒 腕十字]×佐藤絵実(毛利道場)44.25kg
RIZINのスーパーアトム級で浜崎朱加、山本美憂と好勝負を展開したアムは、49.0kgで強豪たちと渡り合ってきたが、もともとアトム級(47.6kg)を主戦場としており、今回はミクロ級(-44.0kg※王座戦以外は+0.5kgまでOK)での参戦もあり、大会当日の身体の厚み、力強さも注目だ。
前日計量を44.30kgでパスしたアムは、「今回、4人のトーナメントの1人に選ばれてとても嬉しいです。(佐藤絵実に)リヴェンジは絶対にさせません」と、2019年3月に後楽園のケージで行われた「DEEP JEWELS 23」で一本勝ちしている佐藤との対戦に自信を見せた。
対する佐藤絵実(毛利道場)は44.25kgで計量をパス。アム、パク・ジョンウンら強豪海外勢に2連敗中の佐藤だが、対日本人では2017年6月から4連勝するなど実力をつけている。2017年12月に青野ひかるに一本勝ち、2018年9月には古瀬美月にも一本勝ちしており、今大会でアムへのリヴェンジに燃える。
計量後、佐藤は「1年前にアム選手に完敗しているので、このリヴェンジのチャンスを絶対にモノにしようと思っています。私は31歳で総合格闘技を始めて今年で8年目なんですけど、この8年間のすべてをぶつけて、絶対、アム選手にリヴェンジしたいと思いますので、よろしくお願いいたします」と、8年目の集大成をアム戦で見せたいとした。
1R、サウスポー構えの佐藤にオーソドックス構えのアムは右の強打を当てて打撃の交換から近距離での首相撲! 崩される佐藤は何とか立ち上がるが、そこにアムは首投げ! そのままサイドを奪うと強烈なニーインザベリーで佐藤をピン止めすると、腕十字を極めた。
ケージの上で喜びを表現したアムは、試合後「いつも私の試合に注目していただきありがとうございます。これからもみんなを喜ばせる試合をします」とコメント。
試合後にケージの中で決勝での対戦が決まった古瀬美月と撮影に応じると、「決勝の相手が彼女になって大歓迎です。決勝でもみんなを喜ばせる試合をします」と笑顔でコメント。
古瀬は「アム選手に決まってちょっと不安もありますが、しっかり勝ってベルトを巻く目標に向かって必死に頑張ります」とマイクで語った。
[nextpage]
▼第6試合 DEEP JEWELSミクロ級トーナメント一回戦 第1試合 5分2R×玉田育子(AACC)44.00kg[判定0-3] ※18-20×2,19-19マスト判定古瀬○古瀬美月(Y&K MMA ACADEMY)44.35kg
ミクロ級トーナメント1回戦で、ベテランの玉田育子(AACC)が18歳の古瀬美月(Y&K MMA ACADEMY)と対戦する。
前日計量で4.00kgのジャストで計量をパスした玉田は、「ずっと軽い階級を待ち望んでいて、そのタイミングでトーナメントが行われるということで、このチャンスを絶対逃したくないので、僅差の判定でもいいので絶対に1回戦、勝ち上がります」と、2005年7月のMMAデビューから15年目に訪れた適正階級でのベルト獲得のチャンスに向け、必勝を誓った。
2019年3月に3年半ぶりにMMAに復帰し、マドレーヌ、KOTORI相手に2連勝中の玉田は52歳の鉄人。今回はケージで行われる44.0kgのトーナメントで真価を発揮できるか。
対する女子大生ファイターの古瀬美月(Y&K MMA ACADEMY)は44.35kgでパス。「今回、このミクロ級が初めてでちょっと不安もあったんですけど、いまは何とか体重も落とせたので、あとはやるだけです」と、アトム級(-47.6kg)から階級を下げての参戦の第一関門である減量成功に笑顔。続けて、「1RでKOできると思うので楽しみにしていてください」と、短期決着を予告した。
2019年は樋田智子、坂本美香、KAI、パンナコッタみのりに勝利。6月には富松恵美に一本負けも佐藤の欠場を受けたスクランブル出場だった古瀬は、ミクロ級でどんな試合を見せるか。アム同様に、当日の体格差にも注目だ。
1R、ともにサウスポー構えから。古瀬の左の蹴りに対し、右ストレートをしっかり打つ玉田は、組んでボディロックへ。金網背に凌ぐ古瀬にシングルレッグからダブルレッグでテイクダウン! ハーフガードの古瀬は下から腕十字も防ぐ玉田は片手で鉄追を打つ!
