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【RIZIN】神龍誠「格闘家としての拳の重みの違いを見せる」×ヒロヤ「運命を変えるべき。死闘になる」。榊原CEO「ATTにいいところの選手、みんな取られてる」

2025/12/05 10:12
 2025年12月4日(木)、大晦日『Yogibo presents RIZIN師走の超強者祭り』(さいたまスーパーアリーナ)に関する情報番組『緊急特番! アベマでRIZIN大晦日 追加カード大発表SP』が生配信され、フライ級GPで元谷友貴に敗れた神龍誠とヒロヤの2人が再起戦で対戦するなど、4カードが発表された。 ▼RIZINフライ級(57.0kg)5分3R神龍 誠(American Top Team)20勝5敗1分1NCヒロヤ(Japan Top Team)10勝14敗1分  神龍は、25年7月のフライGP1回戦で山本アーセンに1R ギロチンチョークで一本勝ちも、9月の準決勝で元谷友貴に判定負けでGP敗退。その後、米国ATTに出稽古し、「練習でパントージャとスパーリングして一本を極められてめっちゃ強いと思った。世界トップと肌を触れて追いつきたいなと思ったし、本当に技術練習がすごくて毎回知らない技を教えてもらい、“俺、まだ伸びしろあるな、ここにいたら強くなれるな”」と思い、ATT所属になることを決断した。年末に日本に帰国し、その進化を見せるか。  ヒロヤは、25年5月の男祭りでMMAデビュー戦の篠塚辰樹に1R TKO勝ち。ビリー・ビゲロウコーチのもとでの米国修行を経て、7月のフライ級GPに参戦も、初戦で元谷友貴に完封負けでGP敗退した。再起戦となる今回、ともに元谷に敗れた者ながら、王座挑戦も経験するなど自身より先を行く神龍を相手に金星を挙げ、群雄割拠のフライ級トップ戦線に名乗りを挙げられるか。  番組には、ヒロヤが生出演。榊原CEOから当初、ヒロヤには別の対戦相手が提示されていたことが明かされた。 「神龍からはずっと『大晦日、準備してますので』とあって、カード発表した時も、Xとかで『俺にオファーが来てない』みたいな感じで書いていた。  実はヒロヤとは『この選手でどう?』っていう別の第一候補がいた。でも『それじゃなかったら相当ハードな相手になるけど……神龍はどう?』と、この2択をヒロヤに聞いた。そうしたら『神龍選手で行かせてください』」と、ヒロヤが格上の大物との対戦を選択したのだという。  その気持ちを問われたヒロヤは、「前回、元谷選手に負けて、本当に久々フルマークの判定負けして、自分の課題となるところも知れたっていうのもありますし、そこで5カ月経ってずっと自分と向き合ってきて、やっぱ大晦日自分は10周年っていうRIZINの本当に節目となる大会に出場させていただけるのも本当にありがたいことですし、やはりその10年にふさわしい相手──この階級でGPの決勝はありますが、その他でやっぱり一番強い選手が神龍選手だったんで、社長の口から神龍選手の名前がでてきた時に“ここは大晦日らしく神龍選手と戦って自分が勝つ”っていう、この運命に変えるべきなんじゃないかなって思って挑戦させてもらいます」と決意を語った。  対する神龍はビデオメッセージで登場。 「アメリカントップチーム(ATT)所属になりました神龍誠です。RIZIN10周年、最後の締め括りの大舞台に呼んでもらって本当に嬉しく思いま。今回の試合がATT所属一発目ということで、僕自身すごい気合が入ってます。試合当日は楽しみにしてください。対戦相手のヒロヤ選手なんですけど、お互いにアメリカ修行帰りということで、試合当日は最高に盛り上げましょう。ヒロヤ選手の格闘技に人生を捧げる姿は本当にリスペクトします。でも、僕も格闘技にかける思いは絶対に負けません。小学生の頃からずっと格闘技やってきて、高校も行かずにずっと格闘技だけやってきました。積み上げてきたものの差が、当日出ると思います。格闘家としての拳の重みの違いを見せて、しっかり勝つので応援よろしくお願いします」と、ATT移籍1発目の気合を語った。  その言葉を受けて、ヒロヤは「本当、神龍選手、対戦受けていただいてありがとうございます。