ジャパンキックボクシング協会「KICK ORIGIN 2020 1st ~2020新春三階級王座決定戦~」2020年1月5日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベントVOL.4(第11試合)新春スペシャルマッチ 52kg契約 3分5R〇石川直樹(治政館/ジャパンキック フライ級王者、元スック ワン キントーン スーパーフライ級王者)TKO 4R終了時 ※ヒジによるカット→レフェリーストップ×松崎公則(STRUGGLE/元J-NETWORKスーパーフライ級王者・元REBELS-MUAYTHAIフライ級王者・元REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王者・元WPMF日本スーパーフライ級王者)
石川はジャパンキック・フライ級王者で、5月のプレ旗揚げ戦、8月の旗揚げ戦ともにメインを務めた同団体のエース。首相撲からのヒザ蹴り・ヒジ打ちを得意とする。
対する松崎は元J-NETWORK・元REBELS-MUAYTHAI・元WPMF日本スーパーフライ級王者&元REBELS-MUAYTHAIフライ級王者の四冠王。打たれても打たれても食らいついていく粘り強さとヒジ打ちを得意とする。
1Rは両者とも様子見。2R、サウスポーの松崎はローを蹴りつつ、石川が入ってくるところに右フックを合わせる。松崎は下がりながらのジャブ、ロー、ミドルで石川を一定の距離に置き、組んでくるとすぐに突き放す。
3Rは無理やり組みに行く石川。入り際のテンカオも入る。パンチを出して組ませまいとする松崎。石川は右ストレート、テンカオ、そして組んでのヒジとヒザ。石川がヒザを多く入れてペースを握った。
4Rになると石川は前蹴りを多用。松崎が前へ出てくるとテンカオをで迎え撃ち、右ストレート。飛びヒザ蹴りから組んでのヒザ、ヒジ。松崎は口を大きく開けて消耗が見えるが、パンチを返していく。しかしラウンド終了間際、石川が前蹴りで突き放しての右縦ヒジで松崎の右目上がバックリと割れて大流血。
ドクターチェックで即座にストップがかかり、石川のTKO勝ちとなった。
▼メインイベントVOL.3(第10試合)第2代JKAライト級王座決定戦 3分5R〇永澤サムエル聖光(ビクトリー/同級1位)TKO 3R 1分49秒 ※レフェリーストップ×興之介(治政館/同級3位)※永澤が第2代王座に就く。
初代王者に認定された直闘が王座を返上したため、空位となった王座を同級1位・永澤と同級3位・興之介が争う。両選手共に11月の『KICK Insist9』に出場しており、永澤はヒジでカットしてのTKO勝利、興之介はヒザでTKO負けという明暗が分かれる結果となっている。
当初、永澤は昨年8月に直闘と初代王座を争うはずだったが、減量中に倒れてドクターストップのため試合に出られなかった。興之介は直闘と同門の後輩にあたる。
1R、興之介は前蹴り、ミドル、ローとガチャガチャした動きながらも力強い攻撃を放っていく。永澤はよく見てパンチを当てに行くが手数は少なめで、アグレッシブに攻めた興之介をジャッジ1名が10-9で支持した。
2R、右フックを振るって前に出る興之介。永澤は徐々にプレスを強めて前に出るとよく見て右ストレートを当てていき、右ストレート強打からの連打、そして右フックでダウンを奪う。続けて連打からの右で2度目のダウンを追加。興之介は頭部をカットして流血、ドクターチェックを受ける。ジャッジ三者とも10-7で永澤。
3R、右フックを強振していく興之介に下がる永澤だが、打ち合いの右フックでダウンを追加。最後は左ボディからの右フックで興之介がダウンし、レフェリーストップ。永澤が新王座に就いた。
永澤はマイクを持つと「本当なら去年の8月にタイトルマッチやるはずだったんですが、自分の体調が悪くて試合ができなくて悩んだんですが、応援してくれるみんなが待ってると言ってくれたので今日試合してベルトを巻くことができました。家族に迷惑をかける毎日ですが今日まで支えてくれてありがとうございます。僕は30で初めてのベルトですが、まだまだキックボクシングをやりたいと思っています。強いチャンピオンを倒していきたいと思います」と、初戴冠を喜んだ。
