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レポート

【KROSS×OVER】渋谷カズキが初回TKOでフライ級王座防衛。ハルク大城が鬼神光司にスプリット判定勝ち防衛。マックス・ザ・ボディが悲願の戴冠! 高木健太が悪夢の足骨折から復活TKO勝ち。Level-G 内田タケルが塚田市太郎に72秒ダース極める。キックで熊谷麻理奈、白雪ゆきが競り勝つ

2025/11/29 17:11
 2025年11月16日(日)東京・GENスポーツパレスにて『KROSS×OVER CAGE.7』が開催された。同大会ではキックルールとムエタイ、グラップリングのLevel-Gルールの試合が行われ、MMAでは3大タイトルマッチが組まれた。  なお、KROSS×OVERでは年内にあと2大会が予定されており、12月7日に新宿FACEで行われる『KROSS×OVER.33』では鈴木力也と夏目竜雅のタイトルマッチ、そして12月14日にGENスポーツパレスで行われる『KROSS×OVER.34』では吉宗と森本一陽のタイトルマッチが決定している。また、12月14日のプロ興行前には同会場にてアマチュア大会が開催され、KICK、MMA、Level-Gルールで出場者を募集中だ。 渋谷カズキがTDからパス、マウント・パウンドで完勝 ▼第10試合 MMA PARTトリプルメインイベント FINAL KROSS×OVER PRO-MMA フライ級(-56.7kg)タイトルマッチ 5分3R〇渋谷カズキ(FIGHTER'S FLOW・高本道場)王者[1R 3分27秒 TKO] ※パウンド×野沢零羽(ONE ROUND)挑戦者※渋谷がMMAフライ級王座防衛  2025年6月15日に行われた『KROSS×OVER-CAGE.6』で武田ヒロキを相手にタイトル戦に臨み、ヒールフックで勝利し、悲願のフライ王者となった渋谷カズキが早くも防衛戦に出場。野沢零羽は7月13日『KROSS×OVER.31』にて植木新に下からの腕十字で勝利し、渋谷戦に名乗りをあげた。  SNS上でも舌戦が繰り広げられ因縁のある両者が拳を交える。渋谷が初代フライ級王者としての強さを見せつけるのか。初期からMMA部門を支えてきた野沢が新王者となるのか。両者の想いが高まるKROSS×OVER MMAフライ級タイトルマッチ。  1R、速攻でダブルレッグを仕掛ける渋谷に対し、引き込む野沢はギロチンからスイープ狙いもトップの渋谷。ハーフガードの野沢は二重がらみ。左手で右腕をオーバーフックも、渋谷は空いている左手でパウンド。  渋谷は落ち着いてヒジ、パウンドを落としながら徐々にプレッシャーをかけ、右で脇差しパス。マウントを奪うとパウンド連打。  それを嫌って背中を向けた野沢だが、渋谷はバックマウントから野沢の身体を伸ばして左右のパウンド。動けなくなった野沢を見てレフェリーが試合を止めた。  圧倒的な実力を見せつけ、初防衛に成功した渋谷の長期政権となるか。今後もKROSS×OVER MMAフライ級と王者渋谷カズキの動向に注目だ。  試合後、マイクを持った渋谷は「高本道場/FIGHTER'S FLOW所属の渋谷カズキです。今日もたくさんのお客様の前で最高のパフォーマンスを披露することができて、とても嬉しく思っております。この試合ができたのも、挑戦者の野沢選手がいたからと思っておりますので野沢選手にも感謝しております。ただちょっと、一つだけ思っていたことといいますか。まあ、ちょっとね、さすがに。いろんなプロの選手いると思うんですけど、タイトルマッチであのあおり方はどうなのかなって。個人的にはすごく思っておりましたので、ケージの中でこうやって実力で見せつけることができて、とても嬉しく思っているとともに、野沢選手には改心していただければなと思います。はい、すみません、もう以上です。