同郷の大先輩と拳を交える不可思。特別な想いを持っての一戦に臨む
2019年12月28日(土)ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN』に出場する、KING OF KNOCK OUT初代スーパーライト級王者・不可思(クロスポイント吉祥寺)が公開練習を行った。
不可思はスーパー・ライト級 3分3R・延長1Rで、元WBCムエタイ世界スーパー・ライト級王者の大和哲也(大和ジム)と対戦する。
大会4日前にも関わらずピリピリした様子もなく、目の前に迫った運命の一戦を前に2分1Rのミット打ちを行った不可思。パンチのコンビネーションから軽快に左右のミドルを蹴り込んでいき「疲れも抜けてきて調子も体調も凄い良い。減量も順調ですね」とコンディションも万全だ。
今大会で対戦する大和は名古屋時代の不可思にとって憧れの存在。上京して階級が同じになってからは戦いたい相手へと変わり、いつか背中を超えたい人間としてずっと意識してきた。その一戦がK-1の、しかも名古屋大会で実現したことについて「最初に試合の話を聞いた時は(K-1参戦3戦目で)もうやるのかという気持ちと、ずっと昔から意識してたのでいよいよやるのかって気持ちでしたね。K-1参戦を表明した時から、名古屋大会も決まっていて哲也さんとそこで組まれれば絶対盛り上がる。やるなら絶対そこだろうなと思ってましたね」と語る。
いつも対戦相手のインタビューなどは全く読まないという不可思。その理由を「僕もインタビューとかでけっこうバチバチ言い合ったりするし、煽るようなことを言うので、相手の言葉に影響を受けたくないから」と明かしたが、今回は大和のインタビューをしっかり読み込んだという。
「哲也さんのことは本当にリスペクトしてますし、向こうもそういう悪い気持ちとかなしでぶつけてきてくれると思います。だから哲也さんのインタビューを読んで、より試合が楽しみになりましたね。お互いにシンプルにどちらが強いのかを競い合える試合だから、もっともっと試合が楽しみになりました。
この試合は特別だし無駄な感情がない。本来の格闘技というスポーツのあるべき姿というか。お互いに言い合って喧嘩して盛り上げるというのも面白いし皆大好きですけど、どちらが強いかをシンプルに競うことも本来の姿だと思う。そういう意味でも良い試合なんじゃないかなと思います」
大和は自身のインタビューの中では「僕と不可思にしか出来ない試合がある」とこの試合にかける想いを語っていた。そのメッセージを受け取った上で不可思は「具体的にこういう試合をして勝ちたいというのはあるんですけど、それはあまり言えないです。でも哲也さんと僕は絶対噛み合うと思うので、お客さんが見て盛り上がる試合になるんじゃないかと思いますね」と2人が創り出す戦いのイメージも出来上がっている。
大和と拳を交えることは、不可思という1人の格闘家の人生において、ある意味K-1のタイトルやベルトよりも特別な試合だと感じている。
「哲也さんはずっと背中を見てきた名古屋の大先輩なので、そういう人と同じ地元の名古屋で戦えてどういう結果になるのか。それは本当に自分の格闘技人生の中でもタイトルとかそういうのを抜きにして、後で振り返った時にきっと強く記憶に残る一戦になると思う。この試合に特別なものを感じてますね。
哲也さんは実力も言うまでもなく日本だけじゃなくて世界トップの選手。もちろん選手としてリスペクトしてますし、人としてもリスペクト出来るなと思います。それは昔から見ていて全部ですね。それって雰囲気や人間性に出ると思うし、哲也さんは人を悪く言ったりもしないし、人としても見習いたい部分が一杯あります。
(この試合を超えた先に選手として1つ上のステージに行けるという感覚がある?)もちろんそうですね。この試合を勝つか負けるかで本当に大きく変わると思う。まあそういうことも考えますけど、あまり先がどうこうというのは終わってからの話。今は本当にこの試合が最後になってもいいぐらいの気持ちで全てをかけようと思ってます。僕の持ってるものを全て出して魅せようと思ってます」
最後には「K-1名古屋大会、僕と哲也さんの試合は本当に熱い試合、誰が見ても面白い試合になると思います。その結果、自分が勝ちを掴みたいと思うのでぜひ応援お願いします」とファンにメッセージを送った。