キックボクシング
レポート

【新日本キック】強烈な蹴りの連打とダウン奪われ勝次敗れる、新設のベルトは外部流出で大荒れの幕開け

2020/02/02 21:02
新日本キックボクシング協会「MAGNUM 52」2020年2月2日(日)東京・後楽園ホール ▼第11試合 62.5kg契約 3分5R×勝次(藤本ジム/WKBA世界スーパーライト級王者)判定0-3 ※45-50×3〇ロンペットY’Z D GYM(タイ)  勝次は昨年10月、悲願であったWKBA世界王座を獲得し、12月にはREBELS王者の丹羽圭介を激闘の末に下して連勝中。2020年初戦は35勝(10KO)19敗の戦績を持つロンペットとの対戦を迎えた。  1R、サウスポーのロンペットに勝次は独特の前蹴りで足を蹴る。ロンペットは勝次が右ストレートを放つと、思い切った左ストレートを打ち返し、左ミドルからの左ストレートを積極的に打って行く。  2R、薄笑いを浮かべるロンペットは重い左ミドルを連発。勝次は腕でブロックするが、その重さに大きくバランスを崩す。さらにロンペットは左ミドルと左ハイを連打。追い詰められた勝次だったが、飛びヒザ蹴りで形勢を逆転し、パンチでロンペットにロープを背負わせた。  3Rも強烈な左ミドル&ハイを連発して勝次を追い込んでいくロンペット。さらにハイをガードさせておいての左ボディストレートも突き刺さる。勝次は足への前蹴りと右ストレートで応戦するが、ロンペットの重い蹴りに苦戦する。  4R、やや疲れが見えるロンペットだが、左ミドルとそれをフェイントにした左のパンチを勝次に決めていく。勝次は飛びヒザ蹴りに活路を求め、パンチにつないでいくがなかなかクリーンヒットを奪えない。ロンペットの左ミドルが強烈な印象を残す。  5Rも強烈な左ミドル&ハイをもらい続ける勝次。両腕でガードするのがやっとの状態だ。勝負に出た勝次が左フックからの右ストレートで前に出ると、ロンペットが左フックでダウンを奪う。勝次は飛びヒザ蹴りとパンチで逆転を狙うが、首相撲に捕まってコーナーへ押し込まれたままヒザを連打され、万事休す。大差の判定でロンペットが勝利を収めた。 ▼第10試合 62.5kg契約 3分3R〇重森陽太(伊原道場稲城支部/WKBA世界ライト級王者)TKO 3R 2分19秒 ※左ボディブロー×デッパノム・チューワッタナ(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王者)  2019年の重森は新日本キックのみならず、KNOCK OUTやシュートボクシングのリングにも乗り込んでいって勝利を収めた。2020年初戦で迎えた相手は、重森がタイへ行った時にコーチやセコンドを務めてくれた恩人との対戦という巡り合わせに。デッパノムは87勝(70KO)100敗3分の戦績を持つ大ベテラン。  1Rはローとミドルの蹴り合いで両者様子見。重森の強い左ローが目立った。  2Rも大きな展開はなかったが、重森はテッパノムが左ミドルを蹴ると必ず右ローを蹴り返す。  3R、左ミドルの蹴り合い、重森の左右フックが見られるが試合は動かない。デッパノムも左ミドル、ワンツーとこのラウンドは手数を増やす。重森は右ローを蹴り、左ミドルを連打でクリーンヒットさせる。そしてロープを背負ったデッパノムに左ボディブローの2連打。これでデッパノムは悶絶して倒れ、重森のTKO勝ちとなった。  マイクを持った重森は「相手は元ラジャダムナンのチャンピオンで昔からお世話になっている方です。タイに試合に行く時はいつもセコンドに就いてもらったりミットを持ってもらったりお世話になっていた方。成長した姿を見せられればと思って試合をしました。テクニックを持っていてやりにくかったんですが、セコンドに言われてボディで倒せました。今年1年、また盛り上げます」と語った。 [nextpage] ▼第9試合 WKBAジャパンスーパーフライ級王座決定戦 3分5R×泰史(伊原道場本部/前日本フライ級王者)KO 1R 2分53秒 ※左ストレート〇日畑達也(第FKD/4代KING OF STRIKERS、スーパーフライ級王者、J-NETWORK バンタム級1位)※日畑が初代王座に就く。  