2R、左ストレートで詰める古瀬に金網に詰まる玉田はヒザつきのダブルレッグへ。両足を後方に飛ばしてをがぶった古瀬は左で差して投げて上に! 鉄槌の連打で削ると、亀から背中を譲って立ち上がる玉田のバック狙い。しかし玉田はバックを取らせず正対して立つと古瀬の左に構わずダブルレッグへ。左で小手に巻いて差し上げる古瀬は、払い腰でテイクダウン、パワー差を感じさせる。
バックマウントからパウンド、さらにチョーク狙いも前に落とされた古瀬は腕十字へ。これは極めさせない玉田は上になるが、すぐに立ち上がる古瀬は玉田のダブルレッグもがぶりバックから引き込んでコントロールしたところでゴング。
判定は3-0(20-18×2,19-19マスト判定古瀬)で古瀬が勝利。試合後、古瀬はケージの中で「いつも応援してくださる方々、ありがとうございます。課題の残る不甲斐ない試合しましたが、決勝はどっちが上がってくるか分かりませんが、私はベルトを巻くつもりなので、また応援に来てください。絶対にチャンピオンになります」と戴冠を宣言した。
[nextpage]
▼第5試合 DEEP JEWELSストロー級 5分2R○本野美樹(AACC)52.70kg[1R 4分27秒 TKO] ※バックマウントからパウンド×ノンパン・ザ・ロケット(タイ/Tarnthong Gym)51.30kg
本野美樹(AACC)が2019年6月以来の参戦を果たす。本野は東海大学柔道部出身で、2010年の講道館杯では西田優香(2010年世界柔道選手権-52kg級優勝)に勝利するなど活躍し、アマチュアMMAでも無敗。2019年3月の『HEAT』で満を持してプロMMAデビューを果たし、“流血のマドンナ”こと鈴木万李弥に完勝。同年6月の『DEEP JEWELS』に初参戦すると、大晦日RIZINで山本美憂と対戦したベテランの長野美香をデビュー2戦目にして破るというアップセットを起こしている。10月には豪州『Eternal MMA』でWMMA豪州女子ストロー級王者ケーシー・オニール(スコットランド)とのタイトルマッチに挑んだが判定負けで初黒星。12月『DEEP』でのパク・チヨン戦では1R、腕十字による一本勝ちで再起を果たしている。
前日計量後には、「去年までは柔道家の動きだった。MMA選手として、全てパワーアップしていきます」と、本野はバックボーンの柔道だけに頼らずトータルファイターとしての進化を見せられるか。「最近は試合に出るたびに自分が成長できているなと感じていますので、今回も成長した姿を見せられるように、自分らしくしっかり一本、KOを狙いにいきます」と語っている。
対戦相手ノンパン・ザ・ロケット(タイ)は20歳のストライカー。ムエタイで10勝7敗3分、アマチュアMMAでは1勝2敗。GAMMAの「MMA World Championships」52.2kg級では銅メダルとなっている。プロキャリアで上回る本野にとっては、取りこぼしできない相手だろう。
1R、サウスポー構えの本野に、オーソドックス構えのノンパンは右ミドル、右ストレートをヒット! インローを返し左の打撃を振る本野は鼻血を流すが、打撃を試すように右フックで応戦。
さらに遠間から柔道の投げではなくシングルレッグからダブルレッグに切り替えテイクダウン! すぐにパスガードからマウント。背中を向けたノンパンをバックマウントからパウンドで仕留めた。
試合後、本野は「圧勝して言いたかったのですが……(会場から「圧勝だよ」の声)いまDEEP JEWELSのストロー級のベルトを巻いているのは、UFCで戦っている魅津希選手ですが、私もJEWELSで戦っているからにはチャンピオンベルトを巻きたいので、ぜひタイトルマッチをやらせていただければと思います」と暫定の王座戦を希望した。
[nextpage]
▼第4試合 DEEP JEWELS MMAルール 49kg以下契約 5分2R○川村虹花(仮面女子)48.80kg[1R 2分56秒 TKO]×坂本美香(Fight HOLIC)48.65kg