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▼メインイベントVOL.2(第9試合)初代JKAウェルター級王座決定戦 3分5R×政斗(治政館/同級1位)TKO 5R 37秒 ※左ヒジによるカット→レフェリーストップ〇モトヤスック(治政館/同級2位)※モトヤスックが初代王座に就く。
メインイベント第2試合はウェルター級初代王座決定戦が行われるが、なんとこの一戦は同級1位・政斗vs同級2位モトヤスックの治政館所属同士による同門対決となった。トーナメントではなく、タイトルマッチで同門対決は非常に珍しいケース。
1Rはローの蹴り合い。パンチを多く出すのは政斗だが目立つヒットはない。モトヤスックはどっしりと構えて相手を見つつ、前蹴りを多用する。ジャッジ1名が10-9で政斗につけた。
2R、“来い”と煽る政斗はパンチをまとめて打って行くが、モトヤスックは一発一発を強く打ち込み左フック、右ストレートを強打。下がる政斗に連打を決めて右でダウンを奪い、続けて2度目のダウンも。右ストレート、右フックが何度もクリーンヒットし、追い詰められた政斗だが、このラウンドを耐えた。ジャッジ3名とも10-7でモトヤスック。
3R、ワンツーからの蹴りで反撃に転じる政斗に、モトヤスックはやや手数が減る。それでも右を合わせにいき、有効打は奪うが政斗の手数が多く、ジャッジ2名はそれぞれに10-9を付け、もう1名は10-10。
4Rもワンツーで攻めていくのは政斗。モトヤスックは手数が大きく減り、右ストレートからの左フック、強いジャブはヒットさせるもパンチを出して前へ出る政斗に後退を繰り返す。、
5R始まってすぐ、政斗のジャブにモトヤスックが左の縦ヒジを合わせてカットを奪う。額がざっくりと裂けドクターチェックでストップ。モトヤスックがTKO勝ちで同門対決を制し、初代王座に就いた。
モトヤスックはマイクを持つと「2Rで倒せるところで倒せなかったんですが最後ヒジで決められてよかったです。今後ももっと頑張ります」と語った。なお、モトヤスックは大会MVPにあたる武田幸三賞を受賞した。
▼メインイベントVOL.1(第8試合)第2代JKAフェザー級王座決定戦 3分5R〇渡辺航己(JMN/同級2位)判定3-0 ※50-46、50-46、50-47×櫓木淳平(ビクトリー/同級3位)※渡辺が第2代王座に就く。
石原將伍が返上したフェザー級王座を同級2位・渡辺と同級3位・櫓木が争う。両選手ともに11月の『KICK Insist9』に出場し、勝利を収めて王座決定戦に漕ぎ着けた。渡辺はデビューから6年目で初のタイトルマッチ、櫓木は前王者・石原と同門だ。
1R、渡辺がパワフルな左ボディブローと右ローで攻め込み、終盤には大きな軌道を描く左フックで櫓木をグラつかせ、このラウンドの判定は10-9で渡辺。
2R、櫓木は右ローを強く蹴り、右ストレートも当てに行く。パンチで前に出る渡辺にはヒジを繰り出す。渡辺はパンチ主体の攻めを貫き、ジャッジ1名が10-9で渡辺を支持した。
3R、渡辺の手数の多いパンチに櫓木はヒジで対抗。渡辺はワンツーとローを当てていき、右ストレート、左フックがヒットする。ジャッジ2名が10-9で渡辺。
4R、櫓木のヒジに渡辺もヒジを合わせに行き、左目上のカットに成功。右ストレートもヒットさせる。両者もつれて組み合う場面が目立ち始めるが、渡辺の手数が優る。
5R、右ローを放って前に出る櫓木だが、パンチの回転で優る渡辺が右を中心に当てていく。終盤には渡辺が右ストレートで仰け反らせ、左右の顔面前蹴りをヒットさせて試合終了。櫓木に1ポイントも与えず、判定勝ちで第2代王座に就いた。
渡辺はマイクを持つと「僕はキックボクシングでデビューして5年目になるんですが、始めたばかりの頃は試合に勝てなくて本当に向いてなくて辞めようかと思ったこともたくさんあって、その中で家族や友だちや支えてくれる人がたくさんいてここまで来ることができました。今まで戦った選手にもファンがたくさんいて、そういう応援してくれるファンの方々の想いも背負って価値を上げていかないといけないベルトだと思っています。自分の試合は泥臭くて早くKOしろよって思われたかもしれませんが、これから真面目に練習して強くなります」と語った。
