2020年1月13日(月・祝)東京・後楽園ホールにて開催された『RISE 136』で、RISEライト級1位・秀樹(新宿レフティージム)を1R2分23秒、右フックによるKOでマットに沈め第6代ライト級(-63kg)王座に就いた原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)。
試合後にはマイクを握り、「チャンピオンになったら言わなあかんことがあって。僕、19歳の時に結婚して今2人の娘がいます。チャンピオンになったら言おうと決めていて。中途半端な戦績で子供がおるって言いにくくて。今、こうやってチャンピオンに慣れて2人の娘にとってやっと少しは自慢できる父親になれたかなと思います。いつも陰で子供たちが支えてくれたんで、いつもこうやって頑張ることができました。
上の子がずっとリングに上がりたいと言っていて、チャンピオンになったら上げさせてあげると思っていました。パパ勝ったよ。上の子は4歳なんですけれど17歳の時に子供ができちゃってちょっと言いにくくて。言うタイミングがなくて、隠しているとかじゃなくてチャンピオンになったらチャンピオンになった場所で自らの口で言おうと決めていました」と涙ながらに告白。場内は温かい拍手に包まれた。
試合後のインタビューでは「(試合内容は)あまり覚えてないです。自分が何をしたのか。右拳に感触だけありました。まだ嬉しいという感情が来てないですね。やっとスタート地点に立てた感じです。(最後の右フックは)よう分からなかったです。特に練習していたわけでもないし、アップでも打ってないです。パンチでのKO自体があまりないので、右フックでのKOは初めてです。スコーンと打ち抜いた感じがしました。最初はスリップしたかなと思ったくらいです」と、フィニッシュの右フックは狙っていたものではなかったと振り返る。
「(速攻勝負は)全く想定していませんでした。とりあえず5Rあるので、向こうも5R使ってと言っていたので。穴が見つからないので、秀樹選手が嫌がることをしていけば穴が見えてくると思ったので、そうしたら穴を攻めようと思っていました。運も実力の内なので自分を今日は褒めたいです。秀樹選手も今までで一番強かったと言ってくれたので自信になりました」と、当初はじっくり行くつもりだったという。
試合後には、白鳥大珠(TEAM TEPPEN)に4月12日(日)エディオンアリーナ大阪第一競技場で開幕する『RISE WORLD SERIES 2020 -63kg Tournament』の1回戦での対戦を要求。白鳥もリングに上がり「やろう」と応えた。
「また逃げるかと思っていたんですが、素直に(自分の強さを)認めてくれたのでもう尊敬できます。もう憎しみはなくなりました。決定してもらえますよね?」と、白鳥が「原口選手のことは純粋に強いと思っていたので、今日こんな試合を見せられてやらないわけないでしょう」と言ったことで怒りの感情はなくなったとした。
そして、試合後の衝撃のカミングアウトについては「隠していたわけではなくなかなか言うタイミングがなかったんです。チャンピオンになって自分で言いたかった。言えてスッキリしました。子供たちとも遊びながら、家族で頑張っている感じを出していきたいのでよかったです。長女は僕が17歳の時に生まれて、いろいろあって。親とも絶縁状態というか認めないと言われてそれ以来喋っていなくて…僕がACCELでチャンピオンになった時(2017年8月)に認めてくれて。よかったです」との苦労を吐露。
「下の子は先月産まれました。2人の子供のために頑張ります。そういうことで、秀樹選手より背負っていたものが大きかった。苦しかった。言いたかったんですが負けちゃったらカッコ悪いと思ったので勝ててよかったです」と、二児の父親として頑張っていきたいとし、長女をリングに上げたのは「(親に認めてもらえず)望まれていない子みたいになっていたのがかわいそうで…」と声を詰まらせた。