(C)RIZIN FF/JMOC
3月7日(土)の有明アリーナ大会から開幕するRIZINの2026年シーズン。大会前日のルールミーティングでは、2026年から新しい採点方式「デュアル・マストシステム」が採用されることが、榊原信行CEOおよびJMOC(日本MMA審判機構)から発表された。これにより、PRIDE時代から続いた判定システムの「トータルマスト」は、2025年大晦日大会が最後の運用となった。
この「デュアル・マストシステム」は現在公開されている内容によると、「判定の二刀流」の「ハイブリッド方式」とされている。
「ラウンドマスト」(世界標準の競技性=1Rごとの優劣を明確にし、積極性を引き出す)
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「トータルマスト」(RIZINの完全決着哲学=同点時のみ3D評価でダメージ等の蓄積差を判定)
上記2つのシステムを両立させた「日本発の独自システム」で、試合後会見で榊原CEOは、「『デュアルマストシステム』も、考えに考え抜いてチャレンジをしてみようと。みんなが本当に一本・KOを狙いに行く。ポイントゲームじゃなくて、ユニファイド(ルール)のいいところ(を活かしつつ)1、2ラウンドを取っていても3ラウンド目も流さずに取りに行かなくちゃいけないっていう意識になってもらう」と説明し、詳細は「選手たちともしっかりルールミーティングを重ねて、マスコミの皆さんにもより理解していただけるような資料も作って、啓蒙させていただくし、試行錯誤していきたい」としている。
ファイターにとっては、より分かりやすく、最後までタフな試合運びが求められるジャッジングシステムとなりそうだ。
大晦日試合後会見での榊原CEOとの一問一答から、ルール、ジャッジ、レフェリング等についての部分をあらためて紹介したい。
榊原CEO「(最後まで)流さずに取りに行かなくちゃいけない」
──朝倉未来選手の試合のストップが遅すぎたんじゃないか、という声が結構SNS上とかで多いんですけど、あれに関してはどう思われますか。
「みんな“早い”とか“遅い”とか、ね。結果はそうだと思うんですけど、まずタイトルマッチであるということだから、やっぱり朝倉未来はまだ動いてたし、レフェリーも場所、ポジション変えて未来の表情をしっかり追ってたので。やっぱり本当に思いを持って戦う試合ではあるしね。タイトルマッチっていうのは逆に、やっぱり選手同士の戦いの中で決着がつくといいと思うんで、なるべくTKOっていうことには進みたくないっていうところで。僕は多分、そういう未来の怪我の状況に応じてはストップが遅かった、早かったっていうようなことに声が出るだろうなというふうには思ってました。けど、本当にじゃあ、もっと早く止めて、よくあるのは“まだ俺、やれたのに”っていうこともあると思うんで、難しいところではありますけども。僕がリングサイドで見てる側からでは未来がどういう状況かって見えなかったんでね(※朝倉コーナーも)。ただ表情が見えない中でレフェリーの止めたタイミングは、僕はいいタイミングで止めたなっていうふうに思いましたけどね」
――(大会前日のルールミーティングで)判定がトータルマストから変わるという話がありまして、その変わった点について。あと、堀口恭司選手がUFC復帰戦を戦った際に「UFCだとマットがより滑りにくい」ということを言っていたので、別にRIZINが滑るとかそういうことを言ってるんじゃないと思うんですけども、RIZINにも空手の選手であるとか、キックボクシングの選手だとか、フットワークを使って魅了する選手もいると思いますので、よりさらにグリップが効くような形にすると、さらに選手の魅力が輝くのかなと感じた次第なんですけど、そこら辺についてどう思いますか?
