柔道出身の渡辺(左)とレスリング出身の青野はデビュー前からの練習仲間 撮影/阪本勇
2019年12月29日(日)さいたまスーパーアリーナ『BELLATOR JAPAN』に出場する渡辺華奈(FIGHTER'S FLOW)と、12月15日(日)大田区総合体育館『DEEP 93 IMPACT』に出場する青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘)が合同練習会を行った。
渡辺は柔道で2016年アジアオープン準優勝、ヨーロッパクラブ選手権準優勝などの実績を残し、MMAに転向。2017年12月3日にDEEP JEWELSでプロデビューを果たすと、その26日に開催されたRIZINにも出場。両団体を主戦場に8勝1分といまだ無敗を誇る。前戦は10月のDEEP JEWELSでカン・ヒウン(韓国)に1R1分48秒、リアネイキドチョークで一本勝ち。
青野は日本大学レスリング部出身。全日本社会人選手権48kg級優勝、全日本学生選手権48kg級優勝など女子レスリングで数々の実績を持つ。MMAでは、2018年3月から3連勝も、2019年3月にベテランの富松恵美にリアネイキドチョークで一本負け。しかし、同年6月の檜山美樹子戦、9月の古澤みゆき戦と連続一本勝ちを収めた。
渡辺は『BELLATOR JAPAN』での「Bellator×RIZIN 対抗戦」でイララ・ジョアニ(ブラジル)と、青野は『DEEP 93 IMPACT』で富松恵美を降しているパク・シウ(韓国)と、それぞれ大一番を迎える。
2人は柔道とレスリングからMMAに転向し、男子選手たちが集まる合同練習会に参加したところで意気投合。お互いを励まし合い、同じ2017年12月3日に『DEEP JEWELS』でプロデビューを果たしている。
女子とはほとんど練習したことがなく、男子選手と練習することが当たり前だという2人の悩みは「打撃が苦手」ということ。「やったこともなかったですからね。最初よりかはちょっと出来るようになったかなってくらいで」(青野)、「今でも打撃はヘタクソです。全然できないですね」(渡辺)と、2人して苦笑い。
これは2人のバックボーンが関係しているもので、青野は「私の場合はレスリングと打撃の距離が合わないんです。タックルは手が届かない距離から入りたいんですけれど、打撃を当てようとしたら近付かないと当たらないんです」、渡辺は「柔道は近くにいかないと技がかけられないので、近くなると打撃をめっちゃもらう」と、長年やってきた競技を打撃が入ると活かすことができないからだという。
それでも、お互いに「今は覚えることがたくさんあるのが楽しい」と、柔道やレスリングとは違うMMAの技術を吸収していくことが楽しいと言い、日々の成長を感じている。
お互いの大一番については「勝つと思う」と声をそろえ、共に2020年はタイトルを獲得する勝負の年にしたいと口を揃えた。なお、渡辺華奈と青野ひかるの練習風景と対談は11月25日(月)発売の『ゴング格闘技』1月号に収録されている。