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インタビュー

【KNOCK OUT】シッティチャイ戦を乗り越えた漁鬼「今回はただ勝つだけじゃなくて、強さを見せて勝ちたい」その理由。吉宗、は「覚悟を決めてまっすぐ飛び込もう」

2026/07/29 21:07
 2026年8月2日(日)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT.66』(U-NEXT配信)にて、スーパーファイトのKNOCKOUT-BLACKスーパーウェルター級3分3Rで対戦する漁鬼(SHINE沖縄)と吉宗、(心誠塾/岡澤道場)のインタビューが主催者を通じて届いた。  KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級王者・漁鬼は、4月の沖縄大会のメインでシッティチャイ相手にドローで王座防衛を果たし、今大会では2試合連続でメインを務めることになった。この試合に明確な目的を持って臨むという。その心中とは? メインを任された意図も汲み取って試合したい ──4月の沖縄大会ではメインで強豪シッティチャイ相手にドロー防衛という結果でしたが、あの試合を今振り返ると? 「試合前から『防衛はできないだろう』って周りから言われることが多かったので、奇跡を起こせた試合なのかなって思ってますね」 ──あの日、実はものすごく体調が悪かったと、後になって聞いたんですが。 「そうですね(笑)。試合の2日前ぐらいからずっと体調を崩していて、減量の水抜きもギリギリな感じでした。当日はさらに悪化していて、体力がやばかったです。でも、初の沖縄大会で、メインで出させてもらうし、たくさんの人に応援に来てもらうことにもなっていたので、欠場しようとかは全く思わなかったですね。試合の時も、セコンドの人から『応援もたくさん来てるから負けられないよ』みたいな感じで言われて、アドレナリンで乗り切りました」 ──試合中の記憶はあるんですか? 「記憶はあるんですけど…最初は、1・2Rで攻めて相手を消耗させるという作戦だったんですよ。1・2Rでポイントを取れば、3Rで取られても1ポイント差で勝てるので。でも試合当日になったら、その体調でそんな作戦ができるわけもないので…やっぱり奇跡としか言いようがないvvですね(笑)」 ──でもドローという形ではありますが、防衛に成功して沖縄大会を締められたというのは、自分の経験としても大きかったのでは? 「そうですね。メインをやらせてもらって、今までの試合と比べてもKNOCK OUT側に集めてもらっている注目度も全然違いましたし、会場で生で見てくれる友達も今までで一番多かったんですよね。その中で試合をさせてもらって、シッティチャイ相手に防衛できて、自分も成長できたのかなと思ってますね」 ──その上、今回も続けてメインですよ。 「そう聞いた時はビックリしました。今回はWBCムエタイのタイトルマッチがたくさんあるし、その前なのかなと思っていたので」 ──でも現役チャンピオンとしての出場でスーパーファイトですからね。2試合連続でメインを務めるにあたってのテーマみたいなものはありますか? 「自分は今、12月の代々木大会でユリアン・ポズドニアコフとタイトルマッチをしたいなと思ってるんですよ。ユリアンは自分のタイトルに挑戦したいと言ってきてますけど、もうメッチャ怪物みたいになってきてるじゃないですか。だからKNOCK OUTのファンの人たちからも、今の自分だったら勝てないと思われてるかもしれないですけど、この試合で強さを見せて、『漁鬼だったらやってくれるんじゃないか』と思わせるような試合をしたいなと思っています」 ──ユリアン選手の指名に応えたいと。 「そうですね、自分は闘いたいです。面白い試合を見せられたら、山口代表は後楽園じゃなくて代々木でユリアン戦を組んでくれると思うんですよ。ユリアンと組まれた時に盛り上がるように、今回はただ勝つだけじゃなくて、強さを見せて勝ちたいなと思ってます」 ──その、今回の相手は初参戦の吉宗、選手です。印象は? 