来年、このベルトの価値を高めるためにもっとすごいことをしていこうと思っておりますので、渋谷カズキの応援、どうぞよろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ハルク大城が粘る鬼神光司と熱闘防衛「プロが少ないなか、ジムの会員さんとの練習のおかげ」 ▼第9試合 MMA PARTトリプルメインイベント2nd KROSS×OVER PRO-MMA バンタム級(-61.2kg)タイトルマッチ 5分3R〇ハルク大城(ボスジム)王者[判定2-1] ※30-27, 29-28, 28-29×鬼神光司(CAVE)挑戦者※ハルクがMMAバンタム級王座防衛  ハルク大城は、9月28日の『KROSS×OVER.32』でキックボクシングルールにて防衛戦を終えたばかりだが、続けてMMA防衛戦を行う。鬼神光司はKROSS×OVER参戦から引き分け挟む3連勝を重ね、今回挑戦者として挑む。  ハルク大城がキック部門と同じく防衛を果たすのか、それとも鬼神がハルクの牙城を崩すか。打撃のハルクか、テイクダウンの鬼神か。注目のKROSS×OVER MMAバンタム級タイトルマッチ。  1R、リング中央を取るハルクはじりじりと打撃で攻める。鬼神はパンチを散らしてから得意のケージレスリングに持ち込みたいか。オーソから右を突くハルクに、鬼神は先に右から組んで放し際に左右を突く。ハルクは右カーフ。詰めて組む鬼神を突き放す。  サウスポー構えになるハルクに右インローを当てる鬼神は右ストレートも、ハルクはショートで左右をまとめて、離れた鬼神に左ジャブ、右カーフをヒットさせる。鬼神も飛び込んでの右をダブル。ハルクはブロッキングで凌ぐと、圧力をかけ直して左ジャブを巧みにヒット。  右の入りをストレート、アッパーと打ち分けて飛び込む鬼神にハルクは右にサークリングしてさばく。左ジャブを刺すハルクに、鬼神のパンチは左右外からのフック系で、ハルクはガード。ボクシングの攻防が続くもディフェンスが巧みな両者は決定打を許さない。  ハルクの右カーフキックを掴みながらニータップで右を当てる鬼神。さらに左右連打でケージに押し込むと組み際の細かい左右。ハルクも首相撲ヒザで応戦。ジャブ&ローで鬼神を削っていく。  2R、互いに右ロー、ワンツースリーで飛び込む鬼神。バックステップでさばくハルクに鬼神は胴タックルからケージに押し込む。鬼神は右で脇を差し肩パンチの得意パターンで攻めるがハルクは引き剥がすことに成功。右カーフを当てたハルクは鬼神の右に、右クロスを狙い、圧力を強めると、鬼神が下がったところにダブルレッグテイクダウン。  ケージ背に座る鬼神の右手首を掴み、鬼神の右足を自身の左ヒザ上に乗せてマットから離させて、横に寝かせる。再びケージを背に座るところまで戻す鬼神だが、ハルクは同じ手順で再び鬼神を横に寝かせるが、鬼神も左小手に巻いてケージ背に立ち上がり。押し込むハルクもブレーク。  右オーバーハンドを振ってダブルレッグは鬼神。互いに右で差して押し込むのは鬼神だが四つから右に崩したのはハルク。戻り際にがぶりも鬼神が頭抜き立ってハルクが押し込みゴング。ハルクのコントロールが上回ったか。  3R、先に右を振る鬼神。ハルクは右クロス。右から飛び上がるように左フックに繋げて、回るハルクを詰める鬼神が右を差してケージに押し込むとシングルレッグに移行。差し上げるハルクに右小外で崩しを狙う鬼神に、またもハルクは右で差した腕で鬼神を掴んで下に下げ、オーバーフックした左手で脇を押してハンドルのように回して鬼神を投げ!  すぐに立つ鬼神を右で差してケージに押し込むハルク。ブレーク。すぐに詰めた鬼神がダブルレッグテイクダウン。すぐに立つハルクは体を入れ替えがぶる。首抜く鬼神が押し込みダブルレッグも両足を広げて切るハルク。右で差してなおも押し込む鬼神はシングルレッグに移行し、引き出してテイクダウン。尻まで着くハルクは、ここもすぐに立ち上がり、体を入れ替えてダブルからシングルレッグでバック狙いも後ろには回させない鬼神。  体を入れ替えシングルレッグの鬼神だが、ケージ背に差し上げたハルクが残り10秒の拍子木に体を入れ替えがぶりヒザを突き、頭を抜いた鬼神と左右を打ち合うもゴング。鬼神はマットで大の字に。  判定は1者が29-28で鬼神も、残りは29-28でハルク、30-27ハルクで、ハルクが熱戦をスプリット判定で制した。