自分も本当に神龍選手となら噛み合う試合になると思ってますし、大晦日らしく死闘になると思ってます。すべてをかけるので、お互いに怪我なく盛り上げましょう。お願いします」と答えた。  解説の大沢ケンジは「お互い止まらない、似たタイプ。打撃でもグラウンドでもずっと動き回ると思うんですけど、神龍選手が最近フィニッシュ力が上がってきてると思うので、そこら辺の組み技の強さを、ヒロヤ選手はどう見ていますか?」と問われると、「本当に組みもできて、やっぱりレスリング力が高い選手だなと思っているので、技術云々って言うよりは、やっぱり本当にトータルで戦わないと──MMA、やっぱアメリカに行って自分が学んだものありますし、それを今、神龍選手が学んでいる途中だと思うので、やっぱりそこで戦う時なのかなって思ってます。もう組み単体、レスリング単体、打撃単体っていうよりは、本当に“MMA”で戦わないと勝てない選手だなって思ってます」と、MMA力で勝負するとした。  GP決勝に進出し、扇久保博正との対戦が決定している元谷友貴とは、神龍もヒロヤも対戦し、敗れている。  ヒロヤは、「自分が初戦で元谷選手に負けてしまって正直、“俺、初戦敗退か”っていう現実を受け入れざるを得なかったんですけど、やっぱり2回戦で(元谷が)神龍選手を下して決勝に上がって、本当にまあ自分としてもあの時は落ちる気持ちの方がありましたけど、(元谷は)やっぱり強かったんだなっていう風に、その結果としても改めて感じることができて。それを含めて自分に少し自信がついたところもありますし、やはりこの元谷選手に負けた者同士で勝ちに行くっていう試合、ここで勝って元谷選手にリベンジしたいなと思っています」と、神龍に勝つことで元谷戦のリベンジにつなげたいとした。  最後に、電話口で神龍vs.ヒロヤの予想を聞かれた朝倉未来から「神龍有利じゃない?」と、自身の不利を伝えられたヒロヤは、「その言葉がいつも僕の刺激になるので。ありがとうございます」と言うと、朝倉から「とりあえず勝ちに行こうぜ、2人で」と、JTTメンバーとして、ともに大晦日に勝利をあげようとエールを送られた。 [nextpage] ATT「所属」になるということ。日米の環境・技術差は広がっている  一方の神龍は、この日のカード発表前に、米国ATTに「所属」することをSNSで発表。 「練習で(UFC王者の)パントージャ選手とスパーリングして一本を極められてめっちゃ強いと思った。世界トップと肌を触れて追いつきたいなと思ったし、本当に技術練習がすごくて毎回知らない技を教えてもらい、“俺、まだ伸びしろあるな、ここにいたら強くなれるな”」と思い、ATT所属になることを決断したことを明かしていた。  さらに「グラップリングだけやったジョズエ・フォルミーガはグラップリングがバカ強い。軽くスパー見てたら、パントージャも一本取られてた。各部門で飛び抜けてる人が結構いて、グラップリングはフォルミーガ選手がヤバかったなっていう印象」と、元修斗南米大陸フライ級王者のグラップリング技術にも舌を巻いている。  また、「一階級上のダゲスタン系の選手ともやったり」するが、「もうサイズ差が違いすぎてボコボコにされる。日本のフェザー級ぐらいサイズは大きい」といい、「女子もバンタム級の選手がフルで来ると、本当に僕も7、8割出さないとちょっとやり合えないです。半分ぐらいで行ったら多分やられますね。それぐらい強くて、レベル高けえなと思いました。柔術の女子世界チャンピオンにもフロントチョークを極められたし、一つひとつの精度が高いし、コーチみんなそれぞれ“答えを持ってる”感じはしています」と、練習とはいえギロチンを極められないことに定評がある神龍からタップを奪う女子選手の存在、さらにコーチ陣が選手からの問いに明確な答えがあるとした。  また、会見後の投稿でも、「技術練習で本当に毎日新しい技を知るんですよね。必ず技術練習をやってからスパーリングやるみたいな日が多いんですけど、そこで本当に新しい、“ここでこうすればよかったんだ”みたいな。前回の試合で疑問だったところも埋まったりとか。そういう意味では“知る”だけで全然違う。