メインイベント(第6試合)でエメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)と対戦するクイントン・“ランペイジ”・ジャクソン(米国)がインタビューに応えた。
「とてもいい気分だ。素晴らしいよ」とご機嫌なジャクソン。久しぶりにさいたまスーパーアリーナで試合をすることには「日本で最初に試合をした場所がさいたまスーパーアリーナだったし、その時はサクラバサン(桜庭和志)とやって負けてしまったけれども、自分がちょうど刑務所から出て来た直後で、天井からケージに乗って降ろされて出てきた面白い演出もあった。控室へ戻る時には日本のファンが本当に大きな声援を送ってくれた。その中でも特に思い出に残っているのは、一人の女の子が寄ってきて俺の耳にしゃぶりついたとことだ。その子をずっと探しているので、この会見を見ていたら連絡ください。俺の耳が恋しがっています(笑)。またさいたまで試合が出来るのを楽しみにしているよ。なぜならまた彼女が来てくれるだろうから」と、様々な想いがあるようだ。
改めてヒョードルについて聞かれると「ヒョードルはとてもいい選手だ。本当の意味でのヘビー級(の試合)というのは多分、彼が初めてなのではないかと思っているよ。これまで石井(慧)選手とも対戦したけれど身体は小さかったし、本当に大きいヘビー級ファイターは彼が初めてなので、とても楽しみにしているし素晴らしい試合になるのではないか」と、本格的なヘビー級と戦うのが楽しみなのだという。
2012年のUFC日本大会以来の日本での試合に「PRIDEも無くなって、自分の印象としては日本のMMAは一度死んでしまったようなイメージがあったが、RIZINが素晴らしい仕事をしてここまで戻してきていると思っている。詳しい事情は知らないが、日本のMMAには悪い人がいるんじゃないかって噂も聞くけれど、そうではなく純粋に戦っているファイターは家族を支えるために戦っているし、その試合が終われば友情が生まれるし、純粋に試合を見せようと思っているんだ。俺たちの試合は素晴らしい試合になる。また日本のファンの前でヒョードルと戦うことで昔のファンを取り戻したり、新しいファンを呼び起こしたり出来ればいいかなって思っている」と、日本のMMA人気を再び爆発させる手助けがしたいと話す。
ヒョードルの弱点はどこだと思うかとの問いには、「なぜそんなことを聞くんだ。俺はヒョードルの最大のファンでもあるので、答えられるわけがないだろう。本当に最高のファイターだと思うし、ラストエンペラーだと思っているくらい尊敬している。本当に素晴らしい選手だ。大ファンだよ。ワカル?」と、ヒョードルを最大限にリスペクト。
外国の記者からは、両者とも全盛期を過ぎた選手同士の戦いだと言われることについてどう思うかの質問も飛んだが、「俺には関係ない。確かに全盛期を過ぎているかもしれないが、素晴らしい試合をするだけだ。それが気に入らないヤツは…クソくらえ! だ。ちゃんと訳したか? シバクゾ!」と吠えた。
ヒョードルが「美しい試合を」と言っていたことをどう思うかと聞かれると「同感だね。俺も美しい試合を見せたいし、ファンを楽しませたい。ひとつ言っておきたいのは、MMAは発展して素晴らしい若い選手が多いが、俺たちのようなオールドスクールもまだ現役でやっている。若い選手たちはみんな俺たちを見て、ファンだったと公言してくれているので、そういった礎を作ってきた自負はある。例えばケビン・ランデルマン、ミルコ・クロコップ、マーク・コールマン、ゲーリー・グッドリッジ…彼らはそういう昔の選手を見て育ってきた。今の若い選手の傾向はただ勝てばいいと思っている節があるが、ただそれだけの試合ではつまらない内容の試合になってしまう。周りから年寄りだと言われても俺たちはファンを楽しませる試合が出来るという自負は持っている」とのプライドを見せる。
最後に、ヒョードルの娘とジャクソンの娘が同じ誕生日だという話になると、「偶然だと思うけれどちょっとした因縁だね。同じ日に子作りしてたってことかな。不思議だね。俺もセックスするけれど、それ以上にヒョードルもセックスをすることが信じられなかった」と言って会見場は爆笑に包まれた。ジャクソンは日本語で「セックスダイスキ!」と言い残した。