WKBAジャパンタイトルは、キックボクシングの創始者である故・野口修氏が世界で初めて創設したキックボクシングの世界王座認定団体であるWKBAが認定する日本タイトル。新日本キックボクシング協会所属選手以外でも挑戦できるタイトルとして、今回新設された。  その初代王座を争うのは、昨年REBELS王者・老沼隆斗をKOして実力を証明した泰史と、フリージムとして様々な団体に参戦している日畑。  1R、サウスポーの日畑に右ミドル、右ローを蹴っていく泰史。日畑も左ミドルを蹴り返し、パンチが何度か交錯した後、日畑のスピードのあるワンツーがヒットし、泰史はダウン。  立ち上がった泰史に日畑が打ち合いに行き、泰史もロープを背負って打ち返すが、日畑の狙いすました左ストレートがクリーンヒット。ダウンした泰史は起き上がることが出来ず、10カウントを聞いた。  初代王者となった日畑は「福岡から来ました日畑です。新日本キックに上がらせてもらって光栄に思います。泰史選手は本当に強いのは分かっていたので、しっかり練習した成果を出すことが出来ました。このベルトを獲ったからにはこのリングに帰って来たいと思います」とマイクで語った。 ▼第8試合 日本フェザー級王座決定戦 3分5R〇瀬戸口勝也(横須賀太賀ジム/日本フェザー級1位)TKO 3R 57秒 ※レフェリーストップ×平塚一郎(トーエル/日本フェザー級2位)※瀬戸口が新王座に就く。  ベテランの瀬戸口はこのタイトルに挑戦するのは実に5度目。平塚は初のタイトル戦となる。豪快なフックを得意とする瀬戸口に対し、空手出身で多彩な蹴りを持つ平塚という図式となった。  1R、左ミドルと右ローを蹴る平塚に瀬戸口は右フックから入っていき、右フックがヒットすると一気にパンチを顔面とボディにまとめ打ち。オープンスコアは三者とも10-9で瀬戸口につけた。  2R、瀬戸口が左フックを顔面とボディへ打って行き、右フックでダウンを奪う。その後もフックの連打で平塚を追い詰めていく瀬戸口に平塚はヒジで応戦。右目上をカットするが傷は浅い。オープンスコアは三者とも10-8で瀬戸口。  3R、平塚の後ろ蹴りをもらった瀬戸口だが、左三日月蹴りからの左ボディをクリーンヒットさせると一気に前へ出て左右ボディのラッシュ。これでダウンを奪い、立ち上がった平塚へさらにボディの連打。平塚は2度目のダウンを喫し、ここでレフェリーがストップ。瀬戸口がついにベルトを手にした。  瀬戸口はマイクを持つと「こんな私にチャンスをくださった会長ありがとうございました。いろいろな人に支えられてここまで来ました。自分の人生にこんな瞬間が来るんだという気持ちです。自分は鹿児島に住んでいて地方にいても夢が叶うことを証明したかったんです」と勝利を喜んだ。 [nextpage] ▼第7試合 55.5kg契約 3分3R〇HIROYUKI(藤本ジム/日本バンタム級王者)判定3-0 ※30-28×3×久保田雄太(新興ムエタイジム/NJKFスーパーバンタム級王者)  HIROYUKIは他団体との対抗戦に出場することが多い新日本キックの特攻隊長。3月大会ではINNOVATIONバンタム級&ムエタイオープンスーパーバンタム級王者・岩浪悠弥との対戦も決まっており、2試合連続で他団体王者との対戦となる。対するNJKF王者の久保田は9勝無敗。  1R、ローの蹴り合いからスタート。HIROYUKIはタイミングのいい前蹴り、左ミドルを蹴り、ノーモーションのワンツーを放つ。久保田は右ミドルで対抗。  2Rになると久保田は右ミドルの数を増やし、逆に前蹴り。HIROYUKIはその蹴り足をキャッチしてコカしにいく。久保田の手数が増えてHIROYUKIは空振りが目立つ展開が続いたが、終盤になるとHIROYUKIの左ミドルと右ストレートが当たり始める。  3R、HIROYUKIは蹴り足をキャッチしてのコカし、首相撲で崩してのコカしで相手のペースを乱していき、ジャブと右ストレートでカウンターを奪っていく。