「自分とけっこう似てる部分があるなと思いました。テクニックを使って距離を取って闘うよりは、気持ちで闘うファイターなのかなと。気をつけようと思う技とかは特にないですけど、思いっきり振ってくるタイプで、一発もらったら倒れる可能性があるので、油断せず気を引き締めて闘わないといけないなと思っています」 ──タイプ的に噛み合いそうということですね。 「そうですね。周りからは『勝てるだろう』って言われたりするんですけど、そうやって『勝って当たり前』と思われている試合の方が、負けた時に失うものもデカいので、油断せず、最高の状態を作り上げています」 ──吉宗、選手も現役チャンピオンですし、ここで食ってやろうという気持ちが強いでしょうからね。 「インスタの動画を見たら3部練習してると言っていたので、負けられないなと思いました。でも自分も12月に向けて気合いが入ってるので、魅せる試合をしたいなと思っています」 ──最後はどう勝ちたいですか? 「今回は判定で勝っても盛り上がらないし、KNOCK OUT側からの評価が上がるとは思わないので、KOにこだわって勝ちたいですね。この大会はWBCムエタイのタイトルマッチが大きなテーマになっていると思うんですけど、その中でメインを任されているってことは、山口代表からの『盛り上げて締めろ』というメッセージだと思うので、その意図も汲み取って試合したいと思っています」 ──倒すための技も増やしたりしているんですか? 「そうですね。今までの練習ではフィジカル、特に走り込みとかをひたすらやっている感じだったんですけど、技をもっと増やさないといけないなと思って、技の引き出しを増やすようにしているので、いつもとは違う闘い方を見せられるんじゃないかなと思っています」 ──その先にやりたいことがあって、試合へのモチベーションが明確ですね。 「はい。自分の中での目標がしっかり決まっているので、高いモチベーションを持って試合に臨めるというのは、自分にとってデカいですね。今回、2試合連続でメインなんですけど、4月の沖縄大会は『地元枠』みたいな形でメインをやらせてもらったと思うんですよね。でもまさか、後楽園でもメインで組んでもらえるとは思っていなかったので、ビックリしました。自分は華があるわけでもないし、お客さんをたくさん呼べるわけでもないので、そんな中でメインで組んでもらったというのは、どんどん成長できているということの証明なのかなと思います。面白い試合はできると思っているので、見てる人を楽しませるようなファイトスタイルで、今後もやっていきたいなと思ってます」 ──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう? 「さっきも言った通り、今回はKOにこだわって闘うので、倒すところを見てほしいです」 [nextpage] 高校、大学、実業団で伝統派空手をやっていた  KNOCK OUT初参戦でメインに登場し、現役王者の漁鬼と対戦する吉宗、は、KROSS×OVER初代スーパーウエルター級王座のタイトルを持つ38歳。「対戦するなんて思ってもみなかった」という漁鬼を前に、何を思うのか?──吉宗、選手は今回初参戦ですが、KNOCK OUTにはどんな印象がありますか? 「KNOCK OUTさんは今、日本の格闘技のメジャー団体の中でも一番人気があるなと思っています。勢いも人気も今、ガーッと上がってきていて、メジャーな選手も参戦したりしていますよね。それってやっぱり、団体として価値があるからだろうなと思うので。自分自身、KNOCK OUTのことは昔から知っていて、試合も見ていたので、もちろん出たいという気持ちもありましたね」 ──注目していたり、闘いたいと思っていた選手はいますか? 「いや、出たいとは思っていたんですけど、実際に出られるなんて思ってもいなかったので…闘いたい選手といっても、夢の夢みたいな感じだったので、具体的には考えてなかったです。ただただ、あの舞台に上がれたらいいなと思っていたぐらいで」 ──今回は初参戦一発目で、現役王者・漁鬼選手との対戦となりました。話が来た時はどう思いましたか? 