MMAのベルトを防衛したハルクは「今日はちょっと勝ちに徹してしまったんですけど、来年は自分キックと総合のベルトを持ってるんで、このKROSS OVERを盛り上げるためにも、本当にもっとお客さんが喜んでもらえる試合するんで、来年もKROSS OVERよろしくお願いします。いつも指導してくれている先生たちと、あと会員さんですね。自分一人と女子選手一人しかプロはいないんですが、本当に会員さんがめちゃくちゃ強くて、自分より年上の会員さんでもめちゃくちゃ強い人たちに練習手伝ってもらってるんで、その会員さんたちをもうちょっと喜ばせる試合をするんで、またよろしくお願いします。ありがとうございます」と語った。 [nextpage] マックス・ザ・ボディ、悲願の戴冠「すべてをかけた」 ▼第8試合 MMA PARTトリプルメインイベント1st KROSS×OVER PRO-MMA ウェルター級(-77.1kg) 初代王者決定戦5分3R×グレイヴディガー(米国/Ground Shield Jiu-Jitsu and MMA)[※2R 1分19秒 TKO] ※パウンド〇マックス・ザ・ボディ(カメルーン/BRAVE)※マックス・ザ・ボディがMMAウェルター級初代王者に  KROSS×OVERウェルター級で活躍し続けてきたグレイヴディガーが紆余曲折を経て念願のタイトル戦へ。相手はフィジカルモンスターのマックス・ザ・ボディ。  マックスは修斗タイトルマッチ経験者であり、9月28に行われたROAD FCで勝利し勢いに乗っているタイミングで王座戦が決定した。  その名の通り筋骨隆々なマックス・ザ・ボディの猛攻を凌ぎ、グレイヴディガーが涙の王座戴冠なるか、マックスにとっても王座獲得は悲願。判定決着なしのド迫力のウェルター級タイトルマッチだ。  1R、ともにオーソドックス。先に中央を取るマックスが左ジャブ。グレイヴディガーも左ローを返す。続くローに左右で詰めるマックスはケージに詰めてクリンチボクシング。被弾したグレイヴディガーは左小手で凌ぐ。  右で差して押し込むマックスにケージ背にグレイヴディガーは払い腰テイクダウン! すぐに立ち上がるマックスの首を抱えるグレイヴディガーはヒザ突くも今度はマックスが右差しでテイクダウン。ハーフから中腰でパウンド。下から足にからむグレイヴディガーにマックスはいったん離れる。  左ローのグレイヴディガーにマックスはジャブからワンツー。グレイヴディガーの左ミドルにマックスは左ジャブを突く。グレイヴディガーの左ハイをかわすマックスは続く右ハイを下から勝ちあげるように肩口でキャッチしてテイクダウン! 上から足を蹴る。ブレークでスタンド再開。  オーソから左ハイを打つグレイヴディガー。ガードするマックスは右オーバーハンド。かわすグレイヴディガーは右スーパーマンパンチ。避けるマックスは右オーバーハンドをヒットも顔を傾けて逃すグレイヴディガー。マックスは右から左フックを当てて詰めに。右で差すと、左小手のグレイヴディガーはまたしても払い腰でテイクダウン。ここも脇は差せず。すぐにマックスは立ち上がり。がぶるグレイヴディガーはマックスが伸ばす手をスプロール。  ヒザを立てて立ち上がったマックスにヒザ蹴りも、体を入れ替えたマックスが左フックをヒット。ケージ背に左の前蹴りで距離を取ろうとするグレイヴディガーにマックスは左アッパーから右スピニングエルボー。それをキャッチしたグレイヴディガーがバッククリンチから後方に反り投げテイクダウン。鉄槌にマックスは足を戻してガードを取ってゴング。  2R、互いに左の蹴りから。前に出るマックスは、グレイヴディガーの左の蹴りに右ボディストレート。じりじりと詰めるマックスは、グレイヴディガーがケージに詰まったところで右オーバーハンド! さらに左フック! 巨体が揺れるグレイヴディガーにさらにマックスの右フックがかすめる。  いったん間合いを外したマックスに左インローのグレイヴディガー。マックスは左ハイを蹴り上げ、すぐに右ストレート! 崩れるグレイヴディガーに左フック、パウンドを連打するとレフェリーが間に入った。  マックス・ザ・ボディがKROSS×OVER MMAウェルター級初代王者に。ベルトを巻いたマックスは宮田和幸代表と熱いハグ。  マックスは「最高です。