ビッグイベントのメインになって「フライ級のみんな、俺たちやったぞ!」って
──少し前に、今回の対戦の知らせを受けた時は、セミメインイベントになると思っていたと話していました。こうした大きなイベントでは、フライ級のタイトルマッチがセミメインイベントになることも多いですよね。今回は王座を防衛するだけでなく、素晴らしい試合を見せて、UFCが今後もあなたや他のフライ級の試合を大きな舞台で取り上げたくなるようにしなければ、という思いはありますか?
「ジョシュア・ヴァンのつまらない試合なんて、最後に見たのはいつだよ? そういうことさ。俺は試合に出て、あいつと戦うだけだ」
──あなたのルーキーカードに書かれた「2026年までに王者になる」という言葉は、UFCのトレーディングカードの中でも屈指の格好よさです。そして、実際にそのとおりになりました。あの言葉は、いろいろ考えて書いたのでしょうか? それとも、その場で浮かんだ言葉が、時間とともに価値を増していったのでしょうか?
「俺は、自分なら実現できると信じていることを全部書き留めているんだ。王者になるっていうのも、あのカードに書く前から紙に書いていた。小さなノートを持っていて、自分がやっていることも、達成したいことも、全部そこに書いているんだよ。そして、そのとおりに実現した」
──そのカードを持っている人から、「よかったら、お返ししましょうか」と連絡が来たことはありますか?
「いや、まだ待っているよ。今も連絡を待っているんだ」
──UFC王者としては珍しく、SNSでは控えめですよね。Instagramなどへの投稿も多くありません。あまり発信しなくていいと思っているのには、何か理由があるのでしょうか?
「俺はSNSに載せるには格好よすぎるんだよ。分かるだろ? 俺はただ、私生活はあまり人に見せたくないんだ」
──UFCは常に新たなスターを求めています。あなたは今、王者という立場にいますが、歴代のスターに続いて、この世代を代表する存在になるために、どんな道を歩んでいきたいですか?
「今やっていることを続けるだけだよ。トップの連中とどんどん戦って、相手の得意な土俵で勝つ。これからも、それを続けていく」
──他の階級に挑戦したがる王者も多いですが、あなたはこの階級にとどまるつもりですか? それとも、パントージャに勝てば、別の階級も視野に入ってくるのでしょうか?
「パントージャに勝ったら、この階級にとどまって歴史をつくるよ。階級を上げるかどうかは、どんなチャンスを提示されるかを見てからだね」
──前回の平良戦では、キャリアで初めて5Rまで戦いました。パントージャは5Rまで戦った経験が3度あります。あの経験は、今回、激闘になった場合にどう生きると思いますか?
「5Rに入ってからも、俺はかなりいい動きをしていたと思うよ。だから問題ない。それに、あいつとの試合は5Rまではいかないと思う。3R以内に決着をつけるよ」
──どんな形で決めるのでしょうか?
「KOか一本だね。でも、どちらかといえばKOになると思う」
──セミメインイベントのアルマン・ツァルキャン(ライト級2位)とマウリシオ・ルフィ(ライト級7位)の試合は、どうなると見ていますか?
「これは難しいな。でも、ルフィの打撃は本当に独特なんだ。同じ階級だったら、戦いたくない相手だよ。とにかく変則的で、それがしっかり通用している。だから、ルフィの方が有利かな」
──この階級にとどまって歴史をつくりたいと話していましたが、デメトリアス・ジョンソンは11連続防衛を達成しています。その記録を、自分がこれから成し遂げたいことと照らし合わせて、どう見ていますか?
「あれは前の世代の話だよ。誰も注目していなかった頃のね。でも、今の俺たちは、このまま……どうだろうな。俺はただ、試合に勝つためにここにいるんだ。そして、みんなに見てもらえるようにしていくだけだよ」
──サブミッションの技術に、かなり自信を持っているようですね。今回、パントージャのような相手から一本を取れたら、どんな意味がありますか?
「どうだろうな。コーチが新しい帯をくれるかもしれないね。俺はまだ青帯だから、早く黒帯を取りたいんだ。あいつから一本を取れたら、さすがに黒帯をもらえるかもしれないな」
──今回が、この2年間で10試合目になります。これだけコンスタントに戦いながら、どうやって精神的な集中力を保ってきたのでしょうか?
「全部、家族やコーチ、チームメイトのおかげだよ。ジムでは、みんなが俺を調子に乗らせないようにしてくれるんだ。みんなで楽しんだり、冗談を言い合ったりするのも好きだけど、ジムで追い込む時は、何をするにも真剣だ。チームは家族みたいなものだから、自然とジムに通い続けられるんだよ」
──今回のフライ級タイトルマッチには、大きな期待が寄せられています。フライ級が再び盛り上がり、存在感を増しているという見方も広がっています。その流れの中で、メディアの影響力も大きいロサンゼルスでメインイベントを務めることには、どんな意味がありますか?
「すごく大きな意味があるよ。“フライ級のみんな、俺たちやったぞ”って感じさ。カリフォルニアで、これだけ大きなイベントのメインをフライ級が務めるなんて、本当にすごいことだよ。みんな、これからを見ていてくれ。フライ級には、まだまだ見せられるものがたくさんある」
──フライ級王者として過ごす日々は、他の階級の王者とは少し違うと思いますか? 他の階級では、挑戦者候補の顔ぶれがある程度はっきりしていて、今後の流れも見通せます。フライ級王者は、より気を抜けない立場だと感じますか?
「いや、フライ級のトップ5を見てみなよ。(平良)達郎もいるし、マネル・ケイプ(フライ級2位)もいる。みんな、もう王座に挑戦できる連中だよ。今のフライ級は、すごくいい状態だと思う」
──最近は、フライ級に有望な新顔が次々と加わっています。ロイバルと対戦したロニー・カヴァナ、さらにビラル・ハサンも。あなたのところまでたどり着くには、まだ道のりがあると思いますが、若い二人がいつか戦ったら面白いと話すファンも大勢います。ハサンがこの階級にもたらすものをどう見ていますか?
「誰?」
──ハサンです。
「誰? いや、本当に誰のこと? 顔を見れば分かるかもしれないけど、俺、人の名前を覚えるのが本当に苦手なんだよ」
(※ビラル・ハサン=ダナ・ホワイト・コンテンダー・シリーズ(DWCS)で秒殺TKO勝ちを収めてUFC契約を勝ち取り、2026年8月のUFCファイトナイト上海でのUFC初陣をKO勝利で飾った25歳のインドネシアの新鋭。戦績は10戦10勝、9フィニッシュ勝利)