川村は、アイドルグループ「仮面女子」のメンバーで、MMAファイターでもある。ファイターとしての2019年は、DEEP JEWELSで3月の後楽園ホール大会は怪我で欠場、6月の復帰戦ではMAOに判定で敗れ、9月大会は首の怪我で再び欠場。10月の後楽園ホール大会では永尾音波に敗れ、白星無しという厳しい年に。通算戦績は2勝5敗となり、2018年大晦日のあい戦から3連敗となっている。
「怪我も多く、思うように練習ができなかった時期もありました。守るような試合をしてしまったので、もっと自分から攻めるスタイルを高めていってガンガン行きたいと思います」と、昨年の反省を語る川村。2020年は「今年の目標は、一つも落とさず全勝して年末にRIZINに出ることです。去年悔しい思いをしたので、今年はもっと格闘技に時間をかけて連勝目指します」と、全勝で年末のRIZINまでたどり着きたいとの目標を掲げている。前日計量では「今年1発目の試合、自分の実力を全部出し切って勝ちに繋げたいと思います。そしてジム(リバーサルジム新宿Me,We)の皆さんが連勝を続けているので、バトンを繋げられるように頑張りたいと思います」と練習仲間の勝利を繋げたいと語った。
対する坂本は、『DEEP JEWELSアマチュア大会』に連続出場。2018年9月の第1回大会でにっせーにTKO負けも、2019年6月の第2回大会ではKrazy beeのTAMAMIにスプリット判定で勝利し、2019年9月にプロデビュー。いきなり古瀬美月と対戦し、1R4分28秒、TKOで敗れるも古瀬と真っ向から打ち合う気の強さを見せたストライカー。
「川村選手は、気持ちが強くてガンガン攻めてくる印象ですが、私も負けるつもりはありません。経験値でいうと差はありますが、その差を感じさせないような試合にしたいです」と、常に気持ちの強さを見せる川村に対して一歩も退かない構え。キャリアの差も乗り越えて見せると語る。
1R、オーソから右ミドル、右ストレートで金網に詰める川村は右で差して頭を坂本のアゴ下につけて左をクリンチボクシングで連打! ブレークから再開もボクシングジムにも通ったという右ストレートで坂本を金網に釘付けにする。
しかし坂本は四つ組みから小外がけでテイクダウン! 川村の立ち際に左のパウンドを連打!
受けながら脇を差して立つ川村は右の蹴り、右のオーバーハンドフックを当てると左右のラッシュ! 金網に詰まったところでレフェリーが間に入った。
怒涛の打撃で逆転のTKO勝利を決めた川村はケージのなかで、杉山しずからと抱き合い、Me,Weの旗を掲げると「去年悔しい思いをしました。今回必ず1Rで仕留めると意気込んできました。厳しいときもありましたが、必ずここから這い上がってみせます」と力強く語った。
[nextpage]
▼第3試合 DEEP JEWELS MMAルール 49kg契約 5分2R×永尾音波(AACC)48.95kg[判定0-3]※18-19×3,19-19マストさくら○さくら(フリー)48.40kg
今後の女子格闘技界を担っていく16歳同士の“JK世代対決”が決定。さくら(フリー)と永尾音波(AACC)が49kg以下契約5分2Rで対戦する。
さくらは柔術の強豪で、道衣無しのグラップリングでも、2018年12月の「GRACHAN37×GLADIATOR 008」で、QUINTETで3人抜き(池本美憂、杉本恵、長野美香に一本勝ち)の実力者・杉内由紀を相手にケージグラップリングで時間切れドロー。DEEP JEWELSアマチュアグラップリングでは4戦4勝と負け無し。2019年5月の柔術大会「WHITE RIOT 2019」スーパーファイトでは、DEEP JEWELSプロファイターの青野ひかるに道衣ありながらベースボールチョークで一本勝ちしている組み技の実力者だ。
