2026年7月18日(土)広島グリーンアリーナで開催される『RIZIN LANDMARK 15 in HIROSHIMA』の対戦カード発表会見が22日、都内にて行われた。
会見後に囲み取材に応じた榊原信行CEOは、24日早朝にPFL初試合に臨む井上直樹と、30日にUFC3戦目に臨む朝倉海にエール。スコット・コーカーの新団体、ジェイク・ポールのMVP主催のNetflix配信大会、さらに井上尚弥vs.中谷潤人をメインに『THE MATCH』のPPVを越えたとされた『THE DAY』について言及した。
井上直樹が勝てばサバテロの前に立つに値する
──榊原CEOは5月23日(土)の深夜のPFLでの井上直樹選手の試合はどちらでご覧になられますか。
「今回は現地には行かずに、U-NEXTを見ながらYouTubeでみんなで、僕だけじゃなくて何人かで観戦をして、それをファンと一緒に共有しようと思ってます」
──ウォッチパーティーということですね。
「去年の年末、ヒカキンがやってたような感じの盛り上げを一緒にして、日本からエールを送っているファンもたくさんいると思いますし、現地に駆けつけてくれているファンもいるので──直樹は本当に寡黙な人なんで、なかなかこのチャレンジに対して自分で自慢していろいろな思いを世間のみんなに伝えるとかっていうことが不得意な人で届いてないところがあると思うんですけど──ぜひみんなで直樹の試合を見届けられたらなと思っています」
──対戦相手は強豪ですね。
「PFLの去年のワールドトーナメントの王者でもあるけども、超えなくちゃいけないレベルの選手。強いですよ。ただ打撃で十分、直樹が勝てる。身長とかでいうと、さっきの(太田)忍の話は別として、今回で言えば、直樹の方が圧倒的にリーチも身長も高いわけで(井上は身長173cm、リーチ180cm。アウベスは身長160cm、リーチ170cm)、フィジカルを生かしつつ、その得意のジャブを効かせれば十分勝ち筋が見える相手で、ここで相手を眠らせてこれれば、サバテロの前に立つに値するかなと思ってます」
──井上選手はそのままPFL継続参戦みたいな気持ちもあるのでしょうか。それとも今回の試合を終えたら、RIZINに戻ってくる?
「PFLでいい勝ち方をすれば、当然、PFLからも求められると思いますので、本人的にはやっぱり海外志向の強い選手なので、僕らも『vs.世界』を掲げている中で、PFLとも話をしているのは、例えば直樹なりサバテロなりがベルトをかけてPFLの王者に挑むとかっていうことにも繋がっていってもいいなと思うので、タイミングとか相手とか、それ次第だと思いますね。いずれにしても、直樹はRIZINのバンタム級のベルトを1日も早く取り戻したい、サバテロにリベンジしたいっていうのが今のモチベーションとしては高いので、その実現に向けての査定試合という位置づけかなと思います」
平日のドームで平本の相手にカファロはさすがにちょっと弱い
──太田選手と対戦するキルギスのイリスベック・ティレノフ選手は、シェイドゥラエフ選手の同門ということで、今後、自身のジムからもっと選手を出していきたい意向でしょうか。
「もう積極的にいろんな選手を売り込んできてますね。バンタム級の選手もキルギスの選手としてのファイトスタイルで何を求められて、何をしなくちゃいけないかということも理解をしている選手たちで、いい選手がライト級にもいるそうですよ。いっぱい売り込んできているんですが、でも“キルギス人祭り”になってもなかなか大変だなと思うので、バランスを見ながら(起用していきたい)」
──神戸大会の休憩時のリング上で、クレベル選手やサトシ選手が7月、8月大会に参戦かといったやりとりもありました。まだそこは?