BRAVE、強い? BRAVE、強い! ありがとうございました。カメルーンからやってきて、2016年に宮田センセイと出会ってからずっとこの仕事を続けてきて、私たちは一生懸命取り組んできました。  私が落ちたときにも関係なく、毎日必死に頑張り続けて、先月、彼は私に『またタイトルを懸けて戦おう』と言いました。今回が3度目のタイトル戦であり、もしここで負ければ、もうチャンスはありません。だから全てを懸けなければならなかったです。これまでの努力は全て先生のおかげです。皆さん、ありがとう。パーティーの時間です。家族とクリスマスを楽しんで、来年戻ってきます。みんなありがとう」と感謝の言葉を述べた。  試合後にはKROSS×OVER KICKヘビー級現王者のグンター・カルンダ(コンゴ)もケージ上に上がりマックスの戴冠を祝福。 「マックスおめでとう。みんな君のことを本当に愛しているよ。グレイヴディガーはタフなファイターだ。だから彼を倒すのは簡単じゃない。君に感謝しているし、僕たちは毎日、毎晩この団体のために祈り、この組織の探求に感謝すべきだね」と語った。 [nextpage] レトリバーのヒール外した神谷がパウンドTKO勝ち ▼第7試合 KROSS×OVER PRO-MMA フェザー級(-65.8kg)5分2R〇神谷龍ニ(フリー)[1R 3分05秒 TKO] ※パウンド×レトリバー和茂(リバーサルジム久喜WINGS)  1R、開始から引き込み、得意のサドルロックから速攻でヒールフックの形をつくったレトリバーは神谷の脚を内ヒールで絞り続ける。  深く組めた様子であったが3分近く耐えきったのは神谷。脚を外すことに成功しトップキープした神谷は逆襲のパウンド連打、これにレトリバーは防戦一方となりレフェリーが間に入った。 [nextpage] 高木健太が悪夢の脛腓骨骨折から2年半ぶり再起のTKO勝ち ▼第3試合 KROSS×OVER PRO-MMA -80kg FIGHT 5分2R〇高木健太(KICK THE BEAT国立)[1R 1分07秒 TKO] ※パウンド×加藤正憲(C.K STYLES MMA)  HEATウェルター級王者の高木健太が2年半ぶりの復帰戦。PANCRASEの試合で負った脛骨顆部骨折から長いリハビリ期間を経て、今回KROSS×OVER MMAにて電撃復帰が決定した。  加藤は宮崎出身で修斗を拠点とするファイターであり、組み技を得意とし幾多の強豪と渡り合って来た。高木が復帰戦を飾るのか、加藤が阻止し、ねじ伏せるか。  1R、サウスポーの高木は先に左インローをヒット。さらにもう2発。左ストレートもヒット。さらに骨折した右足でミドルも。加藤のダブルレッグを跳ねのける。加藤は大きな右フックを振り、高木の懐に入ろうとしたところに高木の打ち下しの左ストレートをヒット!   それでも組み付こうとする加藤に右ヒジを合わせ、潰れるように亀になった加藤にサイドバックから追い打ちのパウンド連打。動きが止まった加藤を見てレフェリーが間に入った。  試合後、マイクを渡された高木は、「2年前にすごい大きな怪我を乗り越えて、もうなんか久しぶりに試合になったんですけど、“負けたら辞めよう”とかマイナス思考もあったんですけど、まだまだできそうなんで、もうちょい頑張るんで、皆さん応援よろしくお願いします。今日はありがとうございました」と復活を語った。 [nextpage] 浜名海歩が大脇征吾をパスして判定勝ち、12月ADCC予選も ▼第2試合 Level-G サブミッションオンリーグラップリング -65.7kg契約 7分1R〇浜名海歩(X-TREME EBINA)[判定3-0]×大脇征吾(リバーサルジム横浜グランドスラム/東京柔術)  注目の「日本グラップリング界のニューカマー対決」。Level-Gの高橋“SUBMISSION”雄己プロデューサーは、ともに柔道ベースも異なる持ち味を持つ両者の対戦の見どころを下記のように語る。 「浜名さんはLevel-G王者・須藤拓真選手直々の推薦で前回のLevel-Gに参戦して下さいました。前戦では、JBJJF茶帯全日本王者の萩原大揮選手を秒殺一本勝ちに下しています。