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▼セミファイナルVOL.2(第7試合)日泰国際戦 55.5kg契約 3分3R〇馬渡亮太(治政館/チェンマイスタジアム認定バンタム級王者、前ジャパンキック認定バンタム級王者)TKO 2R 1分32秒 ※レフェリーストップ×チャモアペット ソー・ヴィラデット(タイ/元ルンピニースタジアム認定スーパーフライ級4位)
馬渡は昨年NJKFのS1ジャパントーナメントに出場したが、決勝で敗れ今回が再起戦。対するチャモアペットは元ルンピニーランカーで、資料によれば70勝18敗2分の戦績を持つ19歳。
1R、馬渡は右ロー、右ミドルと右の蹴りを放っていき、サウスポーのチャモアペットは左ミドルを返す展開。パンチのやり取りの中、馬渡が放った左フックでチャモアペットがダウン。その後も馬渡の左フックにグラつくチャモアペット。
2R、チャモアペットは右フック、左ストレートを強振してくるが、馬渡のパンチに転倒を繰り返す。最後は左フックのカウンターで馬渡がダウンを奪い、チャモアペットが立ち上がれず馬渡のKO圧勝となった。
▼セミファイナルVOL.1(第6試合)日泰国際戦 59kg契約 3分3R×瀧澤博人(ビクトリー/元日本フェザー級王者、ジャパンキック認定フェザー級1位)TKO 3R 1分43秒 ※レフェリーストップ〇ペッワンチャイ・ラジャサクレックムエタイジム(タイ)
現在3連勝と勢いに乗る瀧澤が、65勝16敗7分のペッワンチャイを迎え撃つ。
1R、リーチに優る瀧澤が長いジャブと左右ローを前足に集中させる。ペッワンチャイは時折フックを放っていくが、瀧澤が左フックを命中させた。
2Rもジャブとローで攻める瀧澤だが、ペッワンチャイは首相撲からのヒジと左フックでペースを取り戻す。警戒する瀧澤はジャブで突き放す。
3R、ペッワンチャイの右フックでグラついた瀧澤にペッワンチャイがパンチの連打からアゴにヒザを突き上げてダウンを奪う。口から血を吐き出す瀧澤。しばらく試合続行されるも瀧澤は口を開けたまま。ドクターチェックが入り、ペッワンチャイのTKO勝ちとなった。
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▼第5試合 54kg契約 3分3R〇幸太(ビクトリー/ジャパンキック認定バンタム級1位)TKO 1R 2分58秒 ※レフェリーストップ×阿部泰彦(JMN/同級3位)
1R、コンビネーションを駆使する幸田が右ヒジでグラつかせ、続く右ヒジでダウンを奪う。阿部は立ち上がるもストップがかかった。
▼第4試合 ライト級ランキング戦 3分3R〇野崎元気(誠真/同級4位)判定2-1 ※29-28、28-29、29-28×睦雅(=むが/ビクトリー/同級7位)
1Rからプレスをかけていくサウスポーの野崎がパワフルな攻撃。2Rには明らかに左ローでダメージを与える。しかし睦雅がヒジとボディで反撃し、3Rには両者流血でドクターチェック。追い上げる睦雅だったが、判定2-1で野崎が熱戦を制した。
▼第3試合 フェザー級 3分3R×又吉淳哉(市原)不戦勝〇龍聖(TRY HARD)※又吉が既定の体重をオーバー、その後ドクターストップで龍聖の不戦勝に。
▼第2試合 フェザー級 3分3R〇西原茉生(チームチトク)TKO 1R 2分41秒 ※レフェリーストップ×財辺恭輔(REON Fighting Sports Gym)
1R、サウスポーの西原が左ミドルのクリーンヒットから連打でダウンを奪う。続けて財辺がバランスを崩して倒れる寸前にボディへ蹴りを見舞い2度目のダウン。最後は西原が左ボディからの右フックでトドメを刺した。西原には前半戦の優秀選手に贈られるヤングライオン賞が贈られた。
▼第1試合 バンタム級 3分3R〇義由亜(=よしゅあ/治政館)判定3-0 ※30-24×3×ナカムランチャイ・ケンタ(team AKATSUKI)
1Rに義由亜が首相撲からのヒザ蹴り連打でスタンディングダウンを奪う。2Rにナカムランチャイは転倒した相手を踏みつけて減点1。義由亜は首相撲からのヒザ蹴りでダウンを追加する。3Rは義由亜がワンツー、右ミドル、ヒザ蹴りで圧倒して大差の判定勝ち。