プラス、本当に世界一のパントージャともグラップリングスパーとかやらせてもらったり、本当にそういう経験値も積めてるんで、自分がいきなり強くなったかどうかっていうのはまだ分からないけど、その経験は積めてます」と「所属」となったことで、より深い部分でMMAに取り組んでいるとした。 「元々プライドがすごく高くて(ATTに)行かなかったんですけど、やっぱここ最近本当に僕がこの負けてる4敗は本当にトップの壁なんですよ。ここで負けて周りの人も悲しませるし、やっぱり自分にも絶望したし、このままじゃダメだなって。そこそこトップではやれるかもしれないけど、今この壁を超えたいし、そういう時に何かを変えるってなったら、元々声かけてもらった堀口(恭司)さんの言葉が散らついてきて……ずっと“来たくない。やり返したい”って思ってたけど、もうここで“今自分を変えるしかないのかな”と思って、“行かないとダメだな”と思って決めました。一番いいのは、日本だと“キックのジムに今日は行く、ボクシングのジムに今日は行く”と移動しなくちゃいけない。それが一つのジムでできるから、その時間の短縮は本当にいいなと思います」と、ATTでの利点を語る神龍だが、難点もあるという。 「まだ友達はできないですよね。言葉が本当に難しくて、挨拶は頑張ってするんですけど“ヘイ・ブラザー”とか言われるからグータッチはするんですけど、それで終わるというか……“挨拶友達”はできたかもしれない。言葉の壁もあるし、まあ、孤独。今回、堀口さんも日本帰っちゃってるんで今、本当に結構一人というか、日本人は僕が──クレベルさんはいるんですけど、まだほぼ一人でやっていってるんで、そういう意味では気持ちは強くなるのかなっていう気はします」と、ATTに入って、心身ともにタフになっていると語る。  そしてヒロヤ戦の決定。榊原CEOが明かした通り、ぎりぎりまで神龍の試合は決まっていなかったという。 「本当に(大晦日)決まってなかったし、“あ、もう今年はないのかな”と思って僕も“まあ、仕方ないかこういう日もあるか”みたいな。でも大きい大会は連続でずっと出てたんで(改修前)最後のさいたまスーパーアリーナスタジアムバージョン、行きたかったなあ、と思ってたら急に『本当に試合あるかも』って言われて『誰でもやります』って言って、最初外国人選手なのかなと、そういう話だったんですけど、ビザ間に合わないってなって。ヒロヤ選手って言われて、『全然誰でもやるんでぜひ』っていう話で決まりました。ヒロヤ選手を舐めてるわけじゃないけど、戦績とかで考えたら普通は組まれない。そういう意味では大晦日らしいなとは思いました。でもヒロヤ選手も今本当に強くなってると思うし、元谷さんとの試合を見てもやり合えてたんで、本当にもうそこは舐めずに、しっかり自分より強いと思って追い込んでやろうかなって思ってます」 「必ず強くなって世界一になる」という神龍。これで現在、ATTには堀口恭司、中村倫也、元谷友貴、牛久絢太郎、金太郎、野村駿太らに加え、神龍誠が「所属選手」として加わった。  榊原CEOは、「ダン・ランバートがATTのオーナーなんですけど、ダンからなんか協賛金もらわないと(笑)。結局、所属するってどういう意味かっていうと、ファイトマネーの一部がジムに入る。『ATT所属』として戦うために練習環境は揃える、でもファイトマネーのパーセンテージ──それぞれ選手によってあると思うんで、あまり僕は具体的な数字は言わないけど、ちゃんとファイトマネーの一部がATTに入る、ってことは、ファイトマネーを払っている僕からすると『じゃあ、ダン、ちょっと(キャッシュバックを)』と(笑)。いいところの選手、みんな取られてるじゃん」と苦笑しながら、日本格闘技界の空洞化も危惧している。神龍誠や野村駿太らトップファイターが、数日の練習で「所属」を決める、MMAの市場として圧倒的な規模を誇る米国と日本の環境差・技術差をどう考えるか。  最後にヒロヤは「2年ぶりの大晦日で、やっぱり死闘になると思ってるんで、その中でも自分の人生が変わるような日になると思うんで大晦日、皆さんPPVでも会場でも、貴重な日ですが、皆さん応援よろしくお願いします」と意気込みを語った。  大晦日、米国帰りの神龍誠とヒロヤのどちらが先に反撃の狼煙を上げるか。
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