必殺の左ボディに加えて強力なローキックでKO勝ち、世界王座に就いた朝陽(左) 撮影/安村 発
「The Battle Of Muaythai BOM2-7」【第1部】
2020年2月9日(日)東京・新宿FACE
▼メインイベント(第11試合)WBCムエタイ世界スーパーバンタム級王者決定戦 3分5R
×シンウドン・ウッウドン(タイ/ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級4位)
KO 2R 1分44秒 ※右ローキック
〇朝陽・PKセンチャイジム(PKセンチャイジム/ムエサイアム・イサーン・バンタム級王者)
※朝陽が新王座に就く。
朝陽は名高、竜哉とともに期待されるエイワ三銃士の一人で、ムエタイスタイルの2人とは違い強打が持ち味の18歳。これまでMA日本フライ級王座、ルンピニージャパン認定スーパーバンタム級王座、ムエサイアム・イサーン・バンタム級王座を獲得。2019年12月のBOMでIBF&WBCムエタイ世界バンタム級王座に挑戦したが、ぺットチャワリットに判定負けで世界タイトル獲得ならず。今回は一階級上げてのWBCムエタイ世界タイトル獲りに挑む。戦績は13勝(11KO)5敗。
対するシンウドンはラジャダムナンスタジアムを主戦場とするムエカオ(ヒザ蹴りを得意とするタイプ)だという。
1R、右ミドルを出しながら圧力をかける長身のシンウドンは左ジャブ、右ストレート。朝陽は右ロー、必殺の左ボディブローを何度も炸裂させるが、ジンウドンの前進は止まらない。
2R、1Rと同じく前に出るジンウドンに、朝陽は左のパンチを顔面とボディに散らす。さらに左ローで動きを止め、回転力の早い攻撃につなげると、ガードを固めるジンウドン。朝陽が左ボディから渾身の右インローを放ち、ジンウドンは崩れそのまま立ち上がれず。KO勝ちで世界タイトルを獲得した朝陽はマイクを握るとONE本戦出場をアピールした。
▼セミファイナル(第10試合)WMC日本女子ピン級王座決定戦 3分5R
×奥脇奈々(エイワスポーツジム)
判定0-3 ※48-49、48-49、47-49
〇MIREY(HIDE GYM/J-GIRLSピン級王者)
※MIREYが新王座に就く。
奥脇はジュニアキック出身で、2017年1月にプロデビュー。アグレッシブな打ち合いを挑み、2019年6月にはWMC日本女子ピン級王座決定戦に挑んだが、判定で敗れて王座獲得ならず。12月には“ムエタイ才女”伊藤紗弥に挑んだが牙城を崩せなかった。
対するMIREYは日本人の父とペルー人の母を持つハーフで、2018年2月にプロデビュー。5戦目で祥子を破り、J-GIRLS王座に就いた。2019年7月には二冠を狙って『MuayThaiOpen』に参戦、同団体の女子ピン級王座決定戦に臨んだが、激しい打ち合いの末、前WBC日本女子ピン級王者・上原真奈に敗れた。同年10月にはKNOCK OUTでぱんちゃん璃奈と対戦して話題となるが、判定で敗れている。
1R、奥脇が横前蹴りと右ローで先手を取る。MIREYは右フックを打って行き、大きな展開はなく2Rへ。このラウンドはパンチを連打して前へ出てきたMIREY。しかし奥脇が前蹴りで転倒させ、右ローでも攻めていく。
3Rは奥脇も打ち合い乱打戦に。MIREYはボディの連打から顔面へつなげる。奥脇は左ミドルを蹴って左フックで迎え撃つが、パンチの回転力で優るMIREYの差y風フックをもらって頭が大きく揺れる場面が目立ち始める。離れて前蹴りをボディと顔面へ入れる奥脇だが、打ち合いになるとMIREYのフック連打で頭が左右に揺れる。
4Rも打ち合いになるが、奥脇は顔面前蹴りを強打。MIREYは奥脇の蹴りに合わせて右ストレートで飛び込む。顔面前蹴りと右ミドル、ヒザ蹴りで応戦する奥脇にMIREYは左右フックをクリーンヒットさせて前へ出る。パンチをもらって奥脇は苦しい展開に。
5R、左右フックの連打で前進するMIREYに奥脇も左フックを繰り出すが、打ち合いになると回転力で優るMIREYのパンチがヒットする。奥脇の蹴りに力強さがなくなり、MIREYのフック連打に身体が泳ぐ。最後は奥脇もパンチを当てて意地を見せたが、判定3-0でMIREYが勝利。J-GIRLS王座との二冠王となった。