キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】龍聖のプロフェッショナル論「どこの国で誰が見てもすごいっていう試合をする、それこそが僕の『仕事』」「みんなから『強いね』って言われる本物の選手、実力がちゃんとあるアスリートでありたい」

2026/04/16 17:04
【KNOCK OUT】龍聖のプロフェッショナル論「どこの国で誰が見てもすごいっていう試合をする、それこそが僕の『仕事』」「みんなから『強いね』って言われる本物の選手、実力がちゃんとあるアスリートでありたい」

「美しい戦いを見せる」とする龍聖(C)KNOCK OUT

 2026年4月18日(土)沖縄コンベンションセンター『KNOCK OUT.63 KNOCK OUT SPRING FES IN OKINAWA』(U-NEXT配信)にて、KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級3分3Rで対戦する、龍聖(BRAID/TEAM SUERTE)とアレン・クラーク(ドイツ)のインタビューが主催者を通じて届いた。

 今回はドイツから初来日する相手を迎え撃つ龍聖だが、先日の常葉では小森玲哉から対戦要求も。そんな中、彼はどんな試合を見せようとしているのか?

龍聖「普通の人じゃできないことを見せることが仕事」


──先日、3・22常葉大会では解説で次の展開を次々に言い当てる予言者っぷりがすごかったですね。試合を見ていたらすぐに分かる感じなんですか?

「最近はオープンフィンガーの試合とかもあるので、そうならない時もあるんですけど、でもやってる選手の距離感とかを見てると、大体こうだな、ああだなっていうのは分かりますね。特に最近、それはすごく思います。自分が試合をしててもあんまり分からないので、そこはセコンドって大事だなとすごく思います」

──第三者の視点ということですね。

「例えば味方の選手が、今日倒すんだったらこのパンチだなとか、もらうとしたらこれだなというのは、試合中に見てると分かります。最近はそれをほとんど外すことがないんですよ」

──そうなんですね。

「だから、例えば12月の壱・センチャイジムvs.前田大尊戦だったら、サウスポーと右の喧嘩四つだけど、壱がもらうなら左の攻撃だなと思ったし。バズーカ巧樹がこの前、剣夜とやった試合も、事前の映像では右ストレートだと思ったんですけど、始まってすぐ、『今日もらうなら左だな』と思ったら左をもらったし。あとゲーオガンワーンと軍司(泰斗)君も喧嘩四つだったけど、軍司君のパンチが当たるんだったら絶対左だなと思ったら左フックを効かせて。そういうのが、最近は分かりますね」


──それだけ分かると、役立つところは多そうですね。

「そうですね。チームが勝つ確率を上げることにもつながるし、あと解説の仕事とかにもつながるなと思って。解説とかは好きですし、引退したら解説者をやりたいですね」

──まだ気が早いですけどね(笑)。今回は沖縄大会ですが、2月の記者会見では、沖縄の伝統衣装「琉装」が目を引きましたね。

「周りからは「似合ってるね」とも言われましたけど、笑われもしました(笑)」

──そうですか(笑)。

「大会の告知映像とかでも流れてたのを見て、ちょっと恥ずかしさもありましたけど、まあよかったんじゃないですかね。意外と、他の選手たちがみんな普通すぎて。せっかく、記者会見のためだけに沖縄に行ったので、普通通りにやってもアレだし、面白いことをやりたいなという感じだったんですけど、みんな何もしてなかったから、ちょっと浮いちゃいましたね」

──でもよかったと思いますよ。で、その沖縄大会での相手が、ドイツのアレン・クラーク選手です。印象は?

「直近の試合を含めて何試合か見たんですけど、ひと言で言うとヨーロッパ・スタイルですよね。ボクシング主体で、対角線のコンビネーションが、いかにもヨーロッパだなという感じで。一番の強みは右のパンチじゃないかなと思います」


──これまでヨーロッパの選手というと、メディ・ジライフィぐらいですか。

「そうですね。彼はモロッコ人でしたけど、スペインに住んでて。でも彼はステップを使う感じで、ちょっと違いましたけど」

──では、そこまでガッチリとヨーロッパ・スタイルの選手は初めてですね。警戒するところは?

「右のパンチかなと思っていて。あと身長が僕より大きいですよね。データでは176cmと書いてあるんですけど、会ってみないと実際そういうのは分からないし。あと外国人なので、やってみないと分からない部分はありますよね。骨の硬さとか。まあ、骨はそんなに硬くない気がするんですけど、意外と伸びてくるなとか、そういう『外国人あるある』なところは警戒してますね。外国人との対戦は久しぶりなので。でも経験もあるので、問題ないかなと思ってますけど」

──では、どう勝とうと思っていますか?

