(C)SUSTAIN / SUSUMU NAGAO
2025年11月22日(土)大阪・ゴリラホールにて『プロフェッショナル修斗公式戦 2025 Vol.10』が開催された(ツイキャスアーカイブ配信あり)。photo by SUSTAIN / SUSUMU NAGAO
野生味あふれるファイトスタイル、破天荒なキャラクターで日本のみならず世界のMMAファンを楽しませてきた“浪速のノーティボーイ”石原“夜叉坊”暉仁(Team Alpha male Japan)がバンタム級でリスタート。6戦無敗の宮口龍鳳(総合格闘技道場コブラ会)と対戦する。
修斗でキャリアを歩み始めた夜叉坊は、2015年に行われた『Road to UFC: Japan』でUFCとの契約を勝ち取るとUFC3勝5敗1分でリリース。その後、北米の様々な団体で活躍し、2024年12月の修斗大阪大会で、10年7カ月振りに地元凱旋。3連勝中だった轟轟に50秒、KO勝ち。25年5月の前戦では、24歳の青井太一と対戦。一進一退の攻防の中、互いに打撃でプレッシャーをかけ続けた刹那、青井の左フックがヒット。何とか凌いだ夜叉坊だが、右フックを追撃されパウンドアウトで自身初のKO負けを喫した。34歳。今回のセミファイナルには元TAMジャパンの中村優作が出場、解説に田中路教、セコンドには川原波輝がつく。
その夜叉坊に対峙するのは、昨年度新人王の宮口龍鳳だ。宮口は現在6戦6勝6KOのパーフェクトレコードを誇るバンタム級次世代期待のトッププロスペクト。25年5月に野尻定由を1R KOに下すと、9月大会で“投神”倉本一真との一戦が決定していたが、倉本の怪我により中止に。しかし今回勝るとも劣らないビッグネーム石原“夜叉坊”暉仁との一戦が決定した。
27歳の宮口にとっては実力を示すまたとないビッグチャンスが訪れた。宮口龍鳳が新時代を切り開くか? 新たな階級でリスタートを切る石原“夜叉坊”暉仁がリバイバルするか? 修斗屈指の激戦区バンタム級サバイバルマッチだ。
▼メインイベント 第13試合 バンタム級 5分3R
×石原“夜叉坊”暉仁(Team Alpha male Japan)14勝13敗3分 60.7kg
[判定 0-3] ※26-29×2, 27-28
〇宮口龍鳳(総合格闘技道場コブラ会)6勝0敗 61.2kg
レフェリー 片岡誠人
ジャッジ
鍋久保雄太26-29 (1R 9-10/2R 8-10/3R 9-10)
安芸佳孝27-28 (1R 9-10/2R 8-10/3R 10-9)
豊島孝尚26-29 (1R 9-10/2R 8-10/3R 9-10)
*青:宮口が3Rグランド状態での顔面へのキックで減点1
1R、サウスポーで広いスタンスの石原は低い手の位置で構え、オーソドックスで空手ベースの宮口は胸の位置で悠然と手を構える。互いに慎重な出だしから宮口が右ロー。続く右ミドルを石原はさばく。右インローを当てた宮口。石原の左ミドルをかわす。右ジャブを突く石原。
宮口は右ハイ! 左ガードを超えてテンプルに被弾した石原がダウン、すぐにシングルレッグで立とうとするがパウンド、スプロールする宮口はアナコンダチョークで回すが、仰向けから亀に戻した石原は頭を抜いて左で差して立ち上がり。そこに左ヒザを突く宮口が浴びせ倒して上に。さらにがぶり、立ち際に胸にヒザ蹴り。
潜りから左足を手繰りディープハーフの石原に左ヒジを突く宮口。頭を抜く石原が座ると胸にヒザ。足を手繰ろうとする石原をがぶる。石原は頭部から出血も立ち上がる。離れ際に左を当てた石原だが、見ていた宮口はすぐに右を打ち返し。ダックしてかわしてダブルレッグの石原を浴びせ倒した宮口ががぶりからバック狙いもサイドバックを抜けた石原が立ち上がり、左を振って前に。
石原の左頭部からの出血にドクターチェック。残り40秒で再開。
宮口は右前蹴り。かわした石原に右三日月蹴り。石原は右外足に出てジャブ。さらに右前蹴りの宮口は2発目を届かせる。宮口の右ハイをスウェイでかわした石原が左ストレートを当てるが近い距離の打ち合いで、ここも石原がバランスを崩して片ヒザをマットに着くが、すぐに立ち上がり右フックを当てて右で差して崩しも、上になるのは宮口。石原は亀でホーン。
