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【ZST】ステージ4のがん闘病中の高須将大がグラップリングタッグマッチに出場=1月26日(日)新宿

2020/01/10 16:01
【ZST】ステージ4のがん闘病中の高須将大がグラップリングタッグマッチに出場=1月26日(日)新宿

2020年1月26日(日)東京・新宿FACEで開催される『ZST.67』の会見が9日、都内にて行われた。

同大会では、通常のZSTルールに加え、旧RINGSルールをもとにした「RXルール」、さらに、グラップリングタッグマッチのGTタッグルールの試合も行われる。

▼GTタッグルール 合計体重150kg 10分1R
高須将大&柴崎弘道(ストライプル茨城)
高本裕和&渋谷カズキ(高本道場)

会見には、ストライプル茨城チームで柔術紫帯の柴崎弘道とタッグを組む高須将大が出席。高本道場の高本裕和&渋谷カズキ組との対戦に向け、意気込みを語った。

「5年も生きられないと思った時は、5年のうちにあと1試合出てやろうと思ってた」と、「ステージ4」のがんの治療を続けながら格闘技の試合に出場している高須は、現在MMA4勝1分。

2019年8月の前戦ではZST本戦デビューを果たし、1R0分20秒、TKO勝利を収めた。

勝村周一朗プロデューサーは、「高須選手は寝技が強いので楽しみにしていたら、パンチで秒殺KO勝ちという、すごくインパクトのある試合を前戦でしました。その次の大会にも出てもらいたかったのですが、その後にまた手術があって、先日、退院して今回はグラップリングから復帰ということになりました」と、今回の高須の起用を語る。

会見冒頭で高須は、「今回グラップリングのタッグマッチということで、高本裕和選手と渋谷カズキ選手が相手ですごい強敵なんですけど、お客さんが楽しめるような試合をしたいです」と抱負を語った。

報道陣から、前戦から5カ月の試合間隔が空いたことを問われた高須は、その間の闘病について次のように説明した。

「最近がん(肝臓・肺)が再発して、11月、12月と入院していました。定期検査で肺に再発したことが分かり、『すぐに手術をした方がいい』ということで、兵庫の病院で手術をしました。兵庫の病院での検査で、今度は肝臓にも再発が見つかり東京に戻り、科学療法を受けていて、現在は経過観察という状況です」

プロ初勝利後に肝臓がんが発覚。2017年7月に最初の手術をしてから、2、3カ月で再発し肺にもがんが転移。3度の手術でがん細胞を全て取り除き、「経過観察」の状態で前回の試合を戦っていた高須だが、今回の再発で4度の手術を行ったことになる。

「科学療法では、肝動注療法といって、腕からカテーテルを入れて、がんの腫瘍に直接抗がん剤を入れるような治療を行いました。いまは主治医から『運動してはダメ』とは言われていないので、格闘技もやっていいのかなって」と、復帰戦を決めた理由を笑顔で語る。

「コンディションは退院したばかりのときは体力的にちょっと落ちていたのですが、毎日練習していたら戻りました。いまは大丈夫です」という高須は、「がんで闘病しながらリング上がっている人間は自分くらいしかいないと思うので、同じ病気の人や難病で悩んでいる人が前向きになれるような試合をしたいと思います」という。

対戦相手の高本裕和&渋谷カズキは、RIZINのレフェリーなどで知られる高本主宰の道場の強豪グラップラーだ。

高本は柔道六段でBJJでも黒帯。全日本マスター王者、アジアマスター王者、サンボでも全日本王者という経歴を持つ。パートナーの渋谷は本職はMMAファイターながら、グラップリングマッチではここ2戦連続でBJJ黒帯からタップアウトを奪っている“ブラックベルトハンター”だという。

高須は高本組について、「動画も見てすごく強いなと思ったんですけど、何とか食らいついていこうと思います。タッグマッチですが、勝村プロデューサーから『自分メインで戦え』と言われているので(笑)、自分メインで戦いたいと思います」と、アグレッシブに戦うことを宣言。

「がんなどの病気で前向きになれない、やりたいことも諦めたりする人もいると思うんですけど、自分みたいに闘病しながらでも好きなことをやって、リングで戦っている姿を見てもらって、前向きになってもらえたら。格闘技じゃなくても好きなことをやれば少しでも前向きになれます。がんになったからといって、好きなことを諦めてほしくないなと思います」と、同じような境遇の人に「好きなことを諦めない」選択もあることを伝えたいと語った。

勝村プロデューサーは、今回のグラップリングのタッグマッチの見どころについて、「極まりそうでヤバかったり、疲れたらパートナーとタッチすればいい。今回のルールでは一本取られた選手は退場することになりますが、残った1人が相手の2人から一本を取れば逆転勝利することもできる」と、勝ち抜き戦でもあることを語った。

「タッグマッチは人間性が出る」という。「自陣コーナーで戦えば有利だが、自分のコーナーだけで戦うと面白くない。そのあたりをどう見せるか」(勝村)というなか、タッグマッチ経験者としてのアドバイスを求められたベテランの伊藤健一は、「人生で一番辛い……自分が疲れたときにフレッシュな相手が来るから(苦笑)。試合で最初に心が折れたのはタッグマッチです。絶対にやりたくない。弟とタッグを組んだとき、弟が真面目なスタイルで2人を相手にケチョンケチョンにやられて、自分はコーナーで笑っていましたが、いざ自分の番になったら……とにかくつらいよ」と、高須の顔を強張らせるアドバイスを送る一方で、伊藤と旧RINGSルールで対戦する飯塚優は、「ZST旗揚げ戦の日本とリトアニアのタッグマッチ(矢野卓見&今成正和vsレミギウス・モリカビュチス&ミンダウガス・スタンコスのタッグ)をよく覚えています。タッグマッチもすごく面白そう」と、興味津々の様子。

勝村プロデューサーは「この2人も含め、新たな選手にもタッグマッチに出てもらいたい」と展望を語った。

40歳以上限定、PRESTAGEルールのOPバウト出場選手募集

1月26日の新宿FACE大会にて、「SWAT! 171 オープニングバウト」として、40歳以上限定のPRESTAGEルール(ヘッドギア、サポーターあり、パウンドなし)の試合が行われることが決定した。2020年からの試験的な運用で、現在、出場選手募集中だ。

・40歳以上の選手によるオープニングバウトを開催
・ZSTアマチュア大会のPRESTAGE ルール(ヘッドギア、サポーターあり、パウンドなし)
・氏名、年齢、所属ジム、希望階級、戦績、連絡先を記載の上、メールアドレス [email protected] まで連絡。

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