石田龍大が「急に伸びた」タイミング

【写真】5月2日、東京ドームでの再起戦で判定勝ち
――練習で触れ合えることはあったんですか?
石田「ボクシングで軽くやってもらったことがあります。初めてやった時は14オンスでマスをやったんですけれど、マジでオープンフィンガーかなと思って。パンチが硬すぎてビックリして。大阪戻ろうかなと、こんなところでやってられへんわと思いました。マジでビックリしましたね。凄いですね、パンチの質が。当て勘も凄いなと」
――武居選手が、石田選手はいいところまで行くのではという認識を持ったのはどれぐらいなんですか?
武居「いつぐらいだろう…」
石田「俺の感覚では、こっちに来て2~3年目ぐらいからかなと思っています」
武居「確かに急に強くなったなっていう。元から才能はあったし強いなと思っていたんですけれど、どこかのタイミングで…ちゃんとは覚えてないんですけれど、どこかのタイミングで急に伸びたなっていう印象があります」
石田「僕、分かります。こっちに来て3年目ぐらいの時に、体調を崩して3カ月間大阪に戻ってたんです。その時期にヤバいってなって、そこから食事とかも全部変えて、会長の言われてる私生活に全部変えたら、なんかいい感じに成長していきました」
――それまでは会長の言うことを無視していた?
石田「無視はしてないんですけれど、徹底的にやっていったんです。睡眠も食事も練習の取り組み方も。最初は足もめっちゃ遅かったんですよ」
武居「確かに最初はあまりイメージがなかった。今はめちゃくちゃ足が速いんですよ」
石田「今はだいぶ成長しています」
武居「練習の取り組みも真面目ですし、これは来るなって。一人抜けてんなっていうのは見てても思ってたんですよね。それがいつっていうのは、いま龍大が言うまで分からなかったんですけれど、急に“これ来るな”みたいな感じがしました」
――石田選手の中でも劇的に変わった時期だったんですね。
石田「ここで一気に切り替えないと、と思って。多分そこから本当に格闘技に向き合ってきたって感じですね。最初の1、2年はちょっと子供だったなって今は感じています」
――武居選手から見て、石田選手のファイターとしていいところ、ストロングポイントはどういうところですか?
武居「穴がなくて怖いんですよ。怖さがある。パンチにしろ、蹴りにしろ、何でも出来るので。それに、あまり(相手の攻撃を)もらわないでしょう?」
石田「そうですね」
武居「それが大事だと思うので。どんな相手が来ても崩し難いと思いますよ、一発一発が強いので。多分蹴りでも倒せるだろうし、最近大橋ジムにボクシングのスパーリングにも来るんですけれど、ボクシングでも絶対通用するなっていうのはずっと思っていて。それを八重樫さんにもずっと言っていて、龍大を早くボクシングに紹介しましょうみたいな(笑)。それぐらい本当にポテンシャルが高くて、ボクシングでも通用するだろうし、このままK-1でやっていっても絶対にトップに行くだろうという感覚なので楽しみです」
――ディフェンス能力が優れている?
武居「もらわんもんね」
石田「そうですね。昔から目は良かったんです。地味な反応みたいな。PODに来て、(江川)優生くんとか(岩尾)力くんとか滉太くんとか中島(千博)さんとかめっちゃ強いじゃないですか。ボコボコにされてる中でブロックとかも覚えて」
武居「そうだね。ブロックも出来るし、外せるし。あとヒザ蹴りはマジで危ないと思います。本当に怖いです。そこだけ警戒しててもパンチもあるし、蹴れるし。厄介だなと思うんですよね」
――ヒザはタイミングがいいんですか?
武居「タイミングと伸びてくる。下から突き上げるヒザみたいなのが上手なので」
――ヒザは元々得意だった?
石田「いや、元々グローブ空手出身なのに蹴りが全く出来なかったんです。本当にここ最近蹴りを頑張りだしたみたいな感じです」