「最初に話を聞いた時は、冗談かと思ったぐらいでした(笑)。そしたら本当だと言うので、『え、ホントですか?』みたいな。正直、僕が対戦できる相手じゃないというか、失礼なんじゃないかなと思いましたね。もちろん漁鬼選手のことは知っていて、試合も何戦か見ていて、メチャクチャ強くてヤバいなと思っていました。『やっぱり70kgの世界トップ戦線には、こういう選手が行くんだよな』と思っていた選手だったので。だって初参戦で現役王者との対戦って、普通ないですよね? ──いやいや、吉宗、選手も現役王者で、勝率も高いじゃないですか。 「本当は最初、6月の代々木大会にオファーをいただいていたんですよ。その日は仲間の選手が試合でセコンドがあったので、そもそも出られなかったんですね。その上、漁鬼選手との対戦と聞いて、『いや、さすがにちょっとやれる相手じゃないから、どっちにしても無理だな』と思って、うれしかったんですけど、お断りさせていただいていたんです。『もしまた機会があったら、ぜひ出場したいのでお願いします』と言っていたら、すぐに『じゃあ8月大会にぜひ』というお話をいただいたんですね。しかもそこで、また漁鬼選手でお願いしますと言われて。さすがに2回目は断れないなと思って、申し訳ないなと思いながらも、受けさせてもらった感じですね」 ──でも実際、今は6連勝中でそのうち4つがKO勝利、そして直近の試合でタイトルも獲得していて、そこでの自信はないわけではないですよね? 「いやもちろん、公式戦できちんと試合をやらせていただいて、そういう結果は残させてもらっているので、自信は自信なんですけど。ただ、直近で漁鬼選手が闘った相手はシッティチャイ選手とか中島玲選手とかユリアン選手とか、世界トップクラスの強豪選手ばっかりじゃないですか。しかもその中であの闘いぶりなので、正直、恐怖でしかなくて(笑)」 ──では実際に、対戦相手としての漁鬼選手の印象というと? 「印象的なのは、やっぱりフック系のパンチですよね。そのパンチの回転が速くて、けっこう大振りなはずなのに、あの回転力で持っていかれると、たぶん全然よけられないと思うんですよ。ブロックしても効くんじゃないかなというぐらいの威力があると思うので、そのへんは一番警戒してるというか、気をつけなきゃなとは思ってますね。さらに、間にミドルとかカーフといった蹴りを入れてくるじゃないですか。実はあれも、パンチを当てるための絶妙なタイミングで打ってるなと思ってて。シッティチャイからダウンを取ったのもあれですからね。もうスタミナも当て勘もパワーも、全部揃ってるみたいな感じで」 ──ではそんな相手に、自分のどういうところを生かして、どういう試合にしたいと思っていますか? 「自分は一応、高校、大学、実業団で伝統派空手をやっていたんですよ。その時からずっと得意だったのが左ストレートで、キックに転向してからの4KOも全部それで決めています。あと、意外とこの階級のわりには瞬発力がある方だと思っているので、もう覚悟を決めて漁鬼選手がまっすぐ打ち合いに来たところにまっすぐ飛び込もうと思っています」 ──最終的にどう勝ちたいですか? 「これがKNOCK OUT初参戦だし、相手が現役チャンピオンということもあるので、『勝ちたい』というよりも、会場が盛り上がる試合がしたいなと思っています。『絶対勝ちたいです』とか『絶対倒します』とか『今回勝って、ダイレクトリマッチで漁鬼選手からベルトを獲ります!』とか、そういうのは全然ないんです」 ──ないんですか。 「はい。まず、やっていただけることがとにかくうれしいし、でもやるからには、会場がワーッと盛り上がる試合はしたいなと思っていて。ヘタにまっすぐぶつかっていっても、ただチャチャッとやられちゃうだけだと思うので、面白い試合展開にできればな、というイメージは持っています」 ──ところで、これまで後楽園ホールでの試合というと? 「1回だけですね。2019年のプロデビュー戦が後楽園でした。約7年ぶりだし、まだ後楽園では勝ってないですね」 ──しかも7年ぶり2回目の試合が、メインですよ。 「そうなんですよ! WBCムエタイの4大タイトルマッチがあって、てっきりそれがメインから並ぶんだと思い込んでいたので、ビックリしました。周りにも『たぶん第6試合ぐらいだよ』ってみんなに言ってました(笑)」 ──でも現役王者のスーパーファイトなので、メインということで。 「いやあ…コメントしづらいですね(笑)。普段は朝から夜まで、普通にサラリーマンとして働いていて、今もちょっと営業に行っていて。そんな中で、まず後楽園で試合できるのも久々でうれしいですし、そもそもメインになるなんて考えてもなかったので、もう何というか…うれしいというより、驚きが上回っちゃって」 ──そうですか(笑)。 「もちろん、格闘技一本でやっている選手と比較すると、もちろん練習量とか時間では劣るんですけど、一応、やれる範囲ではしっかりやってはいるつもりです。仕事が終わった後と、それから土日とかは全ての時間を練習に使ってますし、ボクシング、キックボクシング、ムエタイとフィジカルのトレーナーはそれぞれ、お金を出して雇ってますから。フィジカルトレーナーはオリンピック選手を見ている方に、大金はたいてたりするので、一応、準備はできているつもりです」 ──そして今回を機に、KNOCK OUTに継続参戦したいという気持ちもありますか? 「そうですね。せっかく今回こうやってお話をいただけたので、今回は、漁鬼選手と試合して勝つうんぬんというよりも、KNOCK OUTの運営の方とか山口代表、そしてKNOCK OUTファンの方に、まずは僕という選手を知ってもらいたいんですよね。試合はちょっとどうなるか分かんないですけど、『あの選手面白いじゃん、またちょっと見たいよね』みたいな感じでファンの方々に認識されるといいなと思っているので、それで継続的に参戦できたらいいなと思っています」 ──で、先ほど少し出ましたが、普段は営業職のサラリーマンなんですか。 「そうです。もともとは営業にいたんですけど、今は商品管理の方をやっていて。各営業所を回って、商品の管理とか、先方との契約どおりにやっているかとか、そういうチェックをやっています」 ──フルタイムでサラリーマンをしながら、プロファイターとして活動する一番のモチベーションはどういうところですか? 「自分は、仕事のモチベーションと格闘技のモチベーションをイコールにしているんですね。格闘技を真剣にやるため…先ほど少し話させていただいた、トレーナーを雇ったりだとか、そうするとやっぱりお金がかかるので、サラリーマンとして働くことで、給料からそれを支払うみたいな感じになってますね」 ──では、どちらも欠かせないわけですね。 「はい。僕はスポンサーがいっぱい付いていて、いっぱいお金を出してもらうという感じではないんですよね。一応、スポンサーさんは付いてはくださっているんですけど、別にそんなスポンサー料とかもらってるわけでもなくて。どちらかといえば、例えば整体とか脱毛サロンのスポンサーさんが付いてくれていたら、その店舗を利用させてもらったりという感じなんです。自分の中でも、格闘技をやりたいんだったら自分できちんと働いて、それで稼いだお金を自分に投資して、どこまでいけるかという感じで」 ──なるほど。 「いや、もちろん格闘技一本でやってる選手は強いですし、そこに勝つのはなかなか難しいですけど、自分は一応、実業団で空手をやっていたというのもあるので。その延長線上というか、自分の中の集大成としてキックボクシングをやっているというところなので」 ──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう? 「まずは気持ちですね。それと、僕は今年38歳になったんですけど、漁鬼選手は30歳になったばっかりじゃないですか。世間から見れば『大丈夫かよ、38歳』みたいに思われるでしょうし、よくそういう風に煽られたりもするんですけど、年齢は別に関係ないと思っていて。空手ももう、実業団を入れたら小学生から25年やってきているので。 そういったキャリアもあるので、年齢よりも気持ちが試合で一番大事なんだよというところを見てもらいたいです」
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