2026年5月15日(金)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT.64』(U-NEXT配信)にて、「KNOCK OUT×ミャンマーラウェイ3vs.3対抗戦」の中堅戦でソー・バー・ヘインと対戦する重森陽太(KNOCK OUT クロスポイント吉祥寺)のインタビューが主催者を通じて届いた。
負傷欠場からの復帰戦がミャンマーラウェイとの対抗戦となった重森は、自らに課せられたテーマと課題をしっかりと自覚しているようだ。その上で、彼が目指すものとは?
──2月のWBCムエタイ日本王座決定戦を右ヒザ靱帯断裂で欠場し、今回が復帰戦になります。ケガしてからの状況というのはどんな感じだったんですか?
「2月の試合に向けての練習中にケガをしたんですけど、最初は、何とか出ようかなと思ってたんですよ。山口元気代表ともいろいろお話をして、軽くミットをやってみたりもして、蹴れないのでパンチで行こうか、みたいな話をして。でもやっぱりダメだったんですね。それでリングドクターの湯澤斎先生のところに行かせていただいて、しっかりと動けるスケジュールを立ててもらったんです」
──やっぱり無理せずしっかり治そうと。
「はい。無理すると、また靱帯が切れてやり直しになっちゃうので。そこで言われたところはキッチリと守って、2週間ぐらいはギプスをして過ごして、そこからまた2週間くらいは蹴らずにリハビリして。さらにまた2週間ぐらい様子見をして、それから蹴り始めた感じですね。だから、計6~8週間ぐらいはちょっと蹴れなかったかなという感じです」
──その間は、上半身のトレーニングなどを?
「そうですね。KNOCK OUTクロスポイント吉祥寺にはKNOCK OUT TRAINING CAMPというすごく広い施設が併設されているので、そこに毎日行ってやってました。だからあんまり太ったりとかもしなかったし、ヒザ以外の部分のトレーニングはしっかりできました」
──100%の練習が再開できたのはいつ頃からだったんですか?
「4月の頭ぐらい、試合の1カ月ちょっと前ぐらいからですかね。だから、しっかり1カ月は調整できました」
──今回はミャンマーラウェイとの対抗戦ですが、これまでミャンマーラウェイについてはどう見ていましたか?
「渡慶次(幸平)さんのイメージしかないですね。格闘家がこんな言葉使うと『いや、お前もだろ』って感じではありますけど、野蛮なイメージがあって。一言で言うと、それに尽きるかな」
──一番身近に、ラウェイを一番濃く経験している人がいるわけですからね。
「本当ですよね(笑)。渡慶次さんの試合はもちろん現地では見てないんですけど、YouTubeで見たり、あとは『クレイジージャーニー』に出ていたので、そこでも見させていただいたりしてました。何となく私の中では、渡慶次さんのおかげでちょっと身近な感じはあります」
──でも、そのラウェイと関わることになるとは、あまり思ってなかったのでは?
「いや、本当ですね。特にこういう対抗戦みたいな形で組んでいただいて、こんなに貴重な経験ができるのは、なかなかKNOCK OUTらしいですよね。ちょっと攻めた大会の打ち出しをするのは面白いなと思います」
──カード発表会見の際、山口代表は否定していましたが、そういう攻めた試みの時、重森選手が最前線に起用されることが多いですよね」
「ホントですよ、大体私ですから(笑)。まあ代わりに言うと、たぶん、私が勝てるからだと思いますけど。そうすると固いから、『とりあえず一人は重森を入れとこう』となってると思いますよ。そこらへんは無意識のうちなのかもしれないですけど」
──なるほど(笑)。
「でもそこは、今回ちょっとアピールしたいなと思います。クンクメールとの対抗戦も2回やって1回負けてますけど、1回は勝っていて、一応、結果は残せているので。今回もこういう対抗戦に出させていただいたので、重森を使うと面白いというか、KNOCK OUTの波を作れるでしょ、というのを、ちょっとプロモーターにアピールしたいところはありますね」
──相手はソー・バー・ヘイン選手ですが、一番警戒するべきと思っているのはどういうところですか?
「たぶん、パンチとかキックとか同じ攻撃にしても、フォームが違うじゃないですか。そこが怖いですね。私は旧KNOCK OUTの時にモンゴルのボルドバートル・アルタンドルグーンという選手にKO負けしてるんですけど、その彼もけっこう変則的なパンチを打つ選手だったんですよね。私の場合、逆に経験値が多すぎるがゆえに、もらっちゃうパンチってあるんですよ。なので、そのあたりは気をつけなきゃいけないなと思うし、多少慎重にならなきゃいけないところではあるかなと思ってますね」
──なるほど。
「ラウェイの選手たちって、素手にバンデージだけで殴ってるじゃないですか。以前に渡慶次さんからちょっと聞いたことがあるんですけど、グローブをせずにまっすぐ相手の頭を打つと、拳が負けちゃうらしいんですよ。だからミャンマーラウェイの選手たちは大振りというか、フック系が多いんですけど、そうやって顔の側面部をしっかりと殴るようになっていると思うんですよ。その話を思い出しながら動画を見たりしてたんですけど、実際に受けてみて、どれだけガードの外から回ってくるのかとか、実際やってみないと分からないところはあるので」
──そこを探りながら闘っていく?