「やっぱりKOを見せたいですよね。それはいつでも変わらないんですけど、最近は特に『仕事をしに行く』という感覚でいます」

──「仕事」ですか? 自分の役割を果たすという感じ?

「自分の役割もそうですし、僕は格闘家なので、毎日練習して、試合で戦って勝つこと、お客さんにいいパフォーマンスを見せること、普通の人じゃできないことを見せることが仕事なので。しっかり『仕事』という意識を持って倒したいですね」

──普段と違って沖縄だけに、余計に分かりやすい勝ち方をしたいという意識はありますか?

「いや、特にあんまりそれはないですね。分かりやすい勝ち方というか…僕の試合を見てもらえれば、全てが美しくて分かりやすいと思うので。『分かりやすい勝ち方を』とかは特に思っていなくて、玄人の人が見ても『龍聖うまいな』と思ってもらえると思うし、初心者の人が見ても『すごくキレイだな、カッコいいな』と思ってもらえるような、それが僕のスタイルだと思うので。いつも通りの仕事をして、どこの国で誰が見てもすごいっていう試合をする、それこそが『仕事』という意識ですね、特にこの数戦は」

──その意味では、以前よりも意識が上がってきた?

「もちろん、人間なのでモチベーションとかもあるんですけど、どんな相手に対しても『仕事をする』という意識がだいぶ身についてきたというか。変に守りにも入らないし、変な欲もかかないし」


──なるほど。一時期は、もっと分かりやすい知名度、認知度を欲していた時期もあったように見えました。『誰もが知っているような強い相手ともっと戦いたい』みたいな。そういう時代とは、やっぱりちょっと意識が違ってきてますよね。

「まあ、歳もちょっとずつ大人になってるので、そういうところも間違いなくあるとは思うんですけど。最近特に思うのは、勝敗とかタイトルだけで満足するような選手には絶対になりたくなくて。特に少し前は、魔裟斗さんのような本物の強さが認められていて、なおかついろんな話題も振りまく、みたいな存在になりたいなと思ってたんですよ。今でも根本は変わってないんですけど、さらに本物志向が強くなってきたというか」

──本物志向ですか。

「みんな『世界一強くなりたいです』とか言ったりするけど、そんなものはないと思ってるんですね。階級もそうだし、いろんな団体とかもあったりして、誰が世界一強いかなんて分からないですから。でもやっぱり、みんなから『強いね』って言われる本物の選手、実力がちゃんとあるアスリートでありたい、という気持ちは、最近は特に強いですね。ONEへの出場とかを通じて、自分の価値観とかもすごく変わってきてるので」

──なるほど。一方で先日の常葉大会では、小森玲哉選手からリング上でプロポーズみたいな対戦要求を受けました。改めて、それについては?

「対戦する可能性があるのかなという観点で試合を見たこと自体、この前の試合が初めてだったんですよね。でもあの時に、こうやって攻略しよう、こう闘おうというのは、自分の中でもう見つけました」

──そうですか。問題はない?

「ちょうどさっき、(トレーナーの)ノップさんも『パンチ強いよ』とは言ってました。ノップはいつも、僕に油断をさせないためにそうやって言うんですけど。僕の中では問題ないかなと思います。もしやるなら、よく『寄せ付けない』とか『レベルが違う』とかって言いますけど、本当にそういう仕事を見せたいですよね。本当にレベルが違うと思いますし、やってきた相手とかやってきたこと、今まで作ってきたものとかも天と地の差があるというか。それこそ、これを『仕事』にしてる人、アスリートと、そうじゃない人。彼は別にアスリートではないと思うし、きっと他に仕事をしながらやってると思いますし」

──実際、そうですね。

「べつにそれが悪いというわけじゃなくて、でもアスリートとの差を見せたいし、そういう試合になると思います。陸上選手とかけっことの違いじゃというか。やってることは一緒だけど、その中身は全然違うみたいな、そういう試合になると思います」

──スッキリそこに行くためにも、アレン・クラークもスッキリ倒してと。

「そうですね。倒すのが理想ですけど、本当にみんなが喜んでくれる、驚いてくれるような『仕事』をすることですね」

──では最後に、今回の試合ではどこに注目してほしいですか?

「僕のバランスのよさというか、僕の美しさを楽しんでほしいですね。ムエタイの美しさとはまた違う、『龍聖スタイル』の美しい闘いを期待してほしいです」

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