「いずれにしても、本来であればメインとかセミをどんどんと発表して、カード発表ということに繋げたいところではあるんですけど、今回はちょっと前後するというか、メインメイン、セミセミセミあたりのカードをこの後発表させていただける準備は整ってきてますので、もうしばらく、8月(東京・TOYOTA ARENA)も見据えて、極論言うと、9月(京セラドーム)への最後(の出場権をかけて)、7月にしっかり結果が出せれば、9月の“復活祭り”にも名乗りを上げられるギリギリの大会だと思うので、まあどっちにどう出るか、ですね。
8月のメインを含めたラインナップをどうするかを、同時並行で9月まで見据えて今やっていて、もう少しでパズルが整ってくると思いますので、6月の声を聞いて、早いタイミングでドドッと7、8月含めて、9月にどんな復活戦をそれぞれの選手が務めることになるのかも発表できたらいいなと思います」
──平本蓮選手が「昨日RIZIN事務所に行って(対戦をアピールされたライアン)カファロって奴丁度いいんで当ててくださいってお願いしに行きました ドームでやる相手じゃないとRIZIN側は正直反応が微妙です ただ俺も変な相手とやるくらいなら やる気の入るこいつと戦いと思ってます」と投稿しました。何か進展みたいなのはありますか。
「実際、本人は『9月はもうカファロでいいんじゃないですか』っていうのは僕らに伝えてはきましたね。だから、それで本当にいいのかどうかっていうところですよね。もちろん平本の思いとか、ファンの中でもそうだし、カファロからのチャレンジがあって、平本は全然受けるよっていう気持ちは受け止めたんで。ただ、僕らはやっぱりドームクラスを埋めるのに『カファロって誰?』って話なんで。ハードコアなファンは知ってますよ。でもやっぱり4万人、5万人の大観衆を平日に集めようと思うと、まあさすがにちょっと弱いなというのは、僕のプロモーター的な第一印象ですね。いずれにしてもそれも選択肢の一つだと思ってます。平本がこの先復活をして、どういうストーリーでシェイドゥラエフにまでたどり着いていくのか、そこを見据えた中で、どういう選手と対戦していくのかっていうのは、もう少し見極めていった中で、ドームにふさわしいカードはこれしかないのか、もう少し考えられないかなというところで、今我々なりには考えてるところですね」
[nextpage]
『THE DAY』PPVが『THE MATCH』を越えた? 越えてないと思います
──先日、井上尚弥選手と中谷潤人選手が対戦した『THE DAY』PPVが『THE MATCH』」を超えたという情報がありましたが──。
「超えてないと思います。飛ばしはやめた方がいいと思う、本当にね(苦笑)。PPVっていうのは、何度も言いますけど、 1視聴に対して5,000円なり、6,000円なり買った人の件数ですから。ドコモMAXとかで見たものも含めて、なんとなく50何万件見たとかっていうのは、もうこの時代は嘘はダメですよ。はっきり出してって言ったら、いくら上がったのか。僕らはABEMAさんが公式発表で『THE MATCH』のときに53万件で5500円だったので、売り上げ件数まで全部数字でオープンになってるんです。(『THE DAY』が越えたというの)だったら“これだけ売ったよ”っていうものを出してほしいなと思いますけど。まあどっちでもいいです。正直興行も長いし、あれでみんないいのかなと。まああんまり悪口言えないです。試合スタイルとかもいろいろ言いたいことは山ほどあるんですけど。まあいずれにしても“金満リスク”に気をつけようっていう」
──21日、スコット・コーカー氏が新しいMMAリーグの立ち上げを発表しました。これまでのBellatorとの関係から、RIZINとしては?
「そうですね。スコットが新しくやることで、しっかりいろんな投資会社からのインベストも受けて、60ミリオンと言っていたので、90億円近くの資金を集めた。ずっとスコットと話していたのが、スコット自体、雇われのCEOというよりは、やっぱり自分の中でいろいろコントロールできる、自分の考え・ビジョンにインベスターの人たちが理解をして采配できるポジションでスタートするっていうことになると思っています。Bellator時代も雇われの身であることに対しての悲哀をずっと言ってたんで(苦笑)。どうしても数字的なこと、当然インベスターとかオーナーがいればそういうことになるし、“榊原は本当に自分の好き勝手にやれていいな”っていう。“俺もお前みたいにやりたいよ”とか言ってたんで。でも雇われていることの良さもあるんで“そんな風に言うなよ”って言いながら。でも彼は僕より一つ上なので、 もう今年 64歳かな。Bellatorの代表だった時から、『自分は70歳までは走り続けたい、格闘技界でやり続けたいんだよ』ということを常々言ってたんで。その野望というか野心を、いろんな形で多くの人たちの支持を得て実現させるスコットはすごいなと思ってるし、当然、来年からスタートする準備をして、彼がやることなんでまた協業できる部分があれば積極的に交わっていけたらいいなという風に思ってます」
(C)Sarah Stier / Getty Images for Netflix
──MVPプロモーションのMMA大会が、Netflixでライブ配信されました。米国はこれまでのPPVから、UFCもそうですし、ちょっとフェーズが変わってきたなと感じます。世界進出だったらああいう形になるし、でも日本の規模ではそうでもないのかもしれませんが、ああいう大会自体と、その伝え方をどのように今考えられてますか?