2R、身体ごと左を振って前に出る石原だが、前のめりになりつんのめる。追って右三日月蹴りの宮口の蹴り足を掴む石原は、軸足を払ってテイクダウン。左で差してパス狙いの石原に宮口は右小手から右足を内股から外に回してスイープ狙いもすぐに正面についていく石原は腰を抱く。宮口はケージまで這って座ってから右小手で立ち上がり、突き放す。
遠間から右インローを届かせる宮口。さらに前蹴り。蹴られた石原は、左フックで前進も、そこに右ヒザを合わせる宮口。右三日月蹴りを突いて前に出る宮口と、左の相打ち。しかし続く左フックに宮口のワンツーがヒット! さらに右で追う宮口に、右に回る石原。
前に出る宮口に右を突く石原だが、宮口は右ヒザ。さらに首相撲にとらえて左右ヒザ! 放して右を突く。ケージを背負う石原、互いに右をかわして石原は左ミドル。その打ち終わりに右ストレートを当てる宮口。ここでも行きすぎず、石原のカウンターを見ながら、腹に右三日月蹴り。さらに右ヒザ。三日月蹴り。続くヒザにダブルレッグに入って回してテイクダウンも、頭を押して切ってトップは宮口!
ディープハーフの石原をヒジではがす宮口は左ヒジ! さらに右のパウンドに頭がマットに着き始めた石原、亀になり足を手繰りに、中腰になって叩く宮口、がぶりからアナコンダチョークも下に。解いた宮口が上になってパウンドでホーン。宮口がニアフィニッシュを獲った2Rに。石原は正座してゆっくり立ち上がる。
3R、宮口は右ハイから。これはさばいた石原に前蹴り、右インローでじりじり前に。右三日月を蹴る宮口。さらに右のブラジリアンキック。これは避けた石原に、宮口は右から左の逆ワンツーでダウンを奪う!
足を手繰る石原をがぶり上に。左で差す石原に右小手で左のパウンドの宮口。がぶりに変えてダースを狙いからサイドバック、リアネイキドチョーク狙いで引き込みもトップ狙いに変更。その際で右手を頭に回した石原は頭を付けて左を腰に回してレスリングで押し込み、互いに首を抜いて立ち上がり。
しかしここもバランスを崩した石原。立ち際に左右パウンド、ボディヒザを突く宮口。立ち上がる石原に首相撲ヒザも、グラウンドヒザで「減点1」に。
スタンドで再開。右インローを当てる宮口に、石原は右前手を伸ばしてのサイドステップ気味に足を引き寄せ、右足を外に踏み込み、左ストレート! 左を打ちに行っていた宮口はカウンターで被弾し、ダウン!
すぐに立つ宮口に首相撲ヒザの石原。残り50秒。左を振る石原に右に回る宮口も右を返すと、右三日月蹴り。しかし千載一遇のチャンスに石原は左で前に。しかし、力に欠ける。そこに右ヒザを合わせる宮口。さらに右前蹴り。
石原の入りに前手の左フックを当てる宮口! 足が泳ぐ石原の左は空振りに。さらに左から右ボディで前に出る宮口は右三日月蹴り。下がる石原。宮口の前蹴りを掴んで左を振るが受ける宮口は右から左、さらに右!
片ヒザをマットに着いた石原にさらに右! ケージに手を当てて戻った石原に右で詰める宮口、石原の目はまだ生きている。しかし、左フックを浴びて崩れて後退。「来い」と手招きした宮口は右ハイ! ふらつきながらも倒れない石原にさらに宮口が右ハイを打ってホーン。
石原が差し出した右手に宮口も右手を握り、ハグ。
ニアフィニッシュのピンチから最終回にダウンを奪い返した石原、そこから再度追い込んだ宮口。判定は3-0(29-26×2, 28-27 ※宮口に減点1)で宮口が勝利し咆哮。デビュー以来の連勝を「7」に伸ばした。
試合後、マイクを持った宮口は「総合格闘技道場コブラ会の宮口龍鳳です。夜叉坊さんありがとうございます。総合格闘技始める前からずっと見ていて好きな選手なので、戦えて嬉しかったです。これから練習とかお願いします。自分、UFC目指しているんで、とりあえずそこに行けるよう頑張ります」と語った(※修斗大阪大会リポート・前篇)。


