自分も一緒に練習させてもらう事も多いのですが、持ち味の長いリーチを生かしたパスとチョーク、東海大学柔道部出身というバックボーンで培ったフィジカルとスクランブル力で、須藤さんからタップを取る場面を見られるほどの実力者です!  対する大脇選手は、Breakthrough CombatにてPANCRASE王者の中島太一選手をチョイバーで極めて大きな注目を集めた選手です。大脇選手ともよく一緒に練習させてもらうのですが、大脇選手の持ち味はなんと言っても圧倒的な極め力です。極め力のみならず、グリップやフレームの強さも“異常”と言っていいレベルで、自分が今まで触った60kg代の選手の中でもズバ抜けてます。他にグリップ力がめちゃくちゃに強い選手というと今成正和先生を思い浮かべるのですが、握る力も引く力もそれ以上で……(笑)。既に強いですが、今後を考えると更に恐ろしい可能性を秘めた選手だと思っています。大脇選手も浜名選手同様に柔道出身なのですが、両者持ち味が全く違っていて、高いポテンシャルを秘めた新鋭同士の対決が楽しみでなりません!」(高橋)  1R、組み手争いから詰めた浜名。ケージ背にした大脇にいったん浜名は離れる。再び押し込み左手を掴んで引き込み。立ったままの大脇にフックガードから草刈で前方に回した浜名。大脇が頭と右足を掴むと浜名は先に立ち上がり。シッティングの大脇に浜名は上から。  大脇はハーフから半身でヒザを入れてガード。しかし頭をアゴ下につけて腰をボディロックした浜名は得意のパス狙い。左腕でフレームを作り、右手で左肩を押忍大脇は、自身の左足首を右手でつかんでラバーガード。持ち上げて抜いた浜名に、大貫は下からハーフで作る。  中腰の浜名のアタックに、大脇は右足を内側から浜名の右足にからめて左手で自身の右足首を掴んでロック。その足首を外した瞬間に左足で大脇をまたいでバック狙いも前に落とす浜名。  再びZガードの大脇。上から右手で腰を抱きに行く浜名。からんでいる大脇の足を右ヒザをマットに着けて落とすと、一気に右足を抜いて左にパス!  うつぶせになって立とうとする大脇をがぶりから仰向けに寝かせて上四方へ! しかし大脇は下から腰を両手で持ち上げて浜名を横に投げるとインバーテッドから正対してガードに戻す。  そのまま下から作る大脇に、浜名は座らず中腰で左へのパス狙い。足を回す大脇はZガードに入れると、浜名はなおも左に飛んでパス狙い。  足を戻す大脇は浜名の右足首を掴んで横回転からベリンボロ、足関節狙いもヒザ裏は合わせない浜名も返らず。残り1分で連続パスアタックの浜名。その都度、足を入れて防ぐ大脇。  右足首を掴むが、浜名はインバーテッドの大脇の両足首を掴んで身体を折り曲げて押し込んだままゴング。  判定3-0で浜名が大脇に勝利。浜名は12月のADCC予選に出場するという。 [nextpage] 内田タケルが塚田市太郎を72秒、ダースで極める ▼第1試合 Level-G サブミッションオンリーグラップリング 前日-70.0kg契約7分1R×塚田市太郎(SPANDAU)[1R 1分12秒 ダースチョーク]〇内田タケル(THE BLACK BELT JAPAN )  柔術界の“鉄人”塚田と、MMAも戦う内田の試合の見どころについて、高橋“SUBMISSION”雄己プロデューサーは「ベテランvs.新鋭」という見方をしていないという。「ブラジリアン柔術の強豪・塚田選手に対して、ROAD TO UFCにも出場したMMAグラップラーの内田選手という、異種格闘技戦的な毛色の強いトップ選手対決を組ませて頂きました。  塚田市太郎選手は、言わずと知れた日本ブラジリアン柔術界の強豪選手です。今まで衣(ギ)を主戦場にしてきたイメージが強い塚田選手ですが、9月28日のJBJJF全日本ノーギではIBJJFノーギワールド王者の澤田伸大、今治暁人選手らを押し退けて優勝を果たされています。  対する内田選手は、MMAの時から組みの強さはファンの皆様はご存知かと思うのですが、グラップリング自体が異常に強いと界隈からの評価も高くLevel-Gにお声がけさせて頂きました。前戦では世界レベルのレスリング実績を持つ安楽龍馬選手と対戦したのですが、今回の塚田選手はより一層、内田選手の持ち味が出る相手かと思うので大変楽しみです。  