2019年12月の『DEEP 93 IMPACT』でプロデビューを果たし、永尾のデビュー戦の相手でもある國保小枝と対戦。パンチでの打ち合いも見せ、1R3分17秒、腕十字による一本勝ちを収めている。現在、高校2年生の17歳。今回がプロ2戦目だが「私を応援してくれる皆さんが、楽しんでくれる試合をすることが目標です」とプロ意識はすでに高い。さらに2020年に目指すべきこととして「生意気かもしれませんが、DEEP JEWELSのエースになりたいんです!」と大きな目標を掲げる。
対戦相手の永尾については、「戦ってくれる相手は誰でも同じと常に思うようにしてます。自分の試合をやるだけです! 応援してくれる方々、家族、DEEP JEWELSに感謝して頑張っていきたいと思います」と、自分の試合を貫くとの決意を話した。前日計量では、「今回の試合は同じ高校生同士の戦いなので、とても楽しみですが、何としても勝ちたい気持ちが強いです」と連勝への強い意欲を見せた。
対する永尾は、アマチュアキックボクシングでの試合を経て、2019年3月のDEEPアマチュア大会では同世代の吉川桃加を相手に打撃で上回り判定勝利、プロデビュー戦となった6月のDEEP JEWELSでは 組み技を得意とする國保小枝の組みを断ち切り判定勝利、続く9月大会では同世代のリオンと対戦し、19-19×3の同点ながら、マスト判定によりリオンに惜敗している。10月大会にも連続出場し、仮面女子の川村虹花からハイキックでダウンを奪い判定勝ち。プロ戦績は2勝1敗の打撃を得意とする選手だ。オーソドックス構えながら左の蹴りを得意とし、AACC所属らしくケージレスリングでも成長を見せている。現在、高校1年生の16歳。前日計量では「ずっと練習してきた必殺技を出して勝ちたい」と秘策ありとしている。
対戦相手のさくらについては、「この前の試合を見てもデビュー戦で何も分からなかったんですが、その試合はただ突っ込んでいるイメージだったのでそれに関しては得意分野です。意気込みは、絶対勝ちます!」とデビュー戦は参考にならなかったと言い、同じように来るなら攻略できると自信を見せた。
グローブタッチでさくらの拳をはたく永尾。やってやる、という同世代のライバルへの意思表示か。
1R、サウスポー構えのさくらに永尾はオーソから左ミドル、右ハイを狙う。左を突いて組むさくらは四つ組みから脇を潜り、ボディロックテイクダウンからマウント&パウンド肩固めへ! 左足を抱えて防御する永尾に、さくらは再びマウントへ移行しパウンド。さらに足を4の字にロックしたリアネイキドチョークを極めにいくが永尾がエスケープする。
2R、右の前蹴り、ミドルで圧力かける永尾。左を突くさくらは四つに組むが永尾は突き放す。なおも左で追うさくらに永尾は右の蹴り。
ハイはブロックするさくらだが、前蹴り、ミドルがヒット。さくらは四つからシングルレッグもここは永尾が切ると前に。判定は1Rのニアフィニッシュを評価されたか、さくらが接戦を判定3-0勝利。涙を流して永尾とハグした。
[nextpage]
▼第2試合 DEEP JEWELS MMAルール ストロー級 5分2R×井上智子(ストライプル茨城)52.10kg[1R 1分06秒 TKO] ※レフェリーストップ○和田千聖(毛利道場)52.40kg
井上智子はMMAプロデビュー戦。走り高跳びでインターハイに出場、七種競技で茨城県2位という運動神経を持ち、柔術ではアジアオープン無差別級、Ricaldo De Riva CUPフェザー級を始め数々の大会で優勝。キックボクシングでプロ数戦を行った後、アマチュアMMAを経験。2019年9月のDEEP JEWELS新宿FACE大会では、藤田翔子(リバーサルジム新宿ME.WE)とプロ昇格を懸けたアマチュア戦を行い、グラウンドでは下からの腕十字を仕掛け、スタンドでも空手出身の藤田にパンチと蹴りを浴びせて判定勝ちしている。