HIROYUKIの有効打が目立ち判定勝ちとなったが、納得のいかないHIROYUKIは苦笑いした。 ▼第6試合 61.5kg契約 3分3R〇髙橋亨汰(伊原道場本部/日本ライト級王者)KO 2R 1分30秒 ※3ノックダウン×ウ・スン・ボム(韓国)  1R、サウスポー同士の対戦。ボムは勢いよく左右フックで攻め込むが、高橋の右ミドルがローブローとなってしまい試合は39秒で中断。もうダメかと思われるほどの当たりだったが、ボムはすぐに立ち上がって場内から拍手が起こる。再開後、フックとヒジの打ち合い。激しくフックで攻め込むボムに高橋は左ハイをヒットさせた。  2Rも前へ出て左右フックを振り回すボムだが、高橋はもう見切った様子。落ち着いて蹴りで対抗し、フックを空振りさせボムが前のめりになったところでヒザをアゴに突き上げてダウンを奪う。  立ち上がったボムに左右フックと左ヒジを浴びせて2度目のダウンを奪い、最後も連打で倒してKO勝ちした。旺盛な闘争心を見せたボムには伊原代表より敢闘賞が贈られた。 ▼第5試合 67kg契約 3分3R〇リカルド・ブラボ(伊原道場本部/日本ウェルター級王者)TKO 2R 1分16秒 ※レフェリーストップ×チェ・ジェウク(韓国/KMFウェルター級王者)  1R序盤から激しく打ち合う両者。チェはブラボのパンチにも怯まず左右フックを振り回して前へ出る。チェはヒジで左の頬をカットされてドクターチェック。再開後もチェは左右フックで激しく攻めてブラボを脅かす。  2Rも激しく攻めるチェだが、ブラボがヒザ、ヒジ、右ストレートの波状攻撃。ブラボが攻勢に出たと思われたところで、ブラボがスリップしたチェの頭部を蹴ってしまう。チェはなかなか立ち上がれず、立ち上がってもフラつく状態。ドクターチェックでストップがかかり、流れの中の攻撃と判断されたかブラボのTKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼第4試合 57.5kg契約 3分3R〇瀬川 琉(伊原道場稲城支部/日本フェザー級3位)判定3-0 ※30-28、30-28、30-27×銀次(Next零/大和Kick 55kg1位、TENKAICHIフェザー級1位)  サウスポーの瀬川は左ロー、左ミドルを蹴っていくと銀次は左右フックで応戦。ボディと顔面を打ち分ける銀次だが首相撲に捕まると瀬川がヒザ蹴りで分がある。3Rには左ストレートを何度もヒットさせ、首相撲からのヒザ、左ミドルで完全に主導権を握った瀬川が判定勝ちした。 ▼第3試合 57kg契約 3分3R〇仁流丸(富山ウルブズスクワッド/日本フェザー級7位)KO 2R 1分17秒 ※3ノックダウン×ヨ・ソン・ミン(韓国/韓国フェザー級)  ミンは1R序盤から強打のワンツー、左フックを放っていくが、仁流丸も負けじと強気に打ち合う。2R、前に出た仁流丸が右フックでなぎ倒すようにダウンを奪い、続いてヒザ蹴りの連打でダウンを追加。最後は右フックからの左フックでミンが倒れ、仁流丸のKO勝ちとなった。 ▼第2試合 59kg契約 3分3R×甲斐康介(伊原道場本部/日本フェザー級)判定0-3 ※29-30、28-30、28-30〇角☆チョンボン(CRAZY WOLF/KAISERスーパーフェザー級王者)  右ストレートを狙う甲斐に角は左ローを狙い撃ち。ローが気になるか角の左右フックやボディをもらう甲斐。3Rにパンチで仕掛けた甲斐だったが、角がローと左右フックで譲らず判定勝ちした。 ▼第1試合 女子48kg契約 2分3R×ラム(伊原道場本部)判定0-3 ※28-30、27-30、28-30〇徳里鈴音奈(沖縄RIOT)  パンチで前進するラムに徳里が前蹴りからパンチ、パンチから前蹴りと巧みに当てていき、右のパンチを何度もヒットさせる。3Rには左フックでグラつかせる場面もあり、デビュー戦同士の戦いは徳里が勝利した。
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