40代の塚田選手に対して20代の内田選手と、年齢のコントラストもあるマッチメイクですが、『若い勢いか? 老獪さか?』みたいな見方でなく、塚田選手は内田選手に対して真っ向勝負出来る、あるいは凌駕するスタミナ・フィジカルを有しているので、バチバチの熱戦を期待しています!」と、期待を寄せている。  1R、先にシッティングの塚田。トップの内田は左で脇差し、左足を抱えて右ヒザを前に。塚田は半身でヒザを入れて足を戻す。塚田は内田の頭と左手を押さえて前に崩すも正面に戻る内田。  両ヒザを持って右に回して左にパスする内田はすぐに上四方へ。抑え込まれずに亀から足を手繰りに行く塚田にがぶりの内田。  右脇から左腕を差し込み、右手とクラッチしてダースチョーク! 左足を上からかけると仰向けになって逃れようとする塚田にマウントから絞って早い作りでタップを奪った。 [nextpage] ▼第6試合 KROSS×OVER PRO-MMA フライ級(-56.7kg) FIGHT 5分2R〇佐藤匡平(KRAZY BEE KOSHIGAYA)[判定2-1] ※20-18 マスト赤、マスト青×半田朋也(GO Fighting Gym) [nextpage] ▼第5試合 KROSS×OVER PRO-MMA FEATHERWEIGHT(-65.8kg)FIGHT5分2R〇中條嵐士(リバーサルジム茅ヶ崎グランドスラムK.R.E.W.)[判定3-0] ※20-18 マスト赤×2×岡田優真(BRAVE) [nextpage] ▼ポストリミナリーファイト第4試合 KROSS×OVER MMA SクラスHEAVYWEIGHT FIGHT 3分2R×関澤寿和(ねわざワールド蓮田)[1R 0分24秒 TKO] ※パウンド〇菊地真登(リバーサルジム久喜WINGS) [nextpage] ▼ポストリミナリーファイト第3試合 KROSS×OVER MMA Sクラス-56.7kg FIGHT 3分2R×國武勝希(KRAZY BEE KOSHIGAYA)[1R 2分01秒 フロントチョーク]〇古屋優羽(CAVE MMA GYM) [nextpage] ▼ポストリミナリーファイト第2試合 KROSS×OVER MMA Sクラス-63kg FIGHT 3分2R×古澤友貴(パラエストラ綾瀬[1R 1分58秒 TKO] ※右ストレート〇安本恒輝(FACT MMA) [nextpage] ▼ポストリミナリーファイト第1試合 KROSS×OVER MMA Sクラス -61.2kg FIGHT 3分2R 〇寒天ゆうき(和術慧舟會HEARTS)[判定3-0]×松本恵太郎(K-Clann) 【中止】第4試合 KROSS×OVER PRO-MMA BANTAMWEIGHT(-61.2kg) FIGHT 5分2R ─杉田十威(KRAZY BEE KOSHIGAYA)─鈴木陽介(今成柔術)※杉田が計量失格の為、試合中止 [nextpage] KICKパート試合結果&レポート ▼第15試合 KICK PART メインイベントKROSS×OVER PRO-KICK -90kg FIGHT3分3R ×がやお(RTG)89.10kg[判定0-3] ※25-30×2, 26-29〇西坂竜彦(FACT MMA)89.60kg※3R、がやおはフックにてダウン×2。  1R、ジャブ、インローで丁寧に攻めたいがやおに対してパワフルなフックでケージに詰めるのは西坂。がやおはケージを回りながら右ロー、左右のミドルで試合を組み立てるも、西坂は常に下がらずパンチを振るっていく。両者共にクリーンヒットはない。  2R、開始からジャブ一発で下がらせるのは西坂。がやおは決して打ち合いに応じず丁寧にジャブ、ローからミドルを返していく。パワフルな攻防の中にも緊張感のある駆け引きが続く。  3R、前に出る西坂にワンツーを合わせるがやおの攻撃に一瞬動きが止まった西坂であるが、それでも強引に左フックで押し込むとがやおはケージにもたれ掛かってしまい、これがダウン宣告に。  そこまでダメージのないがやおはダウンポイントを取り返そうと反撃に出るが、そこに左右のフックを合わされ再びダウン。