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【Bellator JAPAN】榊原CEOがヒョードルvsジャクソンに厳しい見方「15年前ならこんなにぬるい空気にならないだろうなって思った」

2019/12/29 23:12
【Bellator JAPAN】榊原CEOがヒョードルvsジャクソンに厳しい見方「15年前ならこんなにぬるい空気にならないだろうなって思った」

ヒョードルのKO勝ちとなったラストマッチ。榊原CEOはノスタルジックな感情にはならなかったという(C)Bellator MMA

2019年12月29日(日)さいたまスーパーアリーナで開催された『Bellator JAPAN:Fedor vs. Rampage』の全試合終了後、榊原信行RIZIN CEOがインタビューに答えた。

 メインイベント(第6試合)で行われたエメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)vsクイントン・“ランペイジ”・ジャクソン(米国)については次のようにコメント。


「どっちかと言えばノスタルジックな気持ちはヒョードルにもPRIDEにもなくて、今を生きている、この先の未来を作り出せる選手たちの試合の方が印象に残りました。15年前にタイムスリップしてPRIDEのリングでヒョードルとジャクソンが15年若返ったら、こんなにぬるい空気にならないだろうなって思いました。その頃の方が僕らが本当に見たいもの、殺伐としたものを見せられたと気づく機会でしたね。


 ひとつの句読点としてはいいんですよ。彼らの原点の国で彼らのメモリアルになるし、ひとつの時代が終わる儀式としてはよかったと思います。でも今のファンが求める刺激には全く足りていない。未来を創るには今のまだ見ぬ第二第三のヒョードルやクイントンで、15年前の躍動感をRIZINのリング上で作り出さないとこのスポーツの未来はないとシビアに思いました」と、この試合を見て今の時代に合ったMMAを創っていきたいと決意を新たにしたという。


 独特なファイトスタイルで鮮烈なKO劇を見せたマイケル・“ヴェノム”・ペイジ(英国)を今後も日本で、との言葉には「とても魅力的な選手ですが、魅力的以上にアメリカで活躍する選手はギャラが高い(苦笑)。経済効果とバランスを考えないといけない。ペイジ、チャンドラー、ヒョードル、ランペイジを使うと、僕らがさいたまスーパーアリーナを今のチケット単価でソールドアウトして協賛を集めてもとても足りないファイトマネーなんです。アメリカだから収支が合う。そこはベラトールの力を活用して僕らがサポートしたりすることで、選手は日本で戦いたいとの想いを持っているので、(ベラトールCEOの)スコットにおんぶにだっこでパラサイトしていこうと思います」と、今のRIZIN単体では難しいと答えた。

 ベラトールとの今後の関係については「スコットとは信頼関係もあって、彼は日本の格闘技界を愛してくれている。ストライクフォース代表の時からも友情もあって成立している。それを続けていく材料としての今日の大会は合格点だった」と手応えを感じているようだ。


 また「K太郎もクルックシャンクも対戦相手が体重オーバーの中で、RIZINは弱腰の交渉をしているなと言われたが、それは選手が選んだことなんです。ペナルティとしてファイトマネーの20%が支払われるとの条件で、最終的には選手が決めること。僕らは試合が流れても仕方がないと思っていました。あれは選手の最終ジャッジです。試合を流さずやってくれた選手にはチャンスを与えたいと思っています。K太郎がベラトールに出ることもあると思う。世界に打って出る機会を与えたいと思います」と、相手の体重オーバーでも試合を受けた中村K太郎とダロン・クルックシャンクにはチャンスを与えたいとも。


 今回、RIZINルールの試合が始めてケージで行われたことについては「ファンの声を聴きたい。ルーティンでやると、こうなるというのを見てもらった。僕はRIZINをケージでやる気が1ミリもないので、見たい人はベラトールやUFCを見ればいい。でもRIZINのリングでやった方がいいでしょうと僕は思います。個性的だし。ゴイチがケージを蹴ったじゃないですか。あんなのありかよって個人的に思うんです。ヒクソンがケージの使い方によって試合のやり方が変わると言っていました。リングもケージもどっちもいい面と悪い面があります。僕はRPIDE時代からリングの中の方がドラマティックなものを作り出せた自負がある。これは自分たちの個性として残していきたい。リングの中の戦いをRIZINは突き詰めていきたい」と、RIZINは今後もロープのリングで行くとした。


 RIZINの1勝2敗で初日を終えたベラトールとの対抗戦については、「渡辺華奈が1勝してよかった。ホッとしています。3タテ喰らっていたら対抗戦が盛り上がりようがない。でも、31日の元谷(友貴)と(朝倉)未来で取り戻せると思っています。K太郎とクルックシャンクは相手の体重オーバーのハンディキャップでハードな試合になりましたが、それがなくてもやるかやられるか分からないくらい強い選手でした。そこで1勝2敗で折り返せた、バトンがつなげられたのはよかったと思います。勝機は十分にあります」と、大晦日の残る2試合に懸けたいとする。


 また、ヒョードルは今回が日本ラストマッチだが「日本で何かやれたら、と思います。ミルコに関してもそう。選手たちが想いを持ってリングを去る時はセレモニーができたらいいなと思います。歴史を作ってきた人たちですから。ファイターとしての道程に敬意を表しているし、思い入れもありますし、想いを共有できるので変わらずヒョードルとコミュニケーションをとってやれる機会を考えたいと思います」と、引退セレモニーも考えたいとした。

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