「そうですね。全ての可能性は否定したくないので、僕らは常に進化を続けていきたいし、今が完成形だっていう風で、ここで自分たちのルールにしても、競技的なリングにするのか、ケージにするのかっていう問題も、ファンからは常に『ケージにしろよ』とか言われるんですけど、ケージは『LANDMARK』でやってますから。僕はでもリングで見るMMAっていうものの魅力っていうものを、ケージでは見られない魅力が僕はファンのみんなに届けられるという風に、長年の経験の中で(感じる)。それは『榊原がボケてる』っていう風に言う人がいるかもしれませんけど、そういう人はケージの大会いっぱいあるんだからそっちで見ときゃいいじゃんって。ONEでもUFCでもPFLでもケージでやってるんだからそれを見りゃいいじゃんって。僕はリングっていう舞台でやってるっていうことに、自分たちのアイデンティティとこだわりを持ってやってるんで、それを本当に理解して、そこを楽しんで見てもらえるようになったらいいなって。
でも、これは僕らがだからって言って進化を止めてはいないんで、いろんな可能性は常に検証していきたい。リングマットも滑るんですよ。照明とかでどんどん乾いていくことによって滑りやすくなるところもあるし、本当に素材を変えることによって。広告は全部手書きで書いてるんですね。何かプリントしてるわけではないんですけど、そういうところも技術革新というか、いろいろ日進月歩だと思うんで、今のところに立ち止まらずに全てのレベルアップを目指したいと思います。
この『デュアルマスト』という採点システムは、僕らが本当に付け焼き刃的に考えたのではなくてJMOCと我々の選手に近い柏木(信吾)とか笹原(圭一)とかで考えて。大会終わったごとにですが、今日もすでに現場の中でどういうことがあって、何か気づいたことがあるのかどうかって簡単な会話をしたりとかすり合わせをしてましたけど、常に大会の映像を見てみんな“ここはどうするべきだった”“こうするべきだった”と。『ジャッジも本当に同じ基準でつけていれば、基本3対0ってなるのが普通じゃないの?』って思ったりするんですけど、見る角度によって(変わる)。さっきも言ったように僕の席、今日座った席から朝倉未来の試合は青コーナー側だったんで(フィニッシュになったダメージは)見えないですよね。映像のモニターでチェックするとかっていうのはもちろんあるんですけど、レフェリーはその近くで見る、ジャッジはそれぞれのコーナーで見る。そういうところも含めていろいろ精度を上げていくってことはしたいです。
『デュアルマストシステム』も、考えに考え抜いてですね、チャレンジをしてみようと。みんなが本当に一本・KOを狙いに行く。ポイントゲームじゃなくて、ユニファイド(ルール)のいいところ(と悪いところ)──ラウンド毎に(判定を)取っていくなかで、1、2ラウンドを取っていたら3ラウンド目の戦い方が変わりますよね。2ラウンド取ってるなって思っても、3ラウンド目は流さずに取りに行かなくちゃいけないっていう意識になってもらうこととか。これがしっくりいくのかどうかも検証しながらですけど、でもかなり考えて新しい新システムを2026年3月(の開幕戦)から導入して、選手たちともしっかりルールミーティングを重ねて、マスコミの皆さんにもより理解していただけるような資料も作って、啓蒙させていただくし、試行錯誤していきたいと、そういう風に思っています」
JMOC「本日(※30日)行われた #RIZIN ルールMTGにて、榊原信行CEOとJMOC福田正人より、PRIDE時代から続く判定システム「トータルマスト」は明日が最後と発表されました。10周年を機に、日本発でよりフェアなルールを目指す第一歩として、皆様のお力を借りながら、次の10年へ向けた新たな進化へ慎んで挑戦いたします」
本日行われた #RIZIN ルールMTGにて、榊原信行CEOとJMOC福田正人より、PRIDE時代から続く判定システム「トータルマスト」は明日が最後と発表されました。10周年を機に、日本発でよりフェアなルールを目指す第一歩として、皆様のお力を借りながら、次の10年へ向けた新たな進化へ慎んで挑戦いたします。 pic.twitter.com/fzmkvKdVHr
— JMOC | 日本MMA審判機構 (@mmaofficials_jp) December 30, 2025
笹原「UFCとの違いを作ろうという意識ではなく、もっと公平で公正で、よりMMAの本質に則った判定方法を作り出したいということです。いずれアスレティックコミッションもこの判定方法を採用し、世界のMMAはこの判定方法になると思います(予言)」
「UFC(アスレチックコミッション)が、MMAでラウンドマストを採用したのは、単に当時その方法しか無かったからです(ボクシングの判定方法をそのまま流用したに過ぎません)」
「パンチのみの有効打を判定するために生まれた10点法が、キック、肘、テイクダウン、パウンド、寝技と複雑な攻防を採点する採点方法として果たして的確なのか、ということですね」
パンチのみの有効打を判定するために生まれた10点法が、キック、肘、テイクダウン、パウンド、寝技と複雑な攻防を採点する採点方法として果たして的確なのか、ということですね。 https://t.co/4nGKASgczt
— 笹原圭一 (@sasaharakeiichi) December 30, 2025
柏木「日本発の合理的なジャッジングシステムに移行するためのフェーズワン。来年からジャッジシステムが変わります。一晩中語りたいですね」
日本発の合理的なジャッジングシステムに移行するためのフェーズワン。
— shingo kashiwagi (@MmaShingo) December 30, 2025
来年からジャッジシステムが変わります。
一晩中語りたいですね。 https://t.co/Sp8qidmmpV







