2019年11月22日(金) シンガポール・インドアスタジアムにて、ONE Championship「ONE: EDGE OF GREATNESS」が開催された。
第2試合ではONEバンタム級(※65.8kg)で上久保周哉(TRI.H studio/頂柔術)とブルーノ・プッチ(ブラジル)が対戦。
MMA10勝1敗1分の上久保は2019年7月からONEに参戦し、スノト、ムハマド・アイマン、キム・デファン相手に3連勝中。8月大会にも名を連ねていたが、右目の怪我により直前にドクターストップがかかり、今回が9カ月ぶりの試合となる。
対するプッチは2010年のノーギワールド優勝者。MMA7勝3敗で現在2連勝中。2018年11月にシャオ・シェにギロチンチョークで一本勝ち、2019年1月に朴光哲にリアネイキドチョークで一本勝ち後、グリーンカードの取得のため米国から出国できず、試合から遠ざかっていた。
10カ月振りのファイトは1階級下げたバンタム級。10月日本大会で勝利した妻のアンジェラ・リーに続き、3連勝を飾ることができるか。EvolveのTシャツを着こんだプッチのセコンドにはアンジェラとクリスチャンのリー姉弟がつく。
▼バンタム級(※65.8kg)5分3R○上久保周哉(日本/TRI.H studio/頂柔術)[判定3-0]×ブルーノ・プッチ(ブラジル/Evolve MMA)
リングでの試合。1R、いきなり中央に走り込み跳びヒザを狙う上久保。受け止めたプッチはすぐに圧力をかけて左で前に出る。続く右をかわしてダブルレッグに入る上久保だが、がぶるプッチはバックを狙うが、左手を胴に回し、バックを阻止した上久保は、ロープに押し込み、右足へハイクラッチのシングルレッグへ。右腕でオーバーフックし上久保の上体を起こすプッチ。
そのまま右をオーバーフックして引き込んだプッチは三角絞め狙いへ。ロープの1段目と2段目の間に頭を出すプッチ。腕と頭を抜いた上久保はインサイドからパウンド。しかし、プッチも腰を逃がして左で小手に巻いて立つと、上久保は今度は右で差して左足にシングルレッグでコーナーに押し込んで右足をかけにいく。
プッチのアゴ下に頭を着ける上久保。左でオーバーフックしクラッチを切るプッチ。上久保は空いた左手でプッチの顔面に細かいパンチを入れていく。四つに組み直しヒザを突くプッチ。ダブルレッグに入りクラッチを組むと上久保をリフトしテイクダウン! ヒザを着いて着地した上久保のバックに回り、リアネイキドチョークを狙うが、上久保も背後のプッチの右手を手繰って前方に落としていく。
トップを取った上久保。コーナー背に左で差して立とうとするプッチを引き寄せ、両足でプッチの両足を挟み、細かいパンチ。足を抜いたプッチはディープハーフガードから右で差して尻着けて立とうとするが、そこに上久保は右ヒザ! プッチはシングルレッグに。そこは足を後方に飛ばして切ろうとする上久保。しかしプッチもシングルレッグから立ち上がり、再びダブルレッグでクラッチ組んで持ち上げてテイクダウン!
背中を見せて亀で着地し立とうとする上久保にバックに回るプッチだが、中腰で両足はかけさせない上久保は落ちたプッチの右足を手繰り、ダブルレッグへ。コーナー背に座るプッチは足を取りにいくが、そこに上久保はがぶりながらヒザを連打! もらいながら立つプッチ。上久保のシングルレッグに、シングルバックで足をかけてシートベルトに組んでバックを狙う。上久保が足を引いてプッチに尻餅を着かせたところで1Rが終了。
2R、1R同様に中央に走り出る上久保。細かい左右で迎え撃つプッチだが構わず押し込む上久保が早々にシングルレッグでコーナーに押し込みダブルレッグテイクダウン! 右で差して立とうとするプッチを左で小手に巻き、右で頭をクォーターネルソンで押さえてヒザを突く。潜りを狙うプッチにヒザで突き放す上久保。顔面にもらうプッチはそれでもハーフガードは解かず、スイープを狙う。
足を抜きがぶる上久保にヒザを立て中腰から立ち上がろうとするプッチ。そこにヒザを突く上久保。プッチが頭を抜くと上久保はすぐにダブルレッグ、シングルレッグへ。常にアタックを続ける上久保。プッチはコーナー背に頭を押さえてキムラも一瞬狙うが、上久保はシングルレッグテイクダウン! プッチに背中を着かせると細かくパンチ。しかしプッチも左足を上久保の右足に外からかけて遠い方の足を手繰ってテイクダウン!