「だから、私が気をつけなきゃいけないのは1Rなのかなと思います。逆に2、3Rに行っちゃえば絶対に倒すチャンスもあるし、倒すタイミングも分かってくると思うので、そこからはしっかりと仕留めに行きたいと思っています。いろいろと対策をしていくと、その警戒を最後まで守り切っちゃう真面目なところがあるので、そういう注意点を解除するポイントが必要なのかなと、ちょっと思っていて。その解除するポイントが2、3Rになるのかなと思っています」
──ラウェイの選手って、ルール的なところから来る野蛮さや勢いが注目されますが、トップ選手はみんなうまいですよね。
「うまいと思います。だって結局は格闘技だから、たどり着くところは一緒ですからね。競技が違ったところで、結局は倒すということがゴールにあるわけじゃないですか。ムエタイだったり、キックボクシングだったり、ラウェイだったり、クンクメールだったりとかで、途中の道筋は変わってきますけど、結局のところ、どう交わっても格闘技は成り立つのかなとは思います」
──では、1Rは凌いで、2、3Rに行った末に、どう決めたいと思っていますか?
「1Rも、あんまり『凌ぐ』つもりはないですけどね。『凌ぐ』というよりは『呑み込む』感じかなと思います。逆に、凌ごうとすると呑み込まれちゃうと思うので。自分の土俵に持っていくための1Rかなと。そうすれば、2、3Rは確実に勝てると思うので。で、相手は大振りなのかなと思うので、そこを突いていければなと思っています。相手のことも研究して、『これは当たりそうだな』という技が3つぐらい用意できているので、そこをどんどん回していこうかなと思います」
──「回していく」ですか。
「出し惜しみせず、1回当たらなくても2回、3回と出していこうかなと。いつもはこの技!』と決めちゃうと一発しか出せないと思っちゃってるんですけど、今回は逆に3種類ぐらい用意したので、その3種類をどんどん回して、チャレンジしていこうかなと」
──「必殺フルコース」みたいな感じですね。そして、勝った先はどう考えていますか?
「2月に王座決定戦を流しちゃったのは私の方で、REITO BRAVELY選手には本当に申し訳ないことをしたんですけど、WBCムエタイ王座は絶対獲っておきたいです。それこそ今回の試合でしっかりと実力をアピールして、『やっぱり重森がふさわしいな』と思わせるような試合をしなきゃいけないなと思っているので。今は日本王座が空位なので、私が軸になれるようにしたいと思っています。逆にREITO選手が私の試合を見て『前回は試合が流れてよかったな』と思って、もう一回準備し直してくれたら、ちょうどいいんじゃないかなと思います」
──今は、まずはWBC王座をという気持ちなんですか?
「そうですね。WBCは欲しいです。インターナショナル王座も獲りたいんですよ。でも、かといって、やっぱりオープンフィンガー(OFG)も捨てきれないとは思っていて。OFGとWBCだとちょっと方向が違うように見えますけど…さっきの話じゃないですけど、結局、格闘技の目指すところは一緒だよねというところで。WBCもKNOCK OUTのベルトも、両方を目指しているうちに、どっちも叶う夢なのかなと思っているし、ONEにもまた参戦していけたらいいなと思ってます」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「今回は『KNOCK OUTvs.ラウェイ』というテーマの対抗戦ですけど、けっこう面白いかなと思うんですよ。渡部蕾君は瞬発系というかセンス系というか、キックボクシングからムエタイに適応した面白いタイプだし、私はどちらかというとフィームータイプのムエタイをやりますし。そしてゴンナパー選手はイケイケのムエマッドじゃないですか。そういう、タイプの違う3人が揃っての対抗戦なので、大会自体がとても面白くなるんじゃないかなと思っています。それに今回、会場が満員じゃないですか」
──そうですね。すでにチケットが完売とのことで。
「KNOCK OUTの後楽園大会が、一番チケットを取りにくいイベントになってほしいなと思っているんですよ。格闘技って、出場する選手がチケットを売らなきゃいけない、というイメージがすごく強いですけど、KNOCK OUTの後楽園大会はチケットが取りにくいというイメージがちょっとずつ、ついてきてると思うんです。この調子で後楽園ホールは毎回即完売にして、あとはU-NEXTの視聴数をいかに伸ばせるかというところになってくると思うので、そのあたりも意識して、大会を盛り上げたいと思います。せっかく今回、ミャンマーラウェイとの対抗戦という面白いテーマでやらせてもらっているので、しっかりと盛り上げたいです」