「まあでも本当に、やっぱりNetflixが金張ってやるとこうなるんだなっていう感じですよね。ただ、本当に僕らも過去にも何度も陥ってるんだけど、やっぱり新しくスタートするっていうこと、0から1でスタートすることって本当大変なんで、そういう意味ではNetflixっていう世界一のプラットフォームがMMAに参入したっていうのはすごくトピックスです。僕らとすると、これだけお金をかけてファイトマネーも多分アスレチックコミッションに届け出ている数字だけがリアルな数字じゃないんで、どんだけ払ってるんだっていうぐらい払ってますからね。ちょっと僕らと次元が違うし、作り方が違いますよね。僕らはやっぱりそれぞれのドラマを継続してみせていくっていう連続性を大切にしたいと思ってるんだけど、やっぱり一過性でビッグネームなのか、世間がサプライズするようなカードを積み上げて、どこまでそういうサプライズ効果で──今回ガヌーも出ればロンダ・ラウジーも出れば、ネイト・ディアスも出ればと。みんなも分かると思いますけど、“昔の名前で出ています”興行になってますよね。見た人はがっかりするっていう、1,700万人見たとかって出てたかな。1,700万人をがっかりさせた形になっちゃったっていう。それが次のMVPでまた見てよっていっても、“もういいな、これは”っていう風に思った人も結構いるだろうなと思うんですけど。
ただ、僕らはプロモーターなんで、逆の立場だとゼロイチで始めることが本当に大変だし、その中でいろんなチャレンジがあの大会にはあったんで、見習うべきものもあったし、続けていってほしいなと思いますけどね、ジェイク・ポールとか懲りずに。次もガヌーが出るのかどうか分からないですけど“こういう手があったか”というような、新しいMMAという競技の中のアプローチというか、コンテンツとしての作り方とか見せ方をチャレンジしてくれるんで、すごく注目してます。でも、ぶっちゃけ言うと、オールドネームを並べてお金が入るっていいなと。だから本当にね、ロンダ(ラウジー)とかも、これでもう引退してたし、ジーナ・カラーノに至っては、45kg減量してるっていうね。すごい話じゃないですか。でもリタイアメントする“最後の退職金もらいました”という感じで試合もそうなっちゃうと思うんですよね、正直。だからそこに全盛期の時のような、本当にスペクタクルな試合というか、もうフルスイングしたような攻防を見る側は期待しちゃうけど、現実はマイク・タイソンとジェイク・ポールの時の焼き直しだったなっていう。このコンテンツとしての作り方を続けていった時に、視聴者数はどう変遷していくのかっていうのはちょっと興味はあります」
[nextpage]
朝倉海はあまり気負わずにやれたらいい
(C)Zuffa LLC/UFC
──1週間後の5月30日に朝倉海選手が、UFCのキャリアをかける大事な試合だと思うんですけど、彼の試合に対してはいかがでしょうか。
「勝つと思いますよ、今回はさすがに。まあこのRIZINでも、本当にたくさんメインを張って修羅場をくぐってきてる海なので、勝つと思います。いつも通り、彼がずっとRIZINでやり続けたバンタム級に戻っての試合だし、時差もマカオでやることでほぼないと思うので、あんまり気負わずにやれたらいいなと。やってほしいなと思いますけどね。海のこの試合もU-NEXTさんで見られるので、見てもらえたらいいなと思います」
──今回冠スポンサーについた株式会社ABCについては?
「僕らが何か協力をするとかっていうことに、今具体的な話は出てきてないですね。でも、そういう提案をいただくことになるのかもしれないし。ただ、クロフォードとABCさんがどういう形で何を(やるか)。会見でもいろいろアナウンスされてましたけど、そういう中でRIZINに何か求められること、ご協力できることがあるのか、その中で我々としても“これはぜひやらせてほしい”って思えるようなことが見えてくるのか。今回はそういうこととは別なプロモーション的な形でABCさんに冠に入っていただいています。ただ、その先にそういうジョイントベンチャーで作られた会社との協業というようなご提案も出てくるのかなという、今の現時点ではそういう形にはなってはいないです」