ここもすばやく亀から立ちを狙う上久保。汗が大量に流れるなかバックに乗るプッチを想定しながらすぐさま立ち上がりダブルレッグテイクダウン! ガードを取るプッチに強い左右のパウンド! プッチの蹴り上げをさばいてサイドに回ると、そこにプッチもシングルレッグへ。すぐに両足を後方に飛ばして切る上久保。逆にダブルレッグからシングル、再度ダブルレッグでクラッチしテイクダウン! プッチもすぐに中腰まで立つ。
3R、1R、2Rともに猛アタックを続けた上久保。スタミナはいかに。3Rのゴングに走りこんで中央を取った上久保。プッチの左の打ち終わりに右フックを打ち込む。さらにダブルレッグからシングルレッグに移行し、右足を外からかけて頭をアゴ下につけて空いた左手でプッチの顔面にパンチする。
右で差し返しにきたプッチの右腕を巻き込んだまま右足にシングルレッグは上久保。今度は右手でパンチを入れながらダブルレッグへ。右で小手に巻き、前方に送り出して投げを狙うプッチ。正対すると上久保はすぐにダブルレッグ→シングルレッグへ。コーナーを背にするプッチ。上久保は尻下でクラッチを組むと持ち上げてテイクダウン! 両足を挟み、頭を胸に着けて左手で顔面を狙う。
背中をついたプッチはキムラ狙いから背中を預けて立つことを選択。そこにバックに回る上久保。前転してついてきたところを正対するプッチ。エビで足を戻すプッチ。中腰からパウンドを狙う上久保に下から蹴り上げを当てる。インサイドガードに入っていった上久保。
プッチはクローズドから腰を切って得意の腕十字へ! しかし頭にかけさせない上久保はインサイドにステイ。上体を立てようとするプッチを寝かせてプッチの下からの腕十字を警戒しながらパウンド! 立ち上がり、プッチの蹴り上げをさばくとサイドへ。すぐに腹ばいになり立とうとするプッチをがぶりヒザを5連打する上久保! プッチが頭を抜いて立ったところでゴング。
コーナーに戻る上久保は陣営に向けて両手の親指を立てて見せた。判定は3-0で上久保が勝利。強豪相手に値千金の判定勝ちで4連勝、王座戦線に名乗りを挙げた。
▼第3試合 ONEムエタイ フライ級(61.2kg)3分3R○ニューイェン・トラン・デュイ・ニャット(ベトナム)[2R 0分30秒 KO] ※右ハイキック×渡辺優太(日本/PKセンチャイムエタイジム)
WPMF日本、WMC日本、J-NETWORK、MA日本キック、MuayThaiOpenとスーパーバンタム級で5本のベルトを獲得した渡辺と、WMF世界のベルトを5度獲得したベトナムのニューイェンの対戦。
渡辺は9月に日本で行われた「Road to ONE:CENTURY」で内藤大樹に1R KO負けも本戦出場に。試合は1Rにニューイェンが右ハイキックで2度ダウンを奪い、2Rにも右ボディから右ハイキックと上下に散らしたニューイェンが、2R0分20秒 KO勝利。ニューイェンは9月のベトナム大会に続く2連続KO勝利。渡辺はONE初陣を飾ることはできなかった。