痛恨のダウン追加を許してしまったがやおが逆転を試み攻撃をまとめるもタイムアップ。ブラジリアン柔術黒帯を持つMMAファイターの西坂が、キックルールでも強さを見せつけた。 [nextpage] 熊谷麻理奈が小倉えりかに判定勝ち ▼第14試合 KICK PARTセミファイナル KROSS×OVER GIRLS MUAYTHAI-60kg FIGHT 2分3R〇熊谷麻理奈(BANG BANG GYM)[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×小倉えりか(MWS)  KICKパートのセミファイナル(第14試合)では、近年はDEEP JEWELSのMMAで活躍していたが、9月にラジャダムナンスタジアムでムエタイに復帰(判定勝ち)した熊谷麻理奈(BANG BANG GYM)が参戦。現役の中学校教師である“闘う女教師”小倉えりか(MWS)と-60kg契約ムエタイルール3分3Rで対戦する。  1R、両者共に様子見する素振りはなくワンツー、ミドルキックの応戦となる。大きなヒットはないが若干、熊谷の圧力が強めか。  2R、熊谷が圧力をかけワンツーで前進、ケージに押し込まれる小倉も首相撲で応戦、組む力では小倉も負けていない。ラウンド終盤になると小倉の左ミドルが的確にヒットする。  3R、開始からラッシュを仕掛ける熊谷にバックキック、蹴り足キャッチから右ストレートは小倉。徐々に小倉のパンチも当たり始めるが熊谷も強振パンチで潰しにかかる。両者一歩も退かない展開に両陣営の応援団からも大きな歓声が。  結果としては熊谷が力で押し切るも、小倉の健闘が印象的な一戦となった。 [nextpage] 白雪ゆきがテコンドー元日本代表の岩切に判定勝ち ▼第13試合 KROSS×OVER GIRLS KICKアトム級(-45kg) FIGHT 2分3R 〇白雪ゆき(クボジム)[判定3-0] ※30-27×3×岩切菜々美(POLARGYM MIYAZAKI)  第13試合ではネットで話題の白雪ゆき(クボジム)が、岩切菜々美(POLARGYM MIYAZAKI)とアトム級キックルール2分3Rで対戦。岩切は全日本テコンドー選手権準優勝(アジア選手権日本代表)の実績を持っており、白雪は「ずっとやりたかった異種格闘技戦。本当に嬉しいし、燃えてます」と、この試合を異種格闘技戦と捉えている。  1R、パンチで前進する白雪に岩切はバックキック、ミドルと返すが白雪の突進に飲まれるかたちに。何度も右ストレートをヒットさせた白雪のペース。  2R、ワンツーで攻め込む白雪に岩切もローキックで削りにかかる。しかし、このラウンドも白雪の猛攻は止まらず、岩切が押し込まれる展開。  3R、岩切も必死で手数を増やし巻き返しを図る。しかしそれでも打たれ強い白雪には全く効いておらず、白雪はそのまま攻撃を出し続ける。  そのまま試合終了となり、試合全体を通してペースを握り続けた白雪が判定で勝利を挙げた。 [nextpage] アマチュア王者・鈴らんがプロデビューで判定勝ち ▼第12試合 KROSS×OVER PRO GIRLS-KICK -47kg FIGHT 2分3R〇鈴らん(PHOENIX)[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×町屋杏(Bushi-Doo 武士道)  鈴らんはアマチュアで数々のベルトを獲得、今回がプロデビュー戦となる。対する町屋は中学生にしてプロデビューし、実力を付けてきた。  1R、サウスポーの鈴は半身からサイドキック、左ストレートが鋭い。町屋も正面から前進するも距離が合わなくブレイクとなる場面が目立つ。  2R、距離を掴んだ鈴はミドル、ロー、前蹴りと巧みに蹴り分ける。被弾しながらもチャンスを狙う町屋は圧力をかけながらパンチを振るっていく。  3R、玉砕覚悟で突っ込む町屋に対し、鈴の顔面へのサイドキックが何度もヒットする。結果として最後まで全くペースを崩さない鈴が完封するかたちに。 [nextpage] 左禅丸がOFGムエタイで判定勝ち ▼第11試合 KROSS×OVER OPEN-FINGER MUAYTHAI -75kg FIGHT 3分3R〇左禅丸(セリガラセニベラ)[判定3-0] ※29-28, 30-27×2×ふみFJ KICK ASS(FJ KICK ASS)  巌流島で活躍し、現IMAPCT王者の左禅丸が参戦。相手はTRIDENT FC代表・FJ KICK ASS会長のふみFJ KICK ASS。危険極まりないオープンフィンガームエタイルールで激突。  24年11月には小田島を1RKOで沈めているふみFJ KICK ASSだが左禅丸も他団体王者なだけに負けられない一戦となる。どちらかが倒すか、倒されるかの瞬き禁止の一戦だ。  1R、サウスポーの禅丸がけん制のロー、ふみも圧力をかけながらインローを返す。禅丸からパンチを振って仕掛けるが距離を外されお互いにヒットはない。  2R、正面から前進するふみに右フック→左ストレートを中心に攻めるのは禅丸。サウスポーの禅丸にあと一歩を詰められないふみは三日月蹴り、これが効いたか禅丸の表情が苦しくなる。  3R、開始から禅丸の左ストレート、ボディパンチがヒット。打たれ強いふみは気にせず前進を続けるも手数が出ない。両者共にビックヒットはなかったが、レフェリーは若干手数とパンチの正確さで上回った禅丸の手を挙げた。 [nextpage] ▼第10試合 KROSS×OVER PRO-KICK -61kg FIGHT 3分3R×野川寛人(フリー)[3R 1分22秒 TKO] ※右ハイキック〇倉本皐聖(BANG BANG GYM) [nextpage] ▼第9試合 KROSS×OVER PRO-KICK HEAVYWEIGHT FIGHT 3分3R×まほろ(北斗會中平道場)[1R 1分40秒 KO] ※右フック〇太樹(レンジャージム)※まほろはパンチ連打にてダウン×2あり [nextpage] ▼第8試合 KROSS×OVER PRO-KICK-56kg FIGHT3分3R-森本直哉(フリー)[保留] ※-戦う田舎の不動産屋(一級建築士事務所JTM商事)※2Rの森本の反則により試合中断、結果は主催者預かりにて保留となる。※不動産屋は1R、右ストレートにてダウンあり。ホールディングにより減点2あり。 [nextpage] ▼第7試合 KROSS×OVER MUAY THAI Sクラス-59kg FIGHT 3分2R〇奥山貴正(team TMSK)[2R 2分00秒 KO]×CHIHIRO(team chihiro)※パンチ連打でダウン×2 [nextpage] ▼第6試合 KROSS×OVER KICK スーパーファイト4大決戦KROSS×OVER KICK Sクラス -55kg FIGHT 3分2R×三橋暖希(士道館ひばりヶ丘道場)[判定1-2]〇谷田貝海吏(CYCLONE GYM) [nextpage] ▼第5試合 KROSS×OVER KICK スーパーファイト4大決戦JUNIOR-KICK -50kg FIGHT 2分2R〇宮西琉聖(K-1ジムウルフ)×保田飛夢(team AKATSUKI)判定3-0 ※保田は蹴り足キャッチからの攻撃にて減点1 [nextpage] ▼第4試合 KROSS×OVER KICK スーパーファイト4大決戦JUNIOR-KICK -45kg FIGHT 2分2R×三橋暖心(士道館ひばりヶ丘道場)[判定0-3]〇糸永壮次朗(D-BLAZE) [nextpage] ▼第3試合 KROSS×OVER KICK スーパーファイト4大決戦JUNIOR-KICK -33kg FIGHT 2分2R〇松川侑空(K-1ジムウルフ)[判定3-0]×姉帯礼恩(CYCLONE GYM) [nextpage] ▼第2試合 KROSS×OVER KICK Sクラス-65kg FIGHT3分2R×能戸克浩(TSKjapan)[判定1-2]〇目時大翔(Battle Field) [nextpage] ▼第1試合 KROSS×OVER KICK Sクラス-53kg FIGHT 3分2R〇落合靖将(モテるジム)[判定3-0]×中村貞士(K-1 ジム五反田)※中村はホールディングによる減点1あり
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