デビュー戦へ向けて「柔術の練習ばかり、ここ6~7年やってきましたので、寝技で勝ちたいと思います。でも打ち合ってくるなら打ち合います」と意気込む井上。昨年までの自分には「スタミナとスクランブルでのテクニックが足りなかったです」と言い、弱点を克服して臨む。
対する和田は、12月の大阪大会に初参戦し、第1試合で栗山葵(SMOKER GYM)と対戦。判定で敗れはしたものの、最後まで激しい打ち合いを繰り広げて会場を沸かせている。今回が関東初登場。「勝ち続けることを目標に打撃でも寝技でも負けない強さを手に入れたい」という和田は、対戦相手の井上について「柔術で活躍している選手だと聞いてワクワクしてます。強い選手を倒して自分の存在をアピールしたいです!」とやる気満々なコメントを残している。
1R、サウスポー構えの和田にオーソドックス構えの井上。左で果敢に前に出る井上に和田は左フック! もんどりうって後方に倒れた井上を見て、すぐにレフェリーが間に入った。
▼第1試合 初代DEEP JEWELSミクロ級(-44.0kg)王座決定トーナメント リザーブマッチ 5分2R×國保小枝(和術慧舟會船橋道場)44.00kg[判定0-3] ※18-20×3○佐々木萌(総合格闘技道場BURST)44.30kg
「DEEP JEWELSミクロ級初代王座決定トーナメント」リザーブマッチで國保小枝(和術慧舟會船橋道場)と佐々木萌(総合格闘技道場BURST)が対戦。
國保はソフトボールと吹奏楽部を経て、大学に入ってから和術慧舟會船橋道場に通い始め、慧舟會の『Grappler's Game』等で柔術スキルを磨いてきた。2018年9月DEEP JEWELSアマチュア大会でトライフォース赤坂のAIKOに2R腕十字で一本勝ち後、12月の『DEEP JEWELS 22』ではANJUとドロー。2019年3月はあいにTKO負け、6月は永尾音波に判定負け、12月はさくらに一本負けと連敗中で勝ち星が欲しいところ。「前回49kgで、今回44kgということで、ちょっと減量を頑張れたので、試合も頑張り抜きたい」と意気込む。
対する佐々木は女子MMAのレジェンド・藤井惠が育てた選手で注目のプロデビュー戦。あい、永尾音波、さくらと若手注目株とばかり対戦してきた國保がまたも同じ局面を迎えることとなった。
佐々木は期待の新人の一人。アマチュア修斗を経験し、12月のDEEP JEWELS大阪大会にアマチュアルールで出場すると判定3-0で勝利を収めている。動きの良さが高評価を得て、今回プロデビュー戦にしてリザーブマッチに抜擢された。
佐々木は「昨年はアマチュアで3試合し、良い感覚で今年プロデビュー戦を迎えることになりました。まずは初戦でしっかり勝つことです」と、プロデビュー戦へ向けて意気込みを語る。
昨年を振り返り、自分に足りないものは「全体的に良くなっていると思いますが、組み際の部分や打撃の細かいテクニック、あとはフィジカルです。ミクロ級の中でも小さいので、パワー負けしないように体を作らないといけないです」と課題は見えている。今回は小柄ながら均整の取れた肉体を披露したが、今後さらにフィジカルを鍛えていくとした。
対戦相手の國保については「組みの選手で私と似たようなファイトスタイルだと思います。プロで3戦戦っていてキャリアは上ですが、打撃、寝技全ての局面で上回りたいと思います!」と、キャリアで優る國保を全局面で上回ると宣言した。
1R、ともにオーソドックス構え。右ロー、右ストレートを当てる佐々木は前に。四つで組むが國保も崩れず。体を入れ替え、テイクダウンする國保にすぐに立つ佐々木は打撃で反撃。
2R、右ストレートは佐々木も國保はがぶりからノーアームのギロチンチョークへ。長い時間首を抱えられた佐々木だが、頭を抜いて首相撲からヒザ、さらに左右を突くと國保が後退。ゴング。判定は3-0(20-18×3)で、ダメージを取った佐々木が勝利した。