2020年3月22日(日)さいたまスーパーアリーナ『K-1 WORLD GP 2020 JAPAN ~K'FESTA.3~』で、お互いの持つタイトルを懸けたダブルタイトルマッチで対戦するK-1スーパー・フェザー級王者・武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)とISKAオリエンタルルール世界ライト級王者アダム・ブアフフ(モロッコ)が、公開調印式に臨んだ。
公開調印式は2月22日(土)東京・渋谷のSHIBUYA109イベントスペースにて開催された『「K'FESTA.3」3.22さいたま大会サンテンニイニイK-1見ようぜ!by SHIBUYA109イベントスペース』にて行われた。
会見には武尊、ブアフフの他に中村拓己K-1プロデューサーとISKAヨーロッパ代表のポール・ヘネシーも同席。ヘネシー代表は「今回こうしてK-1のリングでダブルタイトルマッチが組めることを光栄に思っています。過去、K-1とISKAの両タイトルが懸かった試合はなかったので、歴史上初めての試みになります。ブアフフはISKA王者たちの中でも強い選手で、武尊選手は簡単には勝てないと思います。激しい試合になると思います」と、ブアフフを自信を持って送り込むとコメント。
調印式を終えると、ブアフフは「K-1は僕が小さい頃から夢見ていた舞台です。魔裟斗、ブアカーオ、ザンビディスら強い選手に憧れて今まで練習を積んできました。今回の試合は白熱したいい試合になると思います。皆さん楽しんでください」と挨拶。武尊は「ダブルタイトルマッチが決まりました。僕はK-1を格闘技を始めた頃から憧れて見ていました。ISKAはK-1の歴史を作った魔裟斗さん、バンナらが獲ったベルトです。僕もこのベルトを巻きたい気持ちがありました。このタイミングで大きい大会で決まったので、史上初の偉業を成し遂げるのは僕しかいないと思う。最後に僕が2本のベルトを巻いてみんなの前に立ちたいと思います」と、それぞれがそれぞれのタイトルに懸ける想いを語った。
現在の心境を聞かれると、ブアフフは「大きな大会、歴史に残る大会に参加できることが嬉しい。この試合のためにたくさんの準備をしてきました。必ず勝とうと思っています」と必勝を宣言。武尊も「この試合のために年明けからアメリカ合宿に行って追い込みも1カ月前からやってどんどん準備は進んでいます。最高の身体を作って絶対に勝ちます。なかなか相手と試合前に会うタイミングはないですが、実際に顔を見て目を見ていい選手だなと思いました。思い切り殴り合って最高の試合をして最後に僕がKOで勝ちます」と、負けじとKO宣言。
それを聞いてブアフフも「武尊はとても強い選手だと思う。それは分かっている。僕は小さい頃からキックボクシングをやってきて、全てを犠牲にしてやってきた。その全てを出して戦うので負けることなく全身全霊で戦おうと思っています」と、この試合に全てを懸けると意気込む。
さらにブアフフは「僕は日本が大好きで小さい頃からK-1を夢見ていて、ファンとして育ってきた。そんなK-1を支えているファンがいる日本で戦えるのが嬉しいし、ファンを楽しませるためにも過去に有名になった外国人のように足跡を残して存在をアピールしたい」と、歴史に残るK-1ファイターたちのように自分も名を上げたいとの野望を燃やす。
武尊は「僕が負ければK-1のベルトが海外に流出するのでK-1代表として負けらない。K-1は世界最強で最高じゃないといけない、世界最強と最高を決めるのはK-1なので、ISKAの王者には負けないです」とベルトは絶対に渡さないと強調した。
KO宣言した武尊に何ラウンドで仕留めるのかを聞くと、「早ければ早いほどいいですが、今回はお客さんに伝わる試合をしたい。3分3Rフルにやって、ラスト1秒で倒れるくらいにしたい」と、激闘を演じて最後の最後で倒すというドラマティックな展開を望んだ。
さらに、メインイベントについて聞くと「僕しかいいないと思っています。今まではトーナメントで勝ち上がらないとメインに出られなかったんですが、今回はワンマッチですけれど僕とブアフフ選手の試合が最高の試合になると思うので、メインで間違いないと思います」と、『K'FESTA』のメインは譲らないと語った。
イベント後の囲みで武尊は「アメリカではボクシングジムへ出稽古に行って、帰って来てからも(卜部)功也君とボクシングの練習をやっていてテクニックが増えたと思いますね。K-1はボクシング技術が重要で、近い距離での打ち合いが多くなるのでもっとパンチの技術を上げたい。あとはKOしたいので、前回倒せなくて悔しかったので倒す技術を身に着けたいと思ってやってきました。功也君にはマンツーマンでミットを持ってもらって教えてもらっています。技術を教えるのも上手いし、細かいところまで研究してもらっていて身に付いている実感があるので次の試合に出せると思います」と、パンチの技術が上がっていることを実感していると明かす。
ツーショット撮影ではブアフフにフェイスオフを仕掛けられ、明らかにスイッチの入った目をしていたことについては「僕は試合前に対戦相手に会いたくないんですよ。気持ちが入っちゃうので。早く試合がしたいと思いました」と、やはりスイッチが入ったようだ。ブアフフが手を上げた(実際には握手を求めた)瞬間には「カウンター合わせてやろうかと思いました」と笑う。
ダブルタイトルマッチへ向けて、すでに武尊の闘志には火がついたようだった。