キックボクシング
インタビュー

【RISE】悲願の王座奪取へ、平岡琴「女性としての幸せを掴むのも大事だと思うけどベルトを獲ってからでいい」

2020/02/07 19:02
2020年2月11日(火・祝)東京・新宿FACE『RISE GIRLS POWER 2』のメインイベントで、RISE QUEENアトム級王者・紅絹(NEXT LEVEL渋谷)に挑戦する平岡琴(TRY HARD GYM)のインタビューが主催者を通じて届いた。  平岡は極真会館の全日本女子ウェイト制空手道選手権軽量級優勝の実績を持ち、多彩な蹴り技が持ち味の選手。RISE参戦後2連勝と波に乗っていたが、RISE QUEENアトム級王者決定トーナメント準決勝で那須川に敗れて連勝はストップ。9月大会で百花を延長戦の末に破り、11月のRGP第1回大会ではNJKFミネルヴァ アトム級1位・佐藤レイナに勝利した。現在3連勝中と絶好調でタイトル獲得に挑む。 ■紅絹さんは闘牛士みたいな闘い方をしている。私が牛になることはない ──ようやくタイトル挑戦が決まりました。 「やっと来たなという感じでした。今まで2度ほど王座決定トーナメントに参加させてもらったけど、いずれも初戦で負けています。チャンピオンベルトには届きそうで届いていないです」 ──昨年開催されたRISE QUEENアトム級トーナメントでは優勝候補と期待されながら準決勝で那須川梨々選手に延長で敗れてしまいました。 「2019年は3勝1敗だったけど、負けた一戦は自分の中で大きかったですね。本当に悔しかった。これから対戦相手はどんどん強くなっていくばかりだと思うので、ああいうギリギリの試合展開でも勝っていかないと。競り合った時に何かひとつでも自分が上回るものを持っていないといけないと痛感しました」 ──練習メニューも見直した? 「ハイ。私はうまく自分の流れになっている時にはいけるけど、逆にイヤな流れになった時にはやられてしまうことも多いです。そういう意味で、現在はボクシングの部分を強化しているところです」 ──だからこそワタナベボクシングジムに出稽古に通っているわけですね。 「ハイ。今までは蹴りに頼っていた部分がありました。ただ、もうそこだけでは勝てないと思います。しっかり打ち合う時には打ち合って、その上で自分の持ち味である蹴りを活かしていかないとですね。今までは自分の長所ばかり伸ばしてきたけど、梨々ちゃんに負けてからは短所を補う練習もやり始めた感じです」 ──ワタナベジムではキック出身の谷山佳菜子選手とやる機会が多い? 「谷山さんとは階級が結構違うので、(元WBA世界女子アトム級王者の)宮尾彩香さんとやってもらうことが多いですね。たぶんあの階級では彩香さんが一番パワーがあるし、うまいと思うので勉強になります。今は週3~4回のペースで行かせてもらっています。TRY HARDでは練習は週6ですね」 ──結構ハードなスケジュールですね。だったら、1日2部練は当たり前? 「そうですね。基本2部練で、たまに3部練という感じです」──TRY HARD女子部では最年長だけど、一番練習しているという自負がある? 「ほかの人の外での練習は見たことがないけど、練習量はあると思います(照れ笑い)。ここ2カ月くらいはバイトも一切やっていないです。いまは練習に集中できる環境を作ってもらっています。私の中ではチャンピオンが紅絹さんということにも意味があるので」 ──自身のブログでは「過去最強の相手」と記していましたね。 「実は紅絹さんはキックを始める前からの知り合いなんですよ。空手家時代から見ていた女子キックボクサーは紅絹さんと神村エリカさんのふたりだけでした」 ──以前から気になる存在だったわけですね。 「神村さんは試合を見て単純に強いと思いました。それで彼女の試合を見に行くようになり、その流れで紅絹さんの試合も見るようになりました。向こうが覚えているかどうかわからないけど、自分がプロに転向しようかどうか悩んだ時には相談に乗ってもらいました」 ──たぶん覚えているでしょう。 「自分がデビューしたての頃も出稽古に行くと、紅絹さんにはいろいろ教えてもらいました。ホント、キックの中では最も教えてもらった先輩なんですよ」 ──先輩であり、先生であったわけですね。 「ハイ。私がプロになる前から見ていた選手なので」 ──逆にいうと、最もよく知る選手という解釈もできます。 「そうですね。そういう意味では闘い方も癖もよく知っています。紅絹さんは今回のタイトルマッチが決まってから対策を練り始めたと思うけど、私はずっと見続けてます。紅絹さんが梨々ちゃんに勝ってチャンピオンになった時から、私はどんな練習をしたら勝てるのかということを考えながらやってきました。そういう準備期間の差も今回の試合に出るんじゃないですか」 ──どんな試合展開を予想する? 「紅絹さんは相手の攻撃を。受け流すのがうまい。牛のキャラでやっているけど、実は闘牛士みたいな闘い方をしている。だから私が牛になることはない(キッパリ)。冷静に闘うことを心がけたい。紅絹さんの頭の良さにやられないようにしないといけません」 ──今回はタイトルマッチなので、試合時間は5R制になります。 「5Rでやるのは初めてだけど、スタミナには問題がないと思います。フルラウンド闘うつもりはないけど、簡単に倒れるような相手でもないですし。だから紅絹さんの弱点に合わせた、当たったら倒れるという武器を用意しています。たぶんドンピシャで入ると思う」 ──今年6月には三十路に突入するけど、9歳から空手を始めているので格闘技歴は長い。 「確かに長いけど、やり続けて良かった。というか、私には格闘技しかないので」 ──学生時代の友人の中には結婚したり、バリバリ働いている方も多いかと思います。そういう同級生と自分の人生を比べたら? 「先日親友に子供が産まれたんですよ。そういう姿を目の当たりにすると、結婚するのもいいかなという気持ちもあります。でも、私は格闘技しかやってこなかったし、格闘技しかできないです」 ──まだまだ頑張る? 「女性としての幸せを掴むのも大事だと思うけど、私はいまの生活が楽しいし、いい人生だと実感しています。年齢は関係ないです。チャンピオンになってからがスタートです。ほかのことを考えるのはチャンピオンベルトを獲ってからで構いません」 ──いいですね。覚悟が感じられます。 「今度地元横浜でRISEのビッグマッチがあるじゃないですか。チャンピオンになったら、まず横浜大会に出たい。地元の大会にチャンピオンとして出ることに意味があると思うので」 聞き手=布施鋼治
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