長いリーチから繰り出されるロベルト(右)の右ストレートに前田はのけ反る
ニュージャパンキックボクシング連盟「NJKF 2020 1st」
2020年2月16日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベントII ISKAムエタイ・インターコンチネンタル・フェザー級王座決定戦 3分5R
×前田浩喜(CORE/元NJKFスーパーバンタム級王者)
判定1-2 ※46-49、48-47、47-48
〇オリビア・ロベルト(イタリア/ISKAイタリア・フェザー級8位)
※ロベルトが王座に就く。
前田は2018年6月の試合(NJKFスーパーバンタム級タイトルマッチで久保田雄太を相手にドロー防衛)を最後に、負傷箇所の治療のため戦線を離れていたNJKF2階級制覇王者。1年8カ月ぶりの復帰戦となる。42戦のキャリアを持つ38歳のベテランだ。
オリビアはローマ出身で、イタリア国内のムエタイ王座に就いてきた選手。177cmの長身でサウスポーをベースとしながらオーソドックスにも変わるスイッチファイターで好戦的な選手。
1R、ロベルトは右ハイ、サウスポーの前田は左ロー。ロベルトの蹴りに必ず左ローを返す前田。ロベルトは長いリーチから繰り出す左フック、左ボディ。かなりの強振だ。前田はそのフックをよくみてかわし、左ストレートを打ち込む。
2R、左フックと右ストレートを思い切り打ってくるロベルトに前田は的確に左ローを蹴り返していく。足を意識するロベルトだが、ハイキックを蹴ってパンチを強振。左ボディが強烈に決まるが、前田はかまわず左ローを当てていく。
3R、パンチの手数をかなり増やすロベルト。ジャブ、左フックからの右ストレート、ワンツー、右フックの連打。前田にローを蹴られる前にパンチを当てに行く。前田も被弾が目立つ。
4R、下がりながら蹴り終わりをパンチで狙うロベルト。前田は前へ出て左ローを蹴っていく。ロベルトは片足を上げて露骨にローを嫌がるが、強打は死んでおらず強烈な左ボディを叩きつけてくる。
5R、前へ出て三日月蹴りで攻める前田だが、ロベルトは下がりながらもワンツー、右フックを打ち返してゆずらない。終盤30秒を過ぎるとロベルトが前へ出てきて右ストレートを始めとするパンチをまとめて印象付ける。
判定は2-1と割れ、ロベルトが勝利。前田のタイトル奪取はならなかった。
▼メインイベントI NJKFスーパーライト級タイトルマッチ 3分5R
〇畠山隼人(E.S.G/NJKFスーパーライト級王者)
TKO 2R 2分46秒 ※左右フック連打→レフェリーストップ
×真吾YAMATO(大和/NJKFスーパーライト級1位)
※畠山が防衛に成功。
王者・畠山が真吾の挑戦を受ける。2018年6月に同級の王座決定戦で対戦した両者は、畠山が初回KOで勝利し戴冠。1年8カ月ぶりの対戦で、畠山は王座防衛を、真吾はリベンジを懸ける一戦となった。
1R、真吾は左ミドルを蹴り、畠山は左右フックを放って前へ出る。真吾は首相撲に捕まえるとヒザ蹴りを連打。畠山はヒジで応戦したが、首相撲では真吾に分があるか。
2R、真吾は左ミドルで距離を取って戦おうとするが、畠山は左右フックで突進。薙ぎ払うようなフックを叩きつける畠山に真吾はグラつき、左ミドルに左フックのカウンターをもらう。一気にラッシュをかけた畠山が右フックでダウンを奪った。
畠山の猛打は止まらず、右フックでダウンを追加するとヒジで逆転を狙う真吾に左右フックを叩きつけ、最後は連打で一方的になったところでレフェリーがストップ。畠山が防衛に成功した。
マイクを持った畠山は首を傾げながらも「自分のいいところなのか悪いところなのか、振り回して勝つことができました。皆さんの応援のおかげです。とりあえずベルトを守ることができたので、もう少し希望を持って戦うことができます」と語った。