ヴァンに勝つために──

【写真】『ゴング格闘技』No.344インタビュー取材より
日本では、階級上ながら、試合が続いて体重を絞っていた太田忍(※26年5月にバンタム級で金太郎に一本勝ち。7月18日にキルギスのイリスベク・ティレノフと対戦)とも練習を行ってきた。そして、この14カ月間で、フライ級のライバルたちの動向が大きく変わった。
「周りは(対戦した)ジョシュア・ヴァンがチャンピオンになったり、(同門の平良)達郎君がタイトルマッチやったりとか、どんどんどんどん置いてかれてるじゃないですけど、離されてるんで、自分もその分ちゃんとやんないといけないなという気持ちでしっかり練習を考えてきたんで、この試合で“鶴屋怜も全然ランカーに入れるんだな”っていうぐらいの実力を見せたいですね」と、実力を証明する試合になるという。
そのフライ級の頂点では、平良がヴァンに挑戦。5Rの熱闘の末、ヴァンが平良をTKO。初防衛に成功した。
「率直に言うと、その試合が決まった瞬間やっぱり悔しかったし“自分が負けた相手とタイトマッチやるんだ”と思って。もしかしたら日本人初のチャンピオンも奪われちゃうかもしれないっていう気持ちも、いろんな複雑な気持ちはあったんですけど、でも今、ヴァンがチャンピオンなので、前回自分が負けたヴァンがチャンピオンっていうことは、目標にはしやすい。ヴァンに勝つためにまたちょっと頑張んないとなって思いましたね」と、あらためて刺激になったと語る。
ヴァンとは3R 判定まで持ち込み、2度の投げを成功させて、得意のVクロスの体勢まであと1歩の場面も作った。もう1度戦えば、やりあえる自信について、「そうですね。前回、(オファーが)2週間前だったってのもあるし、作戦もほぼ練らないでいったんで、しっかり相手のビデオを見て作戦を立ててやっていれば、もうちょっと勝ったのかなっていうところももちろんあるかもしれないですけど、まあ、それはもう試合終わった後なんで何とも言えない。次やるんであればしっかり対策をして臨みたいなと思います」と語る。
そこにたどり着くためには、連戦でキレた身体のまま減量苦無しでやってくる難敵のルイス・グルレーを越える必要がある。
グルレーはやりづらさもあるけど、レスリング・寝技だったら絶対、負けない
そのグルレーは、当初のアギラーよりも5cm高い165cm、レスリングがバックボーンで、LFAからFURY FCで5連勝後、DWCS2024で勝利しUFCとの契約を決めた。
ブランドン・ロイバルの同門で、スパーリングパートナーとしてラスベガスにいたところ、DWCSに欠場者が出たため、代役出場し、ニック・ピッチニーニにスプリット判定勝ち、UFCと契約している。
そのピッチニーニは、NCAAディビジョンIレスラーで、オクラホマ州立大時代にオールアメリカン3度、ビッグ12カンファレンスチャンピオンに4度輝くフォークスタイルレスラーだった。緊急出場のグルレーは、ピッチニーニを相手にダブルレッグに尻を着きながらスイッチで立ち上がり、際の打撃で上回っている。
対レスラーに強いグルレーは、テイクダウンの圧力のなかで、歩くように放つパンチは前に出させると危険で、組みながらのダーティーボクシングも得意とする。テイクダウン後のパウンドの強さも特筆すべき点で、5月17日の前戦では、ダニエル・バレスをジャーマンスープレックスで投げるなど、インパクトを残した。
鶴屋はグルレーを、「レスニングもある程度できて、打撃も重たそうなのを打ってきてっていう感じで、ちょっとやりづらそうではあるんですけど、レスニングだったら自分も小学校っていうか、3歳からやってるんで、そこは負けないと思うし、別に打撃もそんなKOされるような打撃がある選手ではないと思うんで、打撃でもいい感じにポイント取れたらなっていう気はします。レスリングだったら絶対、100%負けないと思いますね。あと寝技も絶対負けないと思います」と、同じレスリングバックボーンでも後れを取ることはないと自信を見せた。
「1年2カ月ぶりの試合になったんですけど、しっかりフィニッシュして勝つんで応援よろしくお願いします!」と、初のバンタム級戦に向けて語った鶴屋。初黒星での学びがどんな進化をもたらしたか。注目の復帰戦だ。