――そうなんですか? 意外ですね。ミドルキックの選手っていうイメージなんですけれど。
石田「マジっすか。全然蹴りがめっちゃ弱くて。一時期、手首を痛めてパンチを思いっきり出来ない時に、蹴りとかいろいろ自分の中で磨き上げてきました」
――それで蹴りが伸びた、と。
石田「そうですね」
武居「蹴りを自分は受けたことがないから、どのぐらいの強さがあるかとか、距離感とか分からないんです」
石田「蹴りは本当にめっちゃレベル低いですね」
武居「あと自分はカーフを知らないので。カーフも蹴るでしょ?」
石田「カーフはあまり蹴らないかもしれないですね」
武居「近い距離で蹴るイメージはある。それがヒザなのかな」
石田「でも、効かせようと思って蹴ってはいかないですね」
――あくまでもパンチにつなげる蹴りだと?
石田「そうですね。自分の中では、嫌な蹴りをとりあえず練習していました」
――一緒に練習している中で、石田選手が特に武居選手から吸収した部分、参考した部分はありますか?
石田「ミット打ちを見ていて、全く同じ形で打てば同じ強さになるだろうと思って、それを他の人にドラムミットを持ってもらって真似していました。あと、スパーリング前にいつも由樹くんの試合動画を電車で見ながらジムへ行きます」
――気分は武居由樹っていう。
石田「そうです(笑)。頭にちょっとでも入れておけば、なんか真似できるかなみたいな」
――その中でよく使うコンビネーションもありますか?
石田「いや、やってみるんですけれど俺が下手なので。考えると動きが遅くなってしまうところがあって、感覚で出来てる時はめっちゃ自分の中でイメージがいい感じです。自然とそういうコンビネーションが出ます」

――武居選手から見て、石田選手がパンチの部分で特に秀でているものとは?
武居「躍動感があるので、ボクサーとのスパーを見ていても、自分が言うのもなんですけれど、ボクサーにないスタイルで戦っているので、ボクサーはみんなやりづらそうなんですよ。自分もこの前試合だったので、龍大と同じぐらいの時期によくスパーを見ていたんですけれど、そのスパーを見て龍大のこれ真似しよう、みたいなのは逆に取り入れていました。これいいな、この動きいいなとか。龍大も試合前なのであまり詳しくは言えないですけれど、これ真似しようみたいなのはよくあります。だから、逆に自分が龍大の真似している部分もあるんです」
――凄いじゃないですか。武居選手が石田選手の試合をご覧になっていて、印象深い試合は?
武居「自分が他のジムで注目していた松本海翔選手との試合ですね。松本選手との試合は正直、どっちが勝ってもおかしくないって思っていたのを龍大がしっかり倒しきったので、凄いなと」
――松本選手にも注目してたんですね。
武居「注目してました。強いなって。Krushで見てて、この子も来るだろうなって思ってたんですよ。それが龍大と試合決まって、そこで龍大が勝ち切ったっていうのは凄く印象がありますね。そういう若くて強い選手に勝ち切るのって、今後の格闘技人生にも大事なことだと思うので、勝ち切ったのは凄いと思います」
――石田選手としても、この試合で差を見せてやろうみたいな気持ちはあったんでしょうか?
石田「はい。絶対負けられないし、今まで自分はあまりKOを狙いに行かなかったんですけれど、その試合は絶対KOでって自分の中で決めていました。なんとか実現できてよかったなって感じです」
――そのKOしたかったっていうのは、向こうが推されている感じがあったからですか。
石田「そうですね。なんとなくですけれど、周りは松本が勝つっていうのがあったので」
武居「本当にどっちが勝ってもおかしくないなっていう感じで。もちろん龍大の応援はしていましたが、なんか厳しい試合だなっていう。ここは結構キツい試合になるんじゃないかなって見てたので、そこで倒したのは凄いと思